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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - ドクター-81

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ドクター81


「うーん、別に私の存在が感付かれた訳じゃないわよね?」
ペットショップ『ゲルマニア』からほど近いマンションの屋上から、双眼鏡を覗いていた黒服女は首を傾げていた
外国人の子供という事で割と目立つ存在な上に、日常的に犬達の散歩で顔が広くなっていた『ウィンチェスター・ミステリー・ハウス』の契約者である少女は、少々の聞き込みですぐに居場所を突き止めてしまった
見つからなければそれで言い訳にもなったのだがと、とりあえず状況を観察していたところに、多数の来訪者が現れターゲットの少女と共に屋内に引き篭もってしまったのだ
おまけに近くで探ろうにも、ターゲットがいる建物の周辺には常になんらかの都市伝説及び契約者が護衛のように張り付いている
「しかもアレ、マッドガッサーの一味じゃなかったっけ? うっわー、上に報告したら仕事増えそう。マジ勘弁」
『アメリカ政府の陰謀論』は、過去にこのマッドガッサーの捕獲に失敗している
「護衛が居るから難しいって報告しようにも、アレ片方『マリ・ヴェリテのベート』よね……マッドガッサーとつるんでるのは上も知ってるし、どう報告したもんかなー」
一番楽な手段はマッドガッサーの存在を上に知らせずに、ただ護衛ごと排除したという事にして皆殺しにする事である
一般的な民家なら彼女が全力の攻撃を叩き込めば一撃で中身ごと吹き飛ばす事は可能なのだが、問題はその建物が『第三帝国』の総統の所有物件という事である
戦闘行為に耐えうる構造強化が施されていれば、一瞬で攻守は逆転して追われる身になってしまう
「総統の直属部隊に追われるのも嫌だけど、『マリ・ヴェリテのベート』に追われるとかなったら洒落になんないし。うーん」
そもそも市街地でそんな派手な真似をやらかした日には、あっという間に『組織』の目につく事になるだろう
「とりあえずしばらく様子見て、マッドガッサー一味の解散待ちかなー」
そう一人呟くと、黒服女は双眼鏡をトートバッグに放り込み、足早にその場を後にした

―――

「女中よ、肉が少ないぞ。酒も足りん」
「うるせぇよ!? つーか契約者はとっくに帰ったんだからお前も帰れよ!」
大量の食材が詰め込まれた安売りスーパーの袋を両手一杯に提げながら、後ろに立つ実体の無い大男『呂布』に怒鳴りつける犬メイド
「奴との契約はとうに破棄している。俺とは関わらぬ方が幸せだろう」
「俺があんたと関わって不幸になるのは構わんのかよ!?」
「間借りして飯を馳走になっているだけではないか」
「充分だよ! 一般的な成人男性の十倍近く食ってる奴が何を言ってやがる!?」
「そうは言われても、俺が契約者無しで存在を保つ為に必要なものは『闘争』だ。俺の強さを示してこそ、俺は俺として今の世に存在できるのだ。それができねば飯と酒を喰らい糧とするしかあるまい」
何故この豪傑が契約者すら居ないというのにこの地に留まる事に固執しているかというと
「将門とは結局刃を交えていない。上田という男も俺が戦うに値する存在だ。他にも戦う相手には事欠かぬ理想郷のような地だ。易々と離れるわけにはいかん」
「だったらまず契約者を探せっての……食費はともかく、一人で作るのはマジできついんだよ」
「俺の力を奮うに相応しい契約者などそうそう居るものか」
そんなこんなで非実体のままの呂布は犬メイドのところに居着いているのだった
実際のところ、彼女に食事をたかっている理由も出会いなどを含めた『縁』から、彼女から捧げられるものであれば食物程度のエネルギーで個を保っていられるという事なのだが、面倒なので説明していなかったりする
「護衛程度はしてやっているのだ、ありがたく思え」
「上から目線だなオイ!? つーか何から守られてるんだよ俺……?」
財布の紐と台所を握っている現状、それなりに強気に出れるようになっている犬メイドが食って掛かろうとしたその時
その視線の先で、見知った女性が歩いていく
「ほう、強いなあれは」
呂布が感心したように声を上げ
犬メイドは即座に買い物袋を下ろし、常備している小型カメラを向けてシャッターを切る
「しまった、携帯の方にしとけばすぐに転送できたのに……あーでもそっちだとカメラ起動してる間にいなくなりそうだったし」
「今の女の情報を必要としている輩でも居るのか」
「昔のツレの、行方不明になった彼女なんだよ。今はアメリカのヤバい連中の組織に居るみたいでな」
そこまで言ってから、ふと頭に疑問が浮かぶ
そんな彼女が何をしに日本に現れたのか
『陰謀論』絡みなら、元は彼だった彼女の身体がこうなった原因であるマッドガッサーか、アメリカから逃げてきたという話の少女か、もしくはドクター一派そのものぐらいにしか繋がる線が見えない
「ヤバい話にならなきゃいいんだがな……」
「俺としては、あの女と戦ってみたいところだがな」
「あんた、俺の話聞いてたか?」
大量の買い物袋を抱え直し、戦い以外に興味の無い男にいかに状況を伝えるか、頭を悩ませる犬メイドであった


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