アットウィキロゴ

「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 我が願いに踊れ贄共・翡翠色の目の司祭-03

最終更新:

guest01

- view
だれでも歓迎! 編集
 …ふらふら
 ふらふらよたよたふらふら

 ややふらつきながら、夕暮れの街中を歩いている少女が一人
 名前は、マクスウェル
 COAでの騒動もあり、激務が続いている最中
 しかし、それでも、食事をとらなければ生きていけない、いかに都市伝説とは言え、だ
 …いや、中には食事をとらなくとも生存可能な都市伝説も存在するが、マクスウェルは食事を必要とする
 そして、買い置きが無くなれば、買ってこなければならなくなるのも当然だ
 忙しいさなか、部下に任せても良いのだが………E-No全体が激務の最中である
 部下の大半が瀕死状態だった為、辛うじて体力が残っていたマクスウェルが買出しに出たのである
 ………買った物の大半が、栄養ドリンクなのが悲しい現実だ

(でも……エーテルは、もっと辛いんだから……)

 そう、彼女の契約者たるエーテルは、彼女達以上に働いている最中であり……正直、某過労死候補生並に過労死が心配される現状になってしまっている
 せめて、COAの騒動が終わったら、ゆっくり休んで欲しい
 マクスウェルは、心からそう考える
 そして、自分に出来ることは、エーテルの負担が少しでも減るように、サポートする事だ
 倒れている場合ではない

 ……そうは、言っても
 ふらふらふらり
 体力という物は、有限である
 決して、無限ではない
 それに、栄養ドリンクという奴は、纏め買いすると重たい、正直重たい
 マクスウェルのような少女が持つには、相当な荷物である
 ただでさえ体力が無い状態では、きつい
 それでも、マクスウェルは、何とか帰路に着こうとして…

「………ぁ」

 足が、もつれた
 転びそうになり、顔からのダイブだけは防ごうと、手をつこうとして…

 ……っぽん、と
 その体を、抱きとめられた

「…え」
「大丈夫か?」

 どうやら、親切な誰かが、受け止めてくれたらしい
 ほっとして、マクスウェルは、顔をあげて…

「…大丈夫……ありが、と……………っ!?」

 ……その、人物を、見て
 いや、正確には
 その首元に下げられたロザリオを見て……固まる

(「教会」………っ!?)

 その銀のロザリオは、「教会」所属の証
 学校町には不介入の立場をとっているはずの「教会」所属の人間が、何故ここに…っ

「……?」

 慌てて体を離したマクスウェルの様子に、その青年は首をかしげた
 …西洋系の顔立ち、西洋の男性にしては、若干、身長が低めだろうか
 翡翠色の瞳が、マクスウェルを見つめてくる

「……大丈夫か?やつれているように、見えるが…」
「………っ」

 悪魔であるマクスウェルにとって、「教会」は宿敵である
 その「教会」の者から手を伸ばされ、マクスウェルは、逃げようにも体力の限界から、まともに体が動かず…

 青年の手が、マクスウェルに掲げられる
 何らかの攻撃を受けることを、マクスウェルは覚悟して

 しかし
 マクスウェルを包み込んだのは、どこか暖かで、優しい光

「ぇ………」

 体の、疲労感が
 嘘のように引いていく
 寝不足による倦怠感その他も、全てが
 まるで、初めからなかったかのように、消えていく

 何らかの、癒しの力を使われているのだと、理解する
 マクスウェルはきょとん、とその翡翠色の瞳の青年を見つめた

「………大丈夫か?」

 改めて、青年が尋ねてくる
 …何者かも、わからぬ相手に
 迷うことなく、癒しの力を使ってきた、青年
 ………ある意味では、「教会」の教えに、忠実といえる
 苦しむ者に手を差し伸べることを、当たり前として認識している、そのように思えた

「…だ、大丈夫……ありがとう」

 ぺこり、頭を下げて、青年に礼を告げるマクスウェル
 ……疲労を癒してくれたのは、ありがたい
 だが、この青年……確実に、マクスウェルの正体には気付いていない
 気付いていたら、流石に、こうやって癒してくる事はないだろう、多分
 ……正体を知られる前に、この青年から離れるべきだ

「そ、それじゃあ……急ぐ、から……」
「あ……」

 栄養ドリンクが半分以上の買い物袋を抱え、逃げるように立ち去ったマクスウェル

 ……本当に
 どうして、「教会」のメンバー……それも、貴重であるが為、あまり本国を離れないはずの治癒能力持ちが、学校町に……?

 今以上に、厄介な事が起きるのではないか
 その嫌な予感を感じながら、マクスウェルは駆け足で帰路に着いた






「………」

 ぱたぱたと、小鳥が青年…カインの、肩に降りてきた
 首を傾げてくるその小鳥に、カインは小さく微笑んでみせる

「ん、何でもない…………どうして、怖がらせる事しかできないんだろうな、俺は…」

 目つきの悪さのせいか、それとも、言葉使いのせいか
 なるべく、優しく声をかけるようにしているのだが……どうにも、子供には怖がられてばかりのような気がする
 先ほどの少女にも、怯えられていたようだし
 ……人に、安心感を与えるべき職につきながら、これとは
 自分は、聖職者には向いていないのだろうか…?

「ずいぶんと重たそうな荷物だったし、手伝ってやりたかったんだがな…」

 己の未熟さに、小さくため息をつくカイン
 ニーナも見つからないし……なかなか、うまくいかないものだ

 夕暮れの道を、肩に小鳥を乗せたまま歩いていくカイン
 肩の小鳥は、少女…マクスウェルが走り去った方向を、じっと見つめていたが…

 ………やがて、興味を失ったように、カインに擦り寄っていた


 ……マクスウェルが走り去った方向を見つめていた、その瞬間
 小鳥の目が金色に輝いていた事に、カインは気付いていなかった





to be … ?





タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
記事メニュー
最近更新されたスレッド
ウィキ募集バナー