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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者-52b

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 ふい、と顔をそらした佳奈美
 その佳奈美に、Hはそっと、手を伸ばし

「----にゃっ!?」

 ぽふん、と
 優しく、その体を抱きしめた
 突然の事に、佳奈美はきょとんとして

「…え、ええええ、Hさん!?」

 ぼしゅう!!
 己の状態を理解し、頬を赤らめる

「……悪かった」
「え」
「もう少し早く、悪魔の囁きの検査に来ていれば、あぁはならなかった」

 分身が悪魔の囁きに憑かれたと、もっと早くわかっていれば
 佳奈美が、鏡の世界に閉じ込められる事もなかった
 佳奈美が閉じ込められてすぐ、状況を把握できたから、良かったものを
 そうじゃなければ…どうなっていたか、わからない


 約束、したと言うのに
 その約束を護れぬところだった


「え、ぁ、そ、その…だ、大丈夫だよ、結局、何とかなったんだし」

 あぅあぅと
 うまく、言葉をつむぎだせずに…それでも、何とかそうHに告げた佳奈美
 その佳奈美を、Hは真正面からじっと見詰め…

 そして、告げる

「…解除してもいいだぞ?」
「にゃ?」
「合わせ鏡の、契約を。そうすれば、もう今回のような経験することもないだろ…それに」

 都市伝説と契約し、都市伝説契約者でいる限り
 自然と、都市伝説同士は引かれ合い、必ず遭遇してしまうから

「…都市伝説に襲われる事も、少なくなるだろ。学校町って場所だから、0になるとは言い切れないが」
「え、でも…そうなると」
「まぁ、「組織」のことやら何やらは、忘れてもらう事になるけどな」

 …記憶消去装置は、銃と違って、いつでも持ち歩いている
 もし、ここで、佳奈美が合わせ鏡との契約を解除して
 都市伝説契約者であると言う立場を、放棄するならば…自分は、佳奈美から、都市伝説やら「組織」やらの記憶を、消去するだけだ
 ……己の事を、含めて

「どうする?」

 じ、と佳奈美を見つめ続け、尋ねる
 佳奈美は、Hをじっと、見つめ返して…

 ……そして、やんわりと笑みを浮かべて、答えた

「…ううん、解除しないよ」
「いいのか?」
「うん。そりゃあ、その。使い道なさそうなどころか、今回みたいな目にあったり、毎回分身にからかわれてばっかりだけどさ…」

 でも、と
 かつてあった出来事を思い出したように、佳奈美は続ける

「契約していたから、私はHさんや、歌手のおねーさんと知り合えたから」

 もし、都市伝説契約者では、なかったら
 きっと、出会う事はなかっただろうから、と

「契約、していたから……秋祭りの時、ちょっとだけかもしれないけど。誰かの役に、たてたから」

 Hや、Dが教えてくれた
 合わせ鏡の力のお陰で、「鮫島事件」の発動を阻止する事ができた、と

「どれもこれも、契約していなかったら…私は、関わる事ができなかったから」

 それに、と
 佳奈美は、Hに笑って見せた

「都市伝説とか「組織」のこと、忘れなきゃ駄目なんでしょ?…Hさんとか、歌手のおねーさんの事も」
「…そうだな」
「それは、嫌だから」

 だから

「契約したままで、いいの……その、もしかしたら、またHさんに迷惑、かけちゃうかもしれないけど…」
「……そうか」

 抱きしめたままの、その佳奈美の頭を
 Hは、酷く優しく撫でた

「お前がそう決めたなら、それでいいさ。俺が口出しする問題じゃない」


 佳奈美が決めたのならば
 自分は、ただ、護るだけだ
 約束を、護る為に


 タダ、ソレダケノタメニ?


「とりあえず、何かあったら、すぐ連絡するようにな?」
「うん。わかった……その、ありがとう」

 ぽしゅ、と
 抱きしめられたままの体勢のままか、佳奈美はまた、ほんのりと頬を赤らめてきて
 その様子を見て、Hは笑い……しゅるり
 一瞬、髪を伸ばした



 ---己の中で動いた感情から、目をそらして








 あなたの心を縛る鎖を絡めた人は
 きっと、もうこの世にはいないのでしょう

 その人だけが解ける鎖は
 もう、二度と解けぬままなのでしょう


 もし
 もし、解ける人がいたとしても
 それは、私ではないのです




                    aika harukaze


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