一寸婆達が、消滅した
ククージィに背負われてきた祐樹に手伝ってもらいながら傷の手当てをしていたエーテルは、急いで状況を把握しようとする
ククージィに背負われてきた祐樹に手伝ってもらいながら傷の手当てをしていたエーテルは、急いで状況を把握しようとする
「マクスウェル!無事か!?」
「…あ……エーテル…」
「…あ……エーテル…」
マクスウェルは…元に、戻っていた
一寸婆達が消えた事により、契約がなされたからだろう
力を引き出した反動だろうか、へたり、と座り込んでしまっている
一寸婆達が消えた事により、契約がなされたからだろう
力を引き出した反動だろうか、へたり、と座り込んでしまっている
「……私、は、大丈夫…エーテルは……?」
「俺も問題ない…お嬢さん達も無事、か?」
「俺も問題ない…お嬢さん達も無事、か?」
廊下にて、視線をヘンリエッタ達の方向へと向ける
ヘンリエッタとジェラルドが多少傷ついているように見えたが、無事ではあるようだ
ヘンリエッタとジェラルドが多少傷ついているように見えたが、無事ではあるようだ
……ただ
視界に入ってきたその相手に、エーテルはかすかに息を呑む
視界に入ってきたその相手に、エーテルはかすかに息を呑む
「…広瀬、辰也…?」
ヘンリエッタ達が見上げている、階段の上
そこに立つ、黒い服をまとった辰也の、その姿に
……その、憎悪の混じった、暗い笑みに
エーテルは、ぞくりと悪寒を感じた
そこに立つ、黒い服をまとった辰也の、その姿に
……その、憎悪の混じった、暗い笑みに
エーテルは、ぞくりと悪寒を感じた
…辰也が着ている、黒い服
宏也は、それに見覚えがあった
……辰也が、「組織」にいた頃…任務の時よく着ていた、「組織」製の戦闘服だ
てっきり、「組織」を離れた時に、手放したものだと思っていたが…!
戦闘服を纏った辰也の様子は、どこか「組織」にいた頃の様子に戻ってしまっている
あまり、良い兆候ではない
宏也は、それに見覚えがあった
……辰也が、「組織」にいた頃…任務の時よく着ていた、「組織」製の戦闘服だ
てっきり、「組織」を離れた時に、手放したものだと思っていたが…!
戦闘服を纏った辰也の様子は、どこか「組織」にいた頃の様子に戻ってしまっている
あまり、良い兆候ではない
「……お前、どうやって、そこに」
「屋上から」
「屋上から」
宏也の問いかけに、短く答える辰也
…屋上、から?
飛んできたとでも言うのか?
……いや、恐らく「跳んで」きたのだ
ハンニバルに投薬された薬の影響で、辰也はその気になれば人間離れの…それこそ、都市伝説並の身体能力を発揮することができる
病院近くのビルの屋上にでも登って……そこから病院の屋上へと跳んで、入ってきたのだろう
…屋上、から?
飛んできたとでも言うのか?
……いや、恐らく「跳んで」きたのだ
ハンニバルに投薬された薬の影響で、辰也はその気になれば人間離れの…それこそ、都市伝説並の身体能力を発揮することができる
病院近くのビルの屋上にでも登って……そこから病院の屋上へと跳んで、入ってきたのだろう
「とにかく、これで、後二人だ……宏也、残り二人とも、こっちがもらうぞ?」
「……っ待て!」
「……っ待て!」
H-No.2はともかく…H-No.1、ハンニバルと辰也を接触させるのは、まずい
--辰也では、ハンニバルに「勝てない」
そして、あの男と辰也を……絶対に、接触させてはならない
辰也がハンニバルに遭遇したとしても、すぐに引き剥がすべきだ
ハンニバルが、余計なことを口走る前に
そして、あの男と辰也を……絶対に、接触させてはならない
辰也がハンニバルに遭遇したとしても、すぐに引き剥がすべきだ
ハンニバルが、余計なことを口走る前に
余計な、事実を
辰也が知ってしまう前に
辰也が知ってしまう前に
「待つのじゃ!……お前、一人で戦うつもりか!!あの男相手に一人で立ち向かうなど……」
ヘンリエッタもまた、辰也を止めようとした
彼女にしてみれば……辰也は、己の罪の証の、一人
それを、むざむざ死地に向かわせる訳にはいかないのだろう
彼女にしてみれば……辰也は、己の罪の証の、一人
それを、むざむざ死地に向かわせる訳にはいかないのだろう
…しかし
ヘンリエッタの言葉に、屋上へと戻ろうとしていた辰也は、一瞬、立ち止まり
……小さく、答える
ヘンリエッタの言葉に、屋上へと戻ろうとしていた辰也は、一瞬、立ち止まり
……小さく、答える
「…………一人じゃ、ない」
「……え……」
「-------っ」
「……え……」
「-------っ」
一人ではない
その言葉の意味を、この場において、宏也だけが理解する
その言葉の意味を、この場において、宏也だけが理解する
かつて、一度だけ使った「13階段」の能力を、使おうとでも言うのか
今の辰也でも、制御しきれるかどうかわからないと言うのに!?
今の辰也でも、制御しきれるかどうかわからないと言うのに!?
「…宏也、悪いが、譲るつもりはないからな。だから、お前はお前の大事な相手でも護っていればいい」
屋上へ、向かいながら
辰也は、はっきりと、こう告げた
辰也は、はっきりと、こう告げた
「そうして……………さっさと、「広瀬 辰也」に、戻ればいい。人間に戻る手段は、見つかったんだからな」
「………!」
気づいていたのか
広瀬 辰也が……本当は、宏也の「元の」名前である事を
気づいていても、辰也は宏也に与えられた、この名前にすがるしかなかったのだろう
名前がない、と言う事は、辰也にとって、一番の劣等感であり、嘆きだったから
広瀬 辰也が……本当は、宏也の「元の」名前である事を
気づいていても、辰也は宏也に与えられた、この名前にすがるしかなかったのだろう
名前がない、と言う事は、辰也にとって、一番の劣等感であり、嘆きだったから
だが
その辰也が、宏也に「広瀬 辰也に戻ればいい」と言った
それは、つまり
その辰也が、宏也に「広瀬 辰也に戻ればいい」と言った
それは、つまり
死ぬ覚悟はできている、と
そういうことだ
そういうことだ
「あぁ、追いかけてくるなよ?まだ、13階段は発動中だからな」
最後にそう告げて、屋上へと駆け出した辰也
宏也は小さく舌打ちすると、佳奈美達のいる病室に戻った
宏也は小さく舌打ちすると、佳奈美達のいる病室に戻った
「あ、宏也さ……」
…急いで、窓から外を見上げる
……見えた
辰也が、病院のそばのビルの屋上へと、飛び移っている事に
同時に…この階の階段にかけられていた「13階段」が解除されたであろう気配を、感じ取る
だが、今から追いかけて…果たして、間に合うか?
……見えた
辰也が、病院のそばのビルの屋上へと、飛び移っている事に
同時に…この階の階段にかけられていた「13階段」が解除されたであろう気配を、感じ取る
だが、今から追いかけて…果たして、間に合うか?
「………あぁ、畜生」
何もかもが、悪い方向へと進んでいている
その事実に、宏也は今の状況を呪う事しか、今はできなかった
その事実に、宏也は今の状況を呪う事しか、今はできなかった
to be … ?