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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 三面鏡の少女-85

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Elfriede

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三面鏡の少女 85


「『邪魔だ、退け』っ!」
 その声には何故か抗い難い力があった
 だが、その力はまだまだ未成熟である事も容易に感じ取れる
 ぱちんと弾けるように金色の粒子がエイブラハムの身体から払い落とされた
「『組織』の者ですか?」
「一応な」
 ほんの一瞬だけ、気を逸らす程度には力の影響はあった
 その隙に、怯えたように身体を丸めて悲鳴を上げているニーナの元へと星は辿り着く
「だけどな、そんなのは関係無ぇよ。どっちかってーと家族だからな」
 狂ったように泣き叫ぶニーナの手を取り、身体を引き起こして強引に抱き締める
「聞け、ニーナ! 俺はお前に何があったか知らないし、聞くつもりも無い! 辛い事があったのなら、それを吹っ切らせてやる事も忘れさせてやる事も出切る!」
 悲鳴と慟哭で彩られた声で、掻き消されているのかもしれない
「だけど、俺はそれはしない! 高いところが恐いからと目隠しをして、いつ足を踏み外すか解んねぇ状態になんかできるか!」
 既にその心は壊れており、外からの声などとうに届かないのかもしれない
「いつかは乗り越えなきゃいけない事が、誰にだってある! 一人では無理でも信じられる誰かと一緒なら、乗り越えられない事なんか無い!」
 ニーナを抱く腕に力が篭る
「誰かの為に頑張れる真っ直ぐなお前なら、自分の為にだって頑張れる! 俺はそう信じてる! だからお前も!」
 今にも壊れ落ちそうな狂おしい顔をしたニーナを、真っ直ぐに見詰めて
「自分を信じろ! 俺が信じてる、お前の力を、意思を、強さを、一緒に信じろ!」
「いけませんね、他所の組織の事情に首を突っ込んでは」
 ぞわりと背中を駆け巡る悪寒
 すぐに背後に迫ったエイブラハムが何かをしようとしているのを察知して、星はニーナを抱えて大きく跳び退る
「最初に放った力から察するに、『言霊』か何かの使い手ですね。その力でニーナの事を支えようと?」
「言っただろう? ニーナの事を俺の力で解決するつもりは無いって」
 抱いたニーナを道の傍らに座らせ、星はエイブラハムに向けて、んべ、と舌を出す
「ニーナはお前らが思ってるほど弱か無ぇよ。他人の足元すくって喜んでるバカがちょっかい出さなきゃ、何度転んだって立ち上がって前へ進めるさ」
「あなたにニーナの何が解ると? 長年彼女と共に同じ組織で過ごしてきた私以上に、彼女を知っているとでも?」
「その言葉、そっくり返してやるよ。理解ってのは長さじゃねぇ、密度だ」
 星の舌に、ばちりと黄金色の火花が散る
「ニーナの邪魔をするんだったら……覚悟しとけよ、エセ聖職者」


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