…信じていた
行方不明になった兄は、いつか帰ってきてくれると
…信じて、いたかった
そうでもしなければ、きっと、私の心は壊れてしまうから
行方不明になった兄は、いつか帰ってきてくれると
…信じて、いたかった
そうでもしなければ、きっと、私の心は壊れてしまうから
けれど
たった、今
たった、今
「…妾は、あの男に…広瀬 辰也としての人生を、捨てさせてしまったのじゃぞ?」
その言葉を、聴いた瞬間
私が抱えていた、唯一の希望が…粉々に、打ち砕かれてしまたような
そんな錯覚を、覚えた
私が抱えていた、唯一の希望が…粉々に、打ち砕かれてしまたような
そんな錯覚を、覚えた
…自分の手が震えている事を、広瀬 美緒は理解していた
……自分の兄を、奪った相手
それに、銃口を向ける
……自分の兄を、奪った相手
それに、銃口を向ける
「っ美緒さん!?」
影守の声が聞こえる
…なぜ、驚いたような声をあげるのだろう?
だって、彼は、兄の仇なのだから
これくらい、当然だろうに
…なぜ、驚いたような声をあげるのだろう?
だって、彼は、兄の仇なのだから
これくらい、当然だろうに
「…あなたが…あなたのせいで、辰也兄さんは……人間では、なくなったというのですか…!?」
小さな少女にしか見えないヘンリエッタを、美緒は憎悪をこめて睨み付けた
その憎悪を…ヘンリエッタは、じっと受け止める
逃げようと、しない
その憎悪を…ヘンリエッタは、じっと受け止める
逃げようと、しない
「……そうじゃ、妾が…その実験を、許可した」
「………っ!!」
「………っ!!」
手が、震える
対都市伝説用である、銀の弾丸を装着した銃を持つ手が…震え続けて、止まらない
対都市伝説用である、銀の弾丸を装着した銃を持つ手が…震え続けて、止まらない
「っお嬢さん、それは、お嬢さんの罪じゃ…」
「……黙れ、エーテル。これは、妾の罪じゃ」
「……黙れ、エーテル。これは、妾の罪じゃ」
エーテルの言葉に、首を左右に振って
…一歩
ヘンリエッタが、前に出る
…一歩
ヘンリエッタが、前に出る
思わず後ずさりそうになる足を、美緒は叱咤した
この少女は、兄の仇だ
自分の唯一の家族を、自分達の父親を殺したのと同じ、都市伝説という化け物に変えた存在だ…!
この少女は、兄の仇だ
自分の唯一の家族を、自分達の父親を殺したのと同じ、都市伝説という化け物に変えた存在だ…!
「この……化け物が!!……辰也兄さんを……私の、家族を………返して……っ!」
声が、震えている
自分の頬を涙が伝っている事に、美緒は気づいてすらいない
自分の頬を涙が伝っている事に、美緒は気づいてすらいない
ただ、ただ
目の前の憎い相手への、殺意だけがあふれ続ける
目の前の憎い相手への、殺意だけがあふれ続ける
「…っ広瀬 美緒、落ち着け!お前の兄は、死んだ訳じゃ…」
「……彼女にとっては、死んだも同然じゃろうよ…彼女達にとって、都市伝説は忌むべき化け物、じゃからな」
「……彼女にとっては、死んだも同然じゃろうよ…彼女達にとって、都市伝説は忌むべき化け物、じゃからな」
自虐的に笑うヘンリエッタ
…その、表情が
ひどく、大人びたものに変わって
じっと、美緒を見据える
…その、表情が
ひどく、大人びたものに変わって
じっと、美緒を見据える
「…撃つが良い、人の子よ。お前が抱く恨み、憎しみ、すべて、この妾に向かって放つが良い」
「………!?」
「………!?」
ヘンリエッタの言葉に、美緒は目を見開く
エーテルが何か言おうとしたのを制して、ヘンリエッタは続ける
エーテルが何か言おうとしたのを制して、ヘンリエッタは続ける
「お前には、その権利がある。お前が妾に抱く憎悪、それは、お前以外には到底理解できぬほど深いだろう…お前自身の心を、壊しかねない程に」
…銃を構える美緒の手は、震え続けている
しかし、それでも…その銃口は、ヘンリエッタに向けられた、ままだ
しかし、それでも…その銃口は、ヘンリエッタに向けられた、ままだ
「だが、その憎悪。抱え続けては、お前の心が壊れる……お前は、あの男の、唯一の家族である妹。そのお前まで壊してしまう訳には、いかぬ…」
だから、と
ヘンリエッタは、その銃口から、逃げない
ヘンリエッタは、その銃口から、逃げない
「撃つが良い、その憎しみすべて、妾にぶつけるが良い………そして、せめて。今の状態のお前の兄を、どうか嫌わないでやっておくれ……あの男はいつだって、お前のことを心配して、妾達「組織」を利用して、護り続けようとしたのだから」
…カタカタと、美緒の手は震え続けている
ヘンリエッタを狙う銃口は、そらされる事がない……
ヘンリエッタを狙う銃口は、そらされる事がない……
to be … ?