……通称「首塚」の組織
都市伝説「首塚」の元に集まった、都市伝説の契約者たち
「首塚」が部下を集め始めた狙いは、「組織」を潰す事
…潰す、と言うか、災いを、と言うべきか
とにかく、敵対しているのである
都市伝説「首塚」の元に集まった、都市伝説の契約者たち
「首塚」が部下を集め始めた狙いは、「組織」を潰す事
…潰す、と言うか、災いを、と言うべきか
とにかく、敵対しているのである
………よって
「首塚」組織には、自然と「組織」を嫌う者、恨みを持つ者が多く集まる訳だが…
「首塚」組織には、自然と「組織」を嫌う者、恨みを持つ者が多く集まる訳だが…
「……ったく」
じゃらり
青年が身につけているシルバーアクセサリーが、じゃらじゃらと音を立てる
窓から見える空は、夕日がゆっくりと沈んでいっていて、赤い
まるで、血の色のようだ
青年が身につけているシルバーアクセサリーが、じゃらじゃらと音を立てる
窓から見える空は、夕日がゆっくりと沈んでいっていて、赤い
まるで、血の色のようだ
「どうしようもねぇなぁ、本当に」
チャラけた格好をした青年
実際問題、思考パターンもその手の服装をしている若者に近い部分があるが、根っこは真面目な青年だ
「組織」が嫌いだから、と言う以外に、しっかりと「首塚」の信念に引かれて、その下に下った青年
だからこそ…同じ組織内に、許せない奴が多いのも事実だ
実際問題、思考パターンもその手の服装をしている若者に近い部分があるが、根っこは真面目な青年だ
「組織」が嫌いだから、と言う以外に、しっかりと「首塚」の信念に引かれて、その下に下った青年
だからこそ…同じ組織内に、許せない奴が多いのも事実だ
「あらぁ?派手にやったのねぇ」
じゃり、と
青年の背後に現れた、影
聞き覚えのある声に、青年はゆっくりと振り返った
青年の背後に現れた、影
聞き覚えのある声に、青年はゆっくりと振り返った
「お前かよ、ツルペタ女」
「誰がツルペタよぅ!!」
「誰がツルペタよぅ!!」
青年の言葉に、すかさず突っ込みを入れてきたのは、女性
品の良いスーツに身を包み、髪をきっちりとセットした、眼鏡をかけた固そうな印象のキャリアウーマン
不思議なのは、彼女の持つ鞄から…ハンガーがはみ出ている事くらいか
品の良いスーツに身を包み、髪をきっちりとセットした、眼鏡をかけた固そうな印象のキャリアウーマン
不思議なのは、彼女の持つ鞄から…ハンガーがはみ出ている事くらいか
いや、そもそも、不思議なのは
こんなキャリアウーマンが、こんな廃墟ビルの中にいて、青年のようなチャラ男と向き合い、普通に話していること自体だろうか?
こんなキャリアウーマンが、こんな廃墟ビルの中にいて、青年のようなチャラ男と向き合い、普通に話していること自体だろうか?
「何の用だよ」
「あらぁ、ひどぉい…でも、私の助けなんて、いらなかったみたいねぇ」
「あらぁ、ひどぉい…でも、私の助けなんて、いらなかったみたいねぇ」
キャリアウーマンの言葉に、青年は当然だ、と答えた
青年とキャリアウーマンの間には…遺体が、転がっていた
黒く焼け焦げた遺体
青年の「日焼けマシンで人間ステーキ」の都市伝説に焼き殺された死体だ
ぐしゃり、その死体を踏み潰し、青年は呟く
青年とキャリアウーマンの間には…遺体が、転がっていた
黒く焼け焦げた遺体
青年の「日焼けマシンで人間ステーキ」の都市伝説に焼き殺された死体だ
ぐしゃり、その死体を踏み潰し、青年は呟く
「将門様の信念に背いた野郎だ。死んで当然だろ?」
「私、詳しく聞いてないのだけれども…何をしたのぉ?こいつぅ」
「将門様から聞いてないのかよ」
「『いいからさっさと行って来い』としか言われてないのよぅ」
「私、詳しく聞いてないのだけれども…何をしたのぉ?こいつぅ」
「将門様から聞いてないのかよ」
「『いいからさっさと行って来い』としか言われてないのよぅ」
肩をすくめるキャリアウーマン
「首塚」は偉大な存在だが…時代のズレなのか何なのかわからないが、時々大雑把である
それが、規律の緩さにも関係しているのかもしれないが
そのお陰で、「首塚」組織全体の規模がわからないのは、欠点といえば欠点かもしれない
「首塚」は偉大な存在だが…時代のズレなのか何なのかわからないが、時々大雑把である
それが、規律の緩さにも関係しているのかもしれないが
そのお陰で、「首塚」組織全体の規模がわからないのは、欠点といえば欠点かもしれない
「一言で言えば、幼女誘拐強制わいせつ強姦殺人?」
「うわ、さいってい」
「うわ、さいってい」
ぐしゃっ!!
キャリアウーマンは、侮蔑に満ちた表情で、黒焦げた死体を、ハイヒールで思い切り踏みにじった
ぐりぐりぐり、踏みにじり続ける
キャリアウーマンは、侮蔑に満ちた表情で、黒焦げた死体を、ハイヒールで思い切り踏みにじった
ぐりぐりぐり、踏みにじり続ける
「死んで当然ねぇ」
「だろ?」
「だろ?」
賛同を得られたのが嬉しいのだろうか、青年は無邪気に笑う
そうだ、自分はいいことをしたのである
将門様も、褒めてくれるだろう
そうだ、自分はいいことをしたのである
将門様も、褒めてくれるだろう
「こんなのが、同じ仲間だったなんて、思いたくないわねぇ」
「だよなぁ」
「だよなぁ」
…本当に、どうしようもない
この黒こげ死体は、自分たちの仲間だった
同じ、「首塚」組織の人間だった
この黒こげ死体は、自分たちの仲間だった
同じ、「首塚」組織の人間だった
…しかし
こいつは、「首塚」の信念に反する事をしたのだ
女子供、弱き者に手を出すべからず
それを、破った
こんな奴は、死んで当然なのだ
罰されて当然なのだ
こいつは、「首塚」の信念に反する事をしたのだ
女子供、弱き者に手を出すべからず
それを、破った
こんな奴は、死んで当然なのだ
罰されて当然なのだ
もしかしたら、自分がやらなくても、他の誰かが殺したかもしれない
それこそ、「組織」が消しに来ていただろう
それこそ、「組織」が消しに来ていただろう
だが
身内の恥は、自分たちで始末をつける
規律に含まれてはいないものの、将門はどちらかと言うと、そんな考えだ
だからこそ、青年はこいつを始末した
将門様の信念に背く者に死を
青年とキャリアウーマンにとって、それは至極当然の事だった
身内の恥は、自分たちで始末をつける
規律に含まれてはいないものの、将門はどちらかと言うと、そんな考えだ
だからこそ、青年はこいつを始末した
将門様の信念に背く者に死を
青年とキャリアウーマンにとって、それは至極当然の事だった
「んじゃ、俺、帰るわ」
「あらぁ、この死体はどうするのぅ?」
「ん~?炭化してるし、ほっといたらその内ボロボロになって消えるんじゃね?」
「あらぁ、この死体はどうするのぅ?」
「ん~?炭化してるし、ほっといたらその内ボロボロになって消えるんじゃね?」
後始末とか面倒臭ぇ、と青年はぼやく
「組織」のように、後始末部隊が存在する訳でもない
いや、ある意味、後始末っぽい事が出来そうな者は存在するが…ここまで炭になっていたら、多分食べてくれないだろう
程よい焼き加減だったら、美味しく食べてくれたかもしれないが
「組織」のように、後始末部隊が存在する訳でもない
いや、ある意味、後始末っぽい事が出来そうな者は存在するが…ここまで炭になっていたら、多分食べてくれないだろう
程よい焼き加減だったら、美味しく食べてくれたかもしれないが
「それとも、お前が後始末してくれるのか?」
「えぇ?嫌よぅ。私、そんな能力じゃないものぅ」
「えぇ?嫌よぅ。私、そんな能力じゃないものぅ」
ふるふる
首を左右にふるキャリアウーマン
うん、そりゃそうだよなぁ
よし、放置決定
首を左右にふるキャリアウーマン
うん、そりゃそうだよなぁ
よし、放置決定
「まぁ、放置するのはいいとしてぇ。暇だったら、少し一緒に飲みに行かない?」
くすり、と
キャリアウーマンは、どこか妖艶に微笑みながらそう言った
恐らく、女性に耐性のない人間ならば、思わずノックダウンさせられてしまいそうな微笑み
この誘いを、蹴る事など、不可能だろう
……しかし
キャリアウーマンは、どこか妖艶に微笑みながらそう言った
恐らく、女性に耐性のない人間ならば、思わずノックダウンさせられてしまいそうな微笑み
この誘いを、蹴る事など、不可能だろう
……しかし
「いや、俺は暇じゃねぇ」
悲しいかな、このキャリアウーマンは、青年にとってストライクゾーンではなかった
足りないのだ
胸とか胸とか胸とか胸とかが
この青年のストライクゾーンはDカップ以上である
それ以外は認めない
足りないのだ
胸とか胸とか胸とか胸とかが
この青年のストライクゾーンはDカップ以上である
それ以外は認めない
「あらぁ、残念ねぇ……もしかして、いつも言ってる人を、探しにぃ?」
「あぁ」
「あぁ」
そうだ
自分は、まだ諦めていないのだ
絶対に、こちら側に引き込んでみせるのだから
自分は、まだ諦めていないのだ
絶対に、こちら側に引き込んでみせるのだから
「彼、「組織」の者なんでしょお?そんな人を誘って、将門様、怒らないかしらぁ?」
「将門様の許可はもうとってるぜ。今の「組織」の状態に不満持ってるみたいだしな、あいつ」
「将門様の許可はもうとってるぜ。今の「組織」の状態に不満持ってるみたいだしな、あいつ」
…「組織」の黒服、その一人
生まれて初めて、自分の事などを心配してくれた存在
…それを、こちら側に引き込む
「組織」は「首塚」組織と対立しているのだから、いつか、黒服もその戦闘に巻き込まれるかもしれない
それで、あいつが死ぬのは嫌なのだ
青年はその特別な黒服のことを、父親のように思っていた
…自分の父親は、それはもう最低な男で、父親だなんて思いたくない存在だったから
あれが父親だったら良かった、とそう思った
生まれて初めて、自分の事などを心配してくれた存在
…それを、こちら側に引き込む
「組織」は「首塚」組織と対立しているのだから、いつか、黒服もその戦闘に巻き込まれるかもしれない
それで、あいつが死ぬのは嫌なのだ
青年はその特別な黒服のことを、父親のように思っていた
…自分の父親は、それはもう最低な男で、父親だなんて思いたくない存在だったから
あれが父親だったら良かった、とそう思った
だから、生き続けて欲しい
だから、「首塚」組織に引き込みたい
……それが、青年の願いなのだ
だから、「首塚」組織に引き込みたい
……それが、青年の願いなのだ
「絶対に、こっちのものにしてやるんだ。俺は、諦めねぇ」
絶対に、絶対に、諦めるものか
相手がどう言おうが、諦めない
相手がどう言おうが、諦めない
己が出した答えを、簡単には曲げるな
これもまた、将門の信念の一つなのだ
これもまた、将門の信念の一つなのだ
ふらり、青年は廃墟ビルを後にする
後には、黒焦げの死体と、キャリアウーマンだけが残されて
廃墟ビルの中は夕日に照らされ、気味が悪いほど赤く赤く染まりあがっていたのだった
後には、黒焦げの死体と、キャリアウーマンだけが残されて
廃墟ビルの中は夕日に照らされ、気味が悪いほど赤く赤く染まりあがっていたのだった
「……っふふ」
一人、廃墟ビルに残されて
キャリアウーマンは、静かに微笑みだす
キャリアウーマンは、静かに微笑みだす
「ふふ………ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」
……ごごごごごごごごごごごごごごご
キャリアウーマンのまとう雰囲気が、変わる
それは、清楚なキャリアウーマンとは、全く違う……
キャリアウーマンのまとう雰囲気が、変わる
それは、清楚なキャリアウーマンとは、全く違う……
「チャラけた男と生真面目スーツ男と言う組み合わせのギャップ………そして……あくまでもチャラけた男からアプローチしているだけで…スーツ男の方は、それをさほど相手にしていない…」
ぶつぶつと、呟く
じゅるりっ
溢れた涎を、彼女は拭いた
じゅるりっ
溢れた涎を、彼女は拭いた
「萌え!!!萌えだわっ!!!!敵対する組織同士に所属していると言うシチュエーション!!片思い!!!茨の道っ!!!!なんと言う萌え!!素晴らしいわっ!!さぁ、早く帰って原稿描かなくちゃ!!!!」
ずごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごご!!!
激しいオーラを身にまとい
キャリアウーマンは…貴腐人へと、変化していた
なんて素晴らしい萌えの材料が味方にいたことか
あぁ、「首塚」組織に所属していて、本当に良かった!!!
いやっほぉう!!とハイテンションなキャリアウーマン…否、貴腐人の様子に
こっそりと、いつも彼女と行動を共にしている都市伝説が盛大に引いたことに、彼女は気付いていないのだった
激しいオーラを身にまとい
キャリアウーマンは…貴腐人へと、変化していた
なんて素晴らしい萌えの材料が味方にいたことか
あぁ、「首塚」組織に所属していて、本当に良かった!!!
いやっほぉう!!とハイテンションなキャリアウーマン…否、貴腐人の様子に
こっそりと、いつも彼女と行動を共にしている都市伝説が盛大に引いたことに、彼女は気付いていないのだった