「……やはり、賢者の石がネックだな」
「あー、邪魔か?」
「人間に戻る、とするならね」
「あー、邪魔か?」
「人間に戻る、とするならね」
だよなぁ、と苦笑する黒服H
……人間に、戻る為
今、唯一わかっている手段は、「第三帝国」のドクターが見つけた、錬金術系統のものしか、ない
Hからすれば、その方法は、いつかそれを行使する者に反動が表れかねない危険なものではないか、とも思えるのだが…今は、これしか頼る手段が、ない
今、唯一わかっている手段は、「第三帝国」のドクターが見つけた、錬金術系統のものしか、ない
Hからすれば、その方法は、いつかそれを行使する者に反動が表れかねない危険なものではないか、とも思えるのだが…今は、これしか頼る手段が、ない
よって
元の人間に戻る為、Hはドクターの検査を定期的に受けるようにしていた
…自分以外の者の検査を受けると言う事に関してヘンリエッタが多少難色を示したが、その辺りは脅………説得したので、問題ない
元の人間に戻る為、Hはドクターの検査を定期的に受けるようにしていた
…自分以外の者の検査を受けると言う事に関してヘンリエッタが多少難色を示したが、その辺りは脅………説得したので、問題ない
とまれ
検査のたびに言われている事が、これである
検査のたびに言われている事が、これである
----賢者の石
完全なものではないにしろ、それは、Hの中に埋め込まれている
復讐を完了させる為の手段として、埋め込んだもの
たとえ命を落とすような重症を負ったとしても、これが埋め込まれている限りは、問題ない
…残りのエネルギーを、使いきりさえしなければ
復讐を完了させる為の手段として、埋め込んだもの
たとえ命を落とすような重症を負ったとしても、これが埋め込まれている限りは、問題ない
…残りのエネルギーを、使いきりさえしなければ
「そんなものを埋め込まなければならない程、厄介な相手なのかね?」
「…何せ、相手は「不死身の狂人」なんでね?どれだけ殺せば死ぬのかわからねぇし…そもそも、あいつの最大の厄介な点は不死身な点じゃねぇんだよ」
「…何せ、相手は「不死身の狂人」なんでね?どれだけ殺せば死ぬのかわからねぇし…そもそも、あいつの最大の厄介な点は不死身な点じゃねぇんだよ」
検査の為に脱いでいたスーツをまといつつ、ドクターの何気ない質問に答えるH
「組織」の情報漏洩もいいところだが、どうせ自分の復讐相手のことなので、別に気にしていない
「組織」の情報漏洩もいいところだが、どうせ自分の復讐相手のことなので、別に気にしていない
「…研究者系の癖に、馬鹿みたいに強いらしくてな。剣の腕じゃ、「組織」でもトップクラスだそうだ」
「……剣、かい?」
「あぁ。不死身の体と、人間の限界超えた剣技。それがH-No.1……ハンニバルが、「組織」内の強硬派や過激派相手ですら鬱陶しがられたり恨まれたりしても、いまだ生き続けていられる理由って事さ」
「……剣、かい?」
「あぁ。不死身の体と、人間の限界超えた剣技。それがH-No.1……ハンニバルが、「組織」内の強硬派や過激派相手ですら鬱陶しがられたり恨まれたりしても、いまだ生き続けていられる理由って事さ」
ふむ、と考え込むドクター
…ハンニバル、と言う名前に、聞き覚えがあるらしかった
…ハンニバル、と言う名前に、聞き覚えがあるらしかった
「…その男、ハンニバル・ヘースティングスと名乗っているのではないのかい?」
「うん?…知ってるのか?」
「…ヨーロッパでは、一部で知られている名前だよ。確か、元「教会」の所属だとか」
「……よりによって、あそこか」
「うん?…知ってるのか?」
「…ヨーロッパでは、一部で知られている名前だよ。確か、元「教会」の所属だとか」
「……よりによって、あそこか」
だが
あの狂人が元「教会」所属と言うのは…どうにも、違和感を感じる
Hが感じた違和感を、ドクターも感じていたのだろうか
肩をすくめながら、言う
あの狂人が元「教会」所属と言うのは…どうにも、違和感を感じる
Hが感じた違和感を、ドクターも感じていたのだろうか
肩をすくめながら、言う
「…まぁ、「教会」所属の頃は、今の君が言うように「狂人」とは呼ばれていなかったのだろうよ……そもそも、そう呼ばれる状態になってしまったからこそ、「教会」を離れたのかもしれない」
「なるほどねぇ…契約都市伝説が何かは、わかるか?」
「いや、まったく…「教会」は保守主義で秘密主義だ。たとえ、「教会」から飛び出した者とは言え、情報をよそには公開しないだろうよ」
「なるほどねぇ…契約都市伝説が何かは、わかるか?」
「いや、まったく…「教会」は保守主義で秘密主義だ。たとえ、「教会」から飛び出した者とは言え、情報をよそには公開しないだろうよ」
すくりと、立ち上がる
…本当、厄介な男だ、H-No.1は
それが、自分と辰也の………最大の、復讐相手
一番、殺さなければならない相手
…本当、厄介な男だ、H-No.1は
それが、自分と辰也の………最大の、復讐相手
一番、殺さなければならない相手
勝ち目の薄い勝負であろうとも
自分は、勝たなければならない
あの男を、殺さなければならない
以前の自分であったら、たとえ相打ちになろうとも、殺そうとしたのだろうが
自分は、勝たなければならない
あの男を、殺さなければならない
以前の自分であったら、たとえ相打ちになろうとも、殺そうとしたのだろうが
(……一人、残していく訳にはいかねぇしな)
共に生きると決めた、大切な相手ができたのだから
自分は、死ぬ訳にはいかないのだ
彼女を悲しませるなど……もう、御免だ
自分は、死ぬ訳にはいかないのだ
彼女を悲しませるなど……もう、御免だ
「……んじゃあ、俺はこれで。まぁ、賢者の石は…とっととやるべきことを終わらせて、何とかしておくさ」
「…気をつけたまえ。賢者の石の再生力に頼る戦い方は危険だぞ」
「わかってるさ」
「…気をつけたまえ。賢者の石の再生力に頼る戦い方は危険だぞ」
「わかってるさ」
診療所を、後にしようとして…
……そうだ、とHは立ち止まる
……そうだ、とHは立ち止まる
「余裕があったら、でいいんだがよ……今度、辰也を検査してやってくれないか?」
「…彼をかい?」
「あぁ…辰也から受け取った資料を全部見たんなら、あいつが「組織」でどう言う扱いを受けていたか、大筋わかってるだろ?」
「…彼をかい?」
「あぁ…辰也から受け取った資料を全部見たんなら、あいつが「組織」でどう言う扱いを受けていたか、大筋わかってるだろ?」
Hの言葉に…ドクターは、あぁ、と頷いた
やや、難しい表情を浮かべる
やや、難しい表情を浮かべる
「多種類の薬を投与されている上、その一つ一つが致死量ギリギリ…中には、致死量に達する量を投与されている物もあった。あれでよく、副作用が現れないものだ」
「体質の関係なのか、何の関係なのか…俺はそっち方面の知識はさっぱりだから、何とも言えないがな。ただ、あいつも、いつその手の反動が出てもおかしくない事は事実だからな」
「体質の関係なのか、何の関係なのか…俺はそっち方面の知識はさっぱりだから、何とも言えないがな。ただ、あいつも、いつその手の反動が出てもおかしくない事は事実だからな」
…それに
H-No.9が口にしたと言う言葉が引っかかる
H-No.9が口にしたと言う言葉が引っかかる
-----H-No.1の、とっておき
それを聞いてから、改めて「組織」にいた頃の辰也の資料を、片っ端から調べなおした
そこから、導き出される答え
自分の予測が正しければ…………
そこから、導き出される答え
自分の予測が正しければ…………
「…わかった、ただ、彼は僕のような研究者タイプの人間に検査される事を、嫌がるのではないのかい?」
「まぁ、その辺は俺が説得しとく。俺一人の説得で無理だったら、お姫さんにも手伝ってもらうさ」
「まぁ、その辺は俺が説得しとく。俺一人の説得で無理だったら、お姫さんにも手伝ってもらうさ」
自分の説得では無理でも、恵の説得ならば、辰也も折れざるを得まい
Hの言葉に、了解した、と頷くドクター
Hの言葉に、了解した、と頷くドクター
改めて、診療所を後にして、
やれやれ、とHは軽く、ため息をついた
やれやれ、とHは軽く、ため息をついた
「…厄介事は、何もかもさっさと片付けたいんだがねぇ……うまくいかねぇなぁ」
…H-No.1の居所が、つかめない
辰也よりも早く、それを見つけ出して、始末しなければ
辰也よりも早く、それを見つけ出して、始末しなければ
辰也とH-No.1を、再び接触させてはならない
その先に待ち受けかねない最悪の事態を予測して
その先に待ち受けかねない最悪の事態を予測して
殺す決意を、さらに強め
Hは一人、北区の田舎道を歩いていくのだった
Hは一人、北区の田舎道を歩いていくのだった
to be … ?