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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者-59r

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 ---ちゃぷり
 床に撒き散らされた海水の表面が、波立つ
 そこから…エクスカリバーの鞘を回収したのと、同じ白い手が現れて
 それは、悲しげにエクスカリバー本体を手にとると……再び、水の中に、消えた

 恐らくは、水面を扉として現れたのであろう、その手
 何故、今になって現れ、エクスカリバーを回収していったのか…
 それは、この場にいる誰もがわからない
 恐らく、真に理解できるのは…その手の持ち主、本人だけなのだろう

 エクスカリバーが、完全にこの場から消失したことで
 …改めて………戦いが終わったのだ、と
 それを、実感する

「……恵、怪我はないか」
「…ない………でも、父さん、怪我……」
「…………問題ない」

 朝比奈が、恵に近づいてくる
 その朝比奈を、恵は心配そうに見上げた
 …真の力をあらわしたエクスカリバーに切り裂かれた体
 だが、幸い、致命傷ではなかったらしい
 本人が口にした通り、問題はなさそうだ
 それでも、恵は心配なのだろう。放っておいていい怪我でもない
 ジャッカロープを抱き上げ、治療薬の精製を頼んでいる

「お前ら、怪我ないか?」
「…こっちは、問題ないが」
「……お前が、満身創痍だろうが」

 よろりと、近づいてきた宏也に、Tさんと辰也がそう答える
 エクスカリバーの鞘を持った事により、一度は全身の傷を完全に再生させていた宏也
 しかし、その後にも再び体中に切り傷を作っており、その姿は痛々しい
 致命傷は回復しているとはいえ、この状態のままでいるわけにもいくまい
 こちらも、治癒を急ぐべきだろう

 ……と、そうしていると
 階段から、誰かが駆け下りてくる音が聞こえてきた
 Tさんが警戒し、振り返ると…姿を現したのは、どこか辰也と天地に似た…少年

「…祐樹?上は、片付いたのか?」
「あぁ…………こっちも、片付いたんだ、な?」

 直希の言葉に、祐樹と呼ばれた少年が頷く
 どうやら、敵ではないらしい
 ……祐樹は、意識を失って直希に膝枕状態にされていた天地に…ゆっくりと、近づく

「…………にい、さん…………?」
「安心しろ、安静にしていれば、命に別状はない」

 …天地を、兄さんと呼んだ、その様子
 門条 晴海の遺児の…その、最後の一人なのだろう、とTさんはそう判断した

 ……と、そうしていると
 朝比奈が、ぼそり、Tさん達に声をかけてきた

「……祐樹は、それと気づいていないが。「組織」の者が、共に行動してきている」
「…何?」
「………過激派や、強行派ではないようだが…………関わりあいたくないのならば、今のうちに、退いておけ」

 ぼそぼそと、小声でそう言ってきた朝比奈
 その表情はいつも通りの仏頂面ではあるが、一応、心配してくれているようだ

「…大樹から、話を聞いた事がある。あまり、「組織」とは関わりあいたくないのだろう?」
「お気遣い感謝する……そうか、あの黒服さんとも、あの後、さほど悪い関係ではないようだな」
「………翼の、家族だからな」

 それに……と、続けかけて、朝比奈はやめた
 確証のない事は、口にすべきではないとでも言うように

「……ん~?おたくら、「組織」に関わりたくねぇの?」

 ぱしゃん、と
 海水を、血溜まりを踏み越え、白髪の男が近づいてきた
 どうやら、Tさん達の会話が、全体ではないかもしれないが、部分的にでも聞こえてきたらしい
 ニヤリ、笑ってくる

「何だったら、俺が一気に、外まで送ってやろうか?」
「は?兄ちゃん、そう言う事できんのか?」

 舞の言葉に、あぁ、と白髪の男は笑う
 つい、と男が指を軽く振ると……彼の背後の空間が、歪む

「俺も、「組織」にゃあんまり関わりあいたくなくてねぇ?あちらさんと顔合わせずに外出たい訳よ。ついでだし、送ってやるぜ?」
「………信じても、良いんだな?」
「なぁに、ちょこっととは言え、一緒に戦った仲だろ?」

 けらけらと笑う男
 三つ編みにされた長い白髪が、ぽんぽん、とその拍子に揺れる

「このザン・ザウィアー。共に戦った相手を無闇に騙したりしねぇよ」

 ふむ、と考え込むTさん
 ………悪い男では、ないらしい
 お言葉に、甘えさせてもらおうか

「それでは……俺達は、ここで退散させていただく」
「あぁ…………ありがとうな。今度、礼に何か奢ってやるよ」

 可愛いウェイトレスがいる店でな、と
 そう言ってきた宏也に、Tさんは苦笑して
 舞とリカちゃんと共に………白髪の男、ザンの導きに従い、歪んだ空間へと足を入れた

「おぉっと!?」
「あれー??」

 歪んだ空間の先、あったのは
 どこまでも広がる、暗い海
 そして、彼らが足を踏み入れたのは……そこに浮かぶ、大きな木造の、船

「さぁて、この海は世界中に繋がっている、どこにだって彷徨える……ご希望の場所はあるかな?」

 異空間の光景に驚いている様子の舞とリカちゃんに、ザンはくっく、と笑って
 どこかおどけて、そう言ってきたのだった



 ………戦いが終わった
 それを実感した瞬間…辰也は、意識が揺らぐのを感じた
 とすん、と恵に寄りかかる

「っ、辰也…」
「……大丈夫、ただ、悪ぃ……少し、疲れた」

 …ハンニバルから受けたダメージは、もう回復している
 幸いというか何というか、ハンニバル達によって体を弄られたせいもあって、辰也の体は通常の人間より、回復力が強いから
 だと、してでも……蓄積された疲労は、そのままだ
 「13階段」の隠し玉を使った疲労が、ずしりとのしかかる

「……少し、休んだら…………ここ、出よう?………………一緒に、帰ろう」
「………あぁ」

 恵の言葉に、小さく笑う辰也
 …朝比奈からの視線が少々痛いが、気にしないで置く

 くっく、と宏也が楽しげに笑った声が、聞こえてきた

「良かったなぁ、辰也。願いが叶ったみたいで」

 煩い、と辰也が答えようとした、その瞬間


 どさっ、と
 宏也の体が………床に、倒れこんだ


「…ひろ、や?」

 辰也の言葉に、返答はなく
 ……その体は、ぴくりとも動こうと、しなかった




to be … ?



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