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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - ドクター-57

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ドクター57


頭の中で熱が渦を巻く
脈拍に合わせて締め付けられるような頭痛が絶え間なく襲ってくる
ただただ喉が渇き、呼吸の度に繰り返される異物感を払拭しようと、何度も何度も咳が出る
咳は頭痛を更に酷くし、喉の痛みを伴って新たなる咳の呼び水となる
人の理から外れ肉体を持たない存在だった頃には、想像すらできなかった苦痛
人間にとってはこの程度ですら、日頃の不摂生で患う程度の病気でしかない
「みずまくら、ひょうのう、かえる、です。おきる、できる?」
「ん……だいじょうぶ……」
からからと氷の音がする水枕を抱えてやってきたウィンチェスター少女に、沙々耶は気だるそうに応える
少女は氷嚢を外し、沙々耶の身体を支えて起き上がらせ、不慣れな手つきで温くなった水枕を取り替える
「あせ、だめ。きがえ、する、です」
じっとりと湿った寝巻きを見て、ぱたぱたとタンスへと駆け出し、用意されていた新しい寝巻きと下着を用意して戻ってくる
「あせ、ふく、しっかり、です。できる、です」
沙々耶がのろのろと寝巻きを脱いでいると、今度は温かい濡れタオルを持ってきて、汗でべたついた身体を手早く拭ってくれた
「……おまえは、どくたーのじょしゅかなにか?」
その言葉に、少女はふるふると首を振る
「やりかた、おしえる、もらう、です」
汗を拭った身体に触れる、新しい寝巻きの乾いた肌触りが気持ち良い
「なんで、そんなにいっしょうけんめいめんどうをみてくれるの? あったばっかりなのに」
「かぜ、くるしい、みんな、おなじ、です。げんき、うれしい、です」
伸び放題の金髪に隠されてその表情は読み取れない
「はやく、げんき、なる、いい、です、ね?」
小さな身体を一生懸命に動かして布団を整え、横になった沙々耶の頭に取り替えた氷嚢をたぷんと乗せる
「ごはん、つくる、です。たべる、しない、げんき、でる、ない、です」
「うん……ありがと」
少女が能力を発揮している間、家の外の事を感知できるのは彼女だけ
沙々耶に聞こえるのは、少女があちこち走り回り世話を焼いてくれる音だけ
かつての主も、その部下も、操られる人間や犬もいない
ただ苦しいだろうからと世話をしてくれる、自分よりもずっと小さく、華奢で、日本語の下手な女の子だけがいる空間
「ごはん、たべる、くすり、のむ、わすれる、ない、です」
「……にがいのいや」
沙々耶はほんの少しだけ安心というものを感じながら、ゆっくりと眠りに落ちていった

―――

なお、解熱剤としての座薬が投入される折に微妙に大騒ぎになったりしたが、それはまた別のお話である


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