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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者-59d

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だれでも歓迎! 編集
 気づいた時には、既に遅く
 手に入るはずだったものは、その手をすり抜けた

 彼女はそれを嘆き続ける
 嘆く以外にどうすればいいのか、彼女はわからない



                      Red Cape












 …それは、D-No.0の暗殺事件、直後の事…


「…………」

 ヘンリエッタは、俯きながら歩き続けている
 …D-No.0が死亡した、と
 そう結論付けたのは、ヘンリエッタ
 彼女自身、認めたくなかったであろう事実を………よりによって、彼女が証明する事となってしまった
 何という、皮肉であろうか
 ヘンリエッタの苦悩を感じ取っているが故、ジェラルドは逆に………彼女に、声をかける事ができない

「……………」

 D-No.0は、穏健派の筆頭だった
 狙われた原因は、それだろう
 そして、彼は………ただ一人で、世界を滅ぼしかねない力を持っていた
 強硬派や過激派が、それを恐れたのも原因の一つだろう

 …それに
 ヘンリエッタは、D-No.0の言葉に、感化されつつあった
 彼女だけではない
 強硬派や過激派の中に、彼の思考に引き寄せられる者が、現れ始めていたのだ
 いや、実際、既に穏健派に転向した者も、決して少なくない
 強硬派や過激派にしてみれば…D-No.0は、自覚のあるなしに関わらず、自分達の戦力を削り取る危険な存在だったのだ

 あの男は、優しかった
 ただ、優しかった
 ……ただ、それだけの事だったと、言うのに

「…………………」

 終始無言のヘンリエッタ
 ジェラルドは、その無言の気まずさに押しつぶされる事なく、彼もまた無言を貫いている
 ヘンリエッタが己の執務室に入るまで、その無言の時間は続くかと思われた
 しかし

「…ヘンリエッタ」
「………E-No.0か……妾に、何か用かえ?」

 執務室に到達する、その直前
 E-No.0…エーテルが、ヘンリエッタの前に、立ちふさがる
 ヘンリエッタは、不機嫌を隠そうともせずにエーテルを睨み付けた
 エーテルは静かにヘンリエッタを見つめ…尋ねる

「…D-No.0が襲撃されたと思われる時間帯、何をしていたか、話して貰えないだろうか」
「………っふん、アリバイ調査か?」

 不機嫌なヘンリエッタは、エーテルに協力する気配を見せそうにない
 …それは、不味いだろう
 ジェラルドはヘンリエッタの代わりに答える

「その時間帯、お嬢様はA-No.0と会談中でした…………私の証言を信用できぬならば、A-No.0にご確認を」
「そうか…」

 ジェラルドが勝手に答えたことを、ヘンリエッタは咎めようとしない
 ………ただ、また俯いてしまう

「…用は、それだけか?…………ならば、帰らせてもらうぞ」

 せっけなくそう告げて、ヘンリエッタはエーテルを押しのけ、先に進む
 …ジェラルドはその後をついていきながら、ぼそり、エーテルに告げた

「……失礼…今、お嬢様は、少々、気分が落ち込んでおられますので………この件についてお話なさるならば、また、別の機会に」
「そう、か」

 ヘンリエッタの覇気のない様子に、やや途惑った様子だったエーテル
 その横を通り過ぎ…ジェラルドはヘンリエッタと共に、彼女の執務室に入った

「…お嬢様?」
「………」

 俯いたままのヘンリエッタ
 …その体が、震え出す

「……………っ」

 そして

「----うわぁあぁあぁぁああああああああああああ!!!!」

 声を張り上げて
 ヘンリエッタは、泣き叫びだした

「なぜじゃ!!なぜ、あ奴が殺されねばならぬ!?」
「………お嬢様」
「あいつは!誰かに悪意を抱いた事などない!「組織」に入ってからは、誰かを傷つけるような行為をした事もない!!」

 …「組織」に入る以前は、能力を暴走させて……街一つ、壊滅させてしまった事もあるらしいが
 少なくとも、「組織」に入った頃には、能力を制御できるようになっていて
 ……そして、あの優しい男は、自分が傷つけられる事はあっても……決して、他人を傷つけることなど、しなかった

「何故、何故、何故!!??あいつが死なねばならぬ!あいつが死なねばならぬ理由など、どこにもない!!」
「……お嬢、様」
「あいつ、は………っ」

 ぼろぼろと
 ヘンリエッタの瞳から、大粒の涙が零れ続ける

「あいつは………………ン、は、妾を……人間だと、認めてくれた、のに」

 涙を流し続け、泣き続けるヘンリエッタ
 後の言葉は嗚咽となって、最早聞き取る事はできない

「………」

 ジェラルドは、そんなヘンリエッタの傍らに跪き……その小さな体を、慰めるように優しく抱きしめた
 それで、ヘンリエッタの嘆きは止まらないだろう
 ただ、それでも、少しでもその悲しみが溢れ続けるのを、止めるように
 静かに、静かに……ヘンリエッタを、慰め続けたのだった




fin






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