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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 三面鏡の少女-48

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三面鏡の少女 48


春先の季節の変わり目は、生活も大きく変化する季節
そんな時期に『病は気から』の契約者の能力もあり、あちこちで体調を崩す者が続発した
だがそんな事とは全く関係無く学校を休んでしまっている者が若干一名存在していた

―――

布団を頭まですっぽりと被り、もぞもぞと丸まったり転がったり落ち着き無く動き回っている佳奈美
先日、色々と仕事上のお付き合いであった黒服Hこと広瀬宏也に告白し、お互いの気持ちを確かめ合ったのだが
彼女には、どうしてそういう流れになったかの記憶が一切合財残っていないのだ
「あたしってば、なんでいきなり路上で告白してるかな!? 宏也さんすっごい追い詰められてたっぽいけど何したのあたし!?」
幼馴染であり彼女に好意を寄せていた手塚星が、都市伝説化した己に関する記憶と記録をこの世から消し去ってしまったため、告白までの経過がすっ飛んでしまっているのだ
「しかも告白した後にぶっ倒れるとかどんだけ……あたしって重たい? 粘着? あああああ」
抱え込んだ枕をきゅうきゅうと締め上げながら、ひたすら自問自答を繰り返す佳奈美
そんな彼女の元に、暢気な母親の声が聞こえてくる
「佳奈美ー、ずる休みしてるなら晩に使うお野菜買ってきてー」
「娘をこれっぽっちも信用してないよ!? いやまあ実際そうだからしょうがないけど」
佳奈美はげんなりしながらも、のそのそとベッドから這い出てクローゼットに向かうのだった

―――

「長ねぎ、白菜、人参……白滝に豆腐に鶏肉って野菜だけじゃないよ!?」
メモ用紙を見ながらスーパーへの道をのたのたと歩いていく佳奈美
「八百屋さんだけで済ませようとしないで良かったよ、あーもー」
布団の中でごろごろとしていた身体をほぐすように、ぐーっと伸びをしたその時
視線の先に現れた、見慣れた黒い服の男の姿
「ん、こんな時間にどうした。学校は休みか?」
黒服Hこと広瀬宏也の存在を視認した瞬間、佳奈美の身体が凍りついた
「あ、え、ぅ」
視線はあちこちを彷徨い焦点が合わなくなり
肌はじわじわと赤みを増して、すぐに湯気が出そうなほどに熱くなる
数日悩み考え混乱し続け答えが全く出てない事が、頭の中を高速で駆け巡り
「にゃ――――――――――っ!!!」
よく判らないままにその場から全力で逃げ出していた
宏也と一緒に歩いていた辰也が、その奇行の一部始終を眺めた後にぼそりと呟く
「お前、何やった?」
「何って言われてもなぁ」

―――

ぜいぜいと荒い息を吐きながら、精神錯乱と急激な運動でばかすか動く心臓を宥める
「な……なんでっ……逃げっ……かなっ……」
それだけ『好き』という感情と、それに纏わる記憶の混乱が大きいという事に気付くのは、もう少し時間が経ってからの事だった


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