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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 三面鏡の少女-84

最終更新:

Elfriede

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三面鏡の少女 84


翼を切り裂かれた淫魔が、地面目掛けて落下していく
抱えていた女はともかく、あの淫魔がその程度で死ぬはずはないが、ダメージを与え足を鈍らせる事ができる
あとは確実に追い詰めて止めを刺すだけ
話に聞いたほどではない楽な相手だ
そうほくそ笑み、落下する影を見失わないよう追おうとしたその時
淫魔に抱かれた女と目が合った
その目に湛えられた光の色は、畏怖でも困惑でもなく、強烈なまでの殺意
「先生に、何をしてやがる……こん畜生がァッ!」
繰の怒号と共に髪の毛が膨れ上がり、アブラクサスの足に強引に絡みついた
「なっ、あぁっ!?」
二人分の落下エネルギーをもろに受けて、ぐんと地面に向かって引き摺り下ろされるアブラクサス
「お前が、落ちろぉっ!」
「ひぁっ!? ば、馬鹿めっ! 私を掴まえたところで、先に落ちるのはお前達だっ!」
落下に抗おうとさせて落下速度を軽減させる
そんな策だろうと高を括り、引かれるままに二人と共に落下していくアブラクサス
相手が地面に激突した瞬間に自分が上昇すれば、重量ではなく落下の勢いを殺すだけでいい
「そのまま地面に叩きつけられて、踏まれたカエルのように潰れてしまえっ!」
「そいつぁこっちの台詞だ……こんのクソ野郎がぁっ!!!」
女子にあるまじき罵声と共に、繰の髪の毛がうねる
「え、ちょ!?」
アブラクサスの身体が思い切り引っ張られる
落下の力に繰の力、そして遠心力を加えた勢いに、アブラクサスはさしたる抵抗もできず
凄まじい勢いで電柱に叩きつけられた髪の毛が、勢いそのままに巻きついていき
「ごえぷっ!?」
その髪の毛に掴まれたままだったアブラクサスは、捻り潰されるような形で電柱に叩きつけられて、カエルが潰されたような悲鳴を上げ
繰はそのまま髪の毛の長さを調節しながらくるくると電柱に巻き付けていき、ディランと共にゆっくりと地面の上に降り立った
「繰ちゃん、その……こんな時になんだけど、言葉遣いはちょっと直した方が良いと思うよ」
「こういう性分なのよ。大事な人を守るのに、形振り構ってなんかいられるもんですか」
電柱に絡みついた髪の毛を解く繰の眼前に、電柱に叩きつけられたアブラクサスがべちゃりと落ちてくる
「こ、のアバズレが……悪魔がこの程度でくたばるとでも」
「思ってないわよ」
がばりと顔を上げたアブラクサスに迫り、その全身を押さえ込む無数の髪の毛の拳
「先生も居るし、そうね……ごめんなさい、って言えば許してあげるわ」
「何を馬鹿な事を言っている? 悪魔が謝罪など口にするはずが」
ぱぐん、と
軽快な音を立てて髪の毛の拳が鶏の頭にめり込んだ
「ごめんなさい、は?」
「ふざけるん」
ごきん
「ごめんなさい、は?」
「言うわけが」
めこり
「ごめんなさい、は?」
「あ、あの、ちょ」
ごきん
「ごめんなさい、は?」
「ちょっと、待っ」
べきん
「ごめんなさい、は?」
「ご、ごめ」
ごきゃり
「ごめんなさい、は?」
「い、今言おうと」
ぐちゃ
「ごめんなさい、は?」
「繰ちゃん、もう止めてあげて」
「……こいつは私達を殺そうとしたのよ? しっかり骨の髄まで、私達に逆らうとどうなるのかを」
「気絶してるよ、もう」
気が付けば、既にアブラクサスは砕けたアスファルトの上でぐったりとしており、その様子には演技らしいところも無い
「他にも追っ手がいるかもしれない。早くここを離れよう」
「……先生がそう言うのなら」
繰は髪の毛をしゅるりと元の長さに戻し、絡みついた砂埃やアスファルトの破片を払い落とす
「繰ちゃん、こっち」
「ふぁ!? ちょ、ちょっと、一人で走れるわよ!?」
何の躊躇も無く繰の手を握り、その手を引いて駆け出すディラン
顔を真っ赤にして抗議する繰だが、ディランはより強く手を握る
何時まで、何処まで逃げるのか
今の時点ではそれは誰にも判らないのであった


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