殺さなければ、殺される
自分が殺されなくとも、どこかで誰かが殺される
それがわかりきっているならば、放置するなどできるはずもない
自分が殺されなくとも、どこかで誰かが殺される
それがわかりきっているならば、放置するなどできるはずもない
もう、自分は後戻りなどできないのだから
護るべき者を護る為ならば
この手で他者の命を奪う事に、躊躇などしない
護るべき者を護る為ならば
この手で他者の命を奪う事に、躊躇などしない
「…あれ?翼の兄ちゃん?」
「ん?……あぁ、裂邪、ミナワ」
「ん?……あぁ、裂邪、ミナワ」
それは、世間一般の学校の夏休みが、終わりに近づいていた頃の事
「プールの時以来だな。元気だったか?」
「元気だったぜ。な、ミナワ」
「はい!宿題が、ちょっと大変そうですけど…」
「うっ!?…ミ、ミナワ、それは言わない約束だぜ?」
「元気だったぜ。な、ミナワ」
「はい!宿題が、ちょっと大変そうですけど…」
「うっ!?…ミ、ミナワ、それは言わない約束だぜ?」
それは、日常の一幕
平和のカケラ
平和のカケラ
「あぁ、そうか。そろそろ夏休み終わりの時期か…」
「翼の兄ちゃんは?」
「へ?俺、大学通ってる訳でもねぇし、課題とかはねぇけど」
「え?」
「あれ?」
「翼の兄ちゃんは?」
「へ?俺、大学通ってる訳でもねぇし、課題とかはねぇけど」
「え?」
「あれ?」
…されど
「…あれ、翼の兄ちゃん、歳は…」
「22」
「既に成人済みだった!?」
「ご、ご主人様、そこまで驚かれなくとも…」
「待て、俺、いくつに見られてたんだよ!?」
「22」
「既に成人済みだった!?」
「ご、ご主人様、そこまで驚かれなくとも…」
「待て、俺、いくつに見られてたんだよ!?」
その、カケラは
あっけなく、砕かれる
あっけなく、砕かれる
--ぶぅん
「…ん?」
聞こえてきた小さな羽音に、翼は顔を上げた
裂邪達も、一歩遅れて、その音に気付いたようだ
そして
裂邪達も、一歩遅れて、その音に気付いたようだ
そして
「都市伝説の、気配?」
そう
聞こえてくる羽音は、明らかな都市伝説の気配を纏っていて
聞こえてくる羽音は、明らかな都市伝説の気配を纏っていて
……直後
四方八方から現れた黒い蝿の群れが、三人を包み込んだ
その小さな、しかし、鋭い牙が、三人の皮膚を破り、その肉を食い荒らそうとして…
四方八方から現れた黒い蝿の群れが、三人を包み込んだ
その小さな、しかし、鋭い牙が、三人の皮膚を破り、その肉を食い荒らそうとして…
されど、その牙は三人には届かない
ミナワが生み出したしゃぼん玉が、三人を包み護り
翼の「日焼けマシンで人間ステーキ」の能力が発動し、視界に入り込む蝿を、片っ端から焼き殺していく
ミナワが生み出したしゃぼん玉が、三人を包み護り
翼の「日焼けマシンで人間ステーキ」の能力が発動し、視界に入り込む蝿を、片っ端から焼き殺していく
「っちょ、何だよいきなりこれはっ!?」
「スパニッシュフライ……じゃ、ねぇな。となると、蝿関係の都市伝説っつーと…」
「スパニッシュフライ……じゃ、ねぇな。となると、蝿関係の都市伝説っつーと…」
裂邪とミナワを護るように、襲い掛かってくる蝿達を睨みつけ続ける翼
その黒い蝿達は、焼けこげた姿で飛び回っている訳でもない点から見て、学校街で自然繁殖しやがったスパニッシュフライ、と言う訳ではなさそうだ
そもそも、あれは攻撃能力はないはずであるし
と、なると、他の蝿絡みの都市伝説は…
その黒い蝿達は、焼けこげた姿で飛び回っている訳でもない点から見て、学校街で自然繁殖しやがったスパニッシュフライ、と言う訳ではなさそうだ
そもそも、あれは攻撃能力はないはずであるし
と、なると、他の蝿絡みの都市伝説は…
……考えている、間に
蝿に混じって、別の生物が混ざりだし、襲い掛かってくる
蝿に混じって、別の生物が混ざりだし、襲い掛かってくる
それは…黒い悪魔とも呼ばれる存在
1匹見かけたら30匹はいると思え、キッチンの天敵、ゴキブリだ
蝿達と同じように殺気を纏いながら、都市伝説の影響下にあると思われるそれらは激しく襲い掛かってくる
1匹見かけたら30匹はいると思え、キッチンの天敵、ゴキブリだ
蝿達と同じように殺気を纏いながら、都市伝説の影響下にあると思われるそれらは激しく襲い掛かってくる
「……ッ黒いキューピー人形か!?」
「え!?あれって、人襲うタイプの都市伝説なの!?」
「え!?あれって、人襲うタイプの都市伝説なの!?」
翼の言葉に、やや意外そうに口を開く裂邪
確かに、語られている内容には、黒いキューピー人形が人を襲う、と言う話は含まれて居ない
だが…いくつものバリエーションが存在する、その話
中には、意図的に置き去りにされた赤ん坊が死亡して…というパターンもない訳ではない
そのパターンから生まれた「黒いキューピー人形」であった場合は、恨みから人を襲う存在になっている可能性もある
確かに、語られている内容には、黒いキューピー人形が人を襲う、と言う話は含まれて居ない
だが…いくつものバリエーションが存在する、その話
中には、意図的に置き去りにされた赤ん坊が死亡して…というパターンもない訳ではない
そのパターンから生まれた「黒いキューピー人形」であった場合は、恨みから人を襲う存在になっている可能性もある
「ご、ご主人様!契約者の気配もします!」
「!」
「あ、なるほど、契約者持ちか」
「!」
「あ、なるほど、契約者持ちか」
ミナワの言葉に、納得した様子の裂邪
契約者が存在する都市伝説ならば…人に攻撃してくる可能性はある
そうなると、問題は、何故、自分達が攻撃されているのか?
そこに焦点が当たる事となる
契約者が存在する都市伝説ならば…人に攻撃してくる可能性はある
そうなると、問題は、何故、自分達が攻撃されているのか?
そこに焦点が当たる事となる
「契約者の気配は、一人か?」
「え?あ、はい」
「あぁ。俺と翼のにーちゃん以外、この辺りからは他には一人しか気配を感じねーけど」
「え?あ、はい」
「あぁ。俺と翼のにーちゃん以外、この辺りからは他には一人しか気配を感じねーけど」
そうか、頷く翼
…翼の様子が、変わったように
そう、裂邪は感じた
そう、裂邪は感じた
鋭い殺気、警戒感
それが、にじみ出ている
それが、にじみ出ている
…それに…何だか、少し…暑いような…
……翼を、中心として
温度が、あがっているような、錯覚
……翼を、中心として
温度が、あがっているような、錯覚
「そいつ、どこにいる?」
「あ……あっち」
「……わかった」
「あ……あっち」
「……わかった」
飛び掛ってくる蝿を、ゴキブリを、睨みつけ続けている翼
…ミナワのバリアから、一歩、踏み出る
…ミナワのバリアから、一歩、踏み出る
「ぁ、危な…」
「…すぐ、終わらせてくるから。そこ、あんまし動くなよ?」
「…すぐ、終わらせてくるから。そこ、あんまし動くなよ?」
裂邪とミナワに、振り返りもせず、そう告げて
翼は、ミナワの張ったシャボン玉のバリアから飛び出した
すかさず飛び掛ってくる黒い群れは、翼の視線で焼かれいって
視線が届かぬ、死角から飛び掛っていった群れも、また……翼に近づいた瞬間、高温に達しているその体温が周囲の温度すらあげていて、それによって焼き殺されていく
裂邪とミナワの視界は、黒い群れによって、あっという間に塗りつぶされてしまって…翼の後姿は、すぐに見えなくなってしまった
翼は、ミナワの張ったシャボン玉のバリアから飛び出した
すかさず飛び掛ってくる黒い群れは、翼の視線で焼かれいって
視線が届かぬ、死角から飛び掛っていった群れも、また……翼に近づいた瞬間、高温に達しているその体温が周囲の温度すらあげていて、それによって焼き殺されていく
裂邪とミナワの視界は、黒い群れによって、あっという間に塗りつぶされてしまって…翼の後姿は、すぐに見えなくなってしまった
真っ白なお包みを抱いた女が、くすくすと笑っている
お包みの中にいるのは、赤ん坊…の、形をしたもの
黒い、真っ黒に見える…赤ん坊に、蝿とゴキブリが群がっているかのような、酷くグロテスクな物体
そんな「黒いキューピー人形」の契約者である女は、その能力でもって、自らが抱く「黒いキューピー人形」から無限に湧き出す蝿とゴキブリを操っていた
お包みの中にいるのは、赤ん坊…の、形をしたもの
黒い、真っ黒に見える…赤ん坊に、蝿とゴキブリが群がっているかのような、酷くグロテスクな物体
そんな「黒いキューピー人形」の契約者である女は、その能力でもって、自らが抱く「黒いキューピー人形」から無限に湧き出す蝿とゴキブリを操っていた
「さぁ、そろそろ死んだかしら?惨めに無残に残酷に、みっともなく死んだかしら?」
くすくすころころ
黒いキューピー人形を、赤ん坊をあやすようにしながら、女は笑う
攻撃を仕掛けた青年や少年、少女に対し、女は恨みも何ももっちゃいない
黒いキューピー人形を、赤ん坊をあやすようにしながら、女は笑う
攻撃を仕掛けた青年や少年、少女に対し、女は恨みも何ももっちゃいない
ただ、見かけたから
殺したいから、殺す
ただ、それだけだった
殺したいから、殺す
ただ、それだけだった
この黒いキューピー人形と契約して
女は、自在に人を殺せるようになった
それが、楽しくて楽しくて、面白くて仕方なくて
特に、子供を殺すのが、楽しくって仕方ない
怖がる悲鳴を聞いていると、ゾクゾクして、恍惚感すら感じるのだ
女は、自在に人を殺せるようになった
それが、楽しくて楽しくて、面白くて仕方なくて
特に、子供を殺すのが、楽しくって仕方ない
怖がる悲鳴を聞いていると、ゾクゾクして、恍惚感すら感じるのだ
「…あら?」
そう言えば
少年少女を襲ったのに
悲鳴が、聞こえなかったような…?
少年少女を襲ったのに
悲鳴が、聞こえなかったような…?
「……てめぇか!!」
聞こえてきた、怒号
え?と振り返ると…そこには、日焼けした肌に金髪、じゃらじゃらとシルバーアクセサリーを身に付けた青年の姿があった
女が、黒いキューピー人形で攻撃を仕掛けたはずの、相手
それが、無傷でそこに立っていた
え?と振り返ると…そこには、日焼けした肌に金髪、じゃらじゃらとシルバーアクセサリーを身に付けた青年の姿があった
女が、黒いキューピー人形で攻撃を仕掛けたはずの、相手
それが、無傷でそこに立っていた
「あらら?変ね、おかしいわ?どうして無傷なのかしら?惨めに無残に残酷に、見るに絶えない姿で転がっているはずなのに?」
首をかしげながら、女は蝿とゴキブリの群れを、青年にけしかける
しかし、それは青年に届かず、全て焼け焦げて死んでいった
しかし、それは青年に届かず、全て焼け焦げて死んでいった
じゃらり、青年が身に付けているシルバーアクセサリーが音を立てる
腰から下げていたチェーンベルト……そのうちの一本を、青年は何時の間にか、手にとっていて
腰から下げていたチェーンベルト……そのうちの一本を、青年は何時の間にか、手にとっていて
じゃらんっ!!と
それが、女の手首に、巻きついてきた
それが、女の手首に、巻きついてきた
じゅぅうううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう
「っぎゃ!?」
悲鳴をあげる女
ぼとん!と黒いキューピー人形を落としてしまった
ぼとん!と黒いキューピー人形を落としてしまった
熱い
熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱いぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!????
熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱いぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!????
巻きついてきたチェーンベルトは、激しい高温を伴っていた
溶け落ちないのが不思議なほどの、高温
それが女にの手首に巻きついて、火傷を負わせてくる
溶け落ちないのが不思議なほどの、高温
それが女にの手首に巻きついて、火傷を負わせてくる
「…どっちが、狙いだ?」
「……?」
「俺と、裂邪達…………どっちを狙ってきたんだ?」
「……?」
「俺と、裂邪達…………どっちを狙ってきたんだ?」
火傷の痛みに悶え苦しむ女を、鋭く睨みつけてくる青年
…くすりと女は笑う
…くすりと女は笑う
「両方、でも、あえて言うなら、子供の方。だって、子供の方が殺す時、怖がってくれて楽しいんですもの」
「………ってめぇ、そんな理由で……!」
「何か悪いの?」
「………ってめぇ、そんな理由で……!」
「何か悪いの?」
怒りを隠そうともしない青年に、女は笑って見せた
そうだ
何が悪いと言うのか?
そうだ
何が悪いと言うのか?
「子供なんて、世界各地、毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日た~~~っくさん死んでるでしょ?一杯一杯殺されてるでしょ?私がちょっとくらい殺したっていいじゃない。性的暴行してないだけいいじゃない??」
自分は悪くないではないか
あのネット上で騒がれた、ハーメルンの笛吹きよりはまだ殺してない
いいじゃないか、これくらい
このストレス社会に、自分は押しつぶされそうなのだ
それを発散するために、弱い者をいたぶって何が悪い?
あのネット上で騒がれた、ハーメルンの笛吹きよりはまだ殺してない
いいじゃないか、これくらい
このストレス社会に、自分は押しつぶされそうなのだ
それを発散するために、弱い者をいたぶって何が悪い?
こんな状況に陥っていても、女は反省する様子などなかった
まだまだ、子供を殺し続けるつもりで一杯だった
今、ちょっと酷い火傷を負ってしまったけれど、大丈夫
黒いキューピー人形を落としてしまったけれど、大丈夫
まだまだ蝿もゴキブリも操れている
な~~~んにも、問題ない
火傷をして痛かったから、今日はその鬱憤晴らしに、後でもうちょっと殺そうかな
それくらいしか、考えていなかった
まだまだ、子供を殺し続けるつもりで一杯だった
今、ちょっと酷い火傷を負ってしまったけれど、大丈夫
黒いキューピー人形を落としてしまったけれど、大丈夫
まだまだ蝿もゴキブリも操れている
な~~~んにも、問題ない
火傷をして痛かったから、今日はその鬱憤晴らしに、後でもうちょっと殺そうかな
それくらいしか、考えていなかった
だから、気付かない
自分が、日焼けしだした事を
だから、気付かない
もう、手遅れだということを
自分が、日焼けしだした事を
だから、気付かない
もう、手遅れだということを
「っぎゃあああああああああああああああああああああああああああああ!!??」
聞こえてきた、断末魔のような絶叫に、裂邪とミナワは顔をあげた
襲い掛かってきていた蝿とゴキブリ達が…わっ、と四方八方に飛び散りだす
統率が、取れなくなったのだ
都市伝説能力影響下から、解放されたように
襲い掛かってきていた蝿とゴキブリ達が…わっ、と四方八方に飛び散りだす
統率が、取れなくなったのだ
都市伝説能力影響下から、解放されたように
顔を見合わせ、裂邪とミナワは、契約者の気配を感じていた方向に
翼が駆け出していった方向に、駆け出す
角を曲がった先の、路地裏
そこに
翼が駆け出していった方向に、駆け出す
角を曲がった先の、路地裏
そこに
「……翼の、兄ちゃん?」
後姿の翼と
黒い、黒い……人の形をした、炭のような、物体と
真っ白なお包みに包まれた………黒い、キューピー人形の姿があった
黒い、黒い……人の形をした、炭のような、物体と
真っ白なお包みに包まれた………黒い、キューピー人形の姿があった
「ぁ………ぁ……」
辛うじて、命を保っている、炭と化していく黒いキューピー人形の契約者
しかし、それは静かに力尽き……ただの、炭となった
しかし、それは静かに力尽き……ただの、炭となった
契約者を失った、黒いキューピー人形が
契約者の死に引きずられて……光の粒子と化していく
契約者の死に引きずられて……光の粒子と化していく
「…………」
蝿とゴキブリに群がれた姿
…その、口元が
かすかに露出し、言葉を形作る
…その、口元が
かすかに露出し、言葉を形作る
ア リ ガ ト
契約者の狂気に引きずられ、意志に反して殺人の手伝いをさせられていた、黒いキューピー人形は
その苦行から解放されて………満足して、消えていく
その苦行から解放されて………満足して、消えていく
「…翼の、兄ちゃん…?」
恐る恐る、翼に声をかける、裂邪
ゆっくりと、翼が振り返ってくる
ゆっくりと、翼が振り返ってくる
「あ…お前ら、大丈夫か?怪我、してないか?」
裂邪達の姿を確認し、心配そうにそう言ってくる翼
その様子は、プールでの騒動の時、裂邪達を心配してきた、その時の様子と何ら変わりはない
その様子は、プールでの騒動の時、裂邪達を心配してきた、その時の様子と何ら変わりはない
つい、先ほど
人一人殺した事実など、まったく、感じさせない
人一人殺した事実など、まったく、感じさせない
「…こ……殺したん、ですか…?」
怯えた様子のミナワ
そんなミナワの様子に、翼は少し、ばつの悪そうな表情を浮かべた
そんなミナワの様子に、翼は少し、ばつの悪そうな表情を浮かべた
「………あぁ」
だが
はっきりと、その事実を認める
その事実から、逃げる事はしない
はっきりと、その事実を認める
その事実から、逃げる事はしない
「女子供をいたぶるような奴、「首塚」として見逃す訳にはいかないからな」
「……に、兄ちゃんは…そうやって……契約者も、殺してきたのか?」
「まぁな」
「……に、兄ちゃんは…そうやって……契約者も、殺してきたのか?」
「まぁな」
人間も
都市伝説も
……かなり、殺してきた
都市伝説も
……かなり、殺してきた
「…都市伝説と契約した以上、人の道はずれちまった契約者とも、戦わざるをえない状況に陥る事は、ありえるからな」
「…………」
「…………」
…考え込んでいる様子の、裂邪
ミナワが、心配そうに裂邪を見つめている
ミナワが、心配そうに裂邪を見つめている
「…けどよ」
「……?」
「お前は、まだ、殺した事ないんなら…なるべく、殺さないようやっていけばいいさ」
「……?」
「お前は、まだ、殺した事ないんなら…なるべく、殺さないようやっていけばいいさ」
苦笑して見せる翼
場合によっては、躊躇なく手を下すべきだ
それは、わかりきっている
けれど
場合によっては、躊躇なく手を下すべきだ
それは、わかりきっている
けれど
「もし、お前が、殺すしか道がないような、どうしようもない悪党と遭遇しちまったら、俺が代わりに殺してやるから」
「け、けど」
「お前は、まだ殺してないんだったら。後戻りはいくらでもできるからな」
「…けど、兄ちゃんは」
「………俺は、とっくに後戻りなんざ、できないからな」
「け、けど」
「お前は、まだ殺してないんだったら。後戻りはいくらでもできるからな」
「…けど、兄ちゃんは」
「………俺は、とっくに後戻りなんざ、できないからな」
「日焼けマシンで人間ステーキ」と契約して、すぐの頃
小学校低学年だった頃に……自分は、半ば能力を暴発させるようにして、人間を殺している
だから
自分はとっくに、後戻りなどできないのだ
小学校低学年だった頃に……自分は、半ば能力を暴発させるようにして、人間を殺している
だから
自分はとっくに、後戻りなどできないのだ
…しかし
目の前の少年達が、まだ、人の命を奪ったことがないと言うのなら
…その手を、血で汚させたくはないのだと
目の前の少年達が、まだ、人の命を奪ったことがないと言うのなら
…その手を、血で汚させたくはないのだと
そう、考えずにはいられないのだ
fin