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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者-59e

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 ビルの屋上に立ち、街を見下ろし
 彼女は、口元に笑みを浮かべて両手を広げた
 まるで、タクトを手にした指揮者のように

「さぁさ、始めましょうか…」

 さぁ、見ているがいい、H-No.360
 我々の邪魔をした報いを受けるがいい



 学園祭の準備で、どうしても帰りが遅くなってしまう
 やや早足で帰路についていた佳奈美
 …しかし
 目の前に現れたそれに、思わず足を止める

「え…な、何?」

 それは、蛇
 巨大な、蛇に見えた
 どれくらい巨大か?
 ……大口を開ければ、佳奈美などあっさり丸呑みにできそうなくらいの、大きさだ
 そして、蛇の種類に詳しい者が見たならば…その蛇が、恐ろしい毒を持っている種類の蛇である事が、わかっただろう

 蛇は、その巨大な口を開き
 その口から覗く鋭い牙が、佳奈美に襲い掛かり………-----

 くんっ、と
 佳奈美の体が、後方に引っ張られる
 その結果、蛇の牙は佳奈美の体に届かず
 …代わりに
 蛇の、体に…黒い細い何かが、無数に絡み付いて
 次の瞬間、蛇の巨体はバラバラに引き裂かれた

「ぁ……」
「佳奈美、無事かっ!?」
「ひ、宏也さん…」

 佳奈美を救ったのは、黒服H-No.360…広瀬 宏也
 佳奈美の体を片腕で抱きしめながら、宏也は自分がバラバラにした蛇の残骸を睨み付けた
 …復活してくる様子は、ない

(…巨大化した生物…しかも、この蛇、確か…)

 …宏也自身は、直接見たのは今回が初めてだが
 だが……辰也から、話を聞いたことがある
 確か、この都市伝説を使うのは……



 …囲まれたか
 ヘンリエッタは、小さく舌打ちした
 まぁ、この程度、自分の相手になどならないが

「じゃが、数が多いのは面倒じゃのぅ…一般人が、通りかかるとも限らん」

 自分を囲む、人間大の大きさの蛇の群れ
 その全てが、毒蛇だ
 だが、こんな巨大な毒蛇など、通常存在しているはずがない
 …都市伝説の、力

「……H-No.2か。何を考えておるか、動き出したか…」

 ゆっくりと、蛇達はヘンリエッタを追い詰めるように、包囲網を縮めてくる

 ………ニヤリ

 ヘンリエッタは、その形の良い可愛らしい唇を、笑みの形に歪めた

「…じゃが……どちらにせよ、甘く見られたものよ。たとえこの時間帯とは言え、妾をこの程度で殺せるとでも?」

 ざわり
 殺意をまとう、ヘンリエッタ
 その気配に、蛇達は…まるで、自分達に睨まれた蛙のように、震え上がった



 走る
 走り続ける
 逃げる
 逃げ続ける

 自分を追うそれから、春風 愛華は逃げ続けていた
 巨大な、蛇
 恐らくは、都市伝説の影響を受けている、それ
 直接的な戦闘能力の低い自分では、それをどうにかすることができない
 こちらが先に気付いてさえいれば、歌い始めてしまえばいいだけだが……相手が先にこちらに気付き、襲い掛かってきたならば、歌っている暇などない
 歌えなければ、彼女の都市伝説は発動できない

 だから、ただ逃げていた
 自分を担当している黒服に連絡しようにも、相手はその隙さえ与えてはくれないのだ
 彼女はただ、逃げることしかできない

「-----っ、あ……!」

 …しかし
 とうとう、脚に限界が来た
 足がもつれて、転びそうになる

 一瞬、脚が止まり
 その隙を逃さぬように、蛇が彼女に飛び掛る

 直撃は、避けた
 しかし、その牙は、愛華の肌をかすって

「……………ぇ」

 その、瞬間
 全身の力が、抜けた
 思考が、薄まっていく

 掠った傷口から、毒が入り込んだのだと、どこか他人事のように、理解して
 薄れゆく意識の中、愛華が最後に見たものは
 今度こそ愛華を飲み込もうと、蛇が大口を開けて迫ってきている姿だった



to be … ?



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