小さな岩が、いくつも飛んでくる
最小限の動きで、避けられる物は避ける
避け切れないならば、破壊する
最小限の動きで、避けられる物は避ける
避け切れないならば、破壊する
笛吹の言葉は、信用していない
確かに、あの男は操作に関して優れているのだろう
だが、先ほどの言葉からは、真実味を感じない
酷く、嘘臭い
確かに、あの男は操作に関して優れているのだろう
だが、先ほどの言葉からは、真実味を感じない
酷く、嘘臭い
相手が何を言おうと、自分がすべき事は変わらない
あのふざけたネコミミを奪う
やるべき事は、ただそれだけ
そこにだけ集中すればいい事だ
あのふざけたネコミミを奪う
やるべき事は、ただそれだけ
そこにだけ集中すればいい事だ
刀を鞘に収める
その状態で、できる限り、笛吹に接近していく
相手は宙に浮かんでいるが………届かせる!
その状態で、できる限り、笛吹に接近していく
相手は宙に浮かんでいるが………届かせる!
「げ!?」
飛んでくる岩
それを足場に、跳ぶ
ギリギリまで近づいて、抜刀
だが、見えない力に阻害された
今までも、足場を不安定にしてきたりいていた力だろう
これをどうにかしない限り、まともな一撃を与えられるかどうか
岩を足場に地面まで下りていきながら、考える
相手に、少しでも隙ができればいいのだが
それを足場に、跳ぶ
ギリギリまで近づいて、抜刀
だが、見えない力に阻害された
今までも、足場を不安定にしてきたりいていた力だろう
これをどうにかしない限り、まともな一撃を与えられるかどうか
岩を足場に地面まで下りていきながら、考える
相手に、少しでも隙ができればいいのだが
……ふと、自分に剣を教えてくれている二人だったら、こう言う時どうしただろうか
少しだけ、考えてみる
少しだけ、考えてみる
『なぁに、力でねじ伏せれば良いだけだ』
………それは、あなたのような圧倒的存在でなければ不可能だ
『さぁてね。相手に気付かれないよう接近して、背後からこっそり持っていってやるかねぇ』
………それは、お前のような、誰にも気付かれずに行動できるという能力がないと難しい
あまり、参考にはならなかった
やはり、俺が出来る範囲で考えるしかない
やはり、俺が出来る範囲で考えるしかない
鞘に収めた刀の重みに安堵しながら、考える
今まで、練習試合の相手になってくれた人達との戦いを
笛吹のような、操作能力を持つ相手とは、あまり戦ってはいないが
それでも、参考になる面は、多少あるはずだ
今まで、練習試合の相手になってくれた人達との戦いを
笛吹のような、操作能力を持つ相手とは、あまり戦ってはいないが
それでも、参考になる面は、多少あるはずだ
…気配が近づいてくる
敵対的な者ではない
裂邪だったか、正義だったか………この足音、体重の運び方、正義の方か
こちらの仲間が増える、手数が増える、とれるべき選択肢が増えていく
敵対的な者ではない
裂邪だったか、正義だったか………この足音、体重の運び方、正義の方か
こちらの仲間が増える、手数が増える、とれるべき選択肢が増えていく
「………」
己が取れる手段を
その中で、最良のものを、見つけろ
自体は常に、自分にとって最悪のパターンだけを想定すればいい
その中で、自分がどれだけ足掻けるか考えればいい
その中で、最良のものを、見つけろ
自体は常に、自分にとって最悪のパターンだけを想定すればいい
その中で、自分がどれだけ足掻けるか考えればいい
そうして
いかに、相手を殺すのか
それを考えていけば、問題はない
いかに、相手を殺すのか
それを考えていけば、問題はない
「----っとぉ!?」
また来た!?
己が操って飛ばしている、岩
それを足場にして接近してくる龍一の攻撃を避けた上田
己が操って飛ばしている、岩
それを足場にして接近してくる龍一の攻撃を避けた上田
もうやだ、この人外
将来、この少年が自分の父親みたいに成長したらマジどうしようとちょっぴり嫌な未来を幻視しつつ、上田はネコミミを取られないよう、距離をとった
将来、この少年が自分の父親みたいに成長したらマジどうしようとちょっぴり嫌な未来を幻視しつつ、上田はネコミミを取られないよう、距離をとった
帰り血塗れのまま、刀を振るってくる龍一
激しい動きで、前髪の間から、その高校生にしては鋭すぎる眼差しが見え隠れする
激しい動きで、前髪の間から、その高校生にしては鋭すぎる眼差しが見え隠れする
「----っ!!」
一瞬、背筋を這い上がってきた、悪寒
以前味わった、般若を背負った大樹の気配
それに似た何かを、ぶつけられたような錯覚
威圧感、それを剥き出しの状態でぶつけられたというべきか?
自分が龍一より弱ければ、この一瞬で意識を奪われていただろうと、上田は考える
以前味わった、般若を背負った大樹の気配
それに似た何かを、ぶつけられたような錯覚
威圧感、それを剥き出しの状態でぶつけられたというべきか?
自分が龍一より弱ければ、この一瞬で意識を奪われていただろうと、上田は考える
意識しているのか、いないのか
どちらにせよ、その威圧感、自由自在に使われたら厄介だと、そう感じた
どちらにせよ、その威圧感、自由自在に使われたら厄介だと、そう感じた
逃げても逃げても、龍一は上田に追いすがる
真っ直ぐに敵意を、殺意をぶつけ、ほんのわずかでも手を抜く気配なく、ただただ、上田のネコミミを奪う…と言うよりは、切り落とす為だけに行動している
その為ならば、自分がいくら傷つこうと構わないとでも言うのか
迫ってくる小さな岩を破壊した際、飛び散る細かい破片をまったく避けようとしておらず、体の表面にいくつも裂傷ができている
真っ直ぐに敵意を、殺意をぶつけ、ほんのわずかでも手を抜く気配なく、ただただ、上田のネコミミを奪う…と言うよりは、切り落とす為だけに行動している
その為ならば、自分がいくら傷つこうと構わないとでも言うのか
迫ってくる小さな岩を破壊した際、飛び散る細かい破片をまったく避けようとしておらず、体の表面にいくつも裂傷ができている
…仕方ない
とにかく、龍一が厄介だ
とりあえず、龍一の動きを封じたい
とにかく、龍一が厄介だ
とりあえず、龍一の動きを封じたい
龍一の攻撃を避けながら、上田は懐に入れておいた小さなナイフに触れた
チャンスは、一瞬
相手より、早く動け
相手の攻撃が、こちらに届く前に
己の刃を届かせろ
チャンスは、一瞬
相手より、早く動け
相手の攻撃が、こちらに届く前に
己の刃を届かせろ
刃が、迫ってくる
狙いは…上田の、首
だが、それはフェイント
本当の狙いは、心臓への突き
狙いは…上田の、首
だが、それはフェイント
本当の狙いは、心臓への突き
毎度毎度、攻撃が一撃必殺な事実に、上田は薄ら寒いものを感じつつ……辛うじて、その突きをさけ
「っ!」
「隙あり!!!」
「隙あり!!!」
逆に、龍一の懐にもぐりこんだ
避けようとする龍一
だが、遅い!!
避けようとする龍一
だが、遅い!!
っぴ、と
上田のナイフが、龍一の左手を掠った
上田のナイフが、龍一の左手を掠った
深く傷つける必要はない
ほんの少し、傷つければ、それで充分
ほんの少し、傷つければ、それで充分
「------っ!!」
「悪いな、ちょっとじっとしていれくれよ?」
「悪いな、ちょっとじっとしていれくれよ?」
龍一は、既に気付いたようだ
自分が、毒を喰らった、と
自分が、毒を喰らった、と
麻痺毒だ
一定時間、相手の動きを封じるためのもの
殺すまでのものではない
ちょこっと、大人しくしていてくれればいいのだ
一定時間、相手の動きを封じるためのもの
殺すまでのものではない
ちょこっと、大人しくしていてくれればいいのだ
毒は、左手を通じて、全身にまわるだろう
すぐに、動けなくなって
すぐに、動けなくなって
「…………え?」
血飛沫が、飛び散る
龍一は、迷わなかった
躊躇しなかった
躊躇しなかった
視界の隅を、何かが飛んでいく
それは、龍一の……左腕
龍一の左肩、その付け根から先が……なくなっている
そこから飛び散るのは、真っ赤な血飛沫
龍一の左肩、その付け根から先が……なくなっている
そこから飛び散るのは、真っ赤な血飛沫
…毒が全身にまわり、己が身動きを取れなくなる、その前に
龍一は…己の左腕を、切り落としたのだ
龍一は…己の左腕を、切り落としたのだ
上田の視界が、真っ赤に染まりあがる
あまりにも、至近距離に居すぎた
龍一の左肩からの出血を、上田はもろにかぶってしまって……その血が、目に入った
龍一自身には、そんな気はなかっただろう
だが、彼が自身の左腕を切り落とした事によって生じた出血は、上田の視界を奪い……決定的な隙を、作り上げた
あまりにも、至近距離に居すぎた
龍一の左肩からの出血を、上田はもろにかぶってしまって……その血が、目に入った
龍一自身には、そんな気はなかっただろう
だが、彼が自身の左腕を切り落とした事によって生じた出血は、上田の視界を奪い……決定的な隙を、作り上げた
その、隙は
上田にとって、致命的なものでしか、なかった
上田にとって、致命的なものでしか、なかった
to be … ?