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連載 - 恐怖のサンタ-x18

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uranaishi

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恐怖のサンタ 悪魔の囁き&コークロア編 18



 例の女性と共に帰宅してから、約半時間後。
 良子に土下座をしたり佑香にからかわれたり沙希に心配されたりした後に、ようやく話し合いの場を設ける事が出来た。
 紆余曲折はあったものの、想像以上にすんなりと話が通ったように感じる。
 あまり嬉しくはないのだが、いい加減弁明に慣れてしまったのだろうか。

 そして、今。
 互いの自己紹介を終え、ようやく質疑応答へと移ろうとしていたたのだが。

「――――お初にお目り掛ります、お義母様」

 ……何故か、マゾが三つ指をついて、女性――マドカさんに向けて、深々とお辞儀をしていた。
 正直、意味が分からない。
 と言うより、分かりたくもない。
 挨拶された側のマドカさんと言えば、唐突なマゾの行動に困惑を隠せない様子である。

「おやまぁ、あたしには息子しかいないんだけどねぇ……」
「はい、それはですね、その息子さんとお付き合いさせて頂いておりまして」
「…………待て」

 今、マゾの口から何か不穏な単語が出たような気がする。

「お前が、誰と、付き合ってるって?」
「私が、翼様と、付き合っていますが?」
「………………」
「………………」

 俺とマゾの間に流れる、冷たい空気。
 翼様と言うのは、恐らくマゾにストーキングされている哀れな青年だろう。
 マゾの口から何度も、その青年の名前が出てきているのを記憶している。
 しかし……その青年とマゾが「付き合っている」?
 どう考えても、何かの間違いだろう。
 ようやく情報交換にこぎつけたマドカさんに、誤った情報を伝えるわけにもいかない。

「いや、さすがにそれは――――」
「……え? 翼はあの黒服の男とデキてたんじゃなかったのかい?」

 不穏な発言、第二段頂きました―。
 ちょっと待ってほしい。
 黒服の……男?
 翼と言うのは、まだ20代に入ったばかりの青年ではなかったのか?
 それともそれは俺の勘違いで、まさかマゾがストーキングしていたのは女だったのだろうか。
 確かに、「翼」なら男にも女にも使えそうな名前ではあるが。
 それにしても、その青年、あるいは女性は両刀使いと言う事になる。
 話には聞き及んではいるが、本当に存在したのか……。

「二股ですね。私は三股を目指しているので問題ありませんが」
「……お前は仮にも付き合ってると自称する相手の母親の前で何言っちゃってんの」
「なるほど、さすがあたしの息子」
「いやいやいや……こいつの寝言を真に受けなくていいから。大体三股に突っ込みはないのか、そこは構わないのか、あんた」
「みつまたって何なの?」
「はいはい子どもはもう寝ましょうねー。つーか佑香、お前耳年増なんじゃないのか、知ってるだろ、絶対知ってて聞いてるだろ」
「知ってる事を敢えて他人に効くのも、また乙だと思うの」
「そんなサディスト的な思考は捨てろ。今すぐ捨てろ。新聞で何重にも包んで袋に詰めて川に捨ててこい」
「――――それでですね、翼様ったら照れて赤くなってしまってですね」
「あの子は恥ずかしがり屋だからねぇ……」
「お前は何今の内にとばかりに嘘八百並べてんだっ!? それ、どうせお前に苛立ってるだけだろうが」
「……はるくんは、二股なんて、しないよね?」
「滅相もないです良子さん。と言うか、出来れば話が混乱するのでしばらく静観していただけると幸いなのですが」
「そんな……私を抜けものにして、はるくんは一体何をしようとしてるのかなぁ?」
「この場を収集させようとしてるんです……」

 ……とんでもなく、カオス。
 一人おろおろとしている沙希を除いて、皆好き放題やりたい放題である。
 情報交換という名目は、一体どこへ行ってしまったのか。
 特にマドカさんは、デビ田に何か聞きたい事があったんじゃないのだろうか。
 ここぞとばかりに、子蛇を形取った悪魔の囁きはは俺の内で沈黙を守っている。
 この場を収集させようという気はさらさらないようだ。

「でも、本命は一人に絞っておかないと……突然やってきた泥棒猫に、かっさらわれちまうかもしれないよ?」
「三人全員おホモだちですから、一人落せば芋づる式に三人ついてきますので」
「おほもだちって、何なの?」
「おねーさんが詳しく説明してあげるわ」
「……お姉さん、どこから来たのかしら」
「何か変なの混じってるーっ!?」
「また……別の女の人なの? はるくん」
「いやいやいやちょっと待ってくれ。俺は無罪だ、冤罪だ」
「直希様のお姉様ーっ!? 私マゾサンタと申しまして直希様とはお付き合いを――――」

 一体、いつになったら「コレ」は収まるのだろう。
 夜通し続きそうな混沌状態を前に、俺はただ、無力だった。

【続】




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