「・・・噂?」
「そ、噂。人から人へ受け継がれる噂が、いつしか力を持って発現する
それが都市伝説だ・・・って、俺の知り合いが言ってた
まぁ都市伝説にもいくつか種類があって、つぅかありすぎて説明面倒臭いんだが・・・
基本なのは、実体が有るか無いか、かな
さっきの蛇を呼んでた奴は『夜に口笛を吹くと蛇が寄ってくる』っていう目に見えない都市伝説と、
あと2人は『クラーケン』と『垢舐め』、目に見える奴と契約していただろ?
この目に見える方が――――」
「契、約・・・って?」
「あぁ悪ぃ、そっちがまだだったか
都市伝説は噂を糧に生きてるが、逆に噂が途絶えるとその存在が維持できなくなる
でも、人間と“契約”する事で、自分の存在を維持できるようになる訳
人間は契約都市伝説に何らかの力を与えられたりするから、どちらにもメリットはあるし」
「力・・・ぼ、僕が使ってた、みたいなもの?」
「そういうこと。お前のは俺がさっき言った、目に見えないタイプの都市伝説だ」
「じ、じゃあ、裂兄ぃのは、目に見えるタイプ?」
「そうなるな。で、その目に見える方が厄介なのよ」
「厄介・・・? 契約すると、デメリットが大きいの?」
「いや、それは都市伝説の質やら人間の器の大きさが影響するけど、
俺が言いたいのは、この町にウヨウヨしてるってことだ」
「・・・・え!?」
「それに! 都市伝説やその契約者は互いに引かれやすい
用は磁石のN極とS極みたいなもんで、
例えお前がこの町の何処に逃げようと、いつかはばったり会っちまう訳よ
学校町は多いぞ? 危険な都市伝説。 『口裂け女』とかしょっちゅういるし」
「そ、そそそそそ、そんな危ない町、なの・・・?」
「その“危ない町”に、お前はわざわざ引っ越してきたんだ
それに、お前はとっくの昔に契約している・・・狙われる素質は十分にある
誰も助けに来てくれやしない、自分の身は、敵と戦って、戦いに勝って、自分で守れ
戦うのが嫌なら逃げ出すか、死ぬか、そのどちらか。それがこの町・・・学校町の不文律だ」
「そ、噂。人から人へ受け継がれる噂が、いつしか力を持って発現する
それが都市伝説だ・・・って、俺の知り合いが言ってた
まぁ都市伝説にもいくつか種類があって、つぅかありすぎて説明面倒臭いんだが・・・
基本なのは、実体が有るか無いか、かな
さっきの蛇を呼んでた奴は『夜に口笛を吹くと蛇が寄ってくる』っていう目に見えない都市伝説と、
あと2人は『クラーケン』と『垢舐め』、目に見える奴と契約していただろ?
この目に見える方が――――」
「契、約・・・って?」
「あぁ悪ぃ、そっちがまだだったか
都市伝説は噂を糧に生きてるが、逆に噂が途絶えるとその存在が維持できなくなる
でも、人間と“契約”する事で、自分の存在を維持できるようになる訳
人間は契約都市伝説に何らかの力を与えられたりするから、どちらにもメリットはあるし」
「力・・・ぼ、僕が使ってた、みたいなもの?」
「そういうこと。お前のは俺がさっき言った、目に見えないタイプの都市伝説だ」
「じ、じゃあ、裂兄ぃのは、目に見えるタイプ?」
「そうなるな。で、その目に見える方が厄介なのよ」
「厄介・・・? 契約すると、デメリットが大きいの?」
「いや、それは都市伝説の質やら人間の器の大きさが影響するけど、
俺が言いたいのは、この町にウヨウヨしてるってことだ」
「・・・・え!?」
「それに! 都市伝説やその契約者は互いに引かれやすい
用は磁石のN極とS極みたいなもんで、
例えお前がこの町の何処に逃げようと、いつかはばったり会っちまう訳よ
学校町は多いぞ? 危険な都市伝説。 『口裂け女』とかしょっちゅういるし」
「そ、そそそそそ、そんな危ない町、なの・・・?」
「その“危ない町”に、お前はわざわざ引っ越してきたんだ
それに、お前はとっくの昔に契約している・・・狙われる素質は十分にある
誰も助けに来てくれやしない、自分の身は、敵と戦って、戦いに勝って、自分で守れ
戦うのが嫌なら逃げ出すか、死ぬか、そのどちらか。それがこの町・・・学校町の不文律だ」
思わず言葉を失い、立ち止まる漢
良く見れば、その小柄な身体は小さく震えている
ふぅ、と裂邪は息を吐くと、彼の両肩を掴み、
良く見れば、その小柄な身体は小さく震えている
ふぅ、と裂邪は息を吐くと、彼の両肩を掴み、
「まぁ、さっきのは言いすぎだったけどさ
この町にゃ、悪い奴もいるけど、勿論良い人もいる。それこそ、翼の兄ちゃんみたいなさ
そういう人に多く出会って、友達を増やせば、その人達に助けてもらえる確率は高くなる
逆に助けてあげる、なんて事もあるはずだ
さっきも言ったように、契約者は引かれやすいからな」
「・・・・で、でも、僕・・・怖いよ・・・」
「怖けりゃ契約解除でも何でもしちまえ
そこはお前の自由だ、俺は強制しないよ
力を捨てて正常な道を進むか、力を持ち続けて異常な海に沈むか・・・
ま、ゆっくり考えてみろよ」
「・・・うん、分かった」
この町にゃ、悪い奴もいるけど、勿論良い人もいる。それこそ、翼の兄ちゃんみたいなさ
そういう人に多く出会って、友達を増やせば、その人達に助けてもらえる確率は高くなる
逆に助けてあげる、なんて事もあるはずだ
さっきも言ったように、契約者は引かれやすいからな」
「・・・・で、でも、僕・・・怖いよ・・・」
「怖けりゃ契約解除でも何でもしちまえ
そこはお前の自由だ、俺は強制しないよ
力を捨てて正常な道を進むか、力を持ち続けて異常な海に沈むか・・・
ま、ゆっくり考えてみろよ」
「・・・うん、分かった」
不安そうに頷く漢を見て、ウヒヒと小さく笑う裂邪
その後も何か言おうとしたが、何も言わずに夜闇に歩を進めた
その後も何か言おうとしたが、何も言わずに夜闇に歩を進めた
【 神 力 秘 詞 】
三之巻 ~彼ハ 此ニ 誓イヲ 立テル~
三之巻 ~彼ハ 此ニ 誓イヲ 立テル~
がちゃり、とドアを開け、
(漢>ただいまー
(麻夜>お帰りなさーい!
(麻夜>お帰りなさーい!
大きく、明るい声が響き、ドタドタと足音を立てて部屋の奥から現れたのは、
漢よりも小柄な、エプロン姿のセミショートの少女
漢の妹、神崎 麻夜である
漢よりも小柄な、エプロン姿のセミショートの少女
漢の妹、神崎 麻夜である
(麻夜>遅かったね、大丈夫だった?にぃに・・・・・あ゛!!
(裂邪>やっほー! 久しぶり麻夜ちゃん!
(漢>行く途中で、たまたま会ったんだ
(裂邪>やっほー! 久しぶり麻夜ちゃん!
(漢>行く途中で、たまたま会ったんだ
裂邪の顔を見て、凄く嫌そうな顔をした麻夜
そして、今度は裂邪を睨み付けて
そして、今度は裂邪を睨み付けて
(麻夜>にぃにぃ! 何で変態さんなんか連れてきちゃったの!?
(漢>へんっ・・・! ま、麻夜、裂兄ぃに失礼だよ・・・
(裂邪>ウヒヒヒヒ、いやぁ、相変わらず元気そうで何より^^
(麻夜>あー!私のこと見て笑った!! キモい!嫌らしい!変態!変態!!変態!!!
(漢>ち、ちょっと麻夜・・・ご、ごめんね裂兄ぃ、お、お茶でも飲んでいってよ
(麻夜>にぃにぃ!?
(裂邪>あ、いいよ、親父達も心配してるだろうし
(漢>ホントに・・・?
(裂邪>あぁ。てか、麻夜ちゃんの元気そうな姿だけ見られて裂兄ぃ満足でs―――
(漢>へんっ・・・! ま、麻夜、裂兄ぃに失礼だよ・・・
(裂邪>ウヒヒヒヒ、いやぁ、相変わらず元気そうで何より^^
(麻夜>あー!私のこと見て笑った!! キモい!嫌らしい!変態!変態!!変態!!!
(漢>ち、ちょっと麻夜・・・ご、ごめんね裂兄ぃ、お、お茶でも飲んでいってよ
(麻夜>にぃにぃ!?
(裂邪>あ、いいよ、親父達も心配してるだろうし
(漢>ホントに・・・?
(裂邪>あぁ。てか、麻夜ちゃんの元気そうな姿だけ見られて裂兄ぃ満足でs―――
ゴガッ!!
裂邪の腹に、槍で貫かれた様な衝撃が走った
それは、小さな膝
弱冠12歳とは思えないほどの小さな膝だった
玄関先で、腹を押さえて蹲る裂邪
裂邪の腹に、槍で貫かれた様な衝撃が走った
それは、小さな膝
弱冠12歳とは思えないほどの小さな膝だった
玄関先で、腹を押さえて蹲る裂邪
(裂邪>カハッ・・・ま、た・・・腹、ですか・・・一瞬、レクイエムに、刺されたかと・・・
(麻夜>ホントにキモい! 早く帰ってよ犯罪者予備軍!!
(漢>こ、こら麻夜! いい加減にしないと、ホントに怒るよ!?
(麻夜>に、にぃにぃ・・・
(裂邪>・・・あ゙ぁ、いい一撃だ・・・こっちの腕も変わってないなぁ・・・
んじゃ、そろそろ帰るわ
(漢>ご、ごめんね、麻夜が・・・あ、あの、明日は裂兄ぃの所に行っていい?
伯父さん達にも挨拶したいし・・・
(裂邪>ん、親父も非番だったと思うし、大丈夫だと思うぜ?
なら明日の朝また来るよ、案内するわ
(漢>あ、う、うん、ありがとう裂兄ぃ
(裂邪>おう、また明日
(麻夜>ホントにキモい! 早く帰ってよ犯罪者予備軍!!
(漢>こ、こら麻夜! いい加減にしないと、ホントに怒るよ!?
(麻夜>に、にぃにぃ・・・
(裂邪>・・・あ゙ぁ、いい一撃だ・・・こっちの腕も変わってないなぁ・・・
んじゃ、そろそろ帰るわ
(漢>ご、ごめんね、麻夜が・・・あ、あの、明日は裂兄ぃの所に行っていい?
伯父さん達にも挨拶したいし・・・
(裂邪>ん、親父も非番だったと思うし、大丈夫だと思うぜ?
なら明日の朝また来るよ、案内するわ
(漢>あ、う、うん、ありがとう裂兄ぃ
(裂邪>おう、また明日
よろよろと立ち上がりながら、裂邪は弱々しくドアを閉めた
漢は、はぁ、と溜息を1つ吐いて、麻夜の目を見た
漢は、はぁ、と溜息を1つ吐いて、麻夜の目を見た
(漢>・・・もぉ、酷すぎるよ麻夜! 裂兄ぃは僕の事を心配してここまでついてきてくれたんだよ!?
(麻夜>だって・・・
(漢>夕食の仕度、急いでするから・・・これ、裂兄ぃの番号だから、今から謝ろう?
(麻夜>い、今から?
(漢>悪い事をしたら、すぐ謝らなきゃ・・・ね?
(麻夜>・・・・・・
(麻夜>だって・・・
(漢>夕食の仕度、急いでするから・・・これ、裂兄ぃの番号だから、今から謝ろう?
(麻夜>い、今から?
(漢>悪い事をしたら、すぐ謝らなきゃ・・・ね?
(麻夜>・・・・・・
彼女は漢の携帯を受け取り、今日決めた自分の部屋へと消えていった
それを見て微笑みながら、漢はキッチンへと向かったのだった
それを見て微笑みながら、漢はキッチンへと向かったのだった
だが、彼はまだ気づかなかった
(麻夜>・・・もしもし裂兄ぃ?
(裂邪>《おぉ麻夜ちゃんか》
(麻夜>さっきはごめんね、強すぎた?
(裂邪>《正直、戻しそうになった; で、そっちは? 漢に怒られてみてどうだった?》
(麻夜>もぉ背中に電気が走ったみたい、ビリビリって! 飛んじゃいそうだったよv
(裂邪>《ヒハハハw 録音しといたから、明日あげるよ》
(麻夜>御協力感謝感激雨霰ですホント
(裂邪>《いやいや。てか俺の電話番号聞いたの?》
(麻夜>えへへー、にぃにぃの借りちゃったv
(裂邪>《マジかよwww》
(麻夜>だからぁ、にぃにぃと同じところに耳当ててぇ、にぃにぃと同じところで話してるのぉv
・・・ぁっ・・・ご、ごめんね、切っ、て、あ♪、良い?ん♪
(裂邪>《・・・・・・・・・・・・・・・・・ん、ん? 今何か言tt》
(裂邪>《おぉ麻夜ちゃんか》
(麻夜>さっきはごめんね、強すぎた?
(裂邪>《正直、戻しそうになった; で、そっちは? 漢に怒られてみてどうだった?》
(麻夜>もぉ背中に電気が走ったみたい、ビリビリって! 飛んじゃいそうだったよv
(裂邪>《ヒハハハw 録音しといたから、明日あげるよ》
(麻夜>御協力感謝感激雨霰ですホント
(裂邪>《いやいや。てか俺の電話番号聞いたの?》
(麻夜>えへへー、にぃにぃの借りちゃったv
(裂邪>《マジかよwww》
(麻夜>だからぁ、にぃにぃと同じところに耳当ててぇ、にぃにぃと同じところで話してるのぉv
・・・ぁっ・・・ご、ごめんね、切っ、て、あ♪、良い?ん♪
(裂邪>《・・・・・・・・・・・・・・・・・ん、ん? 今何か言tt》
彼女はそこで通話を切った
(麻夜>あぁんvvにぃにぃvvv大好きぃvvv
(漢>麻夜ぁ、ちょっと手伝ってくれる?
(麻夜>ひゃんっ!? あ、はぁい・・・
(漢>麻夜ぁ、ちょっと手伝ってくれる?
(麻夜>ひゃんっ!? あ、はぁい・・・
† † † † † †
翌日、黄昏宅―――
(漢>お久しぶりです、伯父さん、伯母さん
(麻夜>お久しぶりでーす
(明美>うふふ♪ 2人とも元気そうね
(光彦>そうみたいだな。身体とかは大丈夫なのか? 無理してないか?
(漢>は、はい、お陰様で・・・
(光彦>そうか、困った事があったらいつでも頼ってくれていいからな
裂邪で良ければ貸してあげてもいいし
(裂邪>嘘つけぇ! 昨日怒鳴り散らしたのは何処の誰だよ!
(正義>それは、お兄ちゃんの日頃の行ないが悪いからだよ
(裂邪>グハァ
(麻夜>お久しぶりでーす
(明美>うふふ♪ 2人とも元気そうね
(光彦>そうみたいだな。身体とかは大丈夫なのか? 無理してないか?
(漢>は、はい、お陰様で・・・
(光彦>そうか、困った事があったらいつでも頼ってくれていいからな
裂邪で良ければ貸してあげてもいいし
(裂邪>嘘つけぇ! 昨日怒鳴り散らしたのは何処の誰だよ!
(正義>それは、お兄ちゃんの日頃の行ないが悪いからだよ
(裂邪>グハァ
その後、2人は昼食まで御馳走になり、それから暫くして日が落ちかけた頃に帰宅しかけた
その帰り道
(麻夜>(んふふ~♪ 『にぃにぃコレクション』No.209、『ぷんすかボイス』ゲットォv)
(漢>・・・・・・・
(麻夜>・・・? にぃにぃどうしたの? 難しそうな顔して・・・
(漢>へ? あ、ううん、何でもない
(麻夜>んー???
(漢>・・・・・・・
(麻夜>・・・? にぃにぃどうしたの? 難しそうな顔して・・・
(漢>へ? あ、ううん、何でもない
(麻夜>んー???
漢の頭は、昨日裂邪に聞いたことと不安と恐怖でいっぱいだった
(漢>(都市伝説は引かれあう・・・都市伝説は引かれあう・・・もし今ここで都市伝説と出会ったら・・・)
(麻夜>ねぇ~、にぃにぃ~!
(漢>あ、えっと、なn痛っ
(麻夜>ねぇ~、にぃにぃ~!
(漢>あ、えっと、なn痛っ
こつん、と電柱にぶつかる漢
頭の中に集中しすぎてしまっていたようだ
頭の中に集中しすぎてしまっていたようだ
(麻夜>ほらぁ、ちゃんと前見て歩かないと危ないよ?
(漢>あ、あははは、ごめん;
(・・・麻夜は・・・妹の笑顔は、僕が守らないといけないんだ――――)ッ!?
(漢>あ、あははは、ごめん;
(・・・麻夜は・・・妹の笑顔は、僕が守らないといけないんだ――――)ッ!?
ぞくり、身に覚えの無い嫌な感覚が、漢の身体を支配する
(漢>(な・・・何、これ・・・何だか、わからないけど・・・行かなきゃ・・・!)
(麻夜>にぃにぃ、さっきからどうしちゃったの?
(漢>ご、ごめん麻夜、忘れ物、しちゃったみたい・・・先に帰ってて!
(麻夜>え、ち、ちょっとにぃにぃ!
(麻夜>にぃにぃ、さっきからどうしちゃったの?
(漢>ご、ごめん麻夜、忘れ物、しちゃったみたい・・・先に帰ってて!
(麻夜>え、ち、ちょっとにぃにぃ!
麻夜の声を聞く事もなく、彼は今来た道を走っていった
残された彼女は渋々、先程貰った録音データを聞きながら自宅へと歩み出した
残された彼女は渋々、先程貰った録音データを聞きながら自宅へと歩み出した
† † † † † †
(漢>ハァ・・・・ハァ・・・・え、っと、多分、この辺り――――ッ!
さっと物影に隠れ、ちらと様子を見るように覗く
腰を抜かし後退りする少年と、ナイフをちらつかせてじりじりと歩み寄る赤いマントの男――「赤マント」
腰を抜かし後退りする少年と、ナイフをちらつかせてじりじりと歩み寄る赤いマントの男――「赤マント」
(少年>く・・・来るな・・・来るな! マントなんていらないから来るなぁ!
(赤マント>ッハハハハハハハ!! 今更もう遅い!
貴様をここで真っ赤に染めてやるよぉ! 私のマントのようにねぇ!
(赤マント>ッハハハハハハハ!! 今更もう遅い!
貴様をここで真っ赤に染めてやるよぉ! 私のマントのようにねぇ!
彼は―――漢は、震えていた
ナイフを持った相手
今出ていけば、自分も殺される
そもそも、自分には戦う力なんてない
戦った経験もない
昨日のように、うまくいくかどうかすら分からない
そんな自分が出ていっても、あの少年を助けられるのだろうか?
そんな不安と恐怖が湧きあがった
ナイフを持った相手
今出ていけば、自分も殺される
そもそも、自分には戦う力なんてない
戦った経験もない
昨日のように、うまくいくかどうかすら分からない
そんな自分が出ていっても、あの少年を助けられるのだろうか?
そんな不安と恐怖が湧きあがった
でも
自分が行かなくても、あの少年は殺されるだろう
ならば、この場で自分は、あの少年を見殺しにするのか?
それだけは、したくない
少しでも、助けられる可能性があるのなら、その可能性に賭けたい
自分が行かなくても、あの少年は殺されるだろう
ならば、この場で自分は、あの少年を見殺しにするのか?
それだけは、したくない
少しでも、助けられる可能性があるのなら、その可能性に賭けたい
(漢>(裂兄ぃは、僕を守ってくれた・・・僕も、誰かを、守りたい!)
咄嗟に動いた右手
「木」、「木」、その下に「示」―――『禁』という字を書き、少年の方にそれを投げた
それは大きく広がり少年を包み、「赤マント」と少年を隔てる結界となった
「木」、「木」、その下に「示」―――『禁』という字を書き、少年の方にそれを投げた
それは大きく広がり少年を包み、「赤マント」と少年を隔てる結界となった
(少年>・・・え?
(赤マント>何・・・? 誰だぁ!?
(漢>や、ややや、やめて、下さい・・・そ、その子には、指一本、ふ、触れさせません!
ぼぼぼ、ぼ、僕が、あ、相手にな、なり・・・ま、す!
(赤マント>何・・・? 誰だぁ!?
(漢>や、ややや、やめて、下さい・・・そ、その子には、指一本、ふ、触れさせません!
ぼぼぼ、ぼ、僕が、あ、相手にな、なり・・・ま、す!
小刻みに震えながら、「赤マント」の注意を引く漢
本人は強気に言っているつもりだが、誰が聞いても弱々しい声だった
本人は強気に言っているつもりだが、誰が聞いても弱々しい声だった
(赤マント>・・・っは、何だ小娘か・・・まぁいい、まずは貴様から血で染めてやろう!
「赤マント」は懐からマジシャンのように4本のナイフを取り出し、
それを漢に向けて凄まじいコントロールで投擲する
それを漢に向けて凄まじいコントロールで投擲する
(漢>ひぃっ・・・!!
思わず怖気づきそうになる漢だが、身体は勝手に行動していた
己の胸に手をやり、『神』という字を取り出し、電撃を発生させ、
投げられたナイフを全て弾き飛ばした
己の胸に手をやり、『神』という字を取り出し、電撃を発生させ、
投げられたナイフを全て弾き飛ばした
(赤マント>なっ・・・
(漢>っはぁ、はぁ・・・で、できた・・・
(赤マント>くっ、少しは楽しめそうだな・・・なら本気でやらせてもらうぞ!
(漢>っはぁ、はぁ・・・で、できた・・・
(赤マント>くっ、少しは楽しめそうだな・・・なら本気でやらせてもらうぞ!
右手に4本、左手に4本、計8本のナイフを構え、襲いかかる「赤マント」
漢も、両手を胸に当て、2つの漢字―――『漢』と『神』を取り出した
漢も、両手を胸に当て、2つの漢字―――『漢』と『神』を取り出した
(漢>ご、ごめん、ちょっと――――
―――――『漢神』の組み合わせは絶対町中で使うな!
寸前で、『漢』という字だけを突き出し、炎と水の螺旋が「赤マント」を襲った
「赤マント」はマントを翻し、その攻撃を防いだ
『漢』と『神』・・・水と雷、炎を同時に生み出せるその組み合わせは、酸水素爆鳴気反応による大爆発を起こす
だが、昨夜はその所為で住宅地が滅茶苦茶になりかけた
今後、同じ事が起こったら―――それを危惧した裂邪から受けた忠告
「赤マント」はマントを翻し、その攻撃を防いだ
『漢』と『神』・・・水と雷、炎を同時に生み出せるその組み合わせは、酸水素爆鳴気反応による大爆発を起こす
だが、昨夜はその所為で住宅地が滅茶苦茶になりかけた
今後、同じ事が起こったら―――それを危惧した裂邪から受けた忠告
(漢>(あ、危な、かった・・・もう少しで、関係のない人達まで・・・)
(赤マント>この程度でいい気になるなぁ!
(赤マント>この程度でいい気になるなぁ!
再び襲いかかる「赤マント」を、今度は『神』の字で作り出した電撃で弾き飛ばす
(漢>ハァ、ハァ・・・どうしよう、どうしよう、どうしよう・・・
早く、早く何とかして・・・あの子を安全な場所へ・・・家族の、元へ・・・家、族?
(赤マント>何をゴチャゴチャ言っている!?
さっさと赤く染まってしまえ!!
早く、早く何とかして・・・あの子を安全な場所へ・・・家族の、元へ・・・家、族?
(赤マント>何をゴチャゴチャ言っている!?
さっさと赤く染まってしまえ!!
ナイフを振り回し、その細い身体を引き裂かんとする「赤マント」だが、
漢はそれを慣れない動きで、ギリギリで避けていく
そして左手に、一画、また一画と字を書いていく
漢はそれを慣れない動きで、ギリギリで避けていく
そして左手に、一画、また一画と字を書いていく
(赤マント>えぇい、ちょこまかと・・・いい加減にぃ!
(漢>・・・で、きた!
(漢>・・・で、きた!
4本のナイフをその白い肌に突きたてんとした時、漢の手の中で字が輝く
それは、『父』
それは、『父』
(漢>僕、は・・・あの子を、助ける!
家族を失う、気持ちを・・・誰にも、味わわせたく、ない!
家族を失う、気持ちを・・・誰にも、味わわせたく、ない!
漢の思いが込められたその字は、彼の手の中で巨大な斧となった
(赤マント>な・・・んだとぉ!?
カァン!!と甲高い音が響き、ナイフが4本、真っ二つに折られて散らばった
重い為か、漢はぎこちなく斧を振るい、ナイフで応戦する「赤マント」を押してゆく
重い為か、漢はぎこちなく斧を振るい、ナイフで応戦する「赤マント」を押してゆく
(赤マント>ちっ、この、ガキがっ!
(漢>てぇ、やぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
(漢>てぇ、やぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
カーン!!
再び、ナイフが宙に舞い上がり、「赤マント」の両手が空になる
再び、ナイフが宙に舞い上がり、「赤マント」の両手が空になる
(赤マント>し、しまっ・・・!
(漢>ッハァ、ハァ・・・ハァ・・・・ハァ・・・・・
(漢>ッハァ、ハァ・・・ハァ・・・・ハァ・・・・・
あとは止めを刺せばいい――――――筈、だったのに
どうしても、最後の一歩を、踏み出せない
彼は優しすぎた
今目の前にいるこの「赤マント」が、例え少年を殺そうとしていようとも、
例え自分を血で染めようとしていようとも、
彼にとっては、命あるものの1つにしか見えなかったから
自分と同じ、生きているものにしか見えなかったから
それに斧を向ける事は、彼には出来なかった
加えて、彼の体力は限界に達していた
既に、斧を振り上げるどころか、今持っているだけでやっとである
どうしても、最後の一歩を、踏み出せない
彼は優しすぎた
今目の前にいるこの「赤マント」が、例え少年を殺そうとしていようとも、
例え自分を血で染めようとしていようとも、
彼にとっては、命あるものの1つにしか見えなかったから
自分と同じ、生きているものにしか見えなかったから
それに斧を向ける事は、彼には出来なかった
加えて、彼の体力は限界に達していた
既に、斧を振り上げるどころか、今持っているだけでやっとである
(漢>ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・・・
(赤マント>・・・ッハハハハハ! どう、やら・・・私の勝ちのようだなぁ!
(赤マント>・・・ッハハハハハ! どう、やら・・・私の勝ちのようだなぁ!
ナイフを取り出し、「赤マント」は漢の首筋目掛けて突きたて―――
「『闇誘拐』!」
ふと我に返ると、目の前に「赤マント」はいなかった
代わりに、漢の背後には
代わりに、漢の背後には
(裂邪>ご苦労だった、シェイド
(正義>し、知らなかった・・・漢くん、契約者だったんだ
(正義>し、知らなかった・・・漢くん、契約者だったんだ
従兄弟が2人―――裂邪と、正義
そして彼らが連れているのは、マントの男とローブの男
大王こと「恐怖の大王」と、「シャドーマン」のシェイドだ
そして彼らが連れているのは、マントの男とローブの男
大王こと「恐怖の大王」と、「シャドーマン」のシェイドだ
(漢>ふ、2人、共・・・何、で、ここに?
(正義>そ、それより、犠牲者はいないの!?
(漢>え・・・あ!
(正義>そ、それより、犠牲者はいないの!?
(漢>え・・・あ!
思い出したように、少年の元へ駆けていく漢
己の張った『禁』の結界に触れた瞬間、その見えない壁はぼろぼろと崩れ去った
己の張った『禁』の結界に触れた瞬間、その見えない壁はぼろぼろと崩れ去った
(漢>もう、怖くないから・・・
(少年>ぁ・・・ありがとう、お姉ちゃん!
(少年>ぁ・・・ありがとう、お姉ちゃん!
にぱっと笑って、少年は帰るべきところへと駆けていった
・・・とんでもない誤解をされてしまったが、まぁそこは良しとしよう
・・・とんでもない誤解をされてしまったが、まぁそこは良しとしよう
(裂邪>トドメはさせなかったか・・・でもまぁ、合格っつぅことでいいんじゃないかしら?
(漢>裂兄ぃ・・・
(漢>裂兄ぃ・・・
ざっ、と漢は裂邪に歩み寄り、
(漢>裂兄ぃ、僕・・・やっぱり、逃げたくない
麻夜を、ううん、他の誰かを・・・守りたい
僕が出来ることなら、何でもしたい!
麻夜を、ううん、他の誰かを・・・守りたい
僕が出来ることなら、何でもしたい!
その答えを聞いて
正義は、何の事だか分かっていないようだが、裂邪はただ、漢の目をじっと見て、
正義は、何の事だか分かっていないようだが、裂邪はただ、漢の目をじっと見て、
(裂邪>・・・ようこそ、学校町へ
力強く、しかし囁くように言った
...物語猶続