アットウィキロゴ

「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 喫茶ルーモア・隻腕のカシマ-97

最終更新:

rumor

- view
だれでも歓迎! 編集

喫茶ルーモア・隻腕のカシマ


剣心一致


*


♪the Edge oF a SWORD (試験運用中)

*



それは、遥か未来の物語

人々は戦争というものを概念でしか語らなくなった
そんな未来での、ごく些細な出来事

*



少年は青年となり一人の契約者を看取った
彼はまた赤子へと転生し、少年へと育ち、それを繰り返す

学校町を離れ、また戻り、時には海外へと転生していく
行く先々での困難を幾度と無く乗り越えてきたが、それでも尚、彼は迷い悩む

そんな中、ジャックにより彼へと届けられた一通の手紙


  冠省

  輪へ
  今は遠き地にいるであろうキミに感謝を伝えたく想い、筆をとる
  彼女へと託すからには、必ずやキミを探し出し、届くであろうと安堵している


  まだ憶えてくれているだろうか、オレの教え、剣心一致を

  剣は心なり
  心正しからざれば、剣又正しからず
  剣を学ばんと欲すれば、先ず心より学ぶべし

  遠き地に離れてからも、様々な通信手段により相談を受けてきたが
  オレから教えられる事は既に無い
  しかし、案ずるなかれ
  今までと何も変わらぬよ、是より先も自身に問えばよい
  振り上げたその剣に、力に、心は、優しさはあるのかと、そう問えばよい

  人の完成をもって剣術の極みとす

  遺憾ではあるが、オレはこの境地まで達し得なかった
  だが、キミであれば成せる

  憶えているだろう?
  今は遠く過ぎ去りし日々、我等が最初に出逢ったあの店を、あの店主殿を
  彼との約束を頑なに守り続けているキミであれば
  彼の心を受け継ぐキミであれば、成せると信じている

  いつも、キミにばかり重荷を背負わせて済まないと思う
  だが、託させてくれ
  人の完成を、その境地を
  どうか、師の最初で最後の我侭と思い、叶えて欲しい


  さて、別れを言う時が来た様だ
  遅かれ早かれ、こういう時代が来るであろう事は分かっていた
  寂しい事ではあるが、待ち望んでいた事でもある
  それは、キミになら分かってもらえるだろう
  何故ならキミは、常に優秀な弟子であり、同時に誠実で優しい友人であったからだ

  オレの生き方を大きく変える事となった、キミとの出逢いは
  そして、店主殿や大木夫妻、ジャック、多くの心善き者たちとの出逢いは
  キミや彼等との友情は、キミたちを愛せた事は、この想いは
  オレの宝だ

  最後となったが
  キミという弟子を手放したくないが為に、渡せずにいたものがある
  いらぬと言わずに受け取ってくれ

  是をもって、我が流儀
  免許皆伝とす
                                     草々        
                                            カシマ



一人の男が、その役目を終えようとしていた

そして、その最期の手紙は
少年の背中をそっと、柔らかに、暖かく押す

転生を繰り返してきた少年には
懐かしきあの店も、かって手に入れた、鍛えられた肉体や、刀も

既に──ない


「剣は心なり……心あらば、抜刀なくして、勝者たる」


今、この時点では
力と呼べるものは、何も無い……そう思える様な状況

されど、心は──此処に在り





            「剣心一致」  ─ 了 ─



*


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
最近更新されたスレッド
ウィキ募集バナー