ビルの屋上に立ち、街を見下ろし
彼女は、口元に笑みを浮かべて両手を広げた
まるで、タクトを手にした指揮者のように
彼女は、口元に笑みを浮かべて両手を広げた
まるで、タクトを手にした指揮者のように
「さぁさ、始めましょうか…」
さぁ、見ているがいい、H-No.360
我々の邪魔をした報いを受けるがいい
我々の邪魔をした報いを受けるがいい
学園祭の準備で、どうしても帰りが遅くなってしまう
やや早足で帰路についていた佳奈美
…しかし
目の前に現れたそれに、思わず足を止める
やや早足で帰路についていた佳奈美
…しかし
目の前に現れたそれに、思わず足を止める
「え…な、何?」
それは、蛇
巨大な、蛇に見えた
どれくらい巨大か?
……大口を開ければ、佳奈美などあっさり丸呑みにできそうなくらいの、大きさだ
そして、蛇の種類に詳しい者が見たならば…その蛇が、恐ろしい毒を持っている種類の蛇である事が、わかっただろう
巨大な、蛇に見えた
どれくらい巨大か?
……大口を開ければ、佳奈美などあっさり丸呑みにできそうなくらいの、大きさだ
そして、蛇の種類に詳しい者が見たならば…その蛇が、恐ろしい毒を持っている種類の蛇である事が、わかっただろう
蛇は、その巨大な口を開き
その口から覗く鋭い牙が、佳奈美に襲い掛かり………-----
その口から覗く鋭い牙が、佳奈美に襲い掛かり………-----
くんっ、と
佳奈美の体が、後方に引っ張られる
その結果、蛇の牙は佳奈美の体に届かず
…代わりに
蛇の、体に…黒い細い何かが、無数に絡み付いて
次の瞬間、蛇の巨体はバラバラに引き裂かれた
佳奈美の体が、後方に引っ張られる
その結果、蛇の牙は佳奈美の体に届かず
…代わりに
蛇の、体に…黒い細い何かが、無数に絡み付いて
次の瞬間、蛇の巨体はバラバラに引き裂かれた
「ぁ……」
「佳奈美、無事かっ!?」
「ひ、宏也さん…」
「佳奈美、無事かっ!?」
「ひ、宏也さん…」
佳奈美を救ったのは、黒服H-No.360…広瀬 宏也
佳奈美の体を片腕で抱きしめながら、宏也は自分がバラバラにした蛇の残骸を睨み付けた
…復活してくる様子は、ない
佳奈美の体を片腕で抱きしめながら、宏也は自分がバラバラにした蛇の残骸を睨み付けた
…復活してくる様子は、ない
(…巨大化した生物…しかも、この蛇、確か…)
…宏也自身は、直接見たのは今回が初めてだが
だが……辰也から、話を聞いたことがある
確か、この都市伝説を使うのは……
だが……辰也から、話を聞いたことがある
確か、この都市伝説を使うのは……
…囲まれたか
ヘンリエッタは、小さく舌打ちした
まぁ、この程度、自分の相手になどならないが
ヘンリエッタは、小さく舌打ちした
まぁ、この程度、自分の相手になどならないが
「じゃが、数が多いのは面倒じゃのぅ…一般人が、通りかかるとも限らん」
自分を囲む、人間大の大きさの蛇の群れ
その全てが、毒蛇だ
だが、こんな巨大な毒蛇など、通常存在しているはずがない
…都市伝説の、力
その全てが、毒蛇だ
だが、こんな巨大な毒蛇など、通常存在しているはずがない
…都市伝説の、力
「……H-No.2か。何を考えておるか、動き出したか…」
ゆっくりと、蛇達はヘンリエッタを追い詰めるように、包囲網を縮めてくる
………ニヤリ
ヘンリエッタは、その形の良い可愛らしい唇を、笑みの形に歪めた
「…じゃが……どちらにせよ、甘く見られたものよ。たとえこの時間帯とは言え、妾をこの程度で殺せるとでも?」
ざわり
殺意をまとう、ヘンリエッタ
その気配に、蛇達は…まるで、自分達に睨まれた蛙のように、震え上がった
殺意をまとう、ヘンリエッタ
その気配に、蛇達は…まるで、自分達に睨まれた蛙のように、震え上がった
走る
走り続ける
逃げる
逃げ続ける
走り続ける
逃げる
逃げ続ける
自分を追うそれから、春風 愛華は逃げ続けていた
巨大な、蛇
恐らくは、都市伝説の影響を受けている、それ
直接的な戦闘能力の低い自分では、それをどうにかすることができない
こちらが先に気付いてさえいれば、歌い始めてしまえばいいだけだが……相手が先にこちらに気付き、襲い掛かってきたならば、歌っている暇などない
歌えなければ、彼女の都市伝説は発動できない
巨大な、蛇
恐らくは、都市伝説の影響を受けている、それ
直接的な戦闘能力の低い自分では、それをどうにかすることができない
こちらが先に気付いてさえいれば、歌い始めてしまえばいいだけだが……相手が先にこちらに気付き、襲い掛かってきたならば、歌っている暇などない
歌えなければ、彼女の都市伝説は発動できない
だから、ただ逃げていた
自分を担当している黒服に連絡しようにも、相手はその隙さえ与えてはくれないのだ
彼女はただ、逃げることしかできない
自分を担当している黒服に連絡しようにも、相手はその隙さえ与えてはくれないのだ
彼女はただ、逃げることしかできない
「-----っ、あ……!」
…しかし
とうとう、脚に限界が来た
足がもつれて、転びそうになる
とうとう、脚に限界が来た
足がもつれて、転びそうになる
一瞬、脚が止まり
その隙を逃さぬように、蛇が彼女に飛び掛る
その隙を逃さぬように、蛇が彼女に飛び掛る
直撃は、避けた
しかし、その牙は、愛華の肌をかすって
しかし、その牙は、愛華の肌をかすって
「……………ぇ」
その、瞬間
全身の力が、抜けた
思考が、薄まっていく
全身の力が、抜けた
思考が、薄まっていく
掠った傷口から、毒が入り込んだのだと、どこか他人事のように、理解して
薄れゆく意識の中、愛華が最後に見たものは
今度こそ愛華を飲み込もうと、蛇が大口を開けて迫ってきている姿だった
薄れゆく意識の中、愛華が最後に見たものは
今度こそ愛華を飲み込もうと、蛇が大口を開けて迫ってきている姿だった
to be … ?