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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 無垢なる支配者と蜘蛛-08

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 っふ、と
 気付くと、漆黒の空間に自分がいる
 デジャヴを感じるその状況に、サンジェルマンは辺りを見回した

「よぉ、サンジェルマン」
「あぁ、イクトミ、あなたですか」

 すぐに見つかった、蜘蛛神の姿
 サンジェルマンよりやや高い位置に腰かけ、サンジェルマンを見下ろしてきている
 …そこには何もないように見えて、まるで、虚空に腰掛けているように見えた

「いきなり、こっちに引っ張り込むのやめてくれます?」
「あー、許せ。こっちにいると時間間隔が少し曖昧になってな」

 すとん、と降りてきたイクトミ
 サンジェルマンと同じ目線に立つ

「拝戸 直、だったか?そいつに協力するんだったら、もうちょいバレない程度にやっとけ」
「SNoトップのあなた相手にバレないように、と言うのは難しいですねぇ」
「いや、俺にじゃねぇよ。セっちゃんにだ」

 セっちゃん?
 …あ

「セシリアに、ですか…あー…バレました?」
「まだギリギリバレてない」
「あぁ、良かった。またうっかり肉片にされるかと」
「もうされてたのかよ」
「軽く4,5回程」
「多いなっ!?」

 我ながら多いと思う
 自分はストレス解消の材料にされたんじゃないか、と思わなくもないレベルだ

 とは言え、セシリアも…C-No.0も、何も意味もなくサンジェルマンを肉片になるレベルまで痛めつけてくる訳ではない
 …サンジェルマンの、異常に関する研究
 そして、「組織」に不利益が及ぶ行為、「組織」が誤解されるような行為
 それらに対して、腹を立ててのことだ
 彼女は、「組織」に…トップであるA-No.0に対し、強い忠誠心を持っている
 ゆえに、「組織」が「アメリカ政府の陰謀論」と同等に見られる事を嫌うA-No.0の意志を尊重し、それに反する行為をとった者に容赦しない

 今回の、サンジェルマンの行為
 連続殺人鬼の都市伝説契約者に、手を貸した、事実
 それがセシリアの耳に入ったならば……彼女のリミットブレイクは、確実である

「あ、ちなみに、セっちゃんの耳に入ってセっちゃんが暴れても、俺、お前を助けないから」
「冷たっ!?冷たすぎますよイクトミ!?」
「いや、無理無理、怒ったセっちゃん止めるとかマジ無理だから」

 ひらひら、手を振りながらあっさり言い切ったイクトミ
 いや、確かに無理っぽいが

 わざとらしく嘆きつつ、辺りを見回すサンジェルマン
 …自分が、セシリアにボコボコにされているカケラを
 これからの未来の可能性を描く脚本の一片を、探す
 ひとまず、目に入る範囲には、ない
 一応、大丈夫と判断するべきか
 いや、油断はできない

「…まぁ、こちらとしましても。一応、彼の殺しもできるだけ美味く誘導して一般人に害が及ばないようにしているつもりですが」
「……だとしても、限界があるだろ。そのうち、あいつにゃあ、討伐指令がいくだろうな」
「…でっすよねー。貴重なサンプルなんで、殺されると困るんですけど…」
「そこで、セっちゃんからのアイディア。「ダルマ状態にして、誰も殺せない状態にするならば生かしても置いてもいい」」
「残酷っ!?人の心ないんですか彼女は!?」
「ほら、セっちゃん真面目だし。それくらいしないと、あいつの殺人衝動どうにかできないと思ってるんじゃないか?」
「穏健派の台詞じゃないですよねぇ…」

 小さく苦笑するサンジェルマン
 まぁ、それだけ彼女が立腹するだろうと言う事か

 …本当、バレないようにしよう、うん

「じゃ、伝える事はこれで大体全部な。俺はこれで」
「はい、それでは……今度は、もう少し愉快な話題を楽しみたいものですね」
「あぁ、まったくだ」

 イクトミの姿が、小さな蜘蛛へと変わって……闇に溶け込むように、消えていく
 後には、漆黒の空間に、サンジェルマンだけが残される

「……さて、と。私も、現実に戻りますかね」

 一人、そう口にして
 サンジェルマンは、黄金の輝きに包み込まれて、漆黒の空間から姿を消した


 後にはただ、静寂だけが残されたのだった




fin




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