「…はい、今日はここまでですよ」
「疲れたー」
「難しかったー」
「疲れたー」
「難しかったー」
ぐてーーーー
力尽きている、リュリュとマドレーヌ
力尽きている、リュリュとマドレーヌ
日本に赴く任務の前に、日本語の勉強をしていたのだ
英語を話せるのだから問題ないとは思うが…簡単な挨拶などは覚えておいた方がいいにこした事はない
英語を話せるのだから問題ないとは思うが…簡単な挨拶などは覚えておいた方がいいにこした事はない
「ほら、ちゃんと歯を磨いて、着替えてから眠るのですよ?」
「はーい、「おやすみなさい」、カイザー」
「「おやすみなさーい」!」
「はーい、「おやすみなさい」、カイザー」
「「おやすみなさーい」!」
覚えたばかりの日本語で、元気に言ってきた二人
二人を見送るカイザーの表情には、穏やかな笑みが浮かんでいた
二人を見送るカイザーの表情には、穏やかな笑みが浮かんでいた
「…子供は、無邪気で良いものですね」
小さく、そう呟くカイザー
あのまま、純粋に成長してほしい
そう、願わずにはいられない
あのまま、純粋に成長してほしい
そう、願わずにはいられない
…だが
「そうよねン。子供は無邪気だわン」
その願いを、踏みにじるように
「無邪気で、何も知らないお馬鹿さん。簡単に利用できるわン」
女の声が、響いた
「…あなたですか、シモネッタ」
笑みを消し、振り返るカイザー
くすくすと、カソックを纏った女……シモネッタが、笑っている
どこか、邪悪さを感じさせる笑みだ
清楚な修道女の面影など、そこにはない
くすくすと、カソックを纏った女……シモネッタが、笑っている
どこか、邪悪さを感じさせる笑みだ
清楚な修道女の面影など、そこにはない
「お馬鹿な子達。あなたがどんな男かも知らないで、あぁやって慕っているんですものねン♪」
「…そんな事を言いに来たのですか?」
「…そんな事を言いに来たのですか?」
嫌悪するように、カイザーはシモネッタから視線を外した
くすくすと、シモネッタは微笑み続けている
くすくすと、シモネッタは微笑み続けている
「仲間の様子を見にきちゃ駄目かしらン?エイブラハム様の、忠実な部下。命令さえあれば、仲間も殺せる冷血非情」
くすくす、くすくすと
悪意交じりの言葉が、流れ込んでくる
悪意交じりの言葉が、流れ込んでくる
「…エイブラハム様のご命令があれば。あの子達も、殺すんでしょうねぇン?」
「………」
「………」
じろり、と
カイザーは、シモネッタを睨みつけた
カイザーは、シモネッタを睨みつけた
直後
シモネッタの足元に、炎を纏った蛇が現れた
燃え盛るそれは、シモネッタを包囲する
シモネッタの足元に、炎を纏った蛇が現れた
燃え盛るそれは、シモネッタを包囲する
「……何の冗談かしらン?」
「…忘れないでいただきたいですね、シモネッタ」
「…忘れないでいただきたいですね、シモネッタ」
燃え盛る蛇は、ちろちろと、火花のような舌を出し入れする
今すぐにでも、シモネッタに襲い掛からんとしているようにも見えた
今すぐにでも、シモネッタに襲い掛からんとしているようにも見えた
「私は、私一人の判断で……いつでも、あなたを殺せる権限を持っているのですよ?」
「………」
「………」
すぅ、と
シモネッタの表情から、笑みが消えた
シモネッタの表情から、笑みが消えた
しばし、睨みあう二人
ぴぃん…と、張り詰めた、刃物のような空気が、辺りを支配する
ぴぃん…と、張り詰めた、刃物のような空気が、辺りを支配する
…そうして
「---っふふ」
先に沈黙を破ったのは、シモネッタ
「わかってるわよぉン。だから、この蛇ちゃん、しまってくれるン?」
「…ならば、言葉を慎むのですね」
「…ならば、言葉を慎むのですね」
蛇が、消えた
カイザーはシモネッタに背を向けて、歩き出す
カイザーはシモネッタに背を向けて、歩き出す
「あの子達は…ニーナと同じで、将来有望な子供達です。「教会」の未来を担うものとして、成長して欲しいものです」
「…そうねぇン」
「…そうねぇン」
くすくす笑いながら、カイザーの言葉に賛同した
どこまで本心かわからぬそれに、カイザーは答える事はせず…その場を後にする
どこまで本心かわからぬそれに、カイザーは答える事はせず…その場を後にする
せめて、あの子達の未来には、光あらんことを
そう、祈りながら
そう、祈りながら
「…どうせ、捨て駒になるに決まってるわン。ニーナと一緒。何も知らない子達は、どうせ長生きできないのよン」
くすくすと
カイザーがいなくなった後、シモネッタは嘲笑うように、そう言って
暗闇の中に溶け込むように、姿を消していったのだった
カイザーがいなくなった後、シモネッタは嘲笑うように、そう言って
暗闇の中に溶け込むように、姿を消していったのだった
to be … ?