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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - ビター・スウィート・ビターポイズン-10a

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 彼、祐樹 ペリシャは、施設の出身である
 本当の両親の事は覚えていない、知らない
 だからこそ、己の家名を捨てる事に、何の戸惑いも未練もなかった



 もぐ、とタコヤキを食べているその少年を、想軌は改めて観察した
 ……本当に、天地によく似ている
 ちょうど、同じような髪形をしているせいもあるのだろう
 天地がそのまま、少し幼くなったような…そんな姿に見えてしまうのだ

(…強硬派の資料に名前が載っていた、か)

 つまり、彼は強硬派にとって、処分すべき存在、もしくは確保すべき存在と言う事か
 強硬派の言い分を鵜呑みにするのは危険であるが故、それだけで判断はできないが
 この祐樹という少年が…恐らく、契約しているのであろう都市伝説が、ある線より強力なものである可能性は高い

 ちらり、想軌は紗江良に視線をやった
 …紗江良の女の勘は、「祐樹 ペリシャは門条 晴海の関係者である」と告げてきている


 門条 晴海
 過去に、「組織」の非人道的な実験の犠牲者となった女性
 実験施設から逃げ出したものの、機密保持の名目で殺害されている

 ……悪魔の囁きの騒動の最中、その資料に目を通した想軌は、その記述を思い出す
 実験施設から逃亡した時、彼女は赤ん坊を連れていた
 己が産み落とした、赤ん坊を

 …それが、門条 天地なのだろう、と想軌はあたりをつけていた
 少し気になって調べたところによれば、天地は施設の出身だ
 当時まだ2歳になるかならないかの年齢で「組織」が引き取ったらしい
 恐らくは…門条 晴海の息子であると、それを把握された上での事だったのだろう

 そして
 あの、資料の記述に…一つ、気になった点があった
 「実験施設からの逃亡時、門条 晴海は妊娠していた」と言う記述
 だが、門条 晴海を「処分」した時、既にその体に胎児はいなかった

 つまり
 「処分」された時…彼女はどこかで、子供を産み落とした後だったのだろう


「……何か?」

 と
 祐樹が顔を上げ、首を傾げてきた
 想軌は、いや、と誤魔化すように言う

「お爺さんを探すにしても、姿がわからないと探しようがないからな…そのお爺さんは、君と似ているだろうか?」
「…あまり、似ていない」

 短く答えてくる祐樹
 まぁ、予想できた答えだ

「ふむ、それじゃあ、簡単な特徴でいいから、聞いてもよいかな?」
「………わかった」

 ジルに尋ねられ、かすかに警戒しつつも、素直に頷く祐樹
 …何だかんだで、迷子になっている状況が心細いのかもしれない
 本人は、頑なに迷子になっていると言う事実を認めたがらないかもしれないが

 祐樹の証言によれば、彼のお爺さんはアルバニア系の、背の高い老人との事
 この人の多い中、探すのは難しそうではあるが

「とりあえず、少し、見通しのいい場所に移動しましょうかぁ。その方が、探し安いですしぃ」

 むしろ、紗江良の勘は「そこに行けば見付かる」と告げている
 小腹も満たしたところで、本格的に祐樹の祖父を探すべく、彼らは歩き出した

 …前方を、祐樹から話を聞きながら歩く紗江良を見つめながら、想軌はこっそりとジルに尋ねる

「…強硬派の資料で名前を見た、との事ですが、どんな資料で…?」
「その身柄を確保したい…と言う旨だったな。どう言う理由で、かまでは記述されていなかった…資料の作成者は、H-No.1だ」

 H-No.1
 強硬派所属の上層部メンバーの一人
 それも、非人道的な実験に関わった者だ
 非人道的な実験が禁止されている今でも、影で実験を続けていると言われている、非常に厄介な人物

「あの男からの資料だから、余計に鵜呑みにできないんだ……あいつは、「狂人」だからな」
「………」

 前方を歩く祐樹を見つめる
 紗江良に話し掛けられながら歩く様子は、ごく普通の少年に見える
 あの狂人が目をつける理由など、どこにもないように


 もし
 理由があるとしたら
 それは………


 ジルは、あの資料の記述を思い返す
 H-No.1作成の資料の記述を

 『祐樹 ペリシャ。今名乗っている名前、特に家名は偽名である可能性有。
  危険度レベルSランクの都市伝説との契約を確認。
  処分ではなく、その身柄の確保を検討する』

 危険であるとしながら、あえて処分ではなく確保を考えていた
 強硬派にしては、珍しい行動だ
 その理由は何だ?

 門条 天地
 「組織」の非人道的な実験の犠牲者の遺児とよく似た姿
 それに、関係しているのだとしたら

(…また、何をやらかすつもりなんだ…あの、狂人は)

 自分の仕事も、また増えそうな気配を感じて
 ジルはこっそりと、ため息をついたのだった



to be … ?




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