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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 花子さんと契約した男の話-57b

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だれでも歓迎! 編集
 ………
 …………
 ……………

 えーと…

「みー?どうしたの、けーやくしゃ」
「…うん、ちょっと、な」

 うん
 そろそろ、現実逃避はやめようか
 何があったのか知らないが……確認はしないと

「獄門寺君?どうしたの?」
「……ちょっと、様子を見てくる」

 …何故、翼さんがあんな姿になっていたのか、色々と突っ込みどころがある訳だが
 誰かを殴り飛ばした音から察して、多分、誰かにさせられたんだろう
 あんまり他人には見られたくないだろうし、俺一人で行くべきだ

 花子さん達を置いて、厨房への入り口に向かう
 ちょうど、店員の姿も見えない、悪いが、入らせてもらおう

「……あの、翼さ」
「!!??っち、ちょっと待て、りゅうい………っ」

 ………
 うん
 やっぱり、間違いなく翼さんだった
 フェアリー・モートの制服を着せられてはいるが、間違いなく翼さんだ
 座り込んでいる様子で、他の店員に取り囲まれてるけど
 ついでに、その傍に倒れている若い男がいるけど

「………色々と申し訳ありませんが、事情を聞いてもいいでしょうか」
「うん、色々と言い訳してぇよ」

 うなだれた状態の翼さんに申し訳ないが、状況を把握したい
 翼さんが、周りを取り囲んでいる店員達をどかして、俺に状況を説明してくれようとした時

「みー?けーやくしゃー?」
「獄門寺くーん、花子さんが、やっぱり気になるって…」
「っぎゃーーーー!!??」

 …あ、花子さん達も来た
 翼さんが悲鳴を上げたが、気持ちはわからないでもない
 助ける事ができないのが心苦しい


 ………で
 色々落ち着いてから、話を聞いたところ

「……あの迷惑な客をどうにかする為に?」
「あぁ」

 絶賛女装中のまま、説明してくれる翼さん
 客商売の手前、暴力沙汰で追い出す訳にもいかない
 ならば、精神的ダメージで追い出そうという算段、らしい
 ……それはそれでどうかと思うのだが、そこで倒れている、この店のオーナーだと言う男の提案らしい
 翼さんの高校の時のクラスメイトらしいが…
 …………
 単に翼さんを女装させたかっただけじゃないだろうな、この人

「大丈夫よ、日景君。似合ってるから!!」
「そう言う問題じゃねぇっ!?」

 店員達のリーダー格らしい女性に言われて、突っ込んでいる翼さん
 うん、まぁ、似合ってるけど、そう言う問題じゃないだろう

「ね、お願い。あの客にはみんな迷惑してるからさー」
「他のお客様にも迷惑だし…」
「あたし達じゃどうにもできないのよ。お願い。日景君だけが頼りなの」

 他の店員達にも言われて、う…と、押し黙っている翼さん
 しばし、視線を彷徨わせた後

「……わかった。やってやるよ。だから、そのデジカメと携帯に取った映像を今すぐ消せ」
「「「「「えー」」」」」

 ……説得するなら、デジカメとか携帯構えながらやるべきじゃないよなぁ
 それでも、ちゃんと承諾している翼さんはいい人だと思う

「…っと、悪いな、龍一。変なとこ見せて」
「………翼さんが悪い訳ではありませんから」

 ぽんぽん、と頭を撫でられて、苦笑された
 翼さんが悪い訳でもないし、気にしていない
 花子さんが首を傾げ続けているが、特に問題はあるまい

 じゃあ言ってくる…と、あの迷惑な客達が頼んでいたものをお盆に載せて、席に向かう翼さん
 …半分ヤケになっているように見えるのは、気のせいじゃないな、うん

「あの翼さんって言う人、他の店員の人から頼られてるんだね」
「…そうらしい」

 紗奈の言葉に、短く答える
 頼られているし、慕われているようにも見えた

 ……やはり、太陽のような人だ、と思う
 暖かく、優しく、人を惹きつける
 俺のような人間とは違う、あの人は、人の輪の中心にいるべき人であり、時として、人の上に立つべき人だ
 …本人は、否定するかもしれないけれど………間違いなく、日景の血を濃く受け継いでいるのだと思う

「…うーん」
「……どうしました?」

 …?
 何か、店員達の中のリーダー格っぽい人が、考え込んでいるような…

「…なーんか、大切な事を見落としているような?」

 ………は?
 どう言う事か、と尋ねようとした時
 店内で、異変が起きた



 時刻は、ほんの少しだけ遡る

「さぁ、ご注文の品をお持ちしたぞお客様!!」

 フェアリー・モートの制服をパットなしの状態で纏った翼
 半ばやけくそであり、若干涙目である
 迷惑セクハラ客(と、ついでに周りの客)の視線が痛い

 しばしの、店内全てを巻き込む沈黙
 そして

 セクハラ客達は、晴れ晴れとした………どこか、新境地を見つけたような笑顔を浮かべた!!!

「男の娘もいいよね!!」
「むしろ、これからの時代は男の娘だね!!」
「っぎゃーーーーーーー!!??」

 ……今、ここに
 新たな世界の扉を開いた男達が、誕生した



 ………
 …………
 ……………

 どうしてこうなった

「み??けーやくしゃ、どうして目隠しするの?」
「うん、まぁ、花子さんは見ないほうがいい」
「みーーー??」

 …周りの店員さん達には、花子さんの姿が見えてないから、さりげなく、だが…一応、花子さんの目は塞いでおいた
 うん、あれは酷い
 男相手だからか、セクハラがパワーアップしているような
 翼さんも、手を上げられないから逃げ腰だし

「…おぉ」

 ぽん、と
 店員達のリーダー格が、手を打った

「そうだそうだ。日景君はオーナーに新世界の扉開かせた人だから、あぁなる可能性があったんだった」
「見落としとして酷すぎる」

 思わず、その呟きに突っ込む
 新世界の扉に関しては突っ込まないで置こう
 むしろ、知りたくもない

「…と、言うか。あれは止めなくていいのか?」

 白峰さんの呟きに正気に戻る
 …うん
 止めないと駄目だろう、色んな意味で

「……天倉、ちょっと、花子さんの目、塞いでてくれるか?」
「え?いいけど…」
「みーー???」

 紗奈にこっそりと、花子さんの事を頼み、俺は翼さんを助けに行こうとした

 ……だが
 それよりも、早く
 店内に、何者かが飛び込む
 それは、翼さんとセクハラ客の間に、割り込んでいった

「………っ!」

 ゾクリ、と
 感じた、悪寒
 その表情はここからはよく見えない
 だが、悪鬼の如き表情をしているであろう事は、容易に想像できる

「え、な……誠?」

 店内が、沈黙状態に陥ったせいだろうか
 翼さんの声が、はっきりと聞こえてきた

「………俺の翼に手ぇ出そうとは、いい度胸だ………!」
「誰がてめぇのもんだぁあああああああ!!!???」

 何という問題発言
 確か、あの人は翼さんの友人だったような
 困った、花子さんの耳も塞ぎたいが、手が足りない

 ……だが、発言はさておき
 あの気迫は、並みの人間がおいそれと出せるものではない

 喩えるならば、魔王
 他者を蹂躙し、踏みにじる
 それを安々と可能にできる人間の、気迫

「……おぉ」

 ぽん、と
 店員のリーダー格が、再び手を打つ

「うん、問題なかったわ。日景君があの手のピンチを迎えたら、魔王と大魔王がくるのは予測できたし」
「予測できていたとしても酷い……………大魔王?」

 待て
 魔王は、あの清川 誠さんの事だろう、間違いなく


 ならば
 その上の、大魔王は??


「--------っ!!」

 さらに
 さらに強い、悪寒を感じた
 空気そのものが、重苦しくなったような
 そんな錯覚すら、覚える

 その錯覚をもたらした人物は、店の入り口にいた
 灰色のコートを纏い、サングラスを身につけた男性
 …ゆらりと、その長身を揺らし………セクハラ客達を睨みつけているようだった
 あの男性の周りだけ、景色が黒く染まっているような、錯覚

「……お、おや、じ?」
「………貴様ら、表へ出ろ…………………貴様らの罪、理解させてやろう」

 ……大魔王
 その呼び名は、きっと、ふさわしい
 怒りという名のオーラを背負ったそれには、おいそれと近づくことすら、できない
 歴戦の勇者ですら、あれには太刀打ちできるかどうか微妙だ
 正義の味方すらをも、当たり前のように踏みにじる
 それを可能にする存在……魔王よりもさらに上、魔王の中の魔王、大魔王
 よりによって、それが翼さんの父親らしいと言う事実がアレだが

「みー?けーやくしゃ、どうなってるの??」
「…うん、とりあえず、どうにかなりそうだ」

 あのセクハラ客達にとっては、確実にトラウマになりそうだが
 魔王と大魔王が連中を引きずって店の外に出て行ってるから、大丈夫だろう
 翼さん、置き去りにされてるけど
 ついでに、俺達の心にも色々とトラウマに近いものが刻まれた気がするけど


 こうして
 フェアリー・モートを騒がせたセクハラ客は、魔王と大魔王によって一掃された
 騒ぎの詫びという事で、俺達はわりと豪華なデザートをご馳走になった訳だが
 天倉達にトラウマを刻まなかっただろうか 
 それだけが、心配である




終わってしまえばいい








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