あるところに、とってもつよくてわがままでおれさまなまほうつかいがすんでいました
むしろ、まほうつかいではなく、じしょうだいまほうつかいです
まほうつかいは、ありとあらゆるまほうをつかいこなし、じぶんのおもうとおりにならないことはありませんでした
まじょがりもあっさりのがれ、かれはじゆうきままにわがままに、しゅういにめいわくをふりまいていきていました
むしろ、まほうつかいではなく、じしょうだいまほうつかいです
まほうつかいは、ありとあらゆるまほうをつかいこなし、じぶんのおもうとおりにならないことはありませんでした
まじょがりもあっさりのがれ、かれはじゆうきままにわがままに、しゅういにめいわくをふりまいていきていました
そんな、あるひのことです
まほうつかいは、とあるしょうねんをみつけました
くらい、くらいかおをして、くらいへやのすみにすわりこんでいたしょうねん
まるで、このよのなにもかもにぜつぼうしているようにみえるそのいんきなしょうねんが、まほうつかいはきになりました
むしろ、みためがこのみだったのです
このまほうつかいは、おとこのくせにしょうねんしゅみでした
どうかんがえてもへんたいです、ありがとうございました
とりあえず、しょうねんがきにいったまほうつかいは、しょうねんをてにいれたいとおもいました
しょうねんがいたばしょはきょうかいでしたが、そんなことはかんけいありません
かぎのかかったみっしつでしたが、そんなこともかんけいありません
まほうつかいのすてきなまほうで、かぎなんてじゆうじざいなのです
まほうつかいは、とあるしょうねんをみつけました
くらい、くらいかおをして、くらいへやのすみにすわりこんでいたしょうねん
まるで、このよのなにもかもにぜつぼうしているようにみえるそのいんきなしょうねんが、まほうつかいはきになりました
むしろ、みためがこのみだったのです
このまほうつかいは、おとこのくせにしょうねんしゅみでした
どうかんがえてもへんたいです、ありがとうございました
とりあえず、しょうねんがきにいったまほうつかいは、しょうねんをてにいれたいとおもいました
しょうねんがいたばしょはきょうかいでしたが、そんなことはかんけいありません
かぎのかかったみっしつでしたが、そんなこともかんけいありません
まほうつかいのすてきなまほうで、かぎなんてじゆうじざいなのです
めのまえにあらわれたまほうつかいのすがたに、しょうねんはおびえたようすをみせました
しかし、まほうつかいはいっこうにきにするようすなく、しょうねんにつげます
しかし、まほうつかいはいっこうにきにするようすなく、しょうねんにつげます
「おまえ、おれさまのペットになれ!」
まほうつかいは、しょうねんがはなったこんしんのみぎストレートでなぐりとばされてしまいました
どうかんがえてもじごうじとくです
むしろ、しょうねんてきには、みのきけんをかんじてのこうどうなので、せいとうぼうえいせいりつです
どうかんがえてもじごうじとくです
むしろ、しょうねんてきには、みのきけんをかんじてのこうどうなので、せいとうぼうえいせいりつです
おかしいな?とまほうつかいはくびをかしげます
どうして、このしょうねんは、じぶんのペットになってくれないんだろうか?
どうして、このしょうねんは、じぶんのペットになってくれないんだろうか?
じょうしきてきにかんがえれば、なってくれるはずもありません
しかし、このまほうつかいは、じょうしきというやつがちめいてきにけつらくしていました
そんなあたりまえのこともわかりません
しかし、このまほうつかいは、じょうしきというやつがちめいてきにけつらくしていました
そんなあたりまえのこともわかりません
そして
しょうねんにきょぜつされたことで、まほうつかいはますます、しょうねんのことがほしくなりました
こんじょうがねっこからひねくりまがっているのです
しょうねんにきょぜつされたことで、まほうつかいはますます、しょうねんのことがほしくなりました
こんじょうがねっこからひねくりまがっているのです
まほうつかいは、しょうねんにこうつげました
「おれさまのペットになったら、おまえのきらいなやつをぜんぶみなごろしにしてやるぞ」
ひとごろしはいけないとおこられました
ますます、しょうねんにきょぜつされます
ますます、しょうねんにきょぜつされます
なるほど、ころすのはいけないのか
ならば
ならば
「おれさまのペットになったら、おまえのきらいなやつをみんな、いたいめにあわせてやるぞ」
ぼうりょくはいけないとおこられました
さっき、なぐってきたのはノーカウントなのでしょうか
せいとうぼうえいなのでもんだいないのでしょう、たぶん
さっき、なぐってきたのはノーカウントなのでしょうか
せいとうぼうえいなのでもんだいないのでしょう、たぶん
まほうつかいはかんがえます
ならば、どうしようか
ならば、どうしようか
よくじつ、まほうつかいはふたたびしょうねんのもとをおとずれ、こうつげます
「おれさまのペットになったら、まいにちうまいものをたらふくくわせてやるぞ」
ほうしょくはいけないとおこられました
つぎのひも、まほうつかいはしょうねんのもとにあらわれました
「おれさまのペットになったら、おまえをせかいいちのかねもちにしてやるぞ」
ひつよういじょうのとみをもとめてはいけないとおこられました
あきらめず、またつぎのひも、まほうつかいはしょうねんのもとにあらわれます
「おれさまのペットになったら、おまえをスポーツでせかいいちにしてやるぞ」
きょうみないし、そもそも、どりょくせずそのようなちいにつくのはいけないとおこられました
どこまでもあきらめず、やっぱりつぎのひもやってきます
「おれさまのペットになったら……」
いくつも、いくつも、まいにち、まいにち
まほうつかいはていあんしました
しかし、しょうねんはいっこうに、くびをたてにふりません
まほうつかいはていあんしました
しかし、しょうねんはいっこうに、くびをたてにふりません
なぜ、このしょうねんはじぶんのおもいどおりにならないのだろう?
まほうつかいは、ふしぎでふしぎでなりません
まほうつかいは、ふしぎでふしぎでなりません
「どうして、おまえはおれさまのペットにならないんだ?」
しょうねんのもとにかよいはじめてから、いっかげつ
ようやく、まほうつかいは、しょうねんにそうといかけました
こころのそこからふしぎそうにそうといかけたまほうつかいに、しょうねんはあきれたようにこたえます
ようやく、まほうつかいは、しょうねんにそうといかけました
こころのそこからふしぎそうにそうといかけたまほうつかいに、しょうねんはあきれたようにこたえます
「たにんのペットになりたいにんげんなんて、いるはずないだろう」
そうなのだろうか?
かこには、みずからペットにしてほしいとたのんできたにんげんを、まほうつかいはたくさんみてきました
まほうつかいは、そんなにんげんたちを、もてあそんであきたらてきとうにすてたりしていたものです
かこには、みずからペットにしてほしいとたのんできたにんげんを、まほうつかいはたくさんみてきました
まほうつかいは、そんなにんげんたちを、もてあそんであきたらてきとうにすてたりしていたものです
なるほどなるほど、ペットはだめなのか
ならば
ならば
「ペットがだめなら、こぶんになれ!」
「いやだ」
「いやだ」
そくとうされました
0,2びょうでのそくとうです、はやすぎます
0,2びょうでのそくとうです、はやすぎます
こぶんもだめか
ならば
ならば
「げぼくになれ!」
「もっとひどくなってんじゃねぇか。いやだ」
「もっとひどくなってんじゃねぇか。いやだ」
やっぱり、そくとうされました
げぼくもだめみたいです
げぼくもだめみたいです
「じゃあ、どれい」
「さらにひどくしてどうする。ぜったいにいやだ」
「さらにひどくしてどうする。ぜったいにいやだ」
どれいもだめでした
と、いうか、じょうしきてきにかんがえてことわられるにきまっています
と、いうか、じょうしきてきにかんがえてことわられるにきまっています
「…おまえは、どうして、おれなんかにまいにちあいにくるんだ」
ぼそり、と
しょうねんが、まほうつかいにそうつげます
まほうつかいは、しょうねんをみつめたまま、こたえます
しょうねんが、まほうつかいにそうつげます
まほうつかいは、しょうねんをみつめたまま、こたえます
「おまえをてにいれたいから。おまえをおれさまのしろにつれかえって、ずっとずっとそばにおいておきたいから」
きけんなはつげんに、しょうねんがおもいっきりひきました
あたりまえです
あたりまえです
「………なぜ、おまえはおれなんかをてにいれたいんだ。こんなにことわってるのに、まいにちしつこく」
けいかんしんマックスなしせんをむけながら、しょうねんはたずねます
それをこたえようとして…
あれ?とまほうつかいはくびをかしげました
それをこたえようとして…
あれ?とまほうつかいはくびをかしげました
そういえば、どうしてだろう?
はじめは、みためがきにいったから、こえをかけました
しかし、いまは、それだけじゃないようなきがするのです
でも、そのりゆうがわかりません
はじめは、みためがきにいったから、こえをかけました
しかし、いまは、それだけじゃないようなきがするのです
でも、そのりゆうがわかりません
くびをかしげるまほうつかい
そのようすを、しょうねんはけいかいしながらみつめます
そのようすを、しょうねんはけいかいしながらみつめます
……やがて
ぽん、とまほうつかいはてをうちました
ぽん、とまほうつかいはてをうちました
「わかった。いつきても、おまえはさみしそうで。おれさまがきたときだけ、おまえのかおにひょうじょうがでるから、それがたのしいんだ」
まほうつかいのことばに、しょうねんはきょとん、としています
どうやら、じかくがなかったようです
どうやら、じかくがなかったようです
「おれさまのところにこいよ。そうすれば、おまえはさみしくなんかないぞ」
まほうつかいの、そのことばに
しょうねんは、じっと、まほうつかいをみつめます
そして
しょうねんは、じっと、まほうつかいをみつめます
そして
「……ほんとうは、おまえがさみしいんじゃないのか?」
と
そう、まほうつかいに、といかけました
そう、まほうつかいに、といかけました
……さみしい?
じぶんが?
いくひゃくねんのもときをいきてきたじぶんが、いまさらさみしい、と?
じぶんが?
いくひゃくねんのもときをいきてきたじぶんが、いまさらさみしい、と?
「そんなわけないだろ。おれさまが、さみしいはずあるもんか」
「…そうなのか?」
「そうだぞ、おまえといると、たいくつでたいくつでしかたなかったのが、ものすっごくたのしいだけだ」
「…そうなのか?」
「そうだぞ、おまえといると、たいくつでたいくつでしかたなかったのが、ものすっごくたのしいだけだ」
どうどうと、むねをはって、まほうつかいはいいきります
…べつに、まほうつかいはツンデレなわけじゃありません
たんに、じぶんがさみしいのだ、とりかいできていないのです
なんびゃくねんというときを、ほぼたったひとりでいきてたじぶんが、さみしいわけがないと、ほんきでおもいこんでいるのです
…べつに、まほうつかいはツンデレなわけじゃありません
たんに、じぶんがさみしいのだ、とりかいできていないのです
なんびゃくねんというときを、ほぼたったひとりでいきてたじぶんが、さみしいわけがないと、ほんきでおもいこんでいるのです
まほうつかいの、そのこたえに
……しょうねんが、ちいさく、わらったようにみえました
こころのそこからの、えがおではなく
しかし、ほんのすこし、こころがやわらいだような……そんな、えがお
……しょうねんが、ちいさく、わらったようにみえました
こころのそこからの、えがおではなく
しかし、ほんのすこし、こころがやわらいだような……そんな、えがお
「…おれは、おまえのペットにも、こぶんにも、げぼくにも、どれいにも、なるつもりはない」
あらためて、しょうねんははっきりと、そうこたえました
さすがのまほうつかいも、ちょっとしょんぼりです
さすがのまほうつかいも、ちょっとしょんぼりです
…しかし
「………だが、ともだちになら、なっても、いい」
……しょうねんの、そのことばに
ともだちなんて、もったことのなかったまほうつかいは、とても、とてもうれしくおもって
ぎゅう、としょうねんをだきしめました
ともだちなんて、もったことのなかったまほうつかいは、とても、とてもうれしくおもって
ぎゅう、としょうねんをだきしめました
そのしゅんかん、うっかりしょうねんになぐりとばされて、こうとうぶをうって、ちょっぴりせいしのさかいをさまよったけれど
しょうねんが、まほうつかいとおなじような、ふしぎなちからをつかって、まほうつかいをいやしてくれたので
まほうつかいは、とってもとっても、しあわせなのでした
しょうねんが、まほうつかいとおなじような、ふしぎなちからをつかって、まほうつかいをいやしてくれたので
まほうつかいは、とってもとっても、しあわせなのでした
しょうねんは、いまはもうおとなです
せいねんになったしょうねんとのゆうじょうは、いまでもつづいています
せいねんになったしょうねんとのゆうじょうは、いまでもつづいています
もし、せいねんのみに、きけんがおとずれたならば
まほうつかいは、そのなんでもできるすてきなまほうで、せいねんをたすけてくれるでしょう
まほうつかいは、そのなんでもできるすてきなまほうで、せいねんをたすけてくれるでしょう
たとえ
それによって、だれにめいわくがかかろうとも
まったく、きにすること、なく
それによって、だれにめいわくがかかろうとも
まったく、きにすること、なく
めでたしめでたし………??