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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 那由多斬-05

最終更新:

Retsuya

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だれでも歓迎! 編集
「1・・・2・・・3・・・・うーん、今日は少ないなぁ」

血に塗れた剣を無邪気に振り回しながらそう呟くのは、小学校中学年程の少年
その足元には、数分前までヒトだった物が無残にも転がっている
紅く染まっていて且つ切り刻まれていて分かりにくいが、
服装から察して、男性1人、女性2人だと判断できる
女性の内、片方はまだ子供だったようだ

「ハァ、家族に紛れて突然―――っていうパターンはもう飽きちゃった
  他に面白そうな遊びはないかな・・・?」

つん、つん、と切っ先でしわくちゃのスイカ大の肉塊を突付いて転がしている
よく見ればそれは、手足や頭、胴体など、人体を構成するものが全て揃っていた
ただ一つ、腹部から伸びる細い管のようなものを除けば

「あ、そうだ、能力を制限してみよっと
  最初は・・・「ティルヴィング」の祈祷を使わない、うん、これで決まり♪」

大きく頷くと、すぱぁっ!と太刀を振るい、胎児を真っ二つに切り裂いた
そして、4体の遺骸に背を向け、とことこと歩を進めた

「子供の方が動きやすいしね、それも男の子の方がしっくりくる
  暫くこの姿でいるのも悪くはないかも」

誰に言うでもなく、少年―――ナユタは呟きながら、闇に溶け込んでいった




彼は、まだ気づかなかった
自分がこれから、とある“組織”にマークされてしまうなどと





     †     †     †     †     †     †





ここは「組織」本部
廊下を歩き、ある部屋の扉の前で立ち止まり、数回ノックしたのは、黒髪の少年だった

「R-No.3だ、入るぞ」

返事も聞かずに扉を開けると、目に飛び込んだ光景に思わず溜息を吐く少年――R-No.3、栄 日天
目の前には、机の上に突っ伏した赤い髪の少女がいた
少女のすぐ傍に冷めた紅茶が置かれているところを見ると、かなり長い時間こうしていたのだろう

「・・・R-No.0、勤務中だ、起きろ」

呆れながら、日天は彼女の肩を持って静かに身体を揺すった
それでも、少女はぴくりとも動かない
ハァ、と尚一層大きな溜息を漏らすと、逆に大きく息を吸い、

「ローゼさん、頼むから起きてくれないk」
「―――――――――ですの・・・」

微かに、声が聞こえ、日天も安堵の表情を浮かべる

「ふぅ・・・ローゼさん、早速だが―――」
「どういうことですのぉ!?」

がばっ!!と突然起き上がったかと思えば、日天は少女の手で胸倉を掴まれていた
そのか細い腕の何処にそんな力があるのか分からないが、彼の足が若干浮いている

「あがっ、っちょ、ローゼさっ」
「ようやくルートちゃんとの一件を報告し終えたばかりだといいますのに、
  謎の辻斬り事件が世界各地で発生し始め、調査に乗り出したかと思えば、
  今度は謎の巨大兵器がヨーロッパを中心に出没して・・・
  これは陰謀ですの? ワタクシを過労死させる為の陰謀ですの!?
  「アメリカ政府の陰謀論」が、「組織」の上位ナンバーを確実に潰す為の作戦だとでも仰いますの!?
  もうこれ以上やったらワタクシの野性が理性を超えて世界を破壊しかねませんわぁ!!」
「お、落ち着けローゼさん、「アメリカ政府の陰謀論」はそんな地味な行動は起こさないだろ・・・」
「本当ですのね!? これはただの偶然だと仰るのね!?」
「そう、だから、はや、く・・・離せ・・・ゲホッゴホッ」

手を離すと同時に、どさっと力無く椅子に腰を下ろし、
少女――R-No.0、ローゼ・ラインハルトは、冷たいティーカップにゆっくり手を伸ばした

「大分、落ち着きましたの・・・申し訳御座いませんわね日天さッちべたい」
「ま、まぁ、あんたにとっては慣れないハードワークだろうからな・・・」
「でもワタクシ決めましたの、遊んでばかりでなく、真面目に勤務しようって!」

ガッツポーズを決めるローゼ
周囲が赤くきらきら輝いてるのは、彼女の能力の所為だ

「・・・で、さっきあんたが零してた事件なんだが」
「ん~? どちら、ですの?」
「後者だ。謎の巨大兵器なんだが、ある日を境にぱったり姿を見せなくなっている
  逆に、空中を航行する戦艦が目撃されたらしいが、たった一度だけで、被害はなかったそうだ」
「そうですの・・・一体、何が起こってるのかしら?」
「分からん、が、こちらは一応保留という形でも問題ないだろう」
「えぇ・・・あとは」

と、その直後だった

♪響き合うー 願いが今目覚めーてくー ゆずーrピッ!

「裂邪さん? ごきげんよ~♪」
《良かった、やっと繋がったよ。もしかして忙しかった?》
「いいえ、どうかなさって?」
《聞きたい事があってね・・・「組織」にさ、妙な事件の資料とか無いの?》
「妙な・・・例えば、どんな感じですの?」
《“人斬り”なんだけど、流石に多いかな?》

ぴくっ、とローゼの眉がやや動いた
ここ最近発生している『辻斬り事件』と、関係があるかも知れない・・・?
彼女は声の主――黄昏 裂邪の声が日天にも聞こえるように携帯電話を設定して、

「・・・詳しく、聞かせて頂けないかしら?」

日天と共に、耳を傾けた

《俺が出会ったのは、既に都市伝説に飲まれた多重契約者・・・ナユタ、って名乗ってたけど》
「ナユタ・・・聞かない名ですわね」
《うん、即興で考えたらしい。大勢の人を切り殺したいなんていう馬鹿げた夢を持った狂人だ》
「ここ最近発生した辻斬り事件も、多くの犠牲者を出している・・・関連性はありそうだな」
「どんな都市伝説と契約しているかはご存知?」
《あぁ、でも俺が知ってるのは4つだけだ。幾つと契約してるのか分からないが》
「教えてくださらない? 出来れば、能力の詳細もお願いしますわ」

「OK」、と返事をすると、裂邪は受話器の向こうで一息吐き、再び話し始めた

《まずは「ティルヴィング」・・・あいつの主力となる都市伝説だ》
「・・・確か、北欧神話の魔剣だったな」
「3つの願いを叶えるけれど、持ち主に破滅が訪れる・・・という話だったかしら?」
《あぁ、能力も神話と全く同じで、3つの願いを叶えられるし、
  その剣の鋭さまで神話通りときたもんだ。まぁ、大した願いは叶えられないらしいが》
「でもお待ちになって、“3つの願いを叶えられる”ことを確認なさったの?
  ならその持ち主は既に――――――」
《そこなんだ、あいつの厄介なところは》
「え?」
《もう一つの都市伝説、並びにあいつの本体になってる「憑依霊」
  都市伝説やその契約者以外の一般人に取り憑いて、その身体と意思を乗っ取る
  それだけなら良いけど、あいつは宿主の“言葉”まで操るんだ》
「・・・お、おい、それって・・・」
《あいつは「ティルヴィング」に、一度も自分の願いを唱えてない
  乗っ取った人間の言葉を借り、“他人として”願いを叶えてもらっている。当然、3つ叶えればその宿主が・・・》
「それが・・・人間のなさる事だと仰いますの?」

静かな怒気を篭め、ローゼが口を開く

《俺は、あの野郎を人間とすら認めちゃいねぇよ。正しく現代に生きる悪魔・・・まぁ、半分死んでるようなもんだが
  おっと、残り2つも言うぞ》
「えぇ」
《「エルクレスの塔」と・・・最後のは従兄弟から聞いたんだが、「ヴァルプルギスの夜」らしい
  前者は光を反射して熱線を放てて、後者は炎の壁で自分を害する者を拒絶する能力みたい》
「・・・ん?「エルクレスの塔」にそんな都市伝説あったか?」
《「アレキサンドリアの大灯台」をモデルにしてるから、それを模倣できるんだと思う
  威力とか落ちてるんじゃないか? 俺は本物に出くわした事ないから知らないけど》
「「ヴァルプルギスの夜」も、油断すれば近づけなくなりますわね・・・
  逃げることも容易になってしまいますわ」
《実際、それで俺も従兄弟も逃げられてる・・・》

小さく舌を打つ音が、向こうから聞き取れた
ローゼは、んー、と唸りながら、顎に人差し指を当てて考え込んでいる

「・・・それで、全部でしたかしら?」
《俺が知る限りは、ね。でも、最低5つは契約してると思う》
「その根拠は?」
《「ティルヴィング」だよ。俺が最初にあいつと出会った時、何も持ってなかった
  けど俺に襲いかかった時は、突然湧いてきたかのように、あいつはそれを手にしていた
  だったら、剣を隠し持てるような能力がある筈だ》
「なら、異空間系だと考えるのが妥当だな。もし一連の事件と関連があるなら、範囲は世界全体だ
  瞬時に遠方へ移動できるような、例えば「シャドーマン」とかな」
「となると、捜査範囲を拡大しなければなりませんわね・・・
  ご報告感謝致しますわ裂邪さん、後はワタクシ達「組織」が―――――」
《待って》
「?」
《ちょっと、考えがあるんだ・・・情報あげたんだから、聞くだけ聞いてくれないかな?》





     †     †     †     †     †     †





数分後、公園にて――――

「一応、俺は今夜にでもできると思ってるんだが」
《・・・ワタクシとしては、民間の方に、それもお友達を巻き込みたくはないのだけれど
  貴方がどうしてもというのなら、協力致しますわ》
「ごめんなローゼちゃん、いつも我侭ばっかり言って」
《お気になさらないで。ワガママは、ワタクシ達も常に言ってますの》

ッヒヒ、と小さく笑う裂邪
恐らく彼女は「幼気」のことを言ってるのだろう

「・・・多分、俺の我侭はこれで最後だから」
《え?それはどういう》
「じゃ、そろそろ切るわ。また後で」

ピッ、と通話を切ると、彼は携帯電話をポケットに入れて歩き出す
黒い制服が橙色に染まる程に陽が落ち、周囲の民家からぽつぽつと灯りが見え始めた

「・・・ハァ」

裂邪は大きく溜息を吐くと、沈みゆく黄昏時の太陽を眺めながら、

「いい加減・・・“ローゼちゃん達の我侭を聞く側”にならないとなぁ・・・」

ぽつり、呟いた

   ...続

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