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「都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達……」 まとめwiki

連載 - 我が願いに踊れ贄共・咎負い人-11b

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だれでも歓迎! 編集
 雪が、振る
 街が白く染め上げられていく

 溶けた雪も、すべて隠していって
 そこで行われた戦闘の跡も、完全に隠してしまう


 そこで戦闘行為を行っていた者達は、もう、そこには誰もいない
 すべての痕跡は消えうせ、隠されてしまったが故に………そこで戦闘行為が行われた事実に、誰も気づくことはないだろう



 やや離れた、人気のない路地裏にて

「っ!!」

 だん!と、カイザーの体が壁に叩きつけられた
 ぎり、と、そのまま首を絞められ……カイザーは、苦しげに眉を寄せた

 カイザーを見下ろすメルセデス
 その視線は、氷のように冷たく、刃のように鋭い

「ったく、いいところを邪魔しやがって………まぁ、あれはあれで楽しかったけどな」
「……っあなたと、言う人は………!」

 首を絞められ続けながらも、カイザーはメルセデスを睨みあげた
 カイザーのそんな様子に、きゅう、とメルセデスは邪悪に笑う

「っあのままでは、あの少年………自らの契約する存在に、「飲まれて」いましたよ!?あそこまでする必要は……」
「別にいいだろ。餓鬼の一人や二人」

 人間が、子供が一人や二人どうなろうが、知ったこっちゃない
 そんな様子だ

「に、しても……お前も馬鹿だよなぁ?カイザー」

 ぎり、と
 カイザーの首を絞める手に、力がこもる
 首筋に食い込んでくる指の感触に、カイザーは小さくうめいた

 カイザーが苦しむ、その様子すら
 メルセデスは、楽しげに見下ろすのだ

「どうせ後で、この街、焼き尽くすんだぜ?あそこであの餓鬼共が生き延びたとしても……どうせ、後で死ぬんだ」

 ぐ、と
 メルセデスは、カイザーの顔を間近で覗き込む
 残酷な笑みを浮かべて、残酷に、告げる

「なぁ?カイザー…………この街は、お前が焼き尽くすんだからな?」
「------っ」

 さぁ、と
 顔を青くするカイザー
 けらけらと、メルセデスは嘲笑う

「おいおい、どうしたぁ?まさか、忘れた訳じゃねぇだろうなぁ?エイブラハム様が探しものを発見したら……手に入った、入らない問わず、この街を焼き尽くす…………それを行うのは、お前だ。そう言われていただろ?」

 街を
 学校町全てを、焼き尽くす

 ……カイザーには、それができる
 できるだけの能力を、持っている

 故に、カイザーは命じられている
 今回の任務にて………この学校町を焼き尽くすように、と

 わかっている
 忘れているはずがない
 だからこそ……監視の目をかいくぐりできる限り、接触できた相手に、学校町から逃げるよう、伝えているのだから

「…忘れてなど……いませんよ」
「そうか、なら、いいんだけどなぁ?」

 くっくと、笑うメルセデス
 首を絞める力が、ほんの少し、弱まる

「……まぁ、お前がやらないなら、俺が学校町を凍りつかせるだけだけどな?」

 カイザーが、何らかの理由で街を焼き尽くせなかった時
 その時は、メルセデスがその能力でもって、街を凍りつかせる

 それもまた、今回の任務での確定事項
 学校町の住人達は……この二人を完全に封じ込めない限り、命の安全は保障されないのだ

 いや

「あぁ、待てよ?もしかしたら、レティが命じられる可能性もあるかもな。彼女の力でも、十分に神の裁きは演出できる」
「っ!?」
「それとも、リュリュとマドレーヌかね?俺達がやるよか時間はかかるが、あの二人なら焼き尽くす事も、凍りつかせる事も……なんだったら、消滅させる事もできるしな?」

 どんどん、どんどんと青ざめていくカイザーの表情を、メルセデスは嘲笑って見下ろす
 次にカイザーが口にするであろう言葉も、すべて予測済みだ

「あ………あの子達が、裁きを行う必要など、ないでしょう!?あの子達は、まだ、子供ですよっ!?」
「あぁ、まだ餓鬼だな……だが、カイザー。あいつらだって、とっくに血塗れだぜ?俺達みたいにな」

 そう
 レティも、リュリュも、マドレーヌも
 あの子供達は、すでに血塗れ
 いや

「……俺達と同じで、罪にまみれているんだぜ?」

 罪を犯してしまっている
 殺人という罪を
 何も知らずに、ただ無邪気に、正しいことであると信じて

「わかってるだろ?なぁ!?どうせ、遅いんだよっ!!あいつらだって、とっくに罪人なんだ、お前と同じなんだよ、なぁ、カイザー!!」


 同じ?
 いや、違う
 自分の方が、ずっと罪深い

 あの子達が罪を犯すことを止められなかった
 ただ、見ている事しかできなかった
 自分の方が、はるかに、はるかに…………罪深い


「善人面するなよ?カイザー……お前達は罪人だ。お前達が信じる狭量な神は、お前達を救いやしない」

 ぎり、と
 また、首に指が食い込む力が強まる

「罪に塗れたお前達を、お前達が信じる神は救いやしない。信じる者は救われる?……んな訳ねぇだろ。あいつは、自分を信じる者以外はぜぇんぶ見捨てる狭量で冷酷で残忍な野郎で、しかも、自分の事を信じる奴だって平気で見捨てる鬼畜野郎だぜ?」

 冷たく、冷たく、冷たく
 言葉の刃が、突き刺さる

「……お前達のような存在を救えるのは、俺達だけだ…………堕ちろよ?「デストロイヤー」。お前が堕天しても、誰も責めやしねぇって」
「…私、は………」

 悪魔の誘い
 強い誘惑が、目の前にさしだされる

 ぎりぎりと、首を締め上げられながら
 …目の前に差し出される誘惑から、カイザーは目を背ける


 確かに、堕ちれば楽だろう
 己が抱える悩みも、罪悪感も、何もかも、捨ててしまえれば
 どれだけ、楽になれるだろうか?

 だが
 それは、決して許されない
 自分は、どこまでも罪深いのだから
 この存在が消えうせる、その瞬間まで、この罪を背負い、償い続けるべきなのだ
 ……たとえ、償うことが許されなかったとしても、それでも………


 す、と首にかけられていた手が、離れた
 げほげほと酸素を吸い込むカイザーを、メルセデスは楽しげに見つめる

「まぁ、いいさ。もっともがいて見せろよ。俺を楽しませろ…………獲物は堕ちる直前まで、もがいてくれた方が活きが良くて楽しいしなぁ?」

 カイザーを見下す、メルセデスの瞳が…………一瞬、猫のように、鋭くなる

「さて、ご命令通り、学校町をうろつこうじゃないか………「俺達が学校町に来ている事を大々的にアピールする為」に、な」
「…………」

 けらけら笑いながら、メルセデスはカイザーから離れていく
 棺桶を引きずり、路地裏から姿を消した

 ……そっと、カイザーは己の首に触れた
 先ほどまで、片手で強く絞められ続けていた首
 その前には、小さく傷つけられ、血を流していた首

 その、傷痕も
 首を絞めてきていた指の痕も
 もう、どちらも残っていない

 半ば、己が契約している存在に飲まれているカイザー
 人の理からは外れた存在であるが故、治癒能力が高まっている
 ……あの男に脅されていた証は、全て、消え失せた
 だが、突きつけられた言葉の刃は、カイザーの心にざっくりと突き刺さったままだ


 この街を
 学校町を、焼き尽くすのは
 ……自分の、役目

「………それでも」

 一人でも
 一人でも多く、この学校町から逃がすことができるならば
 一人でも、一人でも多く……救いたいのだ、と

 そう、願わずには、いられない



 その程度で、己の罪が許されるはずなどないのだと
 そう、わかりきっていながら、それでも、願う



 できる事ならば、学校町ではなく
 …………この身に、神の裁きを、と








to be … ?






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