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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 無垢なる支配者と蜘蛛-04

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 …それは、ある日ある時、ある場所で…

「なぁ、サンジェルマン」
「何です?」

 酒を酌み交わす男が二人
 その片割れ、イクトミは、目の前で酒を飲んでいる男、サンジェルマンに………普段とは違う、どこか、真面目な様子で口を開く

「お前にゃ、美味い酒飲ませてもらってるからな…一つ、警告しておく事がある」
「警告ですか?言っておきますが、研究を止めるつもりはありませんよ?」
「…何だ、わかってんじゃねぇか」

 おどけたように笑うイクトミ
 だが、続けられる言葉は、真面目そのもの

「…やめときな、「組織」から切り捨てられる云々の問題じゃねぇよ。お前は、手を出しちゃいけねぇ領域に手を出そうとしている」
「……神の領域、とでも言うつもりですか?…これは、「組織」のS-No.0としての警告ではなく、スー族に語られた神・イクトミとしての警告だ、と」
「………さぁねぇ?」

 イクトミの本心を真に理解するのは、困難だ
 何せ、イクトミは神
 それも、トリックスターとして語られる神である
 ころころとおどけた口調で本心を隠し、物事の本質を奥底に秘めて、なかなか表に出さない

 だが、そんなイクトミにしては
 今回は…やや、わかりやすい

「危なっかしいんだよ、お前。それも、お前一人の命ですめばいいところ、何もかも巻き込みやがる」
「おやおや、私の身を心配するのですか?」
「いや、主に巻き込まれる連中の心配」
「…アキナリさん達、ですか?」
「さぁねぇ?まぁ、俺はアキナリの事はどーでもいいかねぇ?むしろ、あいつと契約してる…茜だっけ?あのねーちゃん辺りは心配だなぁ?」
「はっはっはっはっはっは、このエロ蜘蛛神め」

 笑いあう二人
 深刻な話をしているはずなのだが、どうにも、緊迫感がない

「……本気の本気で。やめないんだな?」
「本気の本気ですとも。私は、こんなところで立ち止まる訳にはいかないんですよ」
「………そうか」

 あーぁ、と
 イクトミは酷く残念そうに、まだ未開封の酒瓶に手を伸ばした
 それを弄びながら……サンジェルマンに、視線を向ける


 ------刹那
 場の空気が、一変する
 サンジェルマンを見つめる、イクトミの表情は…サンジェルマンが、はじめてみた表情だった


「残念だよ」

 透き通るような声
 それでいて、響き渡るような…不思議な声音

 目の前の存在は、神だ
 トリックスターとして語られ、しかし、同時に、破滅の予言をもたらしたメッセンジャーとしての、神

 人が、神と交渉するなど、不可能だ
 人が、神と同じ立場に立つなど、不可能だ

 今、サンジェルマンの、目の前で
 イクトミは、神としての顔を、露にしていた

「もう、お前と美味い酒が飲めなくなる」

 どこか、冷たく、そう言い放って
 …イクトミの姿は、消えうせた
 代わりに、そこにいたのは、小さな蜘蛛
 それは、かさかさと動いて…すぐに、サンジェルマンの視界から、いなくなってしまった

「……うわ、よりによって、一番高い酒を持っていきましたか…」

 苦笑するサンジェルマン

 …先ほどの、イクトミの警告が
 彼が自分に見せた慈悲であると、理解はしている
 神が、人に見せた慈悲

 だが、それを理解しても…止まる事はできない


 どんな未来が待ち受けていようとも
 己の選ぶ選択肢から、逃げる事などもはやできないのだ








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