ドクター53
銀糸のような艶のあるストレートの銀髪
つぶらな愛らしい碧眼
桜色の濡れた唇
やや小柄な体格ながらも細くすらりと伸びた手足
きめの細かい艶の白い肌
胸の大きさは体格にしては大きめでDからEといったところだろうか
高校の制服を着ている事もあり、見た目の年齢は15~6といった感じだ
「どうだね」
「どうだねって言われてもな……可愛いは可愛いが、俺の好みじゃない」
満面の笑顔のドクターに、何故か赤くなってぷるぷる震えている美少女に唐突に引き合わせられて首を傾げる辰也
手元ではメアリーの淹れてくれたコーヒーが温かい湯気を立てている
「ていうか突然俺を呼び出したかと思えば何だってんだ」
「『悪魔の囁き』という都市伝説は知っているかね?」
「そりゃ知ってるとも。仲間がそいつのせいで酷い目に遭ってたんだからな」
その言葉に、少女はびくんと身を竦ませる
「……まさか、『悪魔の囁き』の契約者とか言うんじゃないだろうな?」
「惜しい」
ドクターは実に愉快そうにくっくと喉を鳴らせて笑う
「『悪魔の囁き』そのものだよ、この子は。まあばら撒かれた個体の一つでしかないがね」
「………………は?」
「先日、ミツキに『悪魔の囁き』の卵が憑いているのを見つけてな。捕獲ついでにボクの研究成果を試させてもらったのさ」
「つまり……都市伝説の人間化という技術が完成したわけか」
「そういう事だ。ちなみに外見に関しては見知った人間をベースにすると迷惑かもしれないので、十年ばかり前のボクをベースにしてある」
「これからどうやればお前みたいなクリーチャーに成長するのか本気で不思議に思うぞ」
「クリーチャーとは失礼な。ボディラインには自信があるんだぞこれでも」
「外見の事じゃねぇ」
「ともあれ良い仕上がりだろう? 非人間型の都市伝説でもこの通りだ」
「ううう、うるさいうるさいうるさいー」
名前の通り囁くようなか細い声を上げながら、ドクターをぽかぽか叩く『悪魔の囁き』
「もーどーせー、あくまにもーどーせー」
「くくく、普通の女の子の攻撃など痛くも痒くもなく、むしろ気持ち良いな?」
「うー……」
「一言囁くだけで他人を思い通りに動かしてきた我侭お嬢様……サディスト趣味は無いのだが、実にそそられると思わんかね?」
その言葉に、涙を浮かべてびくんと身を竦ませる『悪魔の囁き』を見て、辰也は呆れた顔で溜息を吐く
「こんなの相手にあちこちで騒動起こされてるのかよ、この町は」
「元がタチの悪い能力なだけに、それが使えなくなっただけで心細くなってしまうわけだよ」
「こ、こころぼそくなんかないぞー、ほんとだぞー……はうっ!?」
ぐいぐいと袖を引っ張るのが鬱陶しいと辰也が腕を上げると、殴られるとでも思ったのか頭を抱えて丸くなる『悪魔の囁き』
「ちなみに身体を調べるのにも時間は掛かるし、個人に合わせて儀式に使う薬品などの調合もしなければいけない。四六時中好き放題調べられたこの子ですら、それなりに時間が掛かったしな。彼の処置には早目に取り掛かりたいところだ」
「ともあれ、やっと実績が出来たわけか」
「彼を説得するには、もう1~2例は実績が欲しいがね」
「あいつは適当に見えて頑固だからな……黒服としての力もまだ捨てる気は無いだろ」
「ボクの見立てではあと半年。それはあくまで無茶をせずに過ごした場合だ。あの薬を使い続けたり、賢者の石のエネルギーで無理矢理身体を維持したりすれば、いくらでも状況は悪化するぞ」
「俺だってそれぐらいは判る。早めになんとかするよう説得はしてみる」
コーヒーをくいと飲み干して、辰也は椅子から立ち上がる
「黒服の心配もいいが、彼女もいずれ連れてきたまえ。都市伝説を二つも抱えた上に、元々強くは無い身体は本来の性別ではないのだ」
「あいつも頑固なんだよ……身体は大丈夫だって言って聞きやしねぇ。俺の周りはそんな奴ばっかりだよ」
「苦労するな、君も」
「別にこれぐらいは苦労のうちに入らねぇよ」
片手を振って仮設診療所から出ていく辰也
それを見送り、ドクターはふむと一人微妙な表情を浮かべる
「いまいちインパクトが足りなかったか。反応は薄かったな」
「わたしはびっくりばこかなんかかー」
ぽかぽかと叩かれながらも、昔の自分そっくりの少女を抱き寄せるドクター
「まあそう突っかかるな。これからの君はボクが妹という事で面倒を見る事になっているんだ」
「な、なんだってー」
「人間社会で生活をしてみるといい。ただ人を唆すよりずっと楽しいと思うぞ?」
「たのしいもんかー、もとにもどせー」
抱き締め頭を撫で回されながら、『悪魔の囁き』だった少女は囁くような自己主張を黙殺され続けるのであった
つぶらな愛らしい碧眼
桜色の濡れた唇
やや小柄な体格ながらも細くすらりと伸びた手足
きめの細かい艶の白い肌
胸の大きさは体格にしては大きめでDからEといったところだろうか
高校の制服を着ている事もあり、見た目の年齢は15~6といった感じだ
「どうだね」
「どうだねって言われてもな……可愛いは可愛いが、俺の好みじゃない」
満面の笑顔のドクターに、何故か赤くなってぷるぷる震えている美少女に唐突に引き合わせられて首を傾げる辰也
手元ではメアリーの淹れてくれたコーヒーが温かい湯気を立てている
「ていうか突然俺を呼び出したかと思えば何だってんだ」
「『悪魔の囁き』という都市伝説は知っているかね?」
「そりゃ知ってるとも。仲間がそいつのせいで酷い目に遭ってたんだからな」
その言葉に、少女はびくんと身を竦ませる
「……まさか、『悪魔の囁き』の契約者とか言うんじゃないだろうな?」
「惜しい」
ドクターは実に愉快そうにくっくと喉を鳴らせて笑う
「『悪魔の囁き』そのものだよ、この子は。まあばら撒かれた個体の一つでしかないがね」
「………………は?」
「先日、ミツキに『悪魔の囁き』の卵が憑いているのを見つけてな。捕獲ついでにボクの研究成果を試させてもらったのさ」
「つまり……都市伝説の人間化という技術が完成したわけか」
「そういう事だ。ちなみに外見に関しては見知った人間をベースにすると迷惑かもしれないので、十年ばかり前のボクをベースにしてある」
「これからどうやればお前みたいなクリーチャーに成長するのか本気で不思議に思うぞ」
「クリーチャーとは失礼な。ボディラインには自信があるんだぞこれでも」
「外見の事じゃねぇ」
「ともあれ良い仕上がりだろう? 非人間型の都市伝説でもこの通りだ」
「ううう、うるさいうるさいうるさいー」
名前の通り囁くようなか細い声を上げながら、ドクターをぽかぽか叩く『悪魔の囁き』
「もーどーせー、あくまにもーどーせー」
「くくく、普通の女の子の攻撃など痛くも痒くもなく、むしろ気持ち良いな?」
「うー……」
「一言囁くだけで他人を思い通りに動かしてきた我侭お嬢様……サディスト趣味は無いのだが、実にそそられると思わんかね?」
その言葉に、涙を浮かべてびくんと身を竦ませる『悪魔の囁き』を見て、辰也は呆れた顔で溜息を吐く
「こんなの相手にあちこちで騒動起こされてるのかよ、この町は」
「元がタチの悪い能力なだけに、それが使えなくなっただけで心細くなってしまうわけだよ」
「こ、こころぼそくなんかないぞー、ほんとだぞー……はうっ!?」
ぐいぐいと袖を引っ張るのが鬱陶しいと辰也が腕を上げると、殴られるとでも思ったのか頭を抱えて丸くなる『悪魔の囁き』
「ちなみに身体を調べるのにも時間は掛かるし、個人に合わせて儀式に使う薬品などの調合もしなければいけない。四六時中好き放題調べられたこの子ですら、それなりに時間が掛かったしな。彼の処置には早目に取り掛かりたいところだ」
「ともあれ、やっと実績が出来たわけか」
「彼を説得するには、もう1~2例は実績が欲しいがね」
「あいつは適当に見えて頑固だからな……黒服としての力もまだ捨てる気は無いだろ」
「ボクの見立てではあと半年。それはあくまで無茶をせずに過ごした場合だ。あの薬を使い続けたり、賢者の石のエネルギーで無理矢理身体を維持したりすれば、いくらでも状況は悪化するぞ」
「俺だってそれぐらいは判る。早めになんとかするよう説得はしてみる」
コーヒーをくいと飲み干して、辰也は椅子から立ち上がる
「黒服の心配もいいが、彼女もいずれ連れてきたまえ。都市伝説を二つも抱えた上に、元々強くは無い身体は本来の性別ではないのだ」
「あいつも頑固なんだよ……身体は大丈夫だって言って聞きやしねぇ。俺の周りはそんな奴ばっかりだよ」
「苦労するな、君も」
「別にこれぐらいは苦労のうちに入らねぇよ」
片手を振って仮設診療所から出ていく辰也
それを見送り、ドクターはふむと一人微妙な表情を浮かべる
「いまいちインパクトが足りなかったか。反応は薄かったな」
「わたしはびっくりばこかなんかかー」
ぽかぽかと叩かれながらも、昔の自分そっくりの少女を抱き寄せるドクター
「まあそう突っかかるな。これからの君はボクが妹という事で面倒を見る事になっているんだ」
「な、なんだってー」
「人間社会で生活をしてみるといい。ただ人を唆すよりずっと楽しいと思うぞ?」
「たのしいもんかー、もとにもどせー」
抱き締め頭を撫で回されながら、『悪魔の囁き』だった少女は囁くような自己主張を黙殺され続けるのであった