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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 喫茶ルーモア・隻腕のカシマ-51b

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rumor

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だれでも歓迎! 編集

喫茶ルーモア・隻腕のカシマ


相談者


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着物がはだけ、胸元が露になり

ほどけた長い黒髪は、扇の様に広がり布団の上で艶めいている

若い女だ

濡れた瞳が扇情的に揺れる

「お願いです……後生ですからっ……」

聞いているこちらが切なくなる様な、すがり付く様な哀願

「すまないが……キミの願いを叶える事はできかねる」

女の上に跨る様にして、両肩を押さえつけながら男が言う

「お願いですから……おねがい、です……から……」

涙が頬を伝い、滑る様に落ち、布団を濡らす

「……すまない」

その男の顔は───

=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=


*



"くっ……っ……はぁ……はぁ……"

かかっていた毛布を跳ね除ける様にして起き上がる

"なんだ?今のは?!……夢?!……いや、あれは……ワタシの……記憶なのか?"

汗が首筋を濡らし、不快な感覚が全身に広がる

"一体……いつの?……どこで?"

抑えきれない焦燥感が心を絡めとっていく

"アレは……あの女性は……誰だ?"

カシマは記憶の糸を手繰る

"ワタシは……ワタシは何をしていた?"

だが、在るべきはずの記憶が……過去が……思い出せない



"ワタシは……一体……誰だ?"



*



「おい、お前さぁ……ちょっと聞いてくれよぉ、ついこのあいだの話なんだけどよぉ」

輪は唐突に話し掛けてきた馬鹿の馬鹿そうな話し方に
きっと馬鹿な内容の話なのだろうと、心の中で溜息を吐きながら応じる

「何、ボクサーさん……稽古中なんだから、くだらない話なら後にしてよ」

以前は朝から昼過ぎ、もしくは夕方まで稽古をしていたが
ルーモアの営業を再開することになり、稽古は早朝だけ行うことになっていた
そして、いつの間にか……
カシマさんとの朝稽古にボクサーも来る様になっていたのである

「お前さぁ、俺の話はくだらないって決め付けてるだろぉ」
「うん」
「たはぁあぁぁぁぁぁ、これだよっ!真剣に悩んでるのにこれだよっ!!」
「真剣に……ねぇ……」
「これだから子供は……カシマさんならちゃんと聞いてくれるんだけどなぁ」
「そうだね、カシマさんも大変だね」
「カシマさんはなぁ、俺のボケにもちゃんとツッコんでくれるんだぞっ!」
「それはね、ボクサーさんの間違いを正しているだけでしょ」
「……お前、冷たい」
「それとね、今日はカシマさん、寝過ごしたとかで遅れて来るって連絡あったよ」
「……」
「珍しいよね、カシマさんが寝過ごして稽古に遅れるなんて初めてだし」
「……俺、悲しい」
「……」
「……」
「はぁ……わかったよ、ボクが聞くよ、聞きます、是非、話してください」
「おぅ!そんでなっ!この前なっ!」
「立ち直り早ッ!」

*



ボクサーが新しいトレーニンングウェアを買いに行った時のことだ

サチがいた、偶然会えたのが嬉しくなって
いや、もうこれは運命だなぁ……ほら、アレだ……この町って
惹かれ合う二人は必ず出逢えるっていうかだな……何かあるだろ?そういう不思議なこと
まぁ、そんな事をだな……思いながら声を掛けようとしたら
黒いスーツをきっちり着たイケメン(綺麗な顔だったのは認める)が来て
サチに声を掛けやがったんだよぉ
そしたら、普通に二言三言の挨拶交わして一緒に歩き出しやがったんだよぉ
いやもう気になってさぁ、お前も気になるだろぉ?仕方ないよなぁ
まぁ、俺もストーカーとかそういうのはダメだって思ってる
で、後をつけるとかはしないでだな
俺も買い物の続きをだな
そしたら偶然にもだ、同じフロアにサチ達も買い物に来ていてだな
え?……だから違うって、偶然だ、いや、運命か
ああ、それでな
何件か服のショップ見てまわって、ランジェリーショップに入ったんで
これは!と思ってだな、俺も何故か隣にあったエロ下着屋に入ってだな
そしたら話し声が聞こえてきてだな
うんまぁ、俺は下着自体には興味ないんだ
え?……これはホントにな、大体だな、サチに余計な飾りはいらねぇのさ
何を身に着けていようが、中身は何も変わらねぇ……
だってよ、どうせ脱がせば一緒だろ?
ん?……なんだ?一瞬見直しかけたけど、やっぱ違った?
お前も色々ツッコミが大変だな
途中、エロ下着の説明を受けつつだな
ここにスリットが入っていて、下着付けたまま出来るぅぇっ!!
痛っ?!!舌噛んだぞっ!!
何すんだっ!このガキっ!!……って何だっけ
どこまで話したっけ……ああ、そうな、サチ達の下着選んでる時の会話な

*



池面「これは……下着としての意味があるのですか?」

サチ「ぇぇ……まぁ……透けてますけど……一応は」

池面「今回の目的としては……アリでしょうか」

サチ「ぇぇとですね……まぁその、最終的には好みの問題だとは思いますね」

池面「確かに……ですが、防御力がかなり低そうな感じがします」

サチ「ぼ、防御力、ですか……確かに、そう、ですね……でも……」

池面「でも?」

サチ「ある意味……こ、攻撃力は相当なものかと……」

池面「なるほど……確かに攻撃力は高そうです」

サチ「やっぱり、その……あっちの方のものにしませんか?」

池面「こういうランジェリー、サチは嫌いなのですか?」

サチ「ぇぇと……わたしにはまだ経験がありませんので、何とも……」

池面「そうですか……分かりました、あちらの方が無難そうですね」

サチ「色はどうしますか?わたしはパステル系が好きなんですが」

池面「好きな色ですか?……やはり、黒でしょうか」

サチ「黒……ですか……まぁ、そうですよね……ぅ~ん……どうかなぁ」

池面「……何色が好きでしょうか……ああ、そう……私は純白も好きですね」

サチ「そうですか……うん、白なら間違いありません」

池面「白は……この辺りですか……たくさんありますね」

サチ「これなんてどうでしょうか?レース使いも綺麗で、尚且つ清楚です」

池面「確かに清楚さを演出してくれそうですね」

サチ「これなら防御力も高そうですよ!」

池面「攻撃力はどうでしょうか?」

サチ「かなりのものかと……恐らく、これは聖属性……聖属性には弱いと思います!」

池面「なるほど……では、先ほどまで見ていたのは闇属性だったというわけですね?」

サチ「はいッ!闇属性の場合、相性が悪い可能性もありますから」

池面「流石ですサチ、素晴らしい解説ですね」

サチ「恐れ入ります……わたしも解説役としての責務を果たせて良かったです」

池面「これに決めました、これを買いましょう!」

サチ「良い買い物だと思います!……ってアレ?何かおかしい?かも?」

*



「っていう話なんだけどよぉ……なぁ、これってどう思う?」
「……なにそのコピペから、男が実はボーイッシュな女の子でしたという萌え要素を抜いちゃった様な話」

頭痛をこらえる様に顔をしかめながら、こめかみに指を添える

「……っていうかカシマさんにこの話をしようとしてたの?」
「え?……ダメだった?」
「駄目じゃないけど、困るんじゃないかな……」
「そうか……そうかもなぁ」
「あと、声色マネてるつもりかもしれないけど……」
「あ、やっぱ似てなかった?」
「似てない……でも問題はそこじゃない」
「何だよ、どこが問題なんだよぉ?」
「もの凄く……とてつもなく……これ以上ないほどに……キモイ」
「な!!……キモイ?!……いや、そうだよな……キモかったよな、スマン」
「いや……判ってくれればいいんだ、判ってくれればさ……」
「お前に話しといて良かった……また、話聞いてくれよな……」
「全力でお断りします!!……で、話を戻すけど……この話のどこを悩んでるのさ」
「おぅ?!……っと、中々イイ仕切りだな、やるじゃんお前!」
「はいはい、どうも、話、続けて」
「最初はサチに男が出来たのかと思って焦ったんだけどよぉ」
「ん~、それは無いと思うよ」
「だよな、やっぱお前もそう思うよなぁ……ということは、だ」
「下着選びの相談みたいに聞こえるよね」
「だよな……じゃあアレか、あのイケメンが女性モノの下着つけるのか?」
「う~ん、そう感じるんだけど……いま流行の男の娘ってことかな?」
「男の娘?……乙男とは違うのか?」
「オトメンとはちょっと違うかな?……でも、女の子みたいな要素のある男っていうカテゴリーとしては同じかも」
「ややこしいなぁ」
「男性目線が男の娘、女性目線が乙男……かな?よくは知らないけど」
「難しいなぁ……正直、意味がわからん」
「まぁそれは置いといて、話を戻すけどね……スーツ着てるし女装趣味では無い様な」
「お前ホント、話の筋の修正うまいな……で、どう考える?」
「妹の下着を買う相談とか……どうかな?」
「何だと?!じゃあ、母ちゃんが死んじまって父と兄が、幼い妹を一生懸命育てています的な?!」
「……そこまでは言ってないよ」
「幼かった妹のつぼみの様だった胸が花開き始めました、どうしたら良いですか?的な?!」
「あの、ちょっと……」
「あのイケメン、スーツ着て、金髪で、ホストか何かやってる様なヤツだと思ったのに!!」
「ボクサーさん?」
「うぉおぉぉぉぉぉ!イイハナシダナー!!」
「いや、だからね……ボクサーさん?話聞いてる?」

*



「駄目だ、話を修正できない……でも、なんかこういう展開、前にもあった様な……」

下着選び、サチ、黒いスーツで金髪のホスト、暴走するボクサー

「う~ん、記憶が……でも、下着は憶えが無い……服だったかな……」

服選び、サチ、黒いスーツで金髪のホスト、暴走するボクサー

「確か……サチは関係なかった様な……でも話し相手が暴走して……」

服選び、黒いスーツで金髪のホスト、暴走する話相手

「金髪で……男の……そうだ、あれは……」

服選び、男装の金髪、暴走する話相手

「ヒキコさんの時の……ジャック!!」

そういえば最近、ジャックはサチのことを気にしなくなっていた
カシマさんとの仲が進展した様な気もするし
誤解が解けて仲良くなったのかな……いや、でも……
うん、あり得るかも……
という事は、ジャックが自分で着る為の(勝負?)下着を買っていた、と
カシマさんが聖属性に弱くて、闇属性は好みではない可能性あり、か
なるほど、そういう事か……

さて、どうしよう……ボクサーに言うべきか……

「ボクサーさ~ん!」

あ、駄目っぽいな……興奮して、猛烈にシャドウしてるし、聞こえてなさそう

「おい!この馬鹿!!ボクの話を聞けぇえぇぇぇぇ!!!」

あ、やっぱり聞こえてないな

「この変態ストーカー野郎ぉおぉぉぉ!!でも、きらいじゃない!!ふしぎ!!」



自身の行いに、自身が呆れながらも
輪はただ、過ぎ行く時を楽しんでいた

愚かで微笑ましい日常
そしてそれは、いつまでも色あせずに輝き続ける記憶

大切なものとは、いつでも日常の中に隠されている
だが、それに気付ける者は少ない


*


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