気づいた時には、既に遅く
手に入るはずだったものは、その手をすり抜けた
手に入るはずだったものは、その手をすり抜けた
彼女はそれを嘆き続ける
嘆く以外にどうすればいいのか、彼女はわからない
嘆く以外にどうすればいいのか、彼女はわからない
Red Cape
…それは、D-No.0の暗殺事件、直後の事…
「…………」
ヘンリエッタは、俯きながら歩き続けている
…D-No.0が死亡した、と
そう結論付けたのは、ヘンリエッタ
彼女自身、認めたくなかったであろう事実を………よりによって、彼女が証明する事となってしまった
何という、皮肉であろうか
ヘンリエッタの苦悩を感じ取っているが故、ジェラルドは逆に………彼女に、声をかける事ができない
…D-No.0が死亡した、と
そう結論付けたのは、ヘンリエッタ
彼女自身、認めたくなかったであろう事実を………よりによって、彼女が証明する事となってしまった
何という、皮肉であろうか
ヘンリエッタの苦悩を感じ取っているが故、ジェラルドは逆に………彼女に、声をかける事ができない
「……………」
D-No.0は、穏健派の筆頭だった
狙われた原因は、それだろう
そして、彼は………ただ一人で、世界を滅ぼしかねない力を持っていた
強硬派や過激派が、それを恐れたのも原因の一つだろう
狙われた原因は、それだろう
そして、彼は………ただ一人で、世界を滅ぼしかねない力を持っていた
強硬派や過激派が、それを恐れたのも原因の一つだろう
…それに
ヘンリエッタは、D-No.0の言葉に、感化されつつあった
彼女だけではない
強硬派や過激派の中に、彼の思考に引き寄せられる者が、現れ始めていたのだ
いや、実際、既に穏健派に転向した者も、決して少なくない
強硬派や過激派にしてみれば…D-No.0は、自覚のあるなしに関わらず、自分達の戦力を削り取る危険な存在だったのだ
ヘンリエッタは、D-No.0の言葉に、感化されつつあった
彼女だけではない
強硬派や過激派の中に、彼の思考に引き寄せられる者が、現れ始めていたのだ
いや、実際、既に穏健派に転向した者も、決して少なくない
強硬派や過激派にしてみれば…D-No.0は、自覚のあるなしに関わらず、自分達の戦力を削り取る危険な存在だったのだ
あの男は、優しかった
ただ、優しかった
……ただ、それだけの事だったと、言うのに
ただ、優しかった
……ただ、それだけの事だったと、言うのに
「…………………」
終始無言のヘンリエッタ
ジェラルドは、その無言の気まずさに押しつぶされる事なく、彼もまた無言を貫いている
ヘンリエッタが己の執務室に入るまで、その無言の時間は続くかと思われた
しかし
ジェラルドは、その無言の気まずさに押しつぶされる事なく、彼もまた無言を貫いている
ヘンリエッタが己の執務室に入るまで、その無言の時間は続くかと思われた
しかし
「…ヘンリエッタ」
「………E-No.0か……妾に、何か用かえ?」
「………E-No.0か……妾に、何か用かえ?」
執務室に到達する、その直前
E-No.0…エーテルが、ヘンリエッタの前に、立ちふさがる
ヘンリエッタは、不機嫌を隠そうともせずにエーテルを睨み付けた
エーテルは静かにヘンリエッタを見つめ…尋ねる
E-No.0…エーテルが、ヘンリエッタの前に、立ちふさがる
ヘンリエッタは、不機嫌を隠そうともせずにエーテルを睨み付けた
エーテルは静かにヘンリエッタを見つめ…尋ねる
「…D-No.0が襲撃されたと思われる時間帯、何をしていたか、話して貰えないだろうか」
「………っふん、アリバイ調査か?」
「………っふん、アリバイ調査か?」
不機嫌なヘンリエッタは、エーテルに協力する気配を見せそうにない
…それは、不味いだろう
ジェラルドはヘンリエッタの代わりに答える
…それは、不味いだろう
ジェラルドはヘンリエッタの代わりに答える
「その時間帯、お嬢様はA-No.0と会談中でした…………私の証言を信用できぬならば、A-No.0にご確認を」
「そうか…」
「そうか…」
ジェラルドが勝手に答えたことを、ヘンリエッタは咎めようとしない
………ただ、また俯いてしまう
………ただ、また俯いてしまう
「…用は、それだけか?…………ならば、帰らせてもらうぞ」
せっけなくそう告げて、ヘンリエッタはエーテルを押しのけ、先に進む
…ジェラルドはその後をついていきながら、ぼそり、エーテルに告げた
…ジェラルドはその後をついていきながら、ぼそり、エーテルに告げた
「……失礼…今、お嬢様は、少々、気分が落ち込んでおられますので………この件についてお話なさるならば、また、別の機会に」
「そう、か」
「そう、か」
ヘンリエッタの覇気のない様子に、やや途惑った様子だったエーテル
その横を通り過ぎ…ジェラルドはヘンリエッタと共に、彼女の執務室に入った
その横を通り過ぎ…ジェラルドはヘンリエッタと共に、彼女の執務室に入った
「…お嬢様?」
「………」
「………」
俯いたままのヘンリエッタ
…その体が、震え出す
…その体が、震え出す
「……………っ」
そして
「----うわぁあぁあぁぁああああああああああああ!!!!」
声を張り上げて
ヘンリエッタは、泣き叫びだした
ヘンリエッタは、泣き叫びだした
「なぜじゃ!!なぜ、あ奴が殺されねばならぬ!?」
「………お嬢様」
「あいつは!誰かに悪意を抱いた事などない!「組織」に入ってからは、誰かを傷つけるような行為をした事もない!!」
「………お嬢様」
「あいつは!誰かに悪意を抱いた事などない!「組織」に入ってからは、誰かを傷つけるような行為をした事もない!!」
…「組織」に入る以前は、能力を暴走させて……街一つ、壊滅させてしまった事もあるらしいが
少なくとも、「組織」に入った頃には、能力を制御できるようになっていて
……そして、あの優しい男は、自分が傷つけられる事はあっても……決して、他人を傷つけることなど、しなかった
少なくとも、「組織」に入った頃には、能力を制御できるようになっていて
……そして、あの優しい男は、自分が傷つけられる事はあっても……決して、他人を傷つけることなど、しなかった
「何故、何故、何故!!??あいつが死なねばならぬ!あいつが死なねばならぬ理由など、どこにもない!!」
「……お嬢、様」
「あいつ、は………っ」
「……お嬢、様」
「あいつ、は………っ」
ぼろぼろと
ヘンリエッタの瞳から、大粒の涙が零れ続ける
ヘンリエッタの瞳から、大粒の涙が零れ続ける
「あいつは………………ン、は、妾を……人間だと、認めてくれた、のに」
涙を流し続け、泣き続けるヘンリエッタ
後の言葉は嗚咽となって、最早聞き取る事はできない
後の言葉は嗚咽となって、最早聞き取る事はできない
「………」
ジェラルドは、そんなヘンリエッタの傍らに跪き……その小さな体を、慰めるように優しく抱きしめた
それで、ヘンリエッタの嘆きは止まらないだろう
ただ、それでも、少しでもその悲しみが溢れ続けるのを、止めるように
静かに、静かに……ヘンリエッタを、慰め続けたのだった
それで、ヘンリエッタの嘆きは止まらないだろう
ただ、それでも、少しでもその悲しみが溢れ続けるのを、止めるように
静かに、静かに……ヘンリエッタを、慰め続けたのだった
fin