今の組織の状況を、簡潔に言い表すならば
蜂の巣をつついたような大騒ぎ…とでも、言うべきなのだろうか
蜂の巣をつついたような大騒ぎ…とでも、言うべきなのだろうか
「全滅、ですか?」
黒服の一人は、静かにため息をついた
線の細い体の……ただし、ナイスバディの女性である
本来は、少々線の細い男性の姿なのだが…今現在、とある都市伝説の攻撃により女体化中である
多分、あと5日くらいで元に戻るが
他に居る黒服は、二人
片方は、屋内にも関わらず帽子を被った男性
もう一人は、他の二人よりも人間らしさをしっかりと感じる男性で、彼のすぐ隣に女性が腰掛けていた
女性は、小人の姿をしたバーテンダーに酒を注文している
線の細い体の……ただし、ナイスバディの女性である
本来は、少々線の細い男性の姿なのだが…今現在、とある都市伝説の攻撃により女体化中である
多分、あと5日くらいで元に戻るが
他に居る黒服は、二人
片方は、屋内にも関わらず帽子を被った男性
もう一人は、他の二人よりも人間らしさをしっかりと感じる男性で、彼のすぐ隣に女性が腰掛けていた
女性は、小人の姿をしたバーテンダーに酒を注文している
「『夢の国』の黒服が、紛れ込んでいたとは…」
「我々のような元人間、もしくはまだ人間の黒服以外の黒服の40%が成り代わられていました。今、組織の中で、粛清が続いています」
「我々のような元人間、もしくはまだ人間の黒服以外の黒服の40%が成り代わられていました。今、組織の中で、粛清が続いています」
…三人の黒服は、大きくため息をついた
何ということか
「夢の国」を追い詰めていくはずが、逆にこちらの懐に入り込まれていたとは…!
西区の学校での戦いで、かなりの数の契約者を失ってしまった
組織としては、かなり痛い打撃である
何ということか
「夢の国」を追い詰めていくはずが、逆にこちらの懐に入り込まれていたとは…!
西区の学校での戦いで、かなりの数の契約者を失ってしまった
組織としては、かなり痛い打撃である
「………」
……それに
女性の姿になってしまっている黒服は、サングラスの下で、微かに悲しそうな表情を浮かべた
…まだ、『夢の国』は暴走を続けているのだ
まだ、『夢の国』は…思い出せていないのだ
女性の姿になってしまっている黒服は、サングラスの下で、微かに悲しそうな表情を浮かべた
…まだ、『夢の国』は暴走を続けているのだ
まだ、『夢の国』は…思い出せていないのだ
以前、自分が『夢の国』に直接、遭遇したのは何年前だったか
確か、日焼けマシンの契約者の青年が、まだ少年だった頃だ
あの少年を助け、『夢の国』を『夢の国の地下トンネル』からはじき出して以来…直接は、遭遇していない
はないちもんめの少女を助けた時は、自分は地下トンネルから彼女を救出しただけだし…あの時は、『夢の国』は地下トンネルまで、追ってはこなかったから
確か、日焼けマシンの契約者の青年が、まだ少年だった頃だ
あの少年を助け、『夢の国』を『夢の国の地下トンネル』からはじき出して以来…直接は、遭遇していない
はないちもんめの少女を助けた時は、自分は地下トンネルから彼女を救出しただけだし…あの時は、『夢の国』は地下トンネルまで、追ってはこなかったから
彼女は、いつまで暴走を続けるのか
このままでは、彼女は…都市伝説『夢の国』に取り込まれてしまうかもしれない
人間らしい心も、じょじょに、じょじょに失って…自分たちと、同じような状態になってしまうだろう
自分たちは、都市伝説に取り込まれたことにより、「黒服」と言う都市伝説と化した
…『夢の国』という都市伝説に取り込まれたら、彼女はどうなってしまうのか
……そして
『夢の国』という都市伝説に飲み込まれた契約者たちは?
また、『夢の国』に連れ去られた子供たちは、どうなってしまう?
このままでは、彼女は…都市伝説『夢の国』に取り込まれてしまうかもしれない
人間らしい心も、じょじょに、じょじょに失って…自分たちと、同じような状態になってしまうだろう
自分たちは、都市伝説に取り込まれたことにより、「黒服」と言う都市伝説と化した
…『夢の国』という都市伝説に取り込まれたら、彼女はどうなってしまうのか
……そして
『夢の国』という都市伝説に飲み込まれた契約者たちは?
また、『夢の国』に連れ去られた子供たちは、どうなってしまう?
…自分には、何もできないと言うのだろうか
「………?」
ずい、と
他の黒服に付き添っている女性から、酒が注がれたジョッキを差し出された
小さく、首をかしげる
他の黒服に付き添っている女性から、酒が注がれたジョッキを差し出された
小さく、首をかしげる
「飲んだら?……酷く辛気臭い顔になっているわよ」
「…ご気分を害したようでしたら、申し訳ありません……それと、私は、お酒はあまり…」
「…ご気分を害したようでしたら、申し訳ありません……それと、私は、お酒はあまり…」
…下戸ではないが、あまり飲める方ではない
謹んで酒を辞退すると、す……と
バーテンダーが、カクテルグラスを差し出してきた
謹んで酒を辞退すると、す……と
バーテンダーが、カクテルグラスを差し出してきた
「コンクラーベです。ノンアルコールなら、問題ないでしょう?」
「……ありがとうございます」
「……ありがとうございます」
甘い、酷く優しい口当たりのそれを、口に含む
…所詮、自分は「組織」と言う都市伝説の一部、その歯車に過ぎないのだ
そんな自分に、『夢の国』と言う強大すぎる都市伝説をどうこうできる力など、ある訳がない
自分は、たまたま、『夢の国』に関連した都市伝説と契約していて、たまたま、ここと言う『夢の国』に関連した都市伝説と知り合いで
…たまたま、その二つともが、今の『夢の国』のあり方に反抗し、取り込まれずにすんでいるだけ
全てはたまたま、偶然、運が良かっただけ
どうせ、自分に出来る事など…きっと、何もないのだ
…所詮、自分は「組織」と言う都市伝説の一部、その歯車に過ぎないのだ
そんな自分に、『夢の国』と言う強大すぎる都市伝説をどうこうできる力など、ある訳がない
自分は、たまたま、『夢の国』に関連した都市伝説と契約していて、たまたま、ここと言う『夢の国』に関連した都市伝説と知り合いで
…たまたま、その二つともが、今の『夢の国』のあり方に反抗し、取り込まれずにすんでいるだけ
全てはたまたま、偶然、運が良かっただけ
どうせ、自分に出来る事など…きっと、何もないのだ
「…組織が立ち直るまでは、我々、自由に動ける黒服が、都市伝説を対処するしかありません」
女性を傍らに置く黒服が、そう口にする
うむ、と帽子を被った黒服が頷いてきた
うむ、と帽子を被った黒服が頷いてきた
「この隙を狙って、『首塚』が動かないとも限りませんからな」
「…あぁ、そちらは問題ありません…『首塚』も、『夢の国』相手に手をこまねいているようですから」
「…あぁ、そちらは問題ありません…『首塚』も、『夢の国』相手に手をこまねいているようですから」
……弱っている相手を叩くなど、つまらない、と将門が言っていたらしいし
日焼けマシンの青年の言葉を思い出しながら、女体化してしまっている黒服は、そう口にした
日焼けマシンの青年の言葉を思い出しながら、女体化してしまっている黒服は、そう口にした
「とは言え、『首塚』組織は一枚岩ではありませんから…油断は禁物、ですが」
「……まぁ、一枚岩ではないのは、こちらも同じ事ですからね」
「……まぁ、一枚岩ではないのは、こちらも同じ事ですからね」
三者三様に、苦笑し合う
…一枚岩ではないのは、こちらも同じ
むしろ、こちらは今回の件でかなりの戦力を失ってしまい…戦力が、現在の『首塚』組織に、追いつかれかねないのだ
…一枚岩ではないのは、こちらも同じ
むしろ、こちらは今回の件でかなりの戦力を失ってしまい…戦力が、現在の『首塚』組織に、追いつかれかねないのだ
油断はできない、そして
…また新たに、戦力を確保しなければならない
自分たち黒服の仕事は、しばし、ほぼ休みなしになりそうである
…また新たに、戦力を確保しなければならない
自分たち黒服の仕事は、しばし、ほぼ休みなしになりそうである
「…せめて。今夜のうちに、鋭気を養っておきましょうか」
明日から、本格的に忙しくなるだろう
黒服たちと、女性は、それぞれのグラス(一名マイジョッキ)を片手に
『夢の国の地下カジノ』内のカクテルバーにて、決意を新たにするのだった
黒服たちと、女性は、それぞれのグラス(一名マイジョッキ)を片手に
『夢の国の地下カジノ』内のカクテルバーにて、決意を新たにするのだった
終