アットウィキロゴ

「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 花子さんと契約した男の話-52m

最終更新:

guest01

- view
だれでも歓迎! 編集
 キャンプファイヤーの炎が燃え上がり、花火が打ちあがる
 中央高校学園祭の終幕は、例年通り華やかで賑やかだ
 これが終われば、夏休み
 生徒達の気分も、自然と開放的になる

「………」

 そんな中
 彼女は、クラスメイトの獄門寺 龍一の姿を探していた
 …姿が、見えない 
 どこにいったのだろうか?

 …もうすでに、誰かと一緒に行動している最中だろうか…?

 たくさんの生徒の中、獄門寺を探すが、見つからない
 どうやら、彼と親しいらしい後輩の女子生徒の姿は見つかったが…どうやら、あちらも誰かを探している最中のようだ…彼の姿は、見つからなかった

「………」

 …傍にいたい
 話したい
 なのに、見つからない
 残念で、寂しいと、そう思ってしまう


 ----同時に
 あの、おかっぱ頭の小さな女の子は、相変わらず彼のそばにいるのだろうか…?と
 そう、考えてしまい
 つきん、と、小さく心が痛んだのだった





「みー!花火ー!」

 打ちあがる花火を、楽しげに見つめている花子さん
 俺はそんな花子さんの横で、木に寄りかかって缶コーヒーを口にしていた

 …どうにも、人ごみは苦手だ
 それに、花子さんにゆっくり花火を見せたかったから、グラウンドの中心からは離れた、あまり人気のない場所で花火を見上げる
 こうしていれば、馬鹿騒ぎに巻き込まれずにすむし

 しばらく、そうやってゆっくりしていたのだが

「……み?誰か来るの」
「…うん?」

 花子さんに言われて、顔をあげる
 確かに、気配が…

「あ、龍一。ここにいたか」
「………真樹か」

 何だ、こいつか
 みーみーと、一応真樹には見えていないとは言え、花子さんが物陰に隠れる
 …まぁ、ついでに、買っておいていた模擬店の菓子でも食べるつもりなのかもしれないが

「よく見つけたな」
「まぁな。親友のいるところくらい、簡単に見つけてやるよ。地獄の底にいたって、見つけ出してやるさ」
「…………そんな場所まで、探しに来なくてもいい」

 ため息をついてそう言うと、もののたとえだろ、と笑ってくる真樹
 …こいつと友人になったのは、高校に入ってからの…いつから、だったか
 キッカケは、よく覚えていない
 確か、声をかけてきたのは、真樹からだったはずだ
 何か、都市伝説絡みじゃない事で、助けたような助けなかったような記憶は何となくある
 それ以来、真樹が俺があぁ言う家の者だとわかっていても普通に接してくるから、こちらもそれに対して、普通に返すようになった…ん、だったような気がする
 本当に些細な事だったはずで、あまりよく覚えていない
 ただ、俺にとって真樹は間違いなく友人であり、ありがたい事に、真樹もこちらをそう認識してくれているようだった

「うわ、無糖の缶コーヒーかよ。相変わらず渋いな」
「…そうか?……それに、無糖って言っても、甘く感じるぞ、これ」
「まぁ、お前は甘いもん、あんまし好きじゃないしな」

 そう言いながら、真樹が俺の横に腰を下ろしてきた
 みー?と花子さんが真樹の顔を覗きこむが…真樹は、花子さんの存在に気付かない
 …真樹は、都市伝説に関係していない
 その事実を改めて確認し、ほっとする

 ……しばし、花火の音と、遠く離れた喧騒の音だけが、耳に入り込んできて

「なぁ、龍一」
「……何だ?」
「お前さ、委員長の事、どう思ってるんだ?」

 …唐突に、真樹がそんな事を尋ねてきて
 俺は、首を傾げて見せた

「…?………クラスメイトで、学級委員長だろ?」
「いや、そうじゃなくてよ」
「……他に、何かあるか?」
「あー…うん、まぁ、いいや」

 委員長報われねー、と真樹が呟いているが、意味がよくわからない
 ……委員長は、クラスメイトだ
 それ以上でも、それ以下でもない


 それ以上には、決してなるべきではないし
 ……できる事ならば……………もう、それ以下には、なりたくない


「…ま、あれだ、龍一。何か色恋沙汰で困った事とかできたら、相談くらいは乗ってやるからな?」
「………気持ちだけ受け取っておく。多分、そう言う事にはならないだろうから」

 色恋沙汰なんて、自分には関係ない
 関わることなんて、ないだろう

 真樹が、あきれたように肩をすくめたような気がしたが、多分、気のせいだろう
 ドォン……と、最後の大きな花火を見上げながら
 俺はぼんやり、そう考えたのだった





fin




タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
最近更新されたスレッド
ウィキ募集バナー