「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - とある組織の構成員の憂鬱-53o

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 翼がマドカと和解し、マドカも己の両親と和解…した直後に、マドカが両親と壮絶な親子喧嘩を始めたのはさておき
 とにかく、二世代親子の和解が成立した、その後の事…

「…そうか。「日焼けマシンで人間ステーキ」の青年は、朝比奈 秀雄とも和解できたのか」
「はい……まだ、完全に、ではないかもしれませんが」

 それでも…関係は、改善されていっている
 その事実に、黒服はほっとしていた
 これからは、親子が憎しみあうような事がない事を、祈るばかりである

 日景家本家からの、帰り道
 舞が望と詩織と共に三人がかりで翼をからかって遊んでいるらしい様子を前方に見ながら、黒服はTさんに、今回の騒動の顛末などについて話していた
 ……なお、翼の隣には、獄門寺と花子さんもいるのだが、花子さんはリカちゃんと話していて翼が女三人に玩具にされている様子に気付いていないし、獄門寺は何を考えているのか、とりあえず、翼を助ける気はないようで
 …頃合を見計らって、翼に手を差し伸べてやらなければ
 黒服は、こっそりと考える

「確か、朝比奈 秀雄の部下には、ゴースト&ダークネスの、ダークネスがいたそうだが…それは、どうなっただろうか?」
「ダークネス、ですか…秀雄さんとの戦いの時、あの場にいた青年を覚えていますか?」
「あぁ…随分と小さな悪魔の囁きを連れていた?」
「はい。どうやら、ダークネスは彼のところにいるようですね…片割れであるゴーストと、一緒に」

 どう言う事だろうか?と首を傾げたTさん
 黒服としても、その状況を知った時は、驚いた

「どうやら、ゴーストもダークネスも、子供のライオンの姿をとっているようなんです……当人達は、都市伝説として人を襲う事を、拒絶しているらしいです」

 …その代わり、本来人食いである都市伝説
 人食いをしない代わりに、食欲がすざましい事になっているそうだが…

「…とにかく、ゴーストもダークネスも、人を襲う事はない、と言う事か」
「そのようです」

 もし、元の姿に戻って暴れられたら、大惨事になりかねないが
 …黒服としては、人を襲う事を拒絶したと言う、ゴーストとダークネスの考えを、信じてみたかった
 人を襲う都市伝説として生まれたからと言って、必ずしも、人を襲い続ける必要などない
 ……都市伝説とて、生き方を変える事ができるのだ
 真っ赤なマントを羽織った友人の姿を思い浮かべながら、黒服はそう考えるのだ

「藤崎 沙織や、鳥井 静香は?」
「鳥井さんは……少々、負傷してはいましたが、命に別状はありませんでしたし。今まで通り、秀雄さんの秘書として働くようですね」

 罪の償い
 それもかねてのことだ
 ……マドカとは、微妙に火花を散らしたとか散らさなかったとか、という話も聞いているのだが
 恋愛面には疎い黒服、その理由はよくわからない

「藤崎さんは、私の上司が身柄を保護しました。「タコ妊娠」との契約を解除させて…都市伝説絡みの記憶も、消去させたそうです」
「それは……彼女は、この騒動についての記憶を失った、ということか?」

 はい、と頷く黒服
 彼女は、自分が犯してしまった悪事すらも
 その記憶から、消し去られた
 無意識下で、ある程度の記憶が残っている可能性はある
 だが、表面上、記憶は抹消されて……よほどのことがない限り、思い出すことはないだろう

「藤崎さんは元々、都市伝説に対しては恐怖心を抱いていた方ですから……悪魔の囁きに憑かれさえしなければ、都市伝説との契約など、勘が得なかったでしょうし、それに…」
「……よりによって、「タコ妊娠」だからな。正気に戻った時、それと契約してしまった事を認識すれば…心が、壊れかねない、か」

 そう言う事です、と、黒服は少し悲しそうな表情浮かべた
 事実、彼の上司が藤崎を保護した時、彼女は発狂寸前だったと言う
 「タコ妊娠」と言う、女性にとっては嫌悪すべき都市伝説
 少しでも遅ければ……もはや、精神的な死を迎えてしまっていたかもしれない
 藤崎の無事を知って、翼もほっとしていた
 ただ、記憶が戻る事を恐れて、彼女と接触するつもりはないようだが

「ユニコーンの契約者であるヘンリー・ギボンヌだが。あの男も、まだ暫く学校町に滞在するらしいな」
「………はい、そうなんですよ」

 …Tさんの、その言葉に
 軽い、頭痛を覚える黒服
 Tさんが、怪訝な表情を浮かべる

「…どうかしたのか?」
「…その、ヘンリーさん、なのですが……何せ、「教会」お抱えの存在ですからね。それも、かなり重宝されていて、「教会」の管理下から出ることを許されていなかった程です」

 そんな存在が、学校町に滞在し続ける
 …その事実に、軽い頭痛を覚える

「もし、万が一、ヘンリーさんが事件に巻き込まれて、大怪我をしたり命を落とすような事があれば…」
「……なるほど、理解した」

 苦笑してきたTさん
 つまりは、そう言う事なのだ
 ヘンリーに何かあれば、「教会」が学校町に手を出してくる口実を与えてしまいかねない

 恐らく、ヘンリー本人には自覚はないだろう
 だが、彼は今現在、歩く国際問題と言ってもいい状態なのだ
 ヘタにその自覚を持たれるよりはマシだが、どちらにせよ頭と胃が痛い問題である
 彼を擁護している「教会」メンバーが、「教会」内でも穏健的な考え方である事が、唯一の救いか

「あまり、無理はしないようにな」
「…はい」

 気遣うようなTさんの言葉に、黒服は苦笑してみせる
 一応、騒動終結後、しばらく休みを取るように上司には言われているが
 …それでも、あと2,3日もすれば、仕事に戻るつもりだ
 まだ、悪魔の囁き・コーク・ロアの騒動の事後処理は山のように残っているし
 それに……

「…黒服さん?まだ、気になる事が、あるのか?」
「……えぇ」

 …今回の、騒動の発端
 朝比奈 秀雄
 彼の運命を捻じ曲げ、悪魔の囁きと契約するきっかけを与えてしまった、その出来事

「門条 晴海という女性についてです」
「…朝比奈 秀雄が口走っていた名前か」

 そうです、と黒服はゆっくりと頷く

「あの時、あなたは、朝比奈 秀雄の運命を捻じ曲げたのは「組織」だと、そう言っていたな」
「はい…門条 晴海という女性を、殺してしまったのは…「組織」、ですから」

 黒服の、その言葉に
 Tさんが、僅かに眉をひそめる

「…都市伝説関係者だったのか?」
「いえ、違います……どうやら、当時のHNoに、実験体として拉致されていたようなのです」
「…「組織」の闇の部分、か」
「はい……彼女が、どのような実験に巻き込まれてしまったのか。そこまでは、私の権限では調べられませんでしたが…非人道的な実験であった事は、確かなようです」

 HNoの実験
 それは、大半が非人道的なものであったと言う
 かつては、都市伝説に飲まれた人間を元に戻す研究などもしていたらしいのだが……それは、いつからか暴走を初め、誰にも止められなくなってしまっていた
 門条 晴海という女性が巻き込まれた実験もまた、その非人道的な実験の一つであったと思われる

「彼女は実験体として5年間、「組織」の研究施設で囚われ続けた後、そこを脱走して………機密保持の名目で、殺されています」
「…「組織」の研究施設に囚われていた以上、嫌でも「組織」の情報を持っているから、か」

 記憶消去、と言う手段すらとられず
 抹殺する、と言う選択肢をとられてしまったのだ
 それは、脱走した彼女の対処を任せられたのが強硬派であったから、と言うだけでないのだろう
 記憶消去では、何かの機会に記憶が戻る可能性がある
 …それを、恐れられたのだ

 それほどまでに、重要な秘密を知ってしまったという門条 晴海
 一体、囚われていた五年間で何があったのか…調べたくても、黒服の権限では調べきれない
 恐らく、当時の資料も大半が破棄されてしまっているだろう

「門条 晴海さんの一件は、今回の秀雄さんの件にも絡んできますし、それに…」
「それに?」
「…「組織」内で、門条 晴海さんと、同じ苗字を持つ人が、いるんです」

 門条、という苗字は、決して多い苗字ではない
 どちらかと言うと、珍しい苗字だ

「それは、つまり…門条 晴海の、関係者?」
「わかりません、ただ、無関係ではないような気がして…」

 もし、関係者であるならば
 彼は、門条 晴海と言う女性を知っているのだろうか?
 …彼女が
 「組織」に殺されてしまった事を…知っているのだろうか?

「……何か…そこから、悪い事が起きなければ良いのですが…」
「考えすぎだ…と、言いたい所ではあるが。確かに、珍しい苗字であるだけに、同じ苗字だと言うのは気になるな…どう言う人物なんだ?」
「門条 天地。モンスの天使と契約している青年です。元は過激派に所属していましたが、昨年、担当の黒服が変わって、穏健派に転向した事になってはいますね」

 モンスの天使
 その単語に、Tさんが反応を見せる

「…モンスの天使、というと。まさかだが」
「はい。昨年のマッドガッサー騒動の際、Tさん達が巻き込まれた無差別攻撃。それを行った人物です」

 モンスの天使の契約者なんて、「組織」では一人しかいないし
 …それも、その召還されるモンスの天使が、弓矢ではなく、重火器を使い、しかも、可愛らしい少女の姿をとっているのだ
 そんなモンスの天使と契約している人間など、世界中どこを探しても、一人しかいない
 その天地の、以前の担当の黒服が、何者かに「殺害」され、それがキッカケで担当の黒服が穏健派の黒服に変わった、というのも、どこか引っかかる
 誰かが、天地を過激派から、無理矢理引き剥がしたような
 そんな印象を受けるのだ

「本当に……何も、悪い事が起きなければいいのですが」

 そう呟き、黒服はため息をついて
 …前方で遊ばれている翼を、いい加減救助すべき頃合になったことに気付いて
 小さく苦笑しながら、望達に追いつくべく、歩調を速めるのだった

 -------いつか来るであろう脅威に、彼らが巻き込まれるかどうか
 それはまだ、誰にもわからない



to be … ?




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