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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者-63

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だれでも歓迎! 編集
 はらはらと、雪が降る
 今冬も、学校街は大雪になるのだろうか
 吐き出す息が白い

 …そう言えば、昨年のこの時期は、自分の体はボロボロだったな

 思い出し、宏也は小さく苦笑した
 ……今とて、自分は決して、万全の体調と言える訳でもない
 夏の初めに限界に達した体
 少しずつ治癒を進めていってはいるが……そもそもが、歪に形成された存在である
 無理矢理に体を保ち続けて居る事に変わりはない
 それでも……ある程度、気持ちに区切りがついたせいなのだろうか
 少しずつは、マシになってきている

(ま、人間に戻るのが一番いい道なんだろうがねぇ……)

 一応、仕事の合間を縫って「第三帝国」のドクターの診察は受けている
 ヘンリエッタも全面協力してだ
 少しずつデータがあつまり、人間に戻る準備は整ってきている
 …そう遠くない未来に、人間に戻れるだろう

 そうすれば…佳奈美と共に、老いていける
 都市伝説と化している自分は、老いる事が出来ない
 現に、今の自分は妹や弟分よりも、外見だけで言えばすでに若くなってしまっているのだ
 …佳奈美と結ばれたとしても、今のままでは、佳奈美が死んだとしても、自分だけが生き続ける事になる
 ………そんなことは、御免だ
 壊れかけた、否、既に壊れきっていた己の心は、佳奈美によって保たれているようだ
 その佳奈美を失ったら………自分は今度こそ、完全な化け物へと成り果てる
 …そうは、なりたくなかった
 佳奈美が、自分を認めてくれたのだ
 完全な化け物へと変わってしまうなど、御免だ

「宏也さーん」

 思考に沈みかけたところで、佳奈美の声が聞こえてきて、顔をあげる
 ぱたぱたと、白い息を吐きながら、佳奈美が駆けてきている姿が見えた
 宏也は小さく笑い、佳奈美に歩み寄る

「走らなくとも、俺は逃げないぜ?転ぶぞ」
「みゃー……転んだりしないよ……それより、御免なさい。待った?」
「いいや、待っちゃいないさ」

 嘘だ
 それなりに、待った
 だが、それは自分が約束の時間よりも、ずっと早くここに到着したせいであり、佳奈美に非は存在しない
 それに、待っている間、佳奈美がそんな格好で来るかとか去年プレゼントしたアレは身につけてくるだろうかとか色々と妄想全開だったので、何ら問題は存在しない
 ぶっちゃけ、先ほどの真面目な思考は、ほんの一瞬しか持続していないのだ
 仕方ない、広瀬 宏也とは、こう言う男なのだから

「さ、行くか」

 そっと、佳奈美の手を握ってやる
 ただこれだけの事で真っ赤に頬が染まりあがる様子が可愛らしい
 くっく、と小さく笑って、そのままゆっくり歩き出す

「今日はありがとうな、俺に付き合ってくれて」
「う、ううん。私こそ……誘ってくれて、ありがとう。でも、いいの?宏也さん。忙しくないの?」
「なぁに、俺の分の仕事は終わらせてきてるから大丈夫さ」

 嘘だ
 同僚のYとかCとか色々に軽く押し付けてきた
 だが、緊急性の高い仕事はないし、何も問題はない
 少々気になるのは、「教会」の一部勢力が、学校町に調査用と思われる使い捨ての駒を結構な数送りつけてきている事と、某危険な魔法使いが先月辺りから、たびたび学校町に侵入しているらしい事だが…
 それは、宏也には特別関係のない出来事である
 なお、宏也のサボりの割を一番食ってしまっているのが、某過労死候補生である事実は置いて負い区事にする

「なぁ、佳奈美」
「にゃ?」
「お前、門限何時までだっけ?」

 きょとん、としている佳奈美
 その可愛らしい顔に笑いかけ……つないでいた手を、一旦放し
 腕を絡め、より密着するような状態で、手をつなぎなおした
 一旦、落ち着いていた頬の色が、再び紅潮していっている

「……どうせなら、ギリギリまで一緒にいたいから、な」

 耳元で囁き、そのまま、赤くなった可愛らしい頬に口付ける
 一瞬で、耳まで赤くなった
 言葉を紡ぎだそうとして、しかし、声にならず、ぱくぱくしているその口に、そのまま口付けてしまおうか、と考える
 人目はあるが、知った事か
 佳奈美が自分のものであると、はっきりと示せる事は良い事だ

 今日は、せっかくのクリスマスなのだから
 いつもより愛し合っても、罪ではないだろう

 そう考え、宏也は真っ赤になっている佳奈美を見つめながら、幸せを噛み締めて笑うのだった





fin




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