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連載 - 黒髪のメリーさん-03

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黒髪のメリーさん 03 メリーさんの過去話



広いお座敷。そこが私の唯一の居場所。
ご主人様はほぼ毎日私を膝の上に乗せ、頭を、髪をなでる。私の一番の楽しみ。
ご主人様が何か話しかけてくださる。でも人形の私にはあいずちを打つことすらできない。
私も何か話したい、もっと私といる事を楽しんで貰いたい、それで恩返ししたいという思いがすこしずつ大きくなった。

そしてある時、ご主人様があることに気づいた。
「茉莉の髪が伸びてる・・・?」
私の思いが影響したのか、私の髪が伸びるようになっていたのだ。
今にして思えば、いわゆる[髪の伸びる呪いの人形]だったのだと思うが、
ご主人様はそれを喜び、私の髪が伸びすぎると切ってくれるようになった。
人形風情の私にはもったいない幸せな日が続いていくかと思った。
しかし、それは長く続くものでは無かった。

第二次世界大戦とやらが始まり、ご主人様は引っ越すことになった。
ご主人様は私を高そうな箱に入れて、その引越しにお供させてくれた。
次に箱が開くときはお引越し先についたころだろうか?それまでひと眠りしよう。
そう思って眠りに落ちたが、私は二度とご主人様を目にすることはなかった。

気がついたとき、私は薄汚れた露天に立っていた。周りには同じような貧相な露天が立ち並び、
沢山の疲れた人たちが歩いていた。
そこに綺麗な軍服を着た白人が現れ、私を買っていった。
後に、私がいたのは、いわゆる闇市のような類のもので、買いに来た軍人は日本を占領したGHQの将校だと知った。

私を連れ帰った将校は奥さんと思しき人に私を贈った。
2人は大層日本の人形の私を珍しがって、大切にしてくれた。
私の着物に書いてあった「茉莉」という名前を部下に翻訳させた。
が、アメリカ人には発音が難しいのか「まり」ではなく「めりー」と呼んだ。
この人たちの言葉、英語というものが最初はまるで分からなかったが、その家で少し過ごして会話を聞いているうちに完全に理解できるようになった。
ある日、私は最初から着ていた着物から、洋風なヒラヒラした着物に着替えさせられた。
ご主人様との思い出のつまった着物を捨てられるかと不安に感じたが、それは杞憂だった。
将校の奥さんは私にこう話しかけた。
「私達アメリカ人が治せるものじゃないし、破けたり汚れたりさせるわけにはいかないでしょ?
 だから、もっと日本が安定して、服の手入れができる日本人を呼べるようになるまでこれで我慢してね?この着物はちゃんとほぞんしておくわ。」
と。

異国の新しいご主人様をマスターと呼ぶようになり、一緒に過ごした時間がかなり長くなった時、私は喋ることも、自由に動くこともできるようになった。
白髪の目立ち始めたマスターもそういった事を怖がろうとせず、神秘的な事だと喜んだ。
動けるようになったとはいえ、すぐにその家を出ようとは思わなかった。
自分で言うのも難だが、私は義理堅い性分だ。
動けるようになったのなら、すぐにでもご主人様を探しに行きたい。
私が闇市で売られていたのはご主人様の意思によるものなのか、なにか事情があったのか。疑いたくはないけども、それを聞きたい。なにより、もう一度お顔を見たい。
しかし、丁重にお世話して頂いたご恩を返すまでは出て行けない。
だって本来なら、あんな闇市に売られたらマトモな扱いは受けない可能性の方が高いところを救って頂いたのだから。


動けるようになってしばらくしたとき、マスターが私に言った。
「メリー、もう良いよ。」
と。私は最初は意味が分からず、唖然としてしまった。
「メリーはもう自分で動けるようになった。きっと本来のマスターを探しに行きたいと思っているんだろう。
 キミが私達を本当に慕ってくれているのは分かる。その裏で本来のマスターを想っているのも勘付いていた。
 もう私達は充分にキミに恩を返してくれた。だから本当のマスターを探しにお行きなさい。」

それからマスターは私用のカバンを作り、着物などを入れて持たせて送り出してくださりました。

そして私はご主人様を探す旅に出ました。
電話という物が普及していたので、あらかじめ連絡してはお宅訪問するという形で、ご主人様を探し始めました。
その中で気づいたのだが、ちょうどメリーさん人形の都市伝説が生まれた頃だった事と、マスターに長いことメリーと呼ばれていたためにその影響で私が動いたりできるようになったようでした。
そして、その力の恩恵を受けるにはヒラヒラの洋服の方が都合が良いと判断し、そのような格好で行動するようになったというわけで。
そんなこんなで、各地を転々としながらご主人様を探しています。





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