…それは、ある日ある時、ある場所で…
「なぁ、サンジェルマン」
「何です?」
「何です?」
酒を酌み交わす男が二人
その片割れ、イクトミは、目の前で酒を飲んでいる男、サンジェルマンに………普段とは違う、どこか、真面目な様子で口を開く
その片割れ、イクトミは、目の前で酒を飲んでいる男、サンジェルマンに………普段とは違う、どこか、真面目な様子で口を開く
「お前にゃ、美味い酒飲ませてもらってるからな…一つ、警告しておく事がある」
「警告ですか?言っておきますが、研究を止めるつもりはありませんよ?」
「…何だ、わかってんじゃねぇか」
「警告ですか?言っておきますが、研究を止めるつもりはありませんよ?」
「…何だ、わかってんじゃねぇか」
おどけたように笑うイクトミ
だが、続けられる言葉は、真面目そのもの
だが、続けられる言葉は、真面目そのもの
「…やめときな、「組織」から切り捨てられる云々の問題じゃねぇよ。お前は、手を出しちゃいけねぇ領域に手を出そうとしている」
「……神の領域、とでも言うつもりですか?…これは、「組織」のS-No.0としての警告ではなく、スー族に語られた神・イクトミとしての警告だ、と」
「………さぁねぇ?」
「……神の領域、とでも言うつもりですか?…これは、「組織」のS-No.0としての警告ではなく、スー族に語られた神・イクトミとしての警告だ、と」
「………さぁねぇ?」
イクトミの本心を真に理解するのは、困難だ
何せ、イクトミは神
それも、トリックスターとして語られる神である
ころころとおどけた口調で本心を隠し、物事の本質を奥底に秘めて、なかなか表に出さない
何せ、イクトミは神
それも、トリックスターとして語られる神である
ころころとおどけた口調で本心を隠し、物事の本質を奥底に秘めて、なかなか表に出さない
だが、そんなイクトミにしては
今回は…やや、わかりやすい
今回は…やや、わかりやすい
「危なっかしいんだよ、お前。それも、お前一人の命ですめばいいところ、何もかも巻き込みやがる」
「おやおや、私の身を心配するのですか?」
「いや、主に巻き込まれる連中の心配」
「…アキナリさん達、ですか?」
「さぁねぇ?まぁ、俺はアキナリの事はどーでもいいかねぇ?むしろ、あいつと契約してる…茜だっけ?あのねーちゃん辺りは心配だなぁ?」
「はっはっはっはっはっは、このエロ蜘蛛神め」
「おやおや、私の身を心配するのですか?」
「いや、主に巻き込まれる連中の心配」
「…アキナリさん達、ですか?」
「さぁねぇ?まぁ、俺はアキナリの事はどーでもいいかねぇ?むしろ、あいつと契約してる…茜だっけ?あのねーちゃん辺りは心配だなぁ?」
「はっはっはっはっはっは、このエロ蜘蛛神め」
笑いあう二人
深刻な話をしているはずなのだが、どうにも、緊迫感がない
深刻な話をしているはずなのだが、どうにも、緊迫感がない
「……本気の本気で。やめないんだな?」
「本気の本気ですとも。私は、こんなところで立ち止まる訳にはいかないんですよ」
「………そうか」
「本気の本気ですとも。私は、こんなところで立ち止まる訳にはいかないんですよ」
「………そうか」
あーぁ、と
イクトミは酷く残念そうに、まだ未開封の酒瓶に手を伸ばした
それを弄びながら……サンジェルマンに、視線を向ける
イクトミは酷く残念そうに、まだ未開封の酒瓶に手を伸ばした
それを弄びながら……サンジェルマンに、視線を向ける
------刹那
場の空気が、一変する
サンジェルマンを見つめる、イクトミの表情は…サンジェルマンが、はじめてみた表情だった
場の空気が、一変する
サンジェルマンを見つめる、イクトミの表情は…サンジェルマンが、はじめてみた表情だった
「残念だよ」
透き通るような声
それでいて、響き渡るような…不思議な声音
それでいて、響き渡るような…不思議な声音
目の前の存在は、神だ
トリックスターとして語られ、しかし、同時に、破滅の予言をもたらしたメッセンジャーとしての、神
トリックスターとして語られ、しかし、同時に、破滅の予言をもたらしたメッセンジャーとしての、神
人が、神と交渉するなど、不可能だ
人が、神と同じ立場に立つなど、不可能だ
人が、神と同じ立場に立つなど、不可能だ
今、サンジェルマンの、目の前で
イクトミは、神としての顔を、露にしていた
イクトミは、神としての顔を、露にしていた
「もう、お前と美味い酒が飲めなくなる」
どこか、冷たく、そう言い放って
…イクトミの姿は、消えうせた
代わりに、そこにいたのは、小さな蜘蛛
それは、かさかさと動いて…すぐに、サンジェルマンの視界から、いなくなってしまった
…イクトミの姿は、消えうせた
代わりに、そこにいたのは、小さな蜘蛛
それは、かさかさと動いて…すぐに、サンジェルマンの視界から、いなくなってしまった
「……うわ、よりによって、一番高い酒を持っていきましたか…」
苦笑するサンジェルマン
…先ほどの、イクトミの警告が
彼が自分に見せた慈悲であると、理解はしている
神が、人に見せた慈悲
彼が自分に見せた慈悲であると、理解はしている
神が、人に見せた慈悲
だが、それを理解しても…止まる事はできない
どんな未来が待ち受けていようとも
己の選ぶ選択肢から、逃げる事などもはやできないのだ
己の選ぶ選択肢から、逃げる事などもはやできないのだ
to be … ?