「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 夢幻泡影-20

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匿名ユーザー

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学校町西区、真夏の夜の廃工場―――
ここに、少年と少女と、ローブの男と変な生き物と火の玉と言う、奇妙なメンバーが足を踏み入れていた。
まぁ、いつものメンバーなのだが。

(ミナワ>ぶ、不気味ですね・・・何で夜中にこんなところに来たんですか?

震えながらミナワが問うと、裂邪がニヤッと笑いながら答えた。

(裂邪>久々に都市伝説が狩りたくなってな。
   ここ暫く、襲われたり逃がしたり助けられたりが続いたし。欲求不満だ。
(シェイド>ダカラトイッテワザワザ家ト反対側ノ西区ニカ?
(裂邪>文句があるなら帰れー。 いいじゃんよ、雰囲気あって。
(ウィル>確かに、肝試しみたいで味がありやすねえ。
(バク>バァ~ァクク・・・主ィ、もう眠いから早く済ませるバクよ。

バクの懇願を無視して、裂邪は廃工場を奥へ奥へと進む。 その時、何かが動いたのが分かった。

(シェイド>イルゾ。
(裂邪>お前等! 戦闘準b―――――あ゛!

裂邪は硬直した。 廃工場の中から、白い大きな犬が、
不気味な音を立てながら10、いや20匹、こちらに向かってくる。

(裂邪>ま・・・た・・・犬・・・かよ!
(ウィル>え?旦那、もしや犬嫌い!?
(獏>そうだったのか!?・・・だが何の都市伝説だ?
(シェイド>コノ音・・・恐ラク「パッドフット」ダロウ。マズイナ、追イ詰メラレルト命ハナイゾ。

「パッドフット」は不気味な音を立てながら獲物を追い詰め、そして襲いかかる怪物だ。
今、工場内に入ってしまった裂邪達は、かなり危険な状態である。

(ミナワ>「パッドフット」は聞いた事ありますけど・・・「群れを成す」なんてありましたっけ?
(裂邪>どうでもいい! シェイド!『闇誘拐』!
(シェイド>無理ダ裂邪。 今日ノ月ハ、私ニハ明ルスギル。
(裂邪>何その言い方!?はらわたが煮えくり返るわこの役立たず!
   んじゃ『シャドーサイス』、『ウィルウィップ』!
(シェイド>了解シタ。
(ウィル>がってん!

裂邪は右手に黒い鎌、左手に炎の鞭を構える。

(裂邪>ミナワ! 獏! なるべく近づけるな! てか、絶対近づけるな!
(ミナワ>はい、ご主人様!
(獏>OKィ!

20頭余りのパッドフットが尚も彼等にゆっくりと近づいてくる。

(獏>いっくぜぇ!
(ミナワ>シャボン玉飛んだ、パイプも飛んだ!
(裂邪>来るな来るな来るなぁぁぁぁ!

獏は群れに突撃して2、3匹を突き飛ばし、
ミナワはシャボン玉と共に鉄パイプを飛ばして3、4匹をプレス。
そして裂邪は炎の鞭で3~5匹を薙ぎ払う。 が、それらはすぐに立ち上がり、再び向かってくる。

(獏>チッ、こいつらかなり丈夫だぜ!?
(ミナワ>うぅ・・・「替え歌」は1回きりですので、私はもう・・・
(裂邪>クソッ、この状況で「白闇」は逆に不利になるだけだし・・・考えろ、考えろ俺・・・・

裂邪が作戦を考えてようとした時、2匹のパッドフットが飛びかかろうとした。
彼が気づいたと同時に、大きなシャボン玉によって守られる。

(裂邪>す、すまないミナワ!
(ミナワ>何か作戦は浮かびましたか!?
(裂邪>いや・・・正直、焦りすぎて何も出てこない・・・! チクショウ、こんな時に!

チラと、前線で戦っていた獏を見る。 肩で呼吸しだしたのが一目で分かった。

(獏>あ、主ぃ・・・! こりゃマジでキリがねぇぞ!
(裂邪>シェイドォ! お前本当にできないのか『闇誘拐』!
(シェイド>アァ。厄介ナ事ニ、影ノ無イ方ヘ能動的ニ移動シテイル。残念ダガ・・・
(裂邪>クッ、万事休すか・・・?
(ミナワ>大丈夫ですよ、ご主人様ならこんな状況ぐらいきりぬkッ!?

ドサッ、とミナワがその場にへたり込む。 よく見ると、ガタガタと震えているようだった。

(裂邪>ど、どうした!?
(ミナワ>ふ・・・震えが・・・止まりません・・・
(シェイド>「パッドフット」ノ能力カ!? 獲物ヲ追イ詰メル時ニ恐怖デ怯エサセルト聞イタガ・・・
(裂邪>チィッ、これだけいたんじゃ、効力も倍増するわな・・・仕方ない、ウィル!ミナワを守れ!
(ウィル>だ、旦那は!?
(裂邪>・・・俺は、何とかやれる! さっきの挙動を見るに、こいつら火にビビる筈だ!

ウィルは裂邪の手元を離れ、ミナワの周りを囲むように増殖する。
予想通り、パッドフット達はミナワの方は見向きもしていない。
そして、裂邪はぎこちないながらも、一歩一歩前に歩き出す。

(獏>いいのか主? テメェ犬嫌いなんだろ?
(裂邪>今そんな事・・・言ってる場合じゃないし・・・

とは言ったものの、彼の表情は強ばっていた。
しかし敵はそんな裂邪を見逃さなかった。3頭のパッドフットが、裂邪に飛びかかる。

(獏>あ、あるj――――――




―――――――ザンッ!

裂邪が鎌を横薙ぎに振るう。
襲いかかったパッドフットの頭が一気に吹っ飛び、辺りに血が飛び散る。
ボトボトと頭と胴体が落ち、パッドフット達の動きが一瞬止まる。
追い討ちをかけるように落ちてきた胴体を切り裂くと、
パッドフット達は吹き出す血を避けるように後退った。

(裂邪>ったく、カラカラコロコロ鳴きやがってこの下等生物が!
(獏>なっ・・・!?
(ミナワ>・・・ご、しゅじん・・・さま?

裂邪は顔に飛んだ返り血を舐め、表情を変える。
その表情は、先程の犬に対する恐怖は一切見られない。
それどころか、犬に対する憎悪、怨恨、そして殺意の念が強く表れていた。

(裂邪>ヒハハハハハハ・・・これだこれぇ、やっぱこうでなくちゃな・・・“俺”は。
   ウィル! シェイド! 『カオス・イリュージョン』!
(ウィル>が、がってんでい!
(シェイド>了解シタ。

黒い鎌を影に突き刺すと、それはスッと地面に吸い込まれるように消える。
そして、ミナワの周りにいたウィルの内2個が彼の背後に移動し、強い光を放つ。
すると裂邪の前方に2つの影が伸び、そこから2人のシェイドが現れ、さらにそれらは2本の鎌となる。

(裂邪>・・・獏、こいつら全員寝かせられるか?
(獏>何?・・・やれると思うが―――
(裂邪>やれ。今すぐに。

獏は感じていた。 今までの裂邪とは、完全にどこかが違うと・・・
言われるがままに、獏は鼻から夢を撒き散らすと、
パッドフット達はバタバタと倒れ始め、獏も小さな姿に変わってしまった。

(バク>バクク~、も、もう限界バク・・・この後どうするバクか?
(裂邪>・・・ミナワに、絶対この光景を見せるな。

優しげな言葉だった。 が、その表情からは優しさなど微塵も感じとれなかった。
闇色の2本の刃を見つめながら冷たく笑うその顔は、バクにこれから起こる事を暗示させた。
バクは即座にミナワの元へ飛び、彼女の目を覆った。

(ミナワ>な、なんですか!? どうかしたんですかバクさん!?
(バク>見ちゃダメバク! 絶対に見ちゃダメだバク!

―――――――ドスッ!ドスッ!
1体の眠れるパッドフットに、2つの鎌がつき立てられる。 そして、廃工場に響く無気味な笑い声。
その邪悪な笑い声は紛れもなく、あの頃の・・・学校町に来る前の、あの頃の裂邪のものだった。
さらに鎌は連続して何かを切り刻む音を立てる。 知っての通り、裂邪は犬が嫌いである。
嫌いどころか憎んですらいるし、絶滅したいとも考えている。
そんな彼が、犬の首を切った程度で満足できるだろうか?

(裂邪>ウヒッヒヒッヒヒ・・・ヒハハハハハハハハ!ヒッハハハハハハハハハハハハハハァ! 

血の噴き出す音、肉と骨の刻まれる音、そして笑い声が延々と響く。
夢を見ているパッドフット達は次々と、声を出す間もなく首をはねられる。

(ウィル>い・・・一体どうしたんでい旦那ァ・・・
(ミナワ>ご主人様!? どいて下さいバクさん!
(バク>絶対に・・・絶対にどかないバクゥ!




数分後、そこでは凄惨な光景が広がっていた。
月影に照らされ、赤く輝く廃工場。
残るのは、原形を留めぬ肉塊と、血塗れの黒衣を着た、二刀流の若き死神。
その死神―――裂邪が深く溜息をつくと、何事も無かったかのように、肉塊は月光に消えた。

(バク>・・・お、終わったバク・・・もういいバクよ。
(ミナワ>ご、ご主人様!

ミナワが裂邪の元に駆け寄る。 が、彼はミナワの到着を待たずして倒れてしまった。








(裂邪>んぅ・・・
(ミナワ>あ、ご主人様!
(裂邪>ここどこ? てかパッドフットはどうなった?
(ミナワ>え?覚えていらっしゃらないんですか? 私もあの後どうなったかは・・・
(シェイド>ココハオ前ノ部屋ダ。 パッドフット達ハオ前ガ切リ刻ンダ。 原形ヲ留メヌ程ニナ・・・

驚いたのはミナワと、切り刻んだ張本人の裂邪だった。

(裂邪>ち、ちと待て! お、落ち着けよ、お前等全員、俺が犬嫌いだって知ってるよな?
   まぁバクとウィルは今日知ったかも知れんが・・・
   そんな俺が、犬を切り刻むどころか、近づくことすらできんだろ?
(ミナワ>そ、そうですよ! ご主人様は、お昼寝してるワンちゃんにも近づけないんですよ!?
    そんなこと・・・ウィルさん、本当なんですか?
(ウィル>本当でい・・・あまり思い出したくありやせんけど。
(バク>お姉さんが見なかっただけよかったバク。
(裂邪>いやいや在り得ないって!そもそも記憶に無いんだぜ!?
(シェイド>“今ノオ前”ナラ無理ダ。 “昔ノオ前”ナラドウシタ?

一同はきょとんとしている。 しかしシェイドはクククと笑って続ける。

(シェイド>懐カシカッタ・・・オ前ガパッドフット達ヲ切リ刻ンデイル間、オ前ハ終始笑イ続ケテイタ・・・
     アレハ過去ノオ前ノ姿ダ。 コノ学校町ニ来ル前ノナ。 マ、アソコマデ酷クハナカッタガ・・・
(バク>主って昔あんなだったバクか!?
(ミナワ>そ、想像できません・・・
(裂邪>・・・何が言いたいんだ? 散々言うが俺は何も覚えて無いんだぞ? まさか俺が二重人格だとでも?
(シェイド>似タヨウナ物カモ知レンガ、恐ラク「良心」ト「邪心」ガ入レ替ワッタノデハナイカト考エテイル。
(裂邪>何それもう人間じゃないじゃん。 そんなとこまで進行しちゃってんの?都市伝説との融合。
(シェイド>黙ッテ聞ケ。 ハッキリ言ウガ、オ前ハ肉体的能力デハ、オ前ノ弟ニスラ劣ッテイル。
     ダガ、4ツノ都市伝説ト契約シテモ尚、
     半分トハイエ人間トシテ存在デキルオ前ノ精神力ハ評価ニ値スル。
(裂邪>いきなり褒められると照れるな・・・
(シェイド>ソノ強イ精神力ガアレバ、「良心」ト「邪心」ノ交換ナド可能ダト、私ハソウ解釈シタ。

ふーん、と裂邪はにやけながら頷いたが、他のメンバーは上の空になっていた。

(ミナワ>あ、あのぉ・・・よ、要するに、ご主人様はすごいって事ですよね?;
(裂邪>簡単に言えばそうなるか。
   でも、そっか・・・消したと思ってたのになぁ・・・俺の悪の心・・・
(バク>ん?主、それ本心バクか?
(裂邪>だって皆を守るのに悪の心なんていらないじゃん。だから頑張って消そうって思ってたのに。
   ・・・あれ? 待て、今のはジョークだ! 本心なんかじゃない!///
(シェイド>「良心」ガ変ナ時ニ出テキタヨウダナ;
(ウィル>安心しなせえ旦那! 「良心」が出ようと「邪心」が出ようとあっしは旦那を信じるぜい!
(ミナワ>そうですよ、私はご主人様の良い所も悪い所も、全部大好きです♪
(バク>でも・・・もう見たくないバクよ「あれ」は・・・あぁ、吐きそうバク・・・
(裂邪>ウヒヒヒ、迷惑かけてすまなかったな。 しかしもうこんな時間か。お前等もう寝るぞ。

裂邪は1つ大あくびをすると、早々にベッドに横たわり、疲れが溜まっていたのもあって、ものの数分で眠りについた。
しかしこの後、彼は休む間もなく次の戦いに駆り出されるのだった・・・

   ...END

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