「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 悪意が嘲う-12

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「………っ」
「マドカさん?お怪我を…」
「…どうってことないよ」

 マゾが、朝比奈の猛毒のブレスで戦闘不能状態になった、直後
 動こうとして…マドカが、痛みを覚えたように、顔をしかめた
 朝比奈がドラゴンの姿となり、天井を崩していった時…振ってきた瓦礫を避けようとして避けきれず、片脚を負傷したのだ
 その拍子に携帯電話も落としてしまい、それは瓦礫の下敷きになって壊れてしまっている

 …朝比奈は、ゆっくりと、一行を見下ろしてきている
 その大きな瞳に浮かんでいるのは、怒り、敵意、憎悪
 剥き出しの負の感情が、一行に叩きつけられる

『……化け物共が』
「--っ!?」

 頭に響いた声に、顔をしかめる黒服
 翼達も、同じ反応を見せている

 …どうやら、朝比奈がテレパシーで、話し掛けてきているようだ
 恐らく、あの姿では、人間の言葉を発声できないのだろう
 その大きな口からは、唸り声のような声が聞えてきている

『ー化け物が、化け物が、化け物共がっ!!!』

 びりびりと、脳裏に響く憎悪と嫌悪の声
 それにあわせるように朝比奈が咆え、ぶぅん!とその巨大な尾を振り回してきた!

「っちぃ!」

 視界が、白く染まる
 マドカの「フィラデルフィア計画」の力が、発動した
 視界が戻った時、朝比奈の巨大な尾は、床に埋め込まれた状態になっていたが

 ----めごっ、と不気味な音を、立てて
 それは、あっさりと床を破壊しながら、振り回された
 その一瞬のタイムラグで、直撃を避けることこそできたものの、振り回す尾の風圧だけで吹き飛ばされそうになる

 マドカの「フィラデルフィア計画」の能力は、あくまでも相手を床や壁に埋め込むだけで、融合させる訳ではない
 朝比奈のように巨大で力が強い者に対しては、効果が薄いのだ

『化け物が、「組織」の狗がっ!!私の願いの邪魔をするなっ!!!』
「…っんな、姿で……大樹を、化け物呼ばわりする資格があるとでも思ってんのか!?」

 朝比奈の姿を見あげながら、翼がそう叫んだ
 人間の姿をした黒服と、巨大な黄金竜の姿をとった朝比奈

 …果たして、一般的観点から見て、どちらがより、化け物じみているか?
 恐らく、大多数は、朝比奈を化け物と呼ぶだろう

 しかし

『…人間の姿をしていながら、人間ではない………それを、化け物と呼んで何が悪い?』

 …中には、この朝比奈のような意見を持つ者もいるだろう
 人間と、全く同じ姿
 ……だが、人間ではない
 異質な存在
 人は、それを化け物と呼ぶ

 朝比奈の言葉は、都市伝説への嫌悪に満ちていた
 都市伝説を化け物と呼び、その力を使う者を嫌悪している
 ……その、意思は

「都市伝説を化け物と呼ぶなら……あんただって、その力を使っているんじゃないか」

 ぽつり、山田がそう漏らした
 そうだ、朝比奈は都市伝説を化け物と呼んで嫌悪しながら、その力を使っている
 ………矛盾しているのだ

 ぎろり、と巨大な瞳が山田を睨みつける
 一瞬、びくりと体をすくませてしまった山田は、決して臆病ではない
 これが、普通の反応だ

『…あぁ、そうだ…私も、化け物の力を使っている。私の願いをかなえるための、糧として』

 ゆらり
 朝比奈が、巨体を揺らす
 …その、口の中で、再び炎がちらつきだす

『彼女を……晴海を弄び、殺した連中に復讐を…………そして、私は再び、彼女を取り戻す!』

 その、強い願いが、欲望が
 強欲の化身とも呼ばれる西洋の竜達を跪かせ、この無茶な多重契約を成功させたのだ
 黒服はそれを理解した
 それほどまでに、朝比奈の願いが、それを叶えようとする意思の力が、強いのだ
 狂気にも似た、その願いを……朝比奈はずっと抱き続け、それをついに叶えようと、この行動を起こしている

 ずん、と
 朝比奈が一歩、前に出た
 その振動で、ぐらぐらと床が揺れる
 再び、生成した炎を吐き出そうとしている朝比奈
 その、狙いは

「………っ!」

 片脚を負傷している、マドカ
 己が狙われている事に気づき、当然、マドカはそれを避けようとするが…しかし、動こうとした瞬間に、痛みが走ったのか、動けずにいて
 無情にも、マドカに向かって、朝比奈の炎のブレスが吐き出された

「マドカさんっ!」

 咄嗟に、マドカに向かってパワーストーンの結界を展開させようとした黒服

 だが
 それよりも、早く


「-----母さんっ!!」


 どんっ、と
 マドカの体が、突き飛ばされた

「……っな!?」
「翼っ!?」

 翼が、マドカを庇うように、その体を炎のブレスの射線上から突き飛ばした
 しかし、代わりに翼がその射線上に入ってしまう
 翼のその行為に、朝比奈が驚いたのが気配でわかる
 だからといって、吐き出したブレスを止めたり戻したりなど、できるはずもない
 炎は真っ直ぐに翼に襲い掛かる
 いくら、翼が炎や熱の攻撃に若干の耐性を持っているとは言え……直撃を喰らえば、耐え切れるはずがない

 黒服は、展開しようとしていたパワーストーンを、そのまま翼に向かって放り投げた
 即座にパワーストーンの結界が張られ、炎を受け止めるが……威力が、強すぎる
 炎を受け止めきれず、その結界にはヒビが入っていき…


「その結界が強化されれば、幸せだ!」


 どこからか響いた、力強い声
 パワーストーンの結界が、白い光によって強化された
 強化された結界が、完全に炎のブレスを打ち消す

「…Tさん!」
「やれやれ、間に合ったか」

 雑居ビルの入り口…だったはずの場所から、姿を現したTさん
 後方に、頭にリカちゃんを乗せた舞の姿もある

『おのれ……!また、化け物がぁ……!!』

 Tさんが都市伝説であると、認識したのだろう
 朝比奈の憎悪が強まる
 朝比奈にとって都市伝説は、憎悪の対象か、自分の願いを叶える為の糧でしかないのだ

「…朝比奈 秀雄」

 …翼が、傷一つ負っていない事実に、ほっとしながら
 黒服は、朝比奈を睨みあげた
 懐から…布で幾重にも包まれたそれを、取り出す

「あなたが契約している、そのドラゴンの力……「黄金伝説」、「聖人伝」に語られている、ドラゴンですね?」
『そうだ、それがどうした、化け物!!』

 …あぁ、やはり
 それを聞いて…黒服はほんの少し、ほっとした

 「薔薇十字団」から借り受けたこれが、無駄にならずに、すむ

「そうでしたら……そのドラゴンの力。封じさせていただきます」

 それを包む布が、はらりと落ちる
 姿を現したのは、槍の穂先部分
 古びたそれを、黒服はしっかりと握り緊めた


 ……さぁ
 朝比奈 秀雄は、接近する隙を見せてくれるか?
 切り札の一つを握り緊めながら、黒服は静かに、意識を集中させて言った


to be … ?



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