「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 夢幻泡影-09

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ここは学校町の東にある湖。 あの3人と1匹が真夏の蒸し暑さを凌いでいた。

(裂邪>あぁ、この安らぎ・・・夏休みの“悪夢(しゅくだい)”から脱出した者だけが味わえるこの優越感。
    満月の光で輝き、風に揺られて歌う湖。 そして―――
(ミナワ>ご主人様~! こっちに来ませんかぁ~?

湖の方からミナワの呼ぶ声が聞こえる。 何故かスク水である。
恐らく、いや絶対裂邪の趣味だろう。

(裂邪>―――そしてスクール水着の少女が俺を呼んでいる・・・最高だ。 最高の気分だ。
(バク>ただの変態バク。 やっぱりあの時降りておくべきだったバク。
(シェイド>今更遅イゾ。 何モカモ。
(バク>でも一部は否定しないバク。 オイラも遊ぶバクー!
(シェイド>・・・トコロデ、何故夜中ナンダ?
(裂邪>だってさ、蒸し暑くて寝らんないんだもん。それに他人がいるようなところで泳ぎたくない。
    てか、くつろげないだろ。騒がしくてな。
(シェイド>ソウイウ文句ハ本当ニ世界ヲ征服シタ時ニ言エ。
(裂邪>それにさ、この湖。 なんか変な噂があるらしいんだよねぇ。
    化け物が出るとか出ないとか・・・
(シェイド>ソレヲ聞イテ思ッタノダガ、アノ陸地、動イテナイカ?

シェイドの指差す方向に、確かに陸地らしきものはあった。

(裂邪>ん、そうか?・・・動く陸地か、何の都市伝説だろ?
    ミナワ~、都市伝説らしいから戻ってこ~い。
(ミナワ>はい? ご主人様~、今何と――――

次の瞬間、“陸地”がものすごい速さでこちらに向かってくるのが目に見えて分かった。

(ミ+バ>えっ!?
(シェイド>ッ! マズイ!
(裂邪>ミナワ!防げ!

プゥゥゥゥ、と大きなシャボン玉が膨らむ。 それに弾き返された謎の巨大な“陸地”だったモノ。
月明かりに照らされるしなやかな首、小さな頭。 濡れた皮膚と鋭い牙が怪しく輝く。

(シェイド>・・・首長竜・・・!?
(裂邪>おい、これ・・・ネッシーだよな? なんで日本にネッシーがいるんだよ!?
(バク>現に中国生まれのオイラがいるバク! 別におかしくないバクよ!
(ミナワ>うわぁ・・・私、恐竜って初めて見ました!
(裂邪>いや、それは違う。
    プレシオサウルスのような首長竜やプテラノドンのような翼竜は、
    厳密に言えばヘビやトカゲと同じ『爬虫類』に分類されるんだ。そもそも恐竜とは―――
(ネッシー>グギュグバァァァァァ!

ネッシーの口からハイドロポンプが放たれる。 散り散りになる2人と1匹、吹き飛ばされた1人。

(ミナワ>ご主人様! 大丈夫ですか!?
(裂邪>ゲホッ、ゴホッ! 攻撃するならすると言え!
(シェイド>暢気ニ蘊蓄ナド傾ケテイルカラソウナルノダ!
(裂邪>ペッ、ペッ! よし、ミナワは石を飛ばせ!
    バクは変身して攻撃、シェイドは『シャドークロー』!

彼らは裂邪の指示通りに動き出した。シャボン玉と周りの石を飛ばすミナワ、
変身してタックルを決める獏、そして裂邪も『シャドークロー』で応戦した。
が、ネッシーの皮膚は硬かった。

(ネッシー>グギュグバァァァァァ!
(獏>おい主ィ! 全然効いてねぇぞ!?
(裂邪>うるせぇ! こっちも脳味噌絞って考えてんだ!
    クッソゥ、なんで今日の月はこうも明るい!?
(ミナワ>まだ8月入ったばかりですし・・・
(裂邪>大体野生の生物ってのは光に反応するんだがなぁ。 生憎ライターもマッチもない。
(シェイド>アッタトシテモサッキノ水流デ使イ物ニナラナクナルダロウナ。

ネッシーは再びハイドロポンプを繰り出す。 今度は全員何とか回避運動に成功した。

(裂邪>―――っと・・・あ゛~! ラプラスが嫌いになりそうだ! どっかに火ィ落ちてないかな?
(獏>んな都合のいい事あるかぁ!

フッ・・・と緑色の光が彼らの前を通り過ぎた。 ネッシーもそちらに気をとられているようだ。

(裂邪>・・・何だ、今の?
(ミナワ>火・・・みたいでしたけど?
(シェイド>・・・「鬼火」カ?

彼方まで移動する緑色の火の塊。 それに向かってハイドロポンプを放ちながら追うネッシー。

(???>何つっ立ってやがんでい! さっさと仕留めやがれぃ!

そして響く怒号。 何故か、江戸弁。

(裂邪>はい? 江戸弁? 何で?
(シェイド>奴ノ協力ヲ無駄ニスルナ。 今思イ出シタンダガ、―――――、試シテミルカ?
(裂邪>迷ってる暇は無い、早速やるぞ!

シェイドが元に戻り、裂邪の後ろに立った。 そして裂邪は両腕を横に広げる。

(裂邪>シャドーマン達よ! 今俺の力となれ! “シャドーズ・アスガルド”!

その時、シェイドを含め、無数のシャドーマンが裂邪の体を黒く覆う。
漆黒のボディ、両腕に鉤爪、そして飾りと思しき黒い翼、昆虫系の頭部に赤く輝く1つ目。
そして彼からのびる影には、黒い渦のようなものが出来ていた。

(ミナワ>ご主人様かっこい~♪
(シェイド>何トカ成功シタガ、コノ状態ヲ保テルノハ5分ガ限度ダ。 ソノ間ニ終ワラセロ。
(裂邪>言われなくともそのつもりだ! 行くぞ!
(獏>主! ミナワ! 俺様の背中に乗れ!

獏は裂邪とミナワを乗せ、高速で走る。 すぐにネッシーと鬼火に追いついた。

(鬼火>何チンタラやってんでい!
(裂邪>何故俺達に手を貸す!?
(鬼火>あいつは最近この湖に棲みついた外来種の都市伝説でい!
    あいつが来てから、この湖の平穏が乱されちまった・・・もう我慢の限界でい!
(裂邪>だったら頼みがある! 強い光を出せるか!?
(鬼火>光? できねぇことはねぇが・・・
(裂邪>よし、あとで俺が―――

ネッシーがハイドロポンプの予備動作を行う。

(鬼火>ッ! 危ねぇ!
(裂邪>ミナワ!
(ミナワ>はい、ご主人様!

待ってましたと言わんばかりに巨大なシャボン玉を作り出すミナワ。
ハイドロポンプを見事に防いだ。

(鬼火>や、やるぅ・・・で、さっきの続きは!?
(裂邪>とにかく、俺の近くで思いっきり光れ! 獏、若干重くなるが我慢しろよ!
(獏>OKィ!

裂邪はネッシーの頭を鷲掴みし、獏が飛行してその巨体を湖から引きずり出した。
メタボな胴体が宙を舞い、水が月の光を反射して宝石のように煌いた。

(ネッシー>グギュ・・・グバァ!
(獏>ぐぅ!?
(裂邪>ウッ、ヒヒ、シャドーマンを纏ったとはいえ、け、結構重いな・・・よし! 鬼火!
(鬼火>がってんでい! ハァァァァァァァァ!

鬼火が緑から黄色、そして赤に変わり、太陽の如く強く輝く。
そしてその光で裂邪の影は巨大化し、闇が大きく渦巻いていた。

(ネッシー>グバァァァァァアアァァァァ!
(裂邪>闇に消えろぉ!

裂邪は己の渦巻く影に向かってネッシーを投げ込んだ。
ネッシーは暫くもがいたが、次第にズブズブと沈んでいき、その姿は消えた。

(裂邪>ヒハハハハ・・・お、終わったか・・・
(シェイド>アァ。

砂浜に着陸する獏、そしてその背中から降りる裂邪とミナワ。
裂邪をまとったシャドーマン達は、月光でできた裂邪の影に帰っていった。

(バク>バクク~、重かったバク・・・もう疲れたバク。
(ミナワ>ご主人様、お疲れ様でした♪
(裂邪>ウヒヒヒ・・・今のはマジで骨が折れそうだった・・・
    光源に近ければ近いほど、影がでかくなるってのを考えたのは良かったが・・・
    それより、手伝ってくれてありがとう。

裂邪の目の先には、緑色に戻った鬼火がいた。

(鬼火>お安いご用でい。 では、あっしはこれで・・・

鬼火は口笛――口無いけど――を吹きながら、フワフワとその場を立ち去ろうとした。

(裂邪>待てよ。

鬼火が去るのを裂邪が止める。 不思議そうな顔をするミナワとバクだが、
その答えは直ぐに裂邪の口から発せられた。

(裂邪>お前さ、俺と契約しない?

ハッとする鬼火と、少し喜びの表情を見せるミナワとバク。
しかし当然シェイドは憤慨した。

(シェイド>貴様馬鹿カ!? 前ニ「赤マント」ニ言ワレタ事ヲ思イ出セ!
      既ニ貴様ト契約シテイルノハ3ツ! コレ以上ハ流石ノ貴様モ死ヌゾ!
(裂邪>お前こそ馬鹿か! 考えてみろ! 俺は世界の支配者になる男だ!
    たかが都市伝説4体如きでくたばってどうする!?
    もしくたばったら、俺はその程度の男だったって事だ!
(シェイド>シ、シカシ・・・
(鬼火>気持ちは有難いんだが、あっしは・・・
(裂邪>守りたいんだろ? この湖を。
(鬼火>ッ!?
(裂邪>俺も一緒だよ。 俺はこの湖も、山も、何より自然が好きだ。地球が大好きだ。
    だから俺は都市伝説と戦ってんだ。 この青い地球を、いつまでも青く保つ為になぁ!
(鬼火>・・・・・・。
(ミナワ>ご主人様・・・
(バク>[あ、主の今の話、本当バクか?]
(シェイド>[アァ、本当ダ。]
(裂邪>俺達の目的は一緒だ。 だからさ、一緒に戦おうぜ?

鬼火の緑色の体が、青色に変色する。 どうやら感情によって炎色が変化するらしい。

(鬼火>うおぉぉぉぉぉぉ!泣かせてくれるじゃねぇか!
    気に入ったぜぃ!ここで会ったも何かの縁!あっしもつき合わせておくんなせぇ!

時代劇風に言ってくれた鬼火。 
人型じゃないからどんな動きをしたか分からなかったが、喜ぶ一同。

(裂邪>おっしゃぁ! 今日からお前は俺の4人目の仲間だ!
(バク>オイラにも後輩ができたバク~!
(ミナワ>みんなでガンバリましょう♪
(シェイド>フン・・・マ、イイカ。 コレガ奴ノ“唯一”ノ良サダ。

ドサッ――― 砂埃を撒き散らせ、裂邪は急に仰向けになるように倒れた。

(ミナワ>ご、ご主人様ぁ!?
(裂邪>いたたたた・・・あぁ、若干体が重くなった気がする・・・
(鬼火>無理ありやせんぜ。 4つも都市伝説と契約してて平気な奴は多分いねぇ。
(シェイド>“4”ト言ウノモ不吉ダシナ。
(バク>ちょっと黒のお兄さん、怖い事言わないでバクよ~;
(裂邪>ん? 4人―――おぉ~お!

何故か裂邪が1人で感激しだした。 全員きょとん。

(シェイド>・・・何カアッタノカ?
(裂邪>“4人”といえば「四天王」! ボスキャラにはつきものだろ!
    ん~・・・バクは「夢」、鬼火は「幻」、ミナワは「泡」、シェイドは「影」・・・
    ウヒ♪ 今日からお前らは『夢幻泡影四天王』だ!
(シェ+バ>(痛イ痛い痛イ痛い痛イ痛い・・・)
(ミナワ>ご主人様素敵です!
(鬼火>うおぉぉぉ!四天王ときやしたか! 燃えてきたぁぁぁぁ!
(裂邪>ついでに名前もやろう。
    「ウィルオウィスプ」からとって、お前は今日から「ウィル」だ。
(ウィル>おぉ名前まで! ありがてぇ!
(バク>ちょっと待つバク。 オイラも名前欲しいバク。
(裂邪>お前は「バク」の方が呼び易いからいらない。
(バク>冗談じゃないバク!
    10年経って未だに「ピカチュウ」と呼ばれる者の気持ちが分かるバクか!?
(裂邪>よ~し! 家に帰って宴会だ~!
(シェイド>マタ賑ヤカニナルナ。
(ミナワ>楽しくなりますね♪
(ウィル>おっしゃぁ! 燃えて燃えて燃えまくるぜぃ!
(バク>無視するなバク! 置いてくなバク~!

   ...END

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