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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 首塚-77a

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 それは、黄昏 正義と言う少年が学校町にやってきて、数ヶ月ほどたってからの事


 その日、正義はパトロールがてら、夕暮れの町並みを散歩していた
 まだ、学校町という街の地理を、完全には把握していない
 だから、それを把握する為、という意味もある
 しばし、そうやって散歩していると

「……あれ?」

 …こんな時間帯に、一人でいるには少し、不自然に見えなくもない年頃の少年の姿が、見えた
 小学校低学年か、それより幼い印象だ
 手には、コアラの絵柄がついたお菓子の箱を持っている
 ガードレールに腰掛けて、うーうー、と歌うように口ずさんでいる様子は、楽しげだ

 この学校街は、都市伝説が多いらしい
 それも、この時間帯だ
 あんな子供が一人でいたら、危ないのではないか
 なんとなく心配になって、正義は少年に近づいていく

「放っておいてもいいんじゃないのか?」
「駄目だよ。あぁ言うちっちゃい子の方が、狙われるんだから」

 大王の言葉に、そう即答する正義
 都市伝説には、子供をターゲットにする者が多いのだ
 なおさら、放って置けない

 うーうーうー
 楽しげに歌っていた、その少年
 近づいてきた正義に気づいて…うー?と顔をあげた
 正義を見つめて、小さく首を傾げてくる

「おにーちゃん、僕に何か御用?うー??」
「君、一人?こんな時間に一人でいたら、危ないよ」

 正義が、少年にそう声をかける
 すると、少年はうー、と首を左右に振った

「うー、僕、一人じゃない」
「え?でも…」
「僕、お兄ちゃん、待ってる」
「お兄ちゃん?」

 どうやら
 少年は、ここで誰かを待っているらしい
 正義が首をかしげると、うー!と元気に答えてくる

「うー!ステーキのお兄ちゃん待ってる、うー!」
「…すてーき??」

 それは、一体どんなお兄ちゃんだろう
 思わず、正義は首をかしげる

 ……でも
 一人でないのならば、心配しなくてもいいのだろうか?
 でも、今、この少年が一人であるのは事実だし…
 どうしようか、正義が判断に迷っていると
 じ、と少年は正義を見つめてきて
 …ごそごそ
 お菓子の箱のふたを、開けた

「うー、あげる」
「え?」

 …それは、コアラの絵柄がついた、可愛いお菓子
 ちょうど、眉毛コアラの絵柄だ
 少年は、正義にそれを差し出してくる

「いいの?」
「幸せおすそ分け、うー!」

 元気に差し出されるそれ
 う~ん…
 そういうのなら、もらおうか
 正義は、少年からお菓子を受け取った

「ありがとう、もらうね」
「うー、どうぞー!」

 ぱくり
 そのお菓子を、正義は口の中に放り込んだ
 ほんのりと、甘さが口内に広がる

 と、そうして、正義がお菓子を食べ終わった頃

「幸太ー!」
「…うー!ステーキのお兄ちゃん!!」

 どこからか、誰かを呼ぶ声
 …どうやら、この少年を呼んでいるらしい
 正義が声がした方向に視線をやると…そこには、金髪によく日焼けした肌の、シルバーアクセサリーをやたらとじゃらじゃら身に付けた青年の姿があった
 そのチャラチャラとした格好に、一瞬、「え?」と思った正義だが、幸太と言う名前らしい少年は、無邪気にそちらに駆け寄っていっている
 …どうやら、あの青年は、少年の言う「ステーキのお兄ちゃん」で間違いないらしい

(悪い人じゃなさそうだし……大丈夫かな)

 自分の心配は、杞憂だったらしい
 正義はほっとため息をつくと、少年に背を向けて、歩き出した
 パトロールの時間も、そろそろおしまいだ
 家に、帰ろう

 正義の後を、恐怖の大王はやれやれとついていく
 だから、放っておけといったのに、このおせっかいは…
 ふわふわと、正義の後を大王はゆっくりとついていき


 ……きひひひ、と
 小さな笑い声が、聞こえた


「…きひひひひ……良かったね?ここに来たのが、ステーキのお兄ちゃんと、僕が来た後で……そうじゃなかったら、危なかったよ?」
「-------っ!?」

 振り返る大王
 そこには、あの幸太と呼ばれた少年が…立ち止まり、大王と正義を見つめてきていて
 その表情は、先ほどとは違い、どこか大人びていて
 きひひ、と無気味に笑う

「あいつの相手は、君達じゃあ、まだちょっと辛いだろうからね………きひひっ、まぁ、ステーキのお兄ちゃんなら楽勝で勝てる相手だったけどね、きひひひひひっ」
「…っ貴様!?」

 …この、少年
 大王が「見えて」いる…!?
 つまりは、この少年も、都市伝説契約者なのか
 それらしき気配が薄くて、気づかなかった…!?

 この少年の言葉から、察するに
 この道の先で、何らかの危険な都市伝説が現れていて
 それを…あの、チャラけた格好の青年が、倒したという事か?
 だとすれば、あの青年も、契約者
 改めて気配を探れば…あの青年からは、強い都市伝説の気配を感じられた

 きひひひひひ、と
 少年は、笑い続けている

「…あぁ、心配しなくていいよ?少なくとも、今の君達は僕らの「敵」じゃない………大丈夫だよ、敵じゃなければ、ステーキのお兄ちゃんが、君達に攻撃する事なんて、ないからさ」
「……敵、だと?……ならば、どうすれば敵になると?」
「……知りたい?………きひひひひひひっ」

 楽しげに笑う少年
 どこか、小馬鹿にしているような態度すら、感じられる

「簡単だよ。僕らに対して敵対行動をとるかどうか、僕らに危害を加えるかどうか……そして、「首塚」を侮辱するかどうか。簡単でしょ?きひひひっ」

 首塚
 …その単語は、聞き覚えがある
 この国における、かなり強い祟り神が祭られている場所ではないか

「…もし、君達が「組織」の……それも、強硬派か過激派だったら、問答無用で敵だったんだけどね。良かったね、「組織」所属じゃなくてさ。きひひひひひひひひひひ」

 無気味に笑い続けながら
 少年は、じっと…大王を、射抜くように見つめた

「この街で、契約者と都市伝説として生きるなら……気をつけないと、駄目だよ?この街は、とってもとっても危険だからね………きっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ」

 ぞくり、と
 大王は、悪寒を感じた
 目の前のこの少年が、たまらなく恐ろしい存在に見える

「…大王?どうしたの?」

 ……と
 正義が、大王がついてこないのを不思議に思ったのか、振り返ったのと

「幸太ーー?どうしたんだ?」

 青年が、少年を改めて呼んだのは
 ほぼ、同時

「うー!今行くー!うーうー!」

 ぱっ、と
 少年は、元の様子に戻って
 うーうー、と無邪気に少年に駆けていって
 …あの、不気味な変化を
 正義は、見ることができなかった

「大王?何かあったの?」
「……いや」

 あれは、一体何だったのだ?
 あの少年の不気味な変化は、少年の契約都市伝説にでも影響しているのか?
 少年の、あの別人のような変化を前に


 果たして、あの少年は、警戒対象か、否か?
 大王は、その判断に迷うのだった
















「………大丈夫だよ?「首塚」に敵対しなければ、君達と戦う事はない……「首塚」の誰かが、恐怖の大王のおにーちゃんたちを殺すことはないからね?きっひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひあ痛」
「っと、幸太、大丈夫か!?」
「うー……転んだ。うー……」




fin?



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