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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - ドクター-101

最終更新:

Elfriede

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ドクター101


 しんしんと雪が降り積もる中
 やや大きめのダッフルコートにパステルカラーの手袋とマフラー、ゴーグルつきのウィンターキャップという完全防備で雪の中をよちよちと歩くメイ
 その隣をフードつきのロングコート姿で、ポケットに手を突っ込んで歩いていた沙々耶が心配そうな顔をしている
「大丈夫? クールトー以外のリードなら持つよ?」
 護衛や連絡役を兼ねた俊敏で大柄な猟犬が中心の編成のため、雪に足を取られていると速度で負けてしまうようだ
 見かねた沙々耶がそう声を掛けると、クールトーがふんと鼻で笑い沙々耶の方へと擦り寄っていく
「くーるとー、ささやのほう、いい、ですか?」
 わふ、と肯定の声を上げて頷くクールトーの顔には、犬らしからぬ笑みが浮かんでいたのだが
「くーるとー、ほんとうに、ささや、すき、ですね」
「いや違うからそれ! 絶対いじめだから! トラウマほじくって遊んでるだけだから!」
「くーるとー、こわくない、ですよ? なかよくする、いいこと、です」
 相変わらず長い髪で目元は見えないが、口元だけでその笑顔が見て取れる
「うぅ……お手柔らかに」
 諦めたようにクールトーのリードを怖々と握る沙々耶
 その瞬間
「ひぇぁっ!?」
 ぴくんと鼻先を上げたクールトーが、もの凄い勢いで雪を蹴散らし走り出した
 丁度リードを手首に掛けていた沙々耶はそのまま引っ張られ、雪の積もった地面の上を滑るように引き摺られていく
「くーるとー、どうした、ですか?」
 首を傾げたメイのコートの裾を引き連れた犬達の一匹、ボルゾイがぐいと引っ張る
 メイがそちらを見ると、視線を促すように顔を空に向ける
「とり……ちがう、ひと、です?」
 吠える犬達にメイはこくんと頷き、クールトーと沙々耶が駆けて行った方角へ向かい走り出した

―――

 積もった雪のお陰で怪我は免れたものの、雪まみれでぐでぐでになった沙々耶はクールトーの吠え声に急かされるように起き上がる
「私の事、どれだけ苛めれば気が済むのよもう……」
 ふらふらと立ち上がったところで、クールトーが吠える先に転がった二つの人間の姿を見つける
「へ? これ……生きてるの?」
 元悪魔らしいドライな反応をしつつも、雪に埋もれるように倒れている二人の元へと駆け寄っていく
 肌はまだ温かく、長時間倒れていたような様子ではない
「というか……女の子の方、これ今町で騒ぎを起こしてる『教会』のヤツじゃないの? 服装からしてそうじゃない」
 カソックにべったりとついた血の染みは、どうやら本人のもののようだ
 首筋にはスカート部分を切ったらしい布が巻かれており、手当ての痕跡が見て取れる
「突然起き上がって、悪魔は死ねーなんて襲われないわよね……」
 今の沙々耶は完全にただの人間であるため、そのような事は無いと思われるのだが
 それでも不安は不安なようである
「診療所に行って、人手を借りた方が良いかな?」
 その言葉に反応してか、クールトーは診療所に向かって駆け出した
 当然ながら沙々耶の腕に絡まったリードはそのままに
「ひにゃあぁぁぁぁぁぁぁっ!? やめっ、とまっ!? たーすけてー!?」
 クールトー当人としては、人語を話す事ができないので状況を伝えられる人間を連れ回しているだけで、別段苛めているつもりは無い
 とりあえず今は無いという事にしておく
 そして、一匹と一人とその悲鳴が診療所に向かっていったのと入れ違いに、メイと犬の群れが現場に到着し
 それから数分遅れてドクター達が現場に現れる
 そこでドクターが見たのは、倒れた少年をどうにか運ぼうとしたのか、少年の身体と雪の間に挟まれて、じたばたともがいているメイの姿だった

―――

「ボクは少女の方の処置を済ませる。応急処置はしてあるが首の傷が酷い」
 手術着を纏いストレッチャーに乗せた少女と共に手術室へと駆け込んで行くドクターとメアリー
「そちらの少年は、外傷よりも体力の消耗が激しいようです。まず回復のためにこれを」
 同じく手術着姿のミツキが、硝子瓶に入った不思議な色の液体をいくつかデリアに預ける
「こちらは塗り薬、外傷のある部分に塗布して下さい。こちらは飲み薬、水差しを使って少しずつで構いませんので飲ませてあげて下さい」
「了解です。メイちゃん、彼をベッドに運びますので処置を手伝って下さい。沙々耶さんは……」
「ご、ごめ……少し……休ませ……」
 散々引き摺りまわされてズタボロになった沙々耶は、息も絶え絶えといった様子で長椅子に突っ伏していた
「わかりました。とりあえずそこで犬達の様子を見ててあげて下さい。他の患者さんが来たら呼んで下さいね」
 そう言ってデリアは、メイに硝子瓶を預けると裂邪の身体をぐいと担ぎ上げる
 見た目は幼くても軍人であり、相応の訓練と教育を受けているのだ
 やや不安げに、赤く点灯した手術室のランプを見ているメイに、デリアが笑いかける
「大丈夫ですよ。ドクターが女の子を助けられないはずがありません」
 さも当たり前のようにそう言ってのけるデリアと、まだ不安こそ残るものの、なんとか笑顔を作って頷くメイ
 二人は人目を避けて入院用の病室へと裂邪を運び、全身の外傷を確認するべくその服を引っぺがすのであった


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