「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 悪意が嘲う・マドカの話-08

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 某日、学校町 東区の旧家が建ち並ぶ一角にて……

「…でっけぇ」
「おっきーの」

 大きい
 旧家が建ち並ぶこの一角、どの家も大きい事は確かだが…日景家は、その中でも大き目の家だ
 門構えからして、格が違う
 古いながらもしっかりとしたつくりで、歴史を感じさせるそれは、しかし同時に、どこか重苦しさすらも感じる

「…昔は、この門をくぐるたんびに、息苦しさを感じたもんだよ」

 小さく苦笑するマドカ
 目の前の門を、少し憂鬱そうに見あげている


 …この日、マドカは、以前から約束していた、翼や黒服との話し合いの為、生家である日景家に赴く事になったのだ
 ………が
 何分、絶縁宣言を叩きつけられた身であるし、一人でここに来るのは心細いものがあったようだ
 Tさんと舞、それにリカちゃんに、門の前まででもいいから、一緒に来てくれないか、と頼んできたのだ
 ちょっとした好奇心も手伝って、舞達はマドカについて日景家の前まで来ていた

 ……門の前で、立ち止まり
 マドカは、その門の中への一歩を踏み出せないでいる
 翼とは和解したいものの、両親との確執があるせいで、なかなか中へと踏み込めないようだ

「…マドカ姐ちゃん、大丈夫か?」
「……大丈夫さね」

 舞に声をかけられ、マドカは笑って見せてきた
 軽く首を振り、懸念を振り払う

「いつまでも、逃げてばかりじゃあ、いられないしねぇ」

 …そう、言って
 マドカは、決意したように、門の中に踏み込んだ
 その後ろ姿を、舞はリカちゃんと一緒にじっと見つめる

「Tさん、俺達はどうする?」
「…まぁ、門の前までだけでも、と言われていたしな」

 ひとまず、約束は果たした
 これ以上付いていく必要は、とりあえずない
 ゆっくりと、門の向こうの大きな屋敷へと向かっていっているマドカ
 とりあえず、大丈夫そうだが…

 ……と
 そんなマドカに、小さな影が駆け寄ってきた
 和服に身を包んだ、鞠を持った幼い少女
 マドカには弟がいると言っていたから、その子供だろうか
 少女は、駆け寄ってくる少女にやや途惑った表情を浮かべるマドカに

「おばちゃん、だぁれ?」

 と、声をかけた

 むじゃきなこどもの ざんこくなことば!
 きゅうしょにあたった!!
 こうかはばつぐんだ!!



「……あ、姐ちゃん、落ち込んだ」
「かたまってるの」
「………子供は時として残酷だな」

 その様子を、門の外から眺める舞達
 ……リカちゃんですら、「おばさん」と呼ぶのを堪えたというのに
 その少女は、なんとも容赦なく、その言葉を言い放った

 少女が門の外にいた舞達にも、気づく
 小さく、愛らしく首を傾げてきた

「…おねーちゃん達も、だーれ?……もしかして、翼にーちゃんに会いにきたの?」
「……!翼は、もう来てるのかい!?」

 少女の言葉に、舞達ではなく、マドカが反応を返した
 うん、と少女は頷いてくる

「うん。黒服着たおじさん達と一緒に来たよ」
「そうかい…」

 目的の相手は、先に来ていた
 ………ならば
 後は、自分がそれに向かい合う、だけだ

 屋敷に視線を戻すマドカ
 その屋敷から、人影が姿を現していて

「武、どうしたんだ………。……………!姉さん!」
「…薫、ただいま」

 その人物…弟である、日景 薫に対して
 マドカはどこか申し訳無さそうに、笑って見せた


 役者は揃っている
 後は、覚悟を決めるだけなのだ



 なお
 マドカが、弟とそうやって向かい合っている間

「……武……?……あれ、男……?」

 と、無邪気な一言を言い放った少女……否、少年の正体を知って
 思わずカメラを構える舞の姿があったのだが、それはどうでもいいことである



 数分後
 結局、舞達も、日景家の門をくぐっていた
 事情を聞いた薫が「せめて、お茶でも飲んでいってください」と誘ってきたのだ

 屋敷の奥まで案内され、その古く由緒ありそうな中の様子に、舞はやや落ち着かない
 ……Tさんは、門をくぐると同時に感じた、大きな都市伝説の気配に、別な意味で落ち着かなかったが

(…恐らくは、この家に封印されていると言う「小瓶の魔人」の気配、か…)

 気配からしても、願いをかなえると言う力は本物なのだろう
 悪魔の囁きにとり憑かれた状態の朝比奈 秀雄の手に、それが渡ることがなかったのは幸いだ

「どうぞ、こちらでお待ちください」

 そう言って、薫が襖を開けた
 …そこにいた、人物に

「あれ?」

 と、舞が思わず声をあげる
 以前、顔を合わせたことのある相手が、そこにいたからだ

「……あなた方は」
「みー?」

 そこに、いたのは
 高校生くらいの少年と、おかっぱ頭の少女
 マッドガッサーの騒動の時に顔を合わせた、花子さんとその契約者だ

「おや、龍一君、知り合いかい?」
「……以前、とある縁で知り合いました」

 薫の問いかけに、そう短く答える花子さん契約者…龍一
 まさか、「都市伝説関係者です」とは言えないだろう
 薫も特に追求してくる様子はなく

「それでは、ここでお待ちください」

 と、部屋を後にした
 ひょこん、と薫の目がなくなってから、リカちゃんが舞の鞄から顔を出す

「みー、久しぶりなの」
「よ、花子さん、久しぶり…って、どうしてここに?」
「……俺の家がこの家と縁があるので。当主が娘さんと和解するらしいと聞いて、様子を見てくるよう言われたので」

 舞の疑問に、そう答える龍一
 どうやら、花子さんはそんな龍一に、付いてきただけのようである
 …花子さんの姿は、薫には見えていないのだろう
 龍一達の前の大き目のちゃぶ台の上には、お茶が一つしか置かれていない

「あなた方は?」
「こちらは、その当主の娘…マドカと、縁があってな」
「………そうですか」

 妙な所で、縁が重なったものである
 そんな事を考えながら、Tさんはちらり、と、自分達が入ってきたのとは、反対側の襖に視線をやる
 …Tさん達が部屋に入るまで、龍一が見ていた、そこを

 うっすらと開けられた襖の向こう側
 そこに、翼や黒服、それに望と詩織の姿が見えて
 その奥に、見覚えのない老人二人…恐らくは当主と、その伴侶であろうと辺りをつける、その姿が見えて

 ……隣の部屋の、襖が開く
 そこから、マドカが部屋に入って

 --ぴぃん、と
 部屋の中の空気が張り詰めたのが、襖越しに伝わってきたのだった



to be … ?



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