「-------あ゙?」
高元の、声を聞いて
若干、血に濡れた木刀を持った龍一が……ゆらり、幽鬼のように体を揺らしながら、振り返った
若干、血に濡れた木刀を持った龍一が……ゆらり、幽鬼のように体を揺らしながら、振り返った
--------辺りの空気が、かすかに揺れる
空気が振動したような、錯覚
空気が振動したような、錯覚
高元の威圧感と、龍一が発していた威圧感が……真正面からぶつかり合う
龍一は、普段、学校では決して見せることのない威圧感を背に背負っている
それは、高元から向けられる威圧感に、決して負けてはいない
むしろ……龍一の背負う威圧感の方が、わずか、ほんの僅かだが……高元の威圧感を、押し返し始めていた
普段はヤル気なく、自身を隠し、目立たないように振舞っている龍一
だが、今の龍一は、軽くリミットブレイクしている事によって、乱神モードに突入しているのだ
長い前髪の間から覗く眼差しは、普段の彼からは考えられないほどに、鋭い
獄門寺組の将来を背負うべく生まれた男の威圧感が、情け容赦なく辺りに撒き散らされる
龍一は、普段、学校では決して見せることのない威圧感を背に背負っている
それは、高元から向けられる威圧感に、決して負けてはいない
むしろ……龍一の背負う威圧感の方が、わずか、ほんの僅かだが……高元の威圧感を、押し返し始めていた
普段はヤル気なく、自身を隠し、目立たないように振舞っている龍一
だが、今の龍一は、軽くリミットブレイクしている事によって、乱神モードに突入しているのだ
長い前髪の間から覗く眼差しは、普段の彼からは考えられないほどに、鋭い
獄門寺組の将来を背負うべく生まれた男の威圧感が、情け容赦なく辺りに撒き散らされる
「…あらあら。あの子の先生ですの?」
と、そんな威圧感のぶつかり合いなど、てんで気にしていない様子で、龍一の母は高元に笑いかけた
着物を纏った上品な雰囲気の彼女ではあるが、この光景を眺めて微笑んでいられる辺り、極道の道へと自ら踏み込んだ女は違う
着物を纏った上品な雰囲気の彼女ではあるが、この光景を眺めて微笑んでいられる辺り、極道の道へと自ら踏み込んだ女は違う
「大丈夫ですよ。私の亭主が、少々口を滑らせただけですので………問題ありませんわ」
「いや、しかし、暴力は…」
「あらあら、あれくらい、親子のじゃれあいですわ」
「いや、しかし、暴力は…」
「あらあら、あれくらい、親子のじゃれあいですわ」
どう見ても、父親以外も巻き込んでいるのだが
彼女からしては、特に問題はないらしい
彼女からしては、特に問題はないらしい
「…でも、まぁ、先生には刺激が強すぎたかしら?………龍一、その辺でやめておきなさい。後は、私が後で釘を刺しておきますからね」
「…………………わかった」
「…………………わかった」
……ふぅっ、と
龍一が纏っていた威圧感が……消えた
いつもの、どこか無気力な様子へと戻る
龍一が纏っていた威圧感が……消えた
いつもの、どこか無気力な様子へと戻る
ちょっぴり血に濡れた木刀を、龍一は卯月へと返す
卯月はその木刀を、慣れた様子で布で拭き始めた
卯月はその木刀を、慣れた様子で布で拭き始めた
「……あぁ、高元先生…………こんにちは」
この段階になって、龍一はようやく、高元の姿を認識した
小さく、頭を下げる
…その様子からは、先ほどまでの荒々しさは、消えうせていて
まるで、別人のようにすら、見える
小さく、頭を下げる
…その様子からは、先ほどまでの荒々しさは、消えうせていて
まるで、別人のようにすら、見える
「…お袋、俺、向こうの集団に知り合いがいるから、挨拶してくる」
「あらあら、そうなの?挨拶は大切ですものね、いってらっしゃいな」
「………あぁ……………先生、それじゃあ」
「あらあら、そうなの?挨拶は大切ですものね、いってらっしゃいな」
「………あぁ……………先生、それじゃあ」
ぺこり、もう一度、高元に頭を下げて
龍一は、ふらふらと何やら鎧を纏った男を中心とした、花見客の集団へと足を向けた
瑠璃の手から逃れ、てちてち、花子さんがその後をついていく
龍一は、ふらふらと何やら鎧を纏った男を中心とした、花見客の集団へと足を向けた
瑠璃の手から逃れ、てちてち、花子さんがその後をついていく
「…えぇと」
「あらあら、先生、どうなさいましたの?」
「あらあら、先生、どうなさいましたの?」
あまりに急激な龍一の変化に、呆然としている高元に
龍一の母は、どこか楽しそうに笑っているのだった
龍一の母は、どこか楽しそうに笑っているのだった
続くかどうかわからない