「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 夢幻泡影-19

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匿名ユーザー

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いつからだったろうか、俺が「世界征服」を夢見たのは。
いつからだったろうか、俺が「悪」に目覚めたのは。


――――――全てが霞みがかった日は、はっきり覚えているのに――――――


そうだ、俺が「世界征服」を目指そうと思ったきっかけは、嫌いな生物である「犬」の撲滅だったな。
あとから、自然を守りたいという理由にスイッチしてしまったが。
俺は子供の時から自然が好きだった。
よく山や川に遊びに行って、帰りが遅くなって親父に怒られたっけ。
下らない理由だった。 でもずっと夢見ていた。 自分が支配者になる夢を。

「悪」に目覚めた瞬間は覚えていない。
生まれた時からそうだったのか、成長の過程でそうなったのか。
小学校の時には既にそんな性格だった。 いたずらもしたし、喧嘩もした。 反抗もした。
でも、そんな「悪」の心が膨れ上がった瞬間は覚えている。
ある夏の日。 そう、あの日だ。


―――良カロウ、私ノ命・・・オ前ニ預ケヨウ!


シェイドと契約したあの日。 あの日を境に、俺は「世界征服」を改めて夢見た。
けど今になって、もっと別な感情も働いていた事に気がついた。
シェイドは、俺にとって初めての仲間。 初めての、友達。
俺は心のどこかで、それが嬉しいと感じていたのかも知れない。

そして俺の「悪」の膨張のピークは、春休みに入ってすぐ。
それは正義が契約者だと知った日であり、「下水道に棲む白ワニ」を葬った日。
あの時の所為だろうか、正義の俺に対する態度が変わった。
今なら言えるが、申し訳ない事をした。
既に戦意を喪失していたことぐらい目に見えて分かっていたのに。
俺の所為であいつの心は傷ついた。 もう、償いなんてできるものじゃないだろう。



でも、そんなことすらも考えられなかったほど穢れた心を持った俺は、
学校町でターニングポイントに出会う。


―――も、もしよかったら・・・け、契約してもらえないでしょうか?


ミナワ。 俺が契約した2つ目の都市伝説。俺が学校町で初めて出会った仲間。
そして・・・俺にとって、大切な人。
彼女と出会って、俺の心の「悪」は日に日に薄れていった。
俺が思うに、これもきっと彼女の、「シャボン玉」の能力なんじゃないかな。
ほら、「シャボン玉」って石鹸水で作るだろ?
彼女の石鹸水のような綺麗な心が、俺の穢れた心を洗い流してくれたんだと、最近そう思い始めた。
それに、彼女は俺を愛してくれている。家族以外で、俺をこんなに深く愛してくれる人は他にいなかった。
彼女が俺を愛し、俺も彼女を愛する。 それも幸せなことだった。



その後も、この学校町で新しい仲間に出会った。


―――オイラも世界征服とやらに協力してやるから感謝するバク!


―――ここで会ったも何かの縁!あっしもつき合わせておくんなせぇ!


バクとウィル。 どちらも個性的で、雰囲気を和ませてくれる。
こいつらのお陰で、一層賑やかになった。
多重契約だから、倒れそうになった事もあるけどな。
でも俺は、シェイドもミナワもバクもウィルも、皆好きだし、誰も失いたくない。
いつしか俺は、こいつらを「仲間」じゃなくて、「家族」と見なすようになった。
そして、自然を守りたいという気持ちも確かにあるけど、
俺にはもっと大事な、守るべきものがある事に気がついた。
これからも皆一緒に笑いたい。 一緒に喜びたい。
楽しみたい、学びたい、――――――、ずっと一緒に居たい。


だから不安になる。 もしこいつらが1人でも欠けたら、俺はどうなるんだろう。
考えたくも無い。 でも考えてしまう。 この幸せな一時が、いつか壊れてしまうんじゃないかって。

俺はそれが怖かった。 だから、そんな状況に陥った人とか、陥った場合とかを考えるのも怖かった。
この間契約者にトドメをさせなかったのもその所為だ。
もし俺が奴にトドメをさしていたら、奴を失った家族はどう思うだろう。
奴を失った友人達はどう思うだろう。
そんな事を考えるのがとても怖かった。 考えたくなかった。
でも勝手に頭の中に流れてくる。 俺はそれに堪えられなかった。

だから今なら分かる。 「白ワニ」を失った、正義達の気持ちが。
俺は許されざることをした。 彼等が俺を許すことなどないだろう。
償いたい。 でもどうすることもできない。 しかし償わなければ気は晴れない・・・



俺は一体・・・どうすれば・・・












ガバッ!

(裂邪>ほえ!?

裂邪は跳び起きた。 太陽はまだ顔を出していないようである。

(裂邪>夢か・・・いや違うな。俺の良心が見せてくれたのかも。説教みたいな感じで・・・

フフッ、と自嘲するように鼻で笑う。 
声に反応したのか、隣で寝ていたミナワが目を覚ます。

(ミナワ>んん・・・あ、ご主人様。おはようございます。
(裂邪>おう、起こしたか? すまん。
(ミナワ>いえ、ところでどうかなさいましたか?
(裂邪>変な夢見たみたいでさ。 バクの奴、また仕事サボりやがって・・・

ふと枕元のバクを見る裂邪。 当の本人はすやすやと寝息をたてて寝ている。

(ミナワ>悪い夢でしたら話した方がいいですよ? 正夢になったら大変ですから。
(裂邪>いいよ。悪くはなかったから。
   それに悪かったとしてもお前まで不幸に巻き込むようで気が引けるし・・・
(ミナワ>もぅ、ご主人様ったら朝から何を仰ってるんですかぁ。
(裂邪>ウヒヒヒヒ、悪い悪い。

不意に、裂邪とミナワは腕で目を覆う。
窓から、太陽が今まさに地平線から昇ろうとする光景が見られた。

(ミナワ>わぁ・・・キレイ・・・
(裂邪>・・・・・・。

とその時、裂邪はそっとミナワを抱きしめた。 急な出来事に彼女は顔を赤らめる。

(ミナワ>ふぇ!? ご、ごしゅじ―――
(裂邪>ごめん・・・暫く・・・こうさせてくれ・・・

ミナワの背中に、生温かいものが流れる。 すぐにそれが涙だと分かった。
彼女は裂邪が泣いているところなど見たことが無かった。 しかし、煽ってしまうと傷つけてしまう。
そう考え、ミナワは何も言わずに、ただ彼の背中に手を添えた。

(シェイド>・・・朝ッパラカラ幸セナ奴等ダナ、オ前達ハ。

ビクンッ、と一瞬体が跳ねた2人。 そこには背の高い影が立っていた。
裂邪は涙を拭いながら弁明する。

(裂邪>シ、シシシシシシシェイド! 誤解するなよ!? 「そんなこと」一切やってない!
(ミナワ>そそそそそそそうですよ! 「そんなこと」なんてやってません!
(シェイド>別ニソウイウツモリデ言ッテル訳ジャナインダガナ・・・
     マァイイ、急イデ仕度シロ。 今日ハ学校ダゾ?
(裂邪>マジで!? そうか今日は月曜日か! 急げ急げ!

騒々しく扉を開け、階段を下りていく裂邪。

(ミナワ>あらら・・・ご主人様、怪我をしなければいいのですが・・・
(シェイド>フフフ・・・今日ハ日曜日ダゾ?
(ミナワ>へ?
(シェイド>スマナカッタ。 湿ッポイ空気ダッタカラ、出来ル限リノコトハヤロウト思ッテナ。
(ミナワ>あぁ、それで・・・でもそれってご主人様すごk―――

ガチャッ!

(裂邪>シェイドォ! お前騙したな!? 月曜日の朝っぱらに「バトスピ」やってる訳ねぇだろ!?
(ミナワ>(やっぱり;)
(シェイド>(マァ、コウナルコトハ予測済ミダ。)オット、体内時計ガ狂ッテイタヨウダ。失礼。

そういって、シェイドはフッ、と影の中に入る。 思わずクスッと笑うミナワ。

(ミナワ>帰っちゃいましたね;
(裂邪>ちょっと待てぇ! いつもより早いじゃねぇか!?
   何で普段からそのスピードでやらない!? 出て来いやぁ!
(バ+ウィ>・・・うるさい・・・Zzz・・・

   ...END

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