恐怖のサンタ 日常編 14
「――――最近の学校町?」
「ですです。契約者的にはどんな感じですがね?」
「ですです。契約者的にはどんな感じですがね?」
日が沈み、町は既に夜の帳に包まれている時分。
今日だけで三度も「殺され」て、畳の上にだらしなく転がっている所に、マゾが声をかけていた。
目下、良子と沙希は料理中。佑香は子ライオンニ匹「で」遊んでいる。
何となく子ライオンたちが助けを求めるような視線でこちらを見ているような気がするが、俺はあえて見て見ぬふりをした。
だって、佑香に捕まると色々と大変なんだもん。身体的にも、精神的にも。
今日だけで三度も「殺され」て、畳の上にだらしなく転がっている所に、マゾが声をかけていた。
目下、良子と沙希は料理中。佑香は子ライオンニ匹「で」遊んでいる。
何となく子ライオンたちが助けを求めるような視線でこちらを見ているような気がするが、俺はあえて見て見ぬふりをした。
だって、佑香に捕まると色々と大変なんだもん。身体的にも、精神的にも。
「どんな感じって言われてもなぁ……」
身体を起こし、マゾと対面する。
畳にちょこんと正座した彼女は、冬だというのに袖のない赤いワンピースを身に纏っている。
マゾの能力上、痛みならばともかく、寒いものは寒いはずなのだが、特に気にした様子もない。
不思議に思いながらも、俺は会話に意識を戻した。
畳にちょこんと正座した彼女は、冬だというのに袖のない赤いワンピースを身に纏っている。
マゾの能力上、痛みならばともかく、寒いものは寒いはずなのだが、特に気にした様子もない。
不思議に思いながらも、俺は会話に意識を戻した。
「何かあったっけ?」
「俺様ニ聞クナ。俺様ニ。テメェト同ジモンシカ見テネェヨ」
「俺様ニ聞クナ。俺様ニ。テメェト同ジモンシカ見テネェヨ」
ポケットの中のデビ田に尋ねてみるも、芳しい返事は返ってこない。
……ふむ。
ここ最近……何か気になるような事が、あっただろうか?
……ふむ。
ここ最近……何か気になるような事が、あっただろうか?
「何でも構いませんよ。何でも。元々契約者には特に期待してませんし」
……酷い。
「あぁ、けど……そういやここ一、二ヶ月。都市伝説絡みの事件が微妙に減ってるなーって感じはあるな、一応」
「ソォカァ? コノ間ナンテ空カラ変ナノガ降ッテ来タジャネェカ」
「あれはおいしかったですね。コンペイトウ」
「いや、まぁそういうのはあったけど、何か全体的に見ると減ってきてるんじゃないかって言うか、最近依頼の数も減ってきてるなー、っていうか」
「ソリャ普通ニテメェノ努力不足ジャネェノ?」
「う……そう言われると、何も言えないんだけどさ」
「ソォカァ? コノ間ナンテ空カラ変ナノガ降ッテ来タジャネェカ」
「あれはおいしかったですね。コンペイトウ」
「いや、まぁそういうのはあったけど、何か全体的に見ると減ってきてるんじゃないかって言うか、最近依頼の数も減ってきてるなー、っていうか」
「ソリャ普通ニテメェノ努力不足ジャネェノ?」
「う……そう言われると、何も言えないんだけどさ」
しかし、実感としては、ほんの少しだけ今の学校町は「平和」になっているような気がする。
今日だって、普段なら深夜までかかってもおかしくないような仕事を与えられていたはずなのだ。
もしかしたら本当に、単なる営業力が足りないのかもしれないが、最近はただ外に出ていても、都市伝説と遭遇する機会が少なくなっている。
これは、学校町が平和になったと喜ぶべきか、それとも――――
今日だって、普段なら深夜までかかってもおかしくないような仕事を与えられていたはずなのだ。
もしかしたら本当に、単なる営業力が足りないのかもしれないが、最近はただ外に出ていても、都市伝説と遭遇する機会が少なくなっている。
これは、学校町が平和になったと喜ぶべきか、それとも――――
「三人で何話してるの、山田ー」
ひょっこりと。
胡坐をかいていた俺の頭上に、何かがのしかかってきた。
いや、何か、なんて形容する必要もない。この家で俺の事を「山田」と呼ぶのはただ一人だ。
胡坐をかいていた俺の頭上に、何かがのしかかってきた。
いや、何か、なんて形容する必要もない。この家で俺の事を「山田」と呼ぶのはただ一人だ。
「……何やってんだ、佑香」
「山田に乗ってる」
「それは知ってる」
「山田に乗ってる」
「それは知ってる」
――――ここで、身体を預けるなんて生易しいものを想像してはいけない。
ここで言うところの「乗る」とは言葉通り「乗る」という事で、詰まるところ今まさに俺の眼前では二本の細い足がゆれ、頭は何かやぁらかい物で押し付けられているのである。
ここで言うところの「乗る」とは言葉通り「乗る」という事で、詰まるところ今まさに俺の眼前では二本の細い足がゆれ、頭は何かやぁらかい物で押し付けられているのである。
「……で、佑香さん。どいてくれると嬉しいなー、なんて」
「無理」
「無理」
ですよねー。
この一年で諦めの境地に達した俺は、これ以上の無駄な抵抗は試みなかった。
この一年で諦めの境地に達した俺は、これ以上の無駄な抵抗は試みなかった。
「山田、暇ー」
「暇ってお前、さっきまであいつらと――――」
「暇ってお前、さっきまであいつらと――――」
ぎ…………しゃ…………
し…………ぎゃ…………
し…………ぎゃ…………
目に入ったのは、部屋の隅で見るも無残に崩れ落ちる山田家のマスコット二匹。
「………………」
――――俺は何も見なかった。うん、そうだ、そうしよう。
何か子ライオンがいっているような気がするけど聞こえない、聞こえないぞ、アーアーきこえなーい(∩゜д゜)
何か子ライオンがいっているような気がするけど聞こえない、聞こえないぞ、アーアーきこえなーい(∩゜д゜)
「マジ外道ですね、契約者」
「うるさい、ほんの僅かでも平和な時間を楽しみたいんだよ、俺は」
「ハッ! ソレガ長ク続キャイインダケドナァ?」
「うるさい、ほんの僅かでも平和な時間を楽しみたいんだよ、俺は」
「ハッ! ソレガ長ク続キャイインダケドナァ?」
……なんで俺がこんなに虐められてるのだろうか。
「ねー山田ー、私を除け者にしないで欲しいんだけど」
「あぁはいはい分かったから、分かったら足を揺らすな足を――ちょ、マジでやめて目に入る足が目に入るからぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああっ!!」
「あぁはいはい分かったから、分かったら足を揺らすな足を――ちょ、マジでやめて目に入る足が目に入るからぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああっ!!」
――佑香さんマジ鬼畜。
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「うっうっ……もうお嫁に行けない」
「元カラ行ケネェヨ」
「元カラ行ケネェヨ」
ツッコミがありがたい。少しだけ元気と涙が出た。
「――それで、ですねー。最近の学校町はどんな感じですかねー、って」
デビ田に慰められている俺の隣で、マゾが佑香にこれまでの流れを説明していた。
俺に飽きたのか、佑香はマゾのひざの上に陣取っている。
90近くはありそうな胸にその頭を半ば埋もれさせているが、決して羨ましくない、羨ましくなんてないんだからねっ。
俺に飽きたのか、佑香はマゾのひざの上に陣取っている。
90近くはありそうな胸にその頭を半ば埋もれさせているが、決して羨ましくない、羨ましくなんてないんだからねっ。
「うーん…………」
人差し指を顎にあて、視線を宙に彷徨わせる。
いやしかし、俺よりも外に出ない佑香が知っている事なんて――――
いやしかし、俺よりも外に出ない佑香が知っている事なんて――――
「……そだ、そういえばね」
――――あるのかよ。
「ほら、年末頃に仕事で北区に行った事、あったでしょ?」
「あったっけ?」
「アッタロ。ホラ、ソコノがきガ迷子ニ――――」
「で! その時、近くにお医者さんがあったから」
「入ッタンダヨナァ、道ヲ聞コウト――――」
「で! 中に入ったら、きれーなお姉さんが二人いて、話してたんだけど」
「あったっけ?」
「アッタロ。ホラ、ソコノがきガ迷子ニ――――」
「で! その時、近くにお医者さんがあったから」
「入ッタンダヨナァ、道ヲ聞コウト――――」
「で! 中に入ったら、きれーなお姉さんが二人いて、話してたんだけど」
んー、と、一呼吸置いて、デビ田が邪魔して来ないのを確認してから
佑香はその単語を、口にした。
佑香はその単語を、口にした。
「――――『教会』がどうのこうのって」
【Continued...】