日も落ちてきた学校町をパレードを引き連れて見て回る影が一つ。
「フン」
彼女は時折響く雷鳴に眉をしかめる。
「あの祟り神め、せっかく≪組織≫とやらの戦力を削る祟りに乗ってやったというのに、静観していればいいものを、私に刃向うか」
何度も何度も切り裂かれていた己の手駒のことを思い出し、彼女は憎々しげに呟く。
「まあ、この小娘が私の支配下に完全に入る最後のひと押しとして祟りを利用させてもらったがなぁ」
直後、彼女は陰鬱で老獪な嗤いをその顔に浮かべる。
「まあいい、アレも明日には私の国の住人だ」
嗤う嗤う、彼女の顔が浮かべることができるとは思えないほどの醜悪な笑みを。
彼女、いや――彼は、ただただ嗤っていた。
「フン」
彼女は時折響く雷鳴に眉をしかめる。
「あの祟り神め、せっかく≪組織≫とやらの戦力を削る祟りに乗ってやったというのに、静観していればいいものを、私に刃向うか」
何度も何度も切り裂かれていた己の手駒のことを思い出し、彼女は憎々しげに呟く。
「まあ、この小娘が私の支配下に完全に入る最後のひと押しとして祟りを利用させてもらったがなぁ」
直後、彼女は陰鬱で老獪な嗤いをその顔に浮かべる。
「まあいい、アレも明日には私の国の住人だ」
嗤う嗤う、彼女の顔が浮かべることができるとは思えないほどの醜悪な笑みを。
彼女、いや――彼は、ただただ嗤っていた。
「さて、」
直後、彼女から陰鬱で醜悪で老獪な気配が消え失せる。
「――あれ?」
彼女はハッと気づいたように辺りをキョロキョロと見まわす。
「私、何か言ってた?」
彼女の問いにパレードは答えることはない。
「んー?」
彼女は数瞬考え、しかし――
「まあいいや」
そう呟くと辺りを見まわす。
彼女の視界に映るのは町全体を囲むような結界、他にもいくつかの結界といくつかの戦火。
今も彼女の居るビルの隣からは笛の音が聞こえるし、なにか大きな人型の建造物も動いている。
「結界かぁ」
再び辺りを見回し、
「結界は、邪魔、だよね」
両手を手を大きく広げ、
詠う
「ねぇ、みんな。知ってる? ≪夢の国≫はね?」
直後、彼女から陰鬱で醜悪で老獪な気配が消え失せる。
「――あれ?」
彼女はハッと気づいたように辺りをキョロキョロと見まわす。
「私、何か言ってた?」
彼女の問いにパレードは答えることはない。
「んー?」
彼女は数瞬考え、しかし――
「まあいいや」
そう呟くと辺りを見まわす。
彼女の視界に映るのは町全体を囲むような結界、他にもいくつかの結界といくつかの戦火。
今も彼女の居るビルの隣からは笛の音が聞こえるし、なにか大きな人型の建造物も動いている。
「結界かぁ」
再び辺りを見回し、
「結界は、邪魔、だよね」
両手を手を大きく広げ、
詠う
「ねぇ、みんな。知ってる? ≪夢の国≫はね?」
――常にその領土を拡げているんだよ?――
●
町に≪夢の国≫の契約者の姿を探し始めてもう何時間経っただろうか、未だに黒服や住人しか発見できない。
「ちっ」
本命を見つけられないまま、俺たちはいつの間にやらパレードに囲まれていた。
「やっかいですね」
「まったくだ」
「みんなわるいひとなの?」
「悪い奴だな」
Tさんは手を突き出して構えを取る。そこへ、
「寺生まれの御仁とやらはお前か?」
声が聞こえ、霧が周囲を包み込んだ。
そしてパレードをなんなく切り裂いて女が現れた。
「なんだ?」
暗色のスーツに黒い外套を羽織った女だった。
髪は短めの金髪、瞳の色はきれいな緑色、顔立ちはなんというか、美人。宝塚にでもいたらスター確定じゃないかという風貌。
「お姉ちゃんすごいの」
確かにすげえ、とんでもない強さだ、あの姉ちゃん。
「寺生まれというのなら俺のことだろうな。誰?」
「私は、ジャック、ジャック・ザ・リッパー。カシマの知人だ」
「カシマさんの?」
頭にあの軍人さんの姿が浮かぶ。姉ちゃん――ジャックはうなずくと、
「邪魔だな」
メスを投擲し、更にジャック自身が刃を振るう。
近づく住人の手を斬り落とし足首を切断し首を刎ねる。
次々と刃を振るい、程なくパレードは全滅する。
「ふん、どうせどこからか甦るのだろうがな」
つまらなそうに吐き捨て、姉ちゃんは振り向く。
「カシマから聞いた。≪夢の国≫を倒そうとする馬鹿がいるとか」
「いやぁ、照れるね」
「助言だ」
Tさんの軽口を聞き流し、姉ちゃんは用向きを伝える。
「パレードの櫓、アレを攻撃すれば彼等は一度修理に人員を割く、基本弱い黒服には有用な情報だろう、広めておけ」
聞いたTさんはすぐに黒服さんに視線を向ける、黒服さんは携帯端末を取り出し、
「わかりました、広げておきます」
言うと、すぐさまどこかに連絡を入れる。
「それと」
「?」
こっちの様子を見ていたジャックはその言葉を発すると数秒躊躇するように口ごもると、
「カシマの……その、好きな……ものとか……弱点とか、知らないか?」
そんなことをのたまった。
ガラリと雰囲気を変える人だ。流石切り裂きジャック。
アイコンタクトが開始される。
「ちっ」
本命を見つけられないまま、俺たちはいつの間にやらパレードに囲まれていた。
「やっかいですね」
「まったくだ」
「みんなわるいひとなの?」
「悪い奴だな」
Tさんは手を突き出して構えを取る。そこへ、
「寺生まれの御仁とやらはお前か?」
声が聞こえ、霧が周囲を包み込んだ。
そしてパレードをなんなく切り裂いて女が現れた。
「なんだ?」
暗色のスーツに黒い外套を羽織った女だった。
髪は短めの金髪、瞳の色はきれいな緑色、顔立ちはなんというか、美人。宝塚にでもいたらスター確定じゃないかという風貌。
「お姉ちゃんすごいの」
確かにすげえ、とんでもない強さだ、あの姉ちゃん。
「寺生まれというのなら俺のことだろうな。誰?」
「私は、ジャック、ジャック・ザ・リッパー。カシマの知人だ」
「カシマさんの?」
頭にあの軍人さんの姿が浮かぶ。姉ちゃん――ジャックはうなずくと、
「邪魔だな」
メスを投擲し、更にジャック自身が刃を振るう。
近づく住人の手を斬り落とし足首を切断し首を刎ねる。
次々と刃を振るい、程なくパレードは全滅する。
「ふん、どうせどこからか甦るのだろうがな」
つまらなそうに吐き捨て、姉ちゃんは振り向く。
「カシマから聞いた。≪夢の国≫を倒そうとする馬鹿がいるとか」
「いやぁ、照れるね」
「助言だ」
Tさんの軽口を聞き流し、姉ちゃんは用向きを伝える。
「パレードの櫓、アレを攻撃すれば彼等は一度修理に人員を割く、基本弱い黒服には有用な情報だろう、広めておけ」
聞いたTさんはすぐに黒服さんに視線を向ける、黒服さんは携帯端末を取り出し、
「わかりました、広げておきます」
言うと、すぐさまどこかに連絡を入れる。
「それと」
「?」
こっちの様子を見ていたジャックはその言葉を発すると数秒躊躇するように口ごもると、
「カシマの……その、好きな……ものとか……弱点とか、知らないか?」
そんなことをのたまった。
ガラリと雰囲気を変える人だ。流石切り裂きジャック。
アイコンタクトが開始される。
(どう思う?)
(それは、きっと彼女は好いているのでしょう。カシマさんを)
(お姉ちゃんあのひとのこいびと?)
(いや、まだ違うと思うぞ)
(きっと外堀から埋めていく作戦なのだろう)
(それは、きっと彼女は好いているのでしょう。カシマさんを)
(お姉ちゃんあのひとのこいびと?)
(いや、まだ違うと思うぞ)
(きっと外堀から埋めていく作戦なのだろう)
この間一秒。
「ああ、契約者と彼の弟子になっている輪少年、ルーモアやマスターのことは……好きだろうな」
「あと酒も好きそうだぜ」
「そうか」
ジャックは少し満足そうな、それでいて不満そうなとても複雑な顔をすると霧を濃く濃く展開させる。
「では、勝てることを祈っている」
「情報からなにから助かる。ありがとう」
どこかに立ち去ろうとするかのように背を向けたジャックにTさんが礼を言う。
「気にするな、≪夢の国≫の臓器の奪い方には気に喰わないところがあったのだ」
霧をまとった麗人はその言葉を残して、消えた。
「ああ、契約者と彼の弟子になっている輪少年、ルーモアやマスターのことは……好きだろうな」
「あと酒も好きそうだぜ」
「そうか」
ジャックは少し満足そうな、それでいて不満そうなとても複雑な顔をすると霧を濃く濃く展開させる。
「では、勝てることを祈っている」
「情報からなにから助かる。ありがとう」
どこかに立ち去ろうとするかのように背を向けたジャックにTさんが礼を言う。
「気にするな、≪夢の国≫の臓器の奪い方には気に喰わないところがあったのだ」
霧をまとった麗人はその言葉を残して、消えた。
――warning!――warning!――
学校町秋祭り二日目午後四時半頃をもって≪夢の国≫の勢力に結界侵食、領土上書きの能力が付加されました。
・一発で破壊みたいなことはできませんがガリガリ削って行きます。
・各種結界内の安全性が絶対ではなくなりました。
・一種の空間、異郷を作り出す能力もその力が激減します。
・一発で破壊みたいなことはできませんがガリガリ削って行きます。
・各種結界内の安全性が絶対ではなくなりました。
・一種の空間、異郷を作り出す能力もその力が激減します。
・櫓への攻撃による一時的な≪夢の国≫の戦力減少の情報が黒服を通じてほぼ町全体にもたらされました