喫茶ルーモア・隻腕のカシマ
演者
長い話しが終わり、感謝の言葉を受けると、副官は玄関へ向かう
「長居をしてしまったな」
「教えてくれてありがとう、副官さん」
「教えてくれてありがとう、副官さん」
輪もまた、自分の帰るべき場所へと向かう
「もう少し、話しを聞いても良い?」
「ああ、構わんよ……早く帰らねばならんので、歩きながらで良いならば」
「ありがとう」
「ああ、構わんよ……早く帰らねばならんので、歩きながらで良いならば」
「ありがとう」
ふたりは、ゆっくりと歩き出す
「ひとつ断っておく事がある……君を取り込む様に進言したのは私だ」
「そうなんだ」
「そうなんだ」
気にしていないといった体で輪
「私を恨まないのか?」
「害意ある都市伝説であれば、この国の平和の為に、その自由を奪い、役立ってもらうってことだよね?」
「ああ、そうだ」
「一石二鳥だね」
「そうだな……そうなると考えていた」
「もし、ボクがカシマさんと関係の無い、ただの都市伝説だったら計画を実行してた?」
「……恐らく、すぐにでも実行に移していただろうな」
「それは……嘘だよ……ボクとよく話してから実行するかを決めようとしたんじゃないかな?」
「……どうかな、私はカシマの様に甘くは無い」
「害意ある都市伝説であれば、この国の平和の為に、その自由を奪い、役立ってもらうってことだよね?」
「ああ、そうだ」
「一石二鳥だね」
「そうだな……そうなると考えていた」
「もし、ボクがカシマさんと関係の無い、ただの都市伝説だったら計画を実行してた?」
「……恐らく、すぐにでも実行に移していただろうな」
「それは……嘘だよ……ボクとよく話してから実行するかを決めようとしたんじゃないかな?」
「……どうかな、私はカシマの様に甘くは無い」
「だってさ……カシマさんが、弟さんを護ろうとした時……副官さんが反対したのって……
皆の意思をちゃんと確認する為だよね?……それでその後、カシマさんの志願に賛同したのは
自分が最初に賛同を示す事で、責任を被る為……悪役を買って出た……
前にもいたんだよ……悪役を……悪い魔法使いを演じていたヒトがね……だからかな……そう思ったんだ」
皆の意思をちゃんと確認する為だよね?……それでその後、カシマさんの志願に賛同したのは
自分が最初に賛同を示す事で、責任を被る為……悪役を買って出た……
前にもいたんだよ……悪役を……悪い魔法使いを演じていたヒトがね……だからかな……そう思ったんだ」
幼い外見に似合わぬほどに、寂しそうに、少年は言う
「それと……カシマさんが、必要とはいえ自分の過去を話していたこと……
副官さんを信頼していなければ、弟さんの為にしているってばれるような事を話せないよ
カシマさんって嘘はつけないけど、沈黙は出来るもんね……
だからさ……そんな人が、何も確認せずにボクを利用しようとするかな?……違う?」
副官さんを信頼していなければ、弟さんの為にしているってばれるような事を話せないよ
カシマさんって嘘はつけないけど、沈黙は出来るもんね……
だからさ……そんな人が、何も確認せずにボクを利用しようとするかな?……違う?」
「……」
沈黙する副官
「……正直に言うと、今でも君を取り込みたいと考えている」
輪の問いかけに答えず、話しを進める
「以前とは別の意味でだがな……私は君を高く評価している、我等の下へと来て欲しい」
「ありがとう……でも、ボクにはもう帰る場所があるんだ……だから、謹んでお断りします」
「分かっているさ……私はカシマが羨ましいよ……君の様な弟子がいて……」
「……あと二つだけ、聞かせて欲しい事があるんだけど、いいかな?」
「構わんよ……もちろん、答えられる範囲の事ならば……ではあるがな」
「まず一つ目……カシマさんは何でこのタイミングで眠りについたんだと思う?」
「元々暗示が解けかけていたか、我々に接触した事が契機となって暗示が緩んだか……それとも」
「それとも、他にも別の理由があるかもしれない?……う~ん、何だろう?」
「そうだな……何か、カシマの過去に関わるものを見聞きしたか……」
「なるほど……過去に関わる何か……か……それらが全て重なった為かもしれないね」
「うむ、これ以上の事は何ともな……二つ目はなんだ?」
「二つ目はね……カシマさんに言っていた "あの時のこと" って何?」
「ああ……アレか……」
「ありがとう……でも、ボクにはもう帰る場所があるんだ……だから、謹んでお断りします」
「分かっているさ……私はカシマが羨ましいよ……君の様な弟子がいて……」
「……あと二つだけ、聞かせて欲しい事があるんだけど、いいかな?」
「構わんよ……もちろん、答えられる範囲の事ならば……ではあるがな」
「まず一つ目……カシマさんは何でこのタイミングで眠りについたんだと思う?」
「元々暗示が解けかけていたか、我々に接触した事が契機となって暗示が緩んだか……それとも」
「それとも、他にも別の理由があるかもしれない?……う~ん、何だろう?」
「そうだな……何か、カシマの過去に関わるものを見聞きしたか……」
「なるほど……過去に関わる何か……か……それらが全て重なった為かもしれないね」
「うむ、これ以上の事は何ともな……二つ目はなんだ?」
「二つ目はね……カシマさんに言っていた "あの時のこと" って何?」
「ああ……アレか……」
副官は苦笑いをしてから口を開く
「もし、私が死ぬような事があれば、カシマに副官代行を頼むと約束していた」
「それだけ?……それなら、カシマさんも拒みそうには思えないんだけど……」
「全く……君には敵わんな……」
「あ、やっぱり他にもあるんだ?」
「仮にだ……艦長が亡くなるような事があれば、カシマに艦長代行を頼んでいた」
「それは、副官さんが生きていても?」
「もちろん、そういう条件での話だ」
「序列からいったら、副官さんが代行するべきでしょ?確かにそれなら、カシマさんも断るよね」
「そうだな……だが、私はその器ではない」
「厳しい上司だから……部下には嫌われている?」
「そういう事だ……皆が納得して付いて行ける者が、代行者にならなくてはならんのだよ」
「ふ~ん……でも、それはどうかな……」
「それだけ?……それなら、カシマさんも拒みそうには思えないんだけど……」
「全く……君には敵わんな……」
「あ、やっぱり他にもあるんだ?」
「仮にだ……艦長が亡くなるような事があれば、カシマに艦長代行を頼んでいた」
「それは、副官さんが生きていても?」
「もちろん、そういう条件での話だ」
「序列からいったら、副官さんが代行するべきでしょ?確かにそれなら、カシマさんも断るよね」
「そうだな……だが、私はその器ではない」
「厳しい上司だから……部下には嫌われている?」
「そういう事だ……皆が納得して付いて行ける者が、代行者にならなくてはならんのだよ」
「ふ~ん……でも、それはどうかな……」
副官は、輪の言葉を怪訝な顔で受ける
「まぁ、ここまで教えてもらえば十分かな……」
「では、ここまでとしよう……こういう事態ではあるが……
例の通り魔の事、忘れてはいないな?……気を付けるのだぞ」
「大丈夫だよ、ちゃんと刀も携帯しているし、皆にも話してあるからさ」
「では、ここまでとしよう……こういう事態ではあるが……
例の通り魔の事、忘れてはいないな?……気を付けるのだぞ」
「大丈夫だよ、ちゃんと刀も携帯しているし、皆にも話してあるからさ」
肩に掛けた竹刀袋を揺らし答える
「もちろん、まずは逃げるよ」
「懸命な判断だ」
「副官さんに評価されると嬉しいよ、じゃあ、ここで……さよならだね」
「そうか……では、元気でな」
「うん、副官さんもね」
「懸命な判断だ」
「副官さんに評価されると嬉しいよ、じゃあ、ここで……さよならだね」
「そうか……では、元気でな」
「うん、副官さんもね」
ふたりは別れを告げ、別々の道を歩む
彼らが再び出逢う事はあるのだろうか
いつかまた……と、ふたりは……そう、想い、願う