-----ハロウィンが過ぎた、ある日の事
ヨーロッパの、某国
とある街道沿いの、古びた酒場
…一般の人間には、その存在すら知られぬ、酒場にて
ヨーロッパの、某国
とある街道沿いの、古びた酒場
…一般の人間には、その存在すら知られぬ、酒場にて
中では、たくさんの人間と、「人間ではない者」が、酒や食事を楽しんでいた
日頃、正体を隠して生活している者も、日常から隠れ住んでいる者達も、そこでは遠慮なく正体を現し、隠している姿を現す
狼男や魔女が陽気に酒を飲み、妖精達がくるくる踊る
まるで、ファンタジーの一場面のような、光景
日頃、正体を隠して生活している者も、日常から隠れ住んでいる者達も、そこでは遠慮なく正体を現し、隠している姿を現す
狼男や魔女が陽気に酒を飲み、妖精達がくるくる踊る
まるで、ファンタジーの一場面のような、光景
「人の噂に戸口はたてられぬ亭」
これが、この賑やかな酒場の名称だ
これが、この賑やかな酒場の名称だ
…きぃ、と
扉が開き、その店内に、新たな客が舞い込んだ
ブカブカのローブを身に纏い、その高身長以上に長い杖を持った、魔法使いのような姿の、若い男
……少なくとも、外見は若く見える
もっとも、その店に訪れる客が見た目通りの年齢であるなど、非情に稀な事なのだが
扉が開き、その店内に、新たな客が舞い込んだ
ブカブカのローブを身に纏い、その高身長以上に長い杖を持った、魔法使いのような姿の、若い男
……少なくとも、外見は若く見える
もっとも、その店に訪れる客が見た目通りの年齢であるなど、非情に稀な事なのだが
「よぉ、マスター」
「おや、いらっしゃい、君本人が来るなんて、久しぶりだね」
「おや、いらっしゃい、君本人が来るなんて、久しぶりだね」
久方ぶりに見たその顔に、マスターが小さく笑う
華奢な体のその男がカウンター席につくと……自然と、彼の周りの席が空席になっていく
まるで、彼に関わる事を、拒絶しているかのように
華奢な体のその男がカウンター席につくと……自然と、彼の周りの席が空席になっていく
まるで、彼に関わる事を、拒絶しているかのように
「調べはついたか?」
「君の使い魔が持ってきた話だろ?うん、大体はね」
「君の使い魔が持ってきた話だろ?うん、大体はね」
かさかさと、紙束を取り出すマスター
男はそれを受け取ると、目を通していく
男はそれを受け取ると、目を通していく
「………思ったより、多いな」
「狂信的な一派は、いつの時代も多いからね」
「狂信的な一派は、いつの時代も多いからね」
男がマスターに頼んだ情報とは、「教会」所属 エイブラハム司祭長傘下の契約者のリスト
通常、「教会」の情報など、調べられるものではない
しかし、このマスターは、当たり前のように調べてしまう
「酒場のマスターって言うのは、情報通なものだろう?」と言うのが本人の決め台詞だ
通常、「教会」の情報など、調べられるものではない
しかし、このマスターは、当たり前のように調べてしまう
「酒場のマスターって言うのは、情報通なものだろう?」と言うのが本人の決め台詞だ
「っは。神なんて不確かでコロコロ教えが変わる奴なんざ信じないで、俺様を信じろってんだ。どんな願いだって自由自在だぜ?」
「いやぁ、君の事は別な意味で信じちゃ駄目だよ」
「何だとコラ」
「いやぁ、君の事は別な意味で信じちゃ駄目だよ」
「何だとコラ」
じろ、と男がマスターを睨む
その様子に、周囲の客が慌てるが、マスターはまったく動じていない
ニコニコと、まるで、悪戯っ子でも見るような目で、男を見つめている
その様子に、周囲の客が慌てるが、マスターはまったく動じていない
ニコニコと、まるで、悪戯っ子でも見るような目で、男を見つめている
男も、睨んだだけでそれ以上何かする訳でもなく、マスターから渡された資料に目を通している
…やがて、その手と視線が、止まった
…やがて、その手と視線が、止まった
「……「トライ・ミニッツ・ライトニング」?あの野郎も、エイブラハムの下につきやがったのか?」
「あぁ、やっぱり、そこに目をつけちゃう?」
「当たり前だろ。「教会」のほぼ最強戦力じゃねぇか。まぁ、俺様だったら、超遠距離から、その命、素敵な魔法で自由自在にしてやるけど」
「あぁ、やっぱり、そこに目をつけちゃう?」
「当たり前だろ。「教会」のほぼ最強戦力じゃねぇか。まぁ、俺様だったら、超遠距離から、その命、素敵な魔法で自由自在にしてやるけど」
トライ・ミニッツ・ライトニング
その二つ名こそ、情報をほとんど外部に漏らさない「教会」の契約者にしては、よく名前を知られている方である
恐らくは、「処女(乙女)の騎士」ヘンリー以上に、よく知られている
もっとも、知られているのは、その二つ名だけだ
何せ、彼と戦った者は………一人残らず、死亡しているのだから
その二つ名こそ、情報をほとんど外部に漏らさない「教会」の契約者にしては、よく名前を知られている方である
恐らくは、「処女(乙女)の騎士」ヘンリー以上に、よく知られている
もっとも、知られているのは、その二つ名だけだ
何せ、彼と戦った者は………一人残らず、死亡しているのだから
「君は、「トライ・ミニッツ・ライトニング」の事は、どれくらい知っているの?」
「顔と本名までは知ってるぜ。マスターは?」
「僕はその二つ名と、数々の伝説くらいかな?300人の軍団を30秒で全滅させたとか、悪の組織を施設丸々、壊滅させたとか」
「顔と本名までは知ってるぜ。マスターは?」
「僕はその二つ名と、数々の伝説くらいかな?300人の軍団を30秒で全滅させたとか、悪の組織を施設丸々、壊滅させたとか」
凄いよねぇ、と他人事のように言うマスター
…能力の正体はわからず、か
男も、直接「トライ・ミニッツ・ライトニング」が戦っている現場を見たことがある訳ではない為、それがどんな都市伝説と契約しているのかすら、判断できない
……厄介な事だ
もっとも、この「教会」最強戦力が、「本当に、心から」エイブラハムの部下になっているならば、の話だが……
…能力の正体はわからず、か
男も、直接「トライ・ミニッツ・ライトニング」が戦っている現場を見たことがある訳ではない為、それがどんな都市伝説と契約しているのかすら、判断できない
……厄介な事だ
もっとも、この「教会」最強戦力が、「本当に、心から」エイブラハムの部下になっているならば、の話だが……
「…どう?この情報で満足?」
「まずは、な……………追加で、情報を頼む」
「ん、どんな情報?」
「日本の「学校町」について、マスターが知れる範囲で全て、だ」
「まずは、な……………追加で、情報を頼む」
「ん、どんな情報?」
「日本の「学校町」について、マスターが知れる範囲で全て、だ」
学校町
その名前に、マスターは眉をひそめた
その名前に、マスターは眉をひそめた
「………君も行くのかい?今、地球上において、最も人外魔境で常識が通用しない場所だよ?」
「知るか。どんな場所だろうと、俺様の素敵な魔法があれば、どうにかなる………今、あそこにあいつがいるんだよ。そして、エイブラハムの野郎が事を起こそうとしているのは、あそこだ」
「あの町で?」
「……「裏切りの淫魔」が、今、あそこにいる」
「………なるほどね」
「知るか。どんな場所だろうと、俺様の素敵な魔法があれば、どうにかなる………今、あそこにあいつがいるんだよ。そして、エイブラハムの野郎が事を起こそうとしているのは、あそこだ」
「あの町で?」
「……「裏切りの淫魔」が、今、あそこにいる」
「………なるほどね」
小さく、マスターは苦笑した
棚の置くから酒をだし、杯に注いで男の前に出す
棚の置くから酒をだし、杯に注いで男の前に出す
「…君がどこに行こうと勝手だけど、無理や無茶はしすぎないようにね?君なら、どこから目をつけられても平気だろうけれど、君の大切な存在はそうもいかないのだから」
「……わかってるさ。だからこそ、さっさと俺様のものにしてやりたいんだからな」
「……わかってるさ。だからこそ、さっさと俺様のものにしてやりたいんだからな」
男は酒を煽る
そして……ニヤリと、笑った
そして……ニヤリと、笑った
「この世で唯一、たった一人、俺様が自由自在に出来ない相手、愛しい愛しい、この世でたった一人の唯一無二、絶対に俺様のものにしてやるさ」
「……やれやれ。「幼子の使徒」も、困った奴に気に入られたものだよねぇ」
「何だよ、何でも自由自在にできる俺様に気に入られたんだ、最高の栄誉だろ?」
「……やれやれ。「幼子の使徒」も、困った奴に気に入られたものだよねぇ」
「何だよ、何でも自由自在にできる俺様に気に入られたんだ、最高の栄誉だろ?」
楽しげに、自信満々に、男は笑って
ぽい、と、マスターから受け取っていた紙束を、放り投げた
ぽい、と、マスターから受け取っていた紙束を、放り投げた
っぼん!!と
それは、空中で爆発する
そして、鳥や蛙、虫、色とりどりの紙ふぶきにキャンディにコンペイトウ
様々なものに変わって、酒場中に飛び散って
酒場内にささやかな混乱を引き起こして、マスターを苦笑させたのだった
それは、空中で爆発する
そして、鳥や蛙、虫、色とりどりの紙ふぶきにキャンディにコンペイトウ
様々なものに変わって、酒場中に飛び散って
酒場内にささやかな混乱を引き起こして、マスターを苦笑させたのだった
to be … ?