―――どうして
「・・・えーと、皆さんにご紹介したい方がいらっしゃいますの」
―――どうして
「・・・女になった・・・栄 日天だ・・・よ、よろしく」
―――どうして
「マジぃ!? 日天、女になっちゃった訳ぇ!?」
「なっははははははwww傑作やろ?wwww」
「凛々ちゃんも犯人の1人なんだから反省した方が良いかもー」
「なっははははははwww傑作やろ?wwww」
「凛々ちゃんも犯人の1人なんだから反省した方が良いかもー」
―――どうして
「まぁ、気を落とすことはないでござるよ、たかが性別でござる」
「女の子になっても可愛いよ☆ あ、でもレジーヌさんには気を付けた方がいいよー」
「ドキ」
「女の子になっても可愛いよ☆ あ、でもレジーヌさんには気を付けた方がいいよー」
「ドキ」
―――どうして
「・・・ん、ルート、どうかしたか?」
「へ?」
「泣いてるじゃないか、何か辛いことがあるなら聞くが」
「う、ううん、何でもない、何でも、ないからぁ・・・」
「へ?」
「泣いてるじゃないか、何か辛いことがあるなら聞くが」
「う、ううん、何でもない、何でも、ないからぁ・・・」
「どうして・・・どうしてぇ・・・どうしてぇ!?
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてぇ!?」
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてぇ!?」
誰もいない部屋の中、彼女は机に顔を伏せ、虚空に向けて怒りをぶつけた
「どうしてぇ・・・日天さんが、あんなことにぃ・・・
どうして皆、普通にしていられるのよぉ・・・」
どうして皆、普通にしていられるのよぉ・・・」
涙と共に、溜まった感情を零してゆく
そして、
そして、
「アタシの想いは・・・何処へ行くのよぉ・・・?」
答えが決して返ってくることのない疑問を投げかけ、声を出して泣いた
いつも励ましてくれた“彼”は、もういない
いつも傍にいてくれた“彼”は、もう死んだ
あるのは、同じ姿をした“彼女”だけ
ならば
いつも励ましてくれた“彼”は、もういない
いつも傍にいてくれた“彼”は、もう死んだ
あるのは、同じ姿をした“彼女”だけ
ならば
「・・・・・・分かったぁ」
彼女は涙を拭い、
「日天さんのいないR-No.なんてぇ・・・もぉ、要らない・・・」
投げた疑問を、自分で拾った
† † † † † †
(ルート>アタシの・・・日天さんを・・・返してぇ・・・
悲痛な、弱々しい叫び
しかしそれでも、その言葉はローゼの心に深く突き刺さった
しかしそれでも、その言葉はローゼの心に深く突き刺さった
(ルート>アタシのぉ・・・かっこよくて、冷静でぇ・・・
甘い物好きで、子供っぽくて、ちょっとネガティブで・・・
でも・・・いつだって、笑顔が素敵だったぁ・・・
甘い物好きで、子供っぽくて、ちょっとネガティブで・・・
でも・・・いつだって、笑顔が素敵だったぁ・・・
ぽろぽろと零れ落ちてゆく、想いを秘めた涙が、とても痛々しく、
何より、自分に否があったことに気づけなかったのが許せなかった
遊び半分でやったことが、ここまで膨らんでしまった事実
仲間であった少女の心を引き裂き、無にしてしまった事実
何より、自分に否があったことに気づけなかったのが許せなかった
遊び半分でやったことが、ここまで膨らんでしまった事実
仲間であった少女の心を引き裂き、無にしてしまった事実
(ルート>アタシが好きだったぁ・・・日天さんを、返してよぉ・・・
2つの事実を突きつけられ、彼女は
(ローゼ>・・・ごめん、なさい・・・ごめんなさい・・・
只々、泣いて謝ることしかできなかった
どんなに謝罪しても、何も変わらないのは分かっている
だが、今の彼女には、それしかできなかった
どんなに謝罪しても、何も変わらないのは分かっている
だが、今の彼女には、それしかできなかった
(ルート>謝るくらいならぁ・・・態度で、示してよぉ・・・!
日天さんを・・・元に・・・戻してあげてぇ!!
(ローゼ>ごめんなさい・・・ワタクシには、それが・・・できませんでしたの・・・
(ルート>どぉして!? どんな困難も乗り越えたトップの姉貴のクセにぃ!!
どぉして、こんな時だけ・・・そんなに弱気なのよぉ・・・!
日天さんを・・・元に・・・戻してあげてぇ!!
(ローゼ>ごめんなさい・・・ワタクシには、それが・・・できませんでしたの・・・
(ルート>どぉして!? どんな困難も乗り越えたトップの姉貴のクセにぃ!!
どぉして、こんな時だけ・・・そんなに弱気なのよぉ・・・!
取り戻せなかった少女の悔しさ
返してあげられなかった少女の悔しさ
それらが混合し、朝日に溶け込んでいった―――――
返してあげられなかった少女の悔しさ
それらが混合し、朝日に溶け込んでいった―――――
(日天>ルートォ!!!
腹の底から出た怒号に、ルートは顔を上げ、ローゼは振り向く
蓮華を壁に持たれかけさせていたらしい日天は、呼吸を整えて続けた
蓮華を壁に持たれかけさせていたらしい日天は、呼吸を整えて続けた
(日天>お前、さっきオレに言ったよな・・・“日天さんは日天さんだ”、って
何でもっと早く、その答えに辿り付けなかったんだ・・・!
(ルート>っ・・・・
(日天>性別なんて、関係ない・・・そいつが好きなら、男だろうが女だろうが構わず言ってやれば良いだろ?
(ルート>でっ、でもぉ! アタシは・・・アタシは男の日天さんが―――
(日天>オレだって、辛かったよ・・・! 女になって、想いを伝えられないって考えた時は!!
(ルート>・・・え・・・?
何でもっと早く、その答えに辿り付けなかったんだ・・・!
(ルート>っ・・・・
(日天>性別なんて、関係ない・・・そいつが好きなら、男だろうが女だろうが構わず言ってやれば良いだろ?
(ルート>でっ、でもぉ! アタシは・・・アタシは男の日天さんが―――
(日天>オレだって、辛かったよ・・・! 女になって、想いを伝えられないって考えた時は!!
(ルート>・・・え・・・?
息を呑むルートに構う事なく、日天は尚も口を動かす
(日天>ずっと、思ってた・・・お前と一緒にいると、胸が温かくなって、自然と、楽しくて・・・
最初は何なのか、分からなかったが・・・今やっと、はっきり分かった
オレには、お前が必要なんだ! 傍にいてくれなきゃ、困るんだよ!
最初は何なのか、分からなかったが・・・今やっと、はっきり分かった
オレには、お前が必要なんだ! 傍にいてくれなきゃ、困るんだよ!
気が付けば、日天の頬も濡れていた
それでも、彼女はルートに想いをぶつける
それでも、彼女はルートに想いをぶつける
(日天>お前が作ってくれた黒ゴマプリン・・・あの味が、忘れられなくてさ・・・
何度挑戦しても、上手く・・・作れ、なくて・・・
また、オレの、為に・・・作って、くれないか・・・?
(ルート>り・・・リー、ティエン、さぁん・・・
(日天>ルート・・・オレは、男になっても、女になっても!
この世の中で、お前が・・・お前の事が一番――――――
何度挑戦しても、上手く・・・作れ、なくて・・・
また、オレの、為に・・・作って、くれないか・・・?
(ルート>り・・・リー、ティエン、さぁん・・・
(日天>ルート・・・オレは、男になっても、女になっても!
この世の中で、お前が・・・お前の事が一番――――――
最後の言葉を言いかけた瞬間だった
日天の身体を赤い光が包みこんだ――否、身体の奥から溢れ出した
その光は、ぱちんっ!と風船が破裂するような音を立て、柔らかい日差しの中に消えた
日天の身体を赤い光が包みこんだ――否、身体の奥から溢れ出した
その光は、ぱちんっ!と風船が破裂するような音を立て、柔らかい日差しの中に消えた
(日天>・・・な、何?
(ローゼ>ど、どう、なさったの?
(日天>・・・戻った・・・男に、戻ってる・・・何で今―――
「“幼気”ですよ・・・」
(ローゼ>ど、どう、なさったの?
(日天>・・・戻った・・・男に、戻ってる・・・何で今―――
「“幼気”ですよ・・・」
「え?」と声を漏らす前に、背後から声が聞こえた
そこに、よろめく身体を抑えながら、蓮華が立っていた
そこに、よろめく身体を抑えながら、蓮華が立っていた
(日天>蓮華さん、あんたまだ・・・
(蓮華>R-No.3の強い願望に・・・“幼気”が反応したもの、だと思われます・・・
都市伝説の影響で性転換していたので、可能だったのでしょう・・・
(ローゼ>じ、じゃあ・・・R-No.3は・・・
(蓮華>元通り、ですね
(ルート>・・・良かったね、日天さん
(蓮華>R-No.3の強い願望に・・・“幼気”が反応したもの、だと思われます・・・
都市伝説の影響で性転換していたので、可能だったのでしょう・・・
(ローゼ>じ、じゃあ・・・R-No.3は・・・
(蓮華>元通り、ですね
(ルート>・・・良かったね、日天さん
ざ、と砂の擦れる音が響く
息を切らせて、ルートが立ち上がった
日天が、彼女に歩み寄りながら話しかけた
息を切らせて、ルートが立ち上がった
日天が、彼女に歩み寄りながら話しかけた
(日天>る、ルート、オレは―――
(ルート>来ちゃ、ダメぇ!
(ルート>来ちゃ、ダメぇ!
驚き、足を止める日天
小さく、無理矢理に笑って、ルートは口を開いた
小さく、無理矢理に笑って、ルートは口を開いた
(ルート>日天さんのことは、今でも好きぃ・・・顔も、心も、キレイだもん・・・
でも、ごめんねぇ・・・アタシ、一緒には行けない
(日天>ッ!? な、何で―――
(ルート>アタシ・・・手ぇ、汚しすぎちゃったからぁ・・・
アタシの真っ赤な手で・・・日天さんの真っ白な肌も、心も・・・汚したくないからぁ・・・
でも、ごめんねぇ・・・アタシ、一緒には行けない
(日天>ッ!? な、何で―――
(ルート>アタシ・・・手ぇ、汚しすぎちゃったからぁ・・・
アタシの真っ赤な手で・・・日天さんの真っ白な肌も、心も・・・汚したくないからぁ・・・
一歩、また一歩と、後ろに下がるルート
込み上げる涙を堪えて、大きく息を吸って
込み上げる涙を堪えて、大きく息を吸って
(ルート>・・・エーヴィヒ、お願い
物陰に隠れていた白い毛並みのネコが、静かにルートに駆け寄る
同時に、白い霧が立ち込め、ルートとエーヴィヒの姿が薄らいでゆく
同時に、白い霧が立ち込め、ルートとエーヴィヒの姿が薄らいでゆく
(日天>なっ・・・ま、待て、ルートォ!!
(ルート>日天さん・・・Auf Wiedersehen
(ルート>日天さん・・・
霧の中に消えた彼女に、必死に手を伸ばす日天
しかしその手はルートには届かず、
ただ、零れた涙に触れただけだった
しかしその手はルートには届かず、
ただ、零れた涙に触れただけだった
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