聞こえてきたのは、壁が崩れるような轟音
それからしばらくして、銃声
……とりあえず、後者に関しては誰がやらかしたのか、一発でわかるのが色々とアレだ
それからしばらくして、銃声
……とりあえず、後者に関しては誰がやらかしたのか、一発でわかるのが色々とアレだ
「っちょ、さっきから何だ、この物騒な音!?」
「…あー、多分、大丈夫だ……そっちに近寄りさえしなければ」
「…あー、多分、大丈夫だ……そっちに近寄りさえしなければ」
ミナワを庇うような体勢をとりながら、警戒した様子を見せた裂邪に、やや遠い目をしつつ答えてやる翼
…何というか、プールに被害が出ていないといいのだが
…何というか、プールに被害が出ていないといいのだが
「ノロイが来てないから、大丈夫だろ」
「…?あのネズミちゃん?」
「あぁ、あいつ、都市伝説になりかけてるから、危険感知能力が高いんだよ」
「…?あのネズミちゃん?」
「あぁ、あいつ、都市伝説になりかけてるから、危険感知能力が高いんだよ」
「鼠は、沈没する船から真っ先に逃げ出す」になりかけているノロイ
既に、半分以上都市伝説と化しているノロイは、その危険感知能力はかなり高い
何らかの危険を感じ取れば、こちらにも知らせにくるだろう
既に、半分以上都市伝説と化しているノロイは、その危険感知能力はかなり高い
何らかの危険を感じ取れば、こちらにも知らせにくるだろう
と、翼の言葉に、裂邪とミナワが、「え?」と言う表情をする
「なりかけ?」
「あぁ」
「あぁ」
ぱちゃぱちゃ
幸太の手を引いて、泳ぐ練習に付き合ってやりながら、頷く翼
…ちなみに、幸太は望と違い、こうやって手をとってもらったり、ビート板を使えば浮けるには受けるのだが、水に顔をつける事ができないのだ
手を引かれて浮きながら、何度か顔をつけようとして…でも、うまくいっていない
幸太の手を引いて、泳ぐ練習に付き合ってやりながら、頷く翼
…ちなみに、幸太は望と違い、こうやって手をとってもらったり、ビート板を使えば浮けるには受けるのだが、水に顔をつける事ができないのだ
手を引かれて浮きながら、何度か顔をつけようとして…でも、うまくいっていない
「そう言う事って、あるんですか?」
「確立は低いらしいけどな。動物の方が、都市伝説の影響受けやすい、とは聞いてるぞ?」
「確立は低いらしいけどな。動物の方が、都市伝説の影響受けやすい、とは聞いてるぞ?」
翼も、その辺りの原理はよくわからない
ただ、人間が都市伝説に飲み込まれるのとはまた違って、動物が都市伝説になる、と言う事はありえるらしいのだ
…ノロイの都市伝説化とは状況が違うが、たとえば、フランスで語られるベート系や、アフリカで語られた「ゴースト&ダークネス」が、もっともたる例だろう
死体を食い漁り、人の味を覚えた獣が人を襲う
それがベートとして、人食いライオンとして語られ……語られた固体が、そのまま都市伝説と化した例とて、あるのだ
ただ、人間が都市伝説に飲み込まれるのとはまた違って、動物が都市伝説になる、と言う事はありえるらしいのだ
…ノロイの都市伝説化とは状況が違うが、たとえば、フランスで語られるベート系や、アフリカで語られた「ゴースト&ダークネス」が、もっともたる例だろう
死体を食い漁り、人の味を覚えた獣が人を襲う
それがベートとして、人食いライオンとして語られ……語られた固体が、そのまま都市伝説と化した例とて、あるのだ
「うー、人が語れば都市伝説になるー。動物に関する逸話は多いー。うーうー」
「まぁ、そう言えばそうだよなぁ」
「まぁ、そう言えばそうだよなぁ」
うん、と納得している様子の裂邪
動物に関する都市伝説というものは、結構多いのだ
そんな生まれ方をする都市伝説もいるだろう、と判断したのかもしれない
動物に関する都市伝説というものは、結構多いのだ
そんな生まれ方をする都市伝説もいるだろう、と判断したのかもしれない
そうやって、しばし、時間をすごしていると
「…あぁ、いた。お待たせ」
「うー!パパー、滝夜叉ー!」
「うー!パパー、滝夜叉ー!」
虎吉が、ようやく滝夜叉を引っ張り出してくるのに成功したようで、プールサイドにやってきた
…幸太が虎吉をパパと呼んだ事で、裂邪とミナワが一瞬混乱したように見えたが、まぁ、気にしないでおこう
…幸太が虎吉をパパと呼んだ事で、裂邪とミナワが一瞬混乱したように見えたが、まぁ、気にしないでおこう
「…む、むぅ………ま、まぁ、思ったより人もおらぬし、良いか」
…やはり、水着姿は少々、恥ずかしいようだが
ぱちゃり、プールサイドに腰掛、脚を水に入れている滝夜叉
泳げるのか、泳げないのか…とりあえず、水遊び自体は嫌いではないのか、脚でぱちゃぱちゃと水に波紋を作っている
ぱちゃり、プールサイドに腰掛、脚を水に入れている滝夜叉
泳げるのか、泳げないのか…とりあえず、水遊び自体は嫌いではないのか、脚でぱちゃぱちゃと水に波紋を作っている
「虎吉よ、ここに蝦蟇を放つのは」
「駄目よ」
「…勘弁してください、滝夜叉様」
「駄目よ」
「…勘弁してください、滝夜叉様」
滝夜叉の言葉に、虎吉と翼が、ほぼ同時に止めた
…ノロイレベルなら、まだ監視員の目をごまかせるが、あの巨大蝦蟇は、ちょっと
…ノロイレベルなら、まだ監視員の目をごまかせるが、あの巨大蝦蟇は、ちょっと
「……あら?そっちの子達は?」
と、虎吉が、裂邪達に気づいた
小さく首をかしげる様子は、若い母親そのもの
小さく首をかしげる様子は、若い母親そのもの
「あ、こいつらは…」
「うー、影のお兄ちゃんと、しゃぼん玉のおねーちゃんー!」
「うー、影のお兄ちゃんと、しゃぼん玉のおねーちゃんー!」
うーうー、翼に手をとられたままの幸太が、説明する
裂邪達が、幸太の「パパ」発言の衝撃から戻り、小さく頭を下げているのが見えた
あら、と虎吉が小さく笑う
裂邪達が、幸太の「パパ」発言の衝撃から戻り、小さく頭を下げているのが見えた
あら、と虎吉が小さく笑う
「良かった、知り合いが増えたのね?」
「うー!」
「うー!」
虎吉の言葉に、嬉しそうに答える幸太
虎吉としては………どちらかといえば、友達が多い方ではない幸太の事を、心配していて
裂邪達が、幸太にとって友達になってくれればいい…とでも、考えているのかもしれない
幸太には、「首塚」での関係者以外……友と呼べる存在は、少ない
せいぜい、1歳年上の赤坂 美樹と言う少女くらいしかいないのだ
虎吉としては………どちらかといえば、友達が多い方ではない幸太の事を、心配していて
裂邪達が、幸太にとって友達になってくれればいい…とでも、考えているのかもしれない
幸太には、「首塚」での関係者以外……友と呼べる存在は、少ない
せいぜい、1歳年上の赤坂 美樹と言う少女くらいしかいないのだ
原因は、わかっている
しかし、その原因をどうにかできるような状態ではないのだ
しかし、その原因をどうにかできるような状態ではないのだ
続くかどうかわからない