三面鏡の少女 61
すぐさま廊下に駆け出して、待っていた宏也と楽しげに語り合う佳奈美の姿
身振り手振りで「ごめんね」と伝えてくる佳奈美に、軽く手を振って笑顔で応える繰
もっともその内心は、宏也に対する敵意でマグマもかくやという程に煮え滾っていたのだが
笑顔を向けられる度に、何かを語りかけられる度に、手と手が触れ合う度に
頬を染め、嬉しそうにはにかむ佳奈美の姿を見ているうちに、そんなものはあっという間に冷めていってしまった
「……あんな奴の何処がいいのやら」
「知ってる人なの?」
呆れたように溜息を漏らす繰に、委員長は遠慮がちに尋ねる
「バイト先の知り合い。悪い奴じゃないんだけど私との相性は最悪」
言葉を選んでいる雰囲気がありありで、やや心配になる言い方ではあるものの
少なくとも気遣う程度には二人の事を認めているのだろうと、少しほっとする
「宮定さん……逢瀬さんと、本当に仲が良いのね」
「まあ、色々あったから」
流石に佳奈美との昔話は、気軽に人にできるものではない
「それはさておきさ、他のクラス回るの一緒にどう? 一人減っちゃったけど」
「本当に私で良いの?」
「このクラスでもうちのクラスでも、佳奈美以外で悪乗りしなさそうなのあなたぐらいみたいだし。騒がしいのも楽しいけど、お互い少しゆっくりしたい気もしない?」
その言葉に、委員長は思わずくすりと微笑み
「悪乗りも、たまには楽しいかもよ?」
「……ま、それは少しだけ同意」
悪乗りついでにもっと踏み出せれば良いのに
委員長が、どこか諦めがちにそう考えていた時
「誰か暇な男子も連れていかない? 虫除けがいないとのんびりできなさそうだし」
「え……あ、誘うの?」
「別に二人でもいいんだけど……五月蝿いの寄ってきたら、私だと殴っちゃうし。騒がしくない人誰かいない?」
その言葉に、委員長はつい視線を一人の男子に向けて
戦闘で鍛えられた繰の感覚はその視線の先をすぐに捉え、遠慮も無くずかずかと歩み寄る
「獄門寺、だっけ。委員長とその辺周ってくるんだけど、暇だったら一緒に行かない?」
あまりに真っ直ぐな剛速球に、見ていた委員長の思考は完全に停止していた
身振り手振りで「ごめんね」と伝えてくる佳奈美に、軽く手を振って笑顔で応える繰
もっともその内心は、宏也に対する敵意でマグマもかくやという程に煮え滾っていたのだが
笑顔を向けられる度に、何かを語りかけられる度に、手と手が触れ合う度に
頬を染め、嬉しそうにはにかむ佳奈美の姿を見ているうちに、そんなものはあっという間に冷めていってしまった
「……あんな奴の何処がいいのやら」
「知ってる人なの?」
呆れたように溜息を漏らす繰に、委員長は遠慮がちに尋ねる
「バイト先の知り合い。悪い奴じゃないんだけど私との相性は最悪」
言葉を選んでいる雰囲気がありありで、やや心配になる言い方ではあるものの
少なくとも気遣う程度には二人の事を認めているのだろうと、少しほっとする
「宮定さん……逢瀬さんと、本当に仲が良いのね」
「まあ、色々あったから」
流石に佳奈美との昔話は、気軽に人にできるものではない
「それはさておきさ、他のクラス回るの一緒にどう? 一人減っちゃったけど」
「本当に私で良いの?」
「このクラスでもうちのクラスでも、佳奈美以外で悪乗りしなさそうなのあなたぐらいみたいだし。騒がしいのも楽しいけど、お互い少しゆっくりしたい気もしない?」
その言葉に、委員長は思わずくすりと微笑み
「悪乗りも、たまには楽しいかもよ?」
「……ま、それは少しだけ同意」
悪乗りついでにもっと踏み出せれば良いのに
委員長が、どこか諦めがちにそう考えていた時
「誰か暇な男子も連れていかない? 虫除けがいないとのんびりできなさそうだし」
「え……あ、誘うの?」
「別に二人でもいいんだけど……五月蝿いの寄ってきたら、私だと殴っちゃうし。騒がしくない人誰かいない?」
その言葉に、委員長はつい視線を一人の男子に向けて
戦闘で鍛えられた繰の感覚はその視線の先をすぐに捉え、遠慮も無くずかずかと歩み寄る
「獄門寺、だっけ。委員長とその辺周ってくるんだけど、暇だったら一緒に行かない?」
あまりに真っ直ぐな剛速球に、見ていた委員長の思考は完全に停止していた