ギザ十と幽霊少女とご先祖様と組織の狗 06
学校町北区に存在する、北山動物園。
その爬虫類コーナー、10m近い巨大なアナコンダの入った檻の前で俺はボヘッとした間抜け面で突っ立っていた。
チラリと、手元に持つ古ぼけた鏡を見ると十数メートル離れた場所にあるレッサーパンダの檻の前で
なにやら楽しそうにはしゃいでいる、ご先祖様と幽霊少女が見えた。
空を見上げる。
雲一つ無い青空、燦々と照らす太陽が眩しい。
「で、なんであんたはこんな場所にいるんだ?」
俺の隣に立つ、無表情を崩さない黒ずくめの女を半眼に見やりながら言う。
「それはこちらの台詞です、何故このような場所に?、しかも男1人で」
数日前から元担当だった黒服に代わり、俺の担当者となった女が逆に問いかけてくる。
周りを見ると、家族連れや、カップル、老人夫婦や、学校行事だろうと思われるリュックを背負った子供たちと引率の教師たちは見えるが。
野郎1人で休日の真っ昼間にアナコンダの檻の前で寂しく黄昏れる奴などは俺以外には居なかった…。
確かに、今日の俺の行動は端から見ると怪しかろう、「組織」が俺の行動を不審に思い黒服を寄越してくるのも当たり前の事かもしれない、
もっとも、実際には、二本足で直立するレッサーパンダを前にはしゃぎまくっている幽霊ズに強引に連れてこられたからと言う事情があったのだが…
しかし、その事を言う事はできない、「組織」は、ご先祖さまと幽霊少女の事を知らないのだ、そして今後も知られてはいけない。
あの二人は後々、俺が「組織」と敵対する際の「切り札」になり得る存在なのだから。
黒服の女の視線から逃れるように顔を背け、そこで丁度よく目のあった御仁に親指を指す。
「そりゃあ、こいつの様子を見に来るためさ、何せ俺が遙か遠いアマゾン川から召喚し、共に戦った戦友だ、彼のその後の生活も気になるというものだろう?」
顔の直ぐ横で、俺の言葉に応えるように檻の中の大蛇が鎌首をもたげ、チロチロと舌を出す。
さすがに良い訳臭いかと更なる追求を覚悟した俺だが、しかし、何故かそんな適当な俺の返答にも突っ込む事なく。
黒服女は少し青い表情で小さく呻き声を上げると、後ずさるように蛇と俺から離れようとする。
その爬虫類コーナー、10m近い巨大なアナコンダの入った檻の前で俺はボヘッとした間抜け面で突っ立っていた。
チラリと、手元に持つ古ぼけた鏡を見ると十数メートル離れた場所にあるレッサーパンダの檻の前で
なにやら楽しそうにはしゃいでいる、ご先祖様と幽霊少女が見えた。
空を見上げる。
雲一つ無い青空、燦々と照らす太陽が眩しい。
「で、なんであんたはこんな場所にいるんだ?」
俺の隣に立つ、無表情を崩さない黒ずくめの女を半眼に見やりながら言う。
「それはこちらの台詞です、何故このような場所に?、しかも男1人で」
数日前から元担当だった黒服に代わり、俺の担当者となった女が逆に問いかけてくる。
周りを見ると、家族連れや、カップル、老人夫婦や、学校行事だろうと思われるリュックを背負った子供たちと引率の教師たちは見えるが。
野郎1人で休日の真っ昼間にアナコンダの檻の前で寂しく黄昏れる奴などは俺以外には居なかった…。
確かに、今日の俺の行動は端から見ると怪しかろう、「組織」が俺の行動を不審に思い黒服を寄越してくるのも当たり前の事かもしれない、
もっとも、実際には、二本足で直立するレッサーパンダを前にはしゃぎまくっている幽霊ズに強引に連れてこられたからと言う事情があったのだが…
しかし、その事を言う事はできない、「組織」は、ご先祖さまと幽霊少女の事を知らないのだ、そして今後も知られてはいけない。
あの二人は後々、俺が「組織」と敵対する際の「切り札」になり得る存在なのだから。
黒服の女の視線から逃れるように顔を背け、そこで丁度よく目のあった御仁に親指を指す。
「そりゃあ、こいつの様子を見に来るためさ、何せ俺が遙か遠いアマゾン川から召喚し、共に戦った戦友だ、彼のその後の生活も気になるというものだろう?」
顔の直ぐ横で、俺の言葉に応えるように檻の中の大蛇が鎌首をもたげ、チロチロと舌を出す。
さすがに良い訳臭いかと更なる追求を覚悟した俺だが、しかし、何故かそんな適当な俺の返答にも突っ込む事なく。
黒服女は少し青い表情で小さく呻き声を上げると、後ずさるように蛇と俺から離れようとする。
「なんだ……黒服のくせに蛇が苦手なのか?」
「いえ、そうでもありませんが……」
言いながらも、かなり、そうでもありそうな様子の黒服女、「組織」の黒服のくせに妙に人間臭いところがあるな…。
「そうだな、別の場所に移るか、何処が良い?」
冷静冷徹無表情なはずの「黒服」の意外な表情を見てしまい、つい魔が差したのか俺は彼女に向かってそんな事を言っていた。
「別に、この場所でも私は問題はありません」
「そうか? まあ、でも俺も実は大型の爬虫類は苦手でな、そろそろ別の動物を見に行こうかと思っていたんだが」
「そ、そうですか、まあ貴方がそう言うのなら、ではそうですね、次はキリンさんの所にでも…」
一瞬、妙な沈黙が俺たちの間に落ちる
「では、そうですねキリンの所にでも行ってみましょうきゃ」
先ほどの言葉を無かった事にしようとしたのか冷静を装い静かな凛とした声で言い直し、しかし最後に盛大に噛んで失敗する黒服の女。
長い長い、とても長い沈黙。
蒼天の下、燦々と降り注ぐ木漏れ日を掻き分けるように清涼な風が吹く。
遠くから聞こえる、動物園を楽しむ子供たちの笑い声に目を細めながら俺は、隣で顔面を熱暴走させて完全にフリーズしている女に向かって優しく声をかけた。
「そうだな、じゃあキリンさんの所にでも行ってみようきゃ」
その言葉と吐いた瞬間、猛烈な勢いで脇腹に炸裂したレバーブローに倒れ悶絶する俺。
どうやら、「組織」の「黒服」たちは全て無感情な冷血人形という認識をこれからは改めねばならないようである…。
「いえ、そうでもありませんが……」
言いながらも、かなり、そうでもありそうな様子の黒服女、「組織」の黒服のくせに妙に人間臭いところがあるな…。
「そうだな、別の場所に移るか、何処が良い?」
冷静冷徹無表情なはずの「黒服」の意外な表情を見てしまい、つい魔が差したのか俺は彼女に向かってそんな事を言っていた。
「別に、この場所でも私は問題はありません」
「そうか? まあ、でも俺も実は大型の爬虫類は苦手でな、そろそろ別の動物を見に行こうかと思っていたんだが」
「そ、そうですか、まあ貴方がそう言うのなら、ではそうですね、次はキリンさんの所にでも…」
一瞬、妙な沈黙が俺たちの間に落ちる
「では、そうですねキリンの所にでも行ってみましょうきゃ」
先ほどの言葉を無かった事にしようとしたのか冷静を装い静かな凛とした声で言い直し、しかし最後に盛大に噛んで失敗する黒服の女。
長い長い、とても長い沈黙。
蒼天の下、燦々と降り注ぐ木漏れ日を掻き分けるように清涼な風が吹く。
遠くから聞こえる、動物園を楽しむ子供たちの笑い声に目を細めながら俺は、隣で顔面を熱暴走させて完全にフリーズしている女に向かって優しく声をかけた。
「そうだな、じゃあキリンさんの所にでも行ってみようきゃ」
その言葉と吐いた瞬間、猛烈な勢いで脇腹に炸裂したレバーブローに倒れ悶絶する俺。
どうやら、「組織」の「黒服」たちは全て無感情な冷血人形という認識をこれからは改めねばならないようである…。
さて、それからどれ程の時間が経っただろうか。
腹部に負った、強烈な鈍痛が何とか収まった頃、俯せに倒れていた身体を起すと
直ぐ隣にいたはずの、怒れる黒衣の雌獅子は影も形も無かった。
空を見上げると赤い空、すでに夕方となっていた。
「調子に乗って、怒らせ過ぎたか?」
あの程度で堪忍袋の緒がクラッシュするとは少々短気すぎると言わざるを得ない。
まあ、あの黒服が、真っ赤になって大いに焦る姿という世にも珍しい物もみれた事だしそれは大目に見る事にしよう。
さて、こうして倒れている間に手に握りしめていたため若干汗で湿った鏡の中を見ると、ご先祖様と幽霊少女が
俺の直ぐ近くで、なにやら妙な紙を広げて読んでいるのが見えた、何だ?
「あ、やっと起きた、おっそいわよ馬鹿、気持ち悪い仕草で何時間も地面の上をのたうち回ってるんじゃないわよ馬鹿」
打てば響くような罵詈雑言、それが今まで苦しんでいた人間に対する第一声かこの糞ガキ…怒りを通り越して何かに変身しそうです。
まあ、某太郎さんと違うので変身なんぞ出来ない俺は、幽霊少女のこめかみがある辺りに両拳を当ててグリグリと捻るように動かす。
相手は幽霊の為感触は無いが、幽霊少女自信には効果があるのか
「あうぐぐぐぐ、痛いたいたい…やめ、あたたたたっ!?」
などと意味不明な言葉を発しながら涙目になっている、ふむ、これってもしかしてエロイ事もできるんじゃね?
とか、アホな事を考えていると、どうやってか俺の煩悩を察知したのか、妙にドス黒い触手を俺の首に巻き付けながら
いつもの三割増しのニコニコ笑顔を向けてくる。
腹部に負った、強烈な鈍痛が何とか収まった頃、俯せに倒れていた身体を起すと
直ぐ隣にいたはずの、怒れる黒衣の雌獅子は影も形も無かった。
空を見上げると赤い空、すでに夕方となっていた。
「調子に乗って、怒らせ過ぎたか?」
あの程度で堪忍袋の緒がクラッシュするとは少々短気すぎると言わざるを得ない。
まあ、あの黒服が、真っ赤になって大いに焦る姿という世にも珍しい物もみれた事だしそれは大目に見る事にしよう。
さて、こうして倒れている間に手に握りしめていたため若干汗で湿った鏡の中を見ると、ご先祖様と幽霊少女が
俺の直ぐ近くで、なにやら妙な紙を広げて読んでいるのが見えた、何だ?
「あ、やっと起きた、おっそいわよ馬鹿、気持ち悪い仕草で何時間も地面の上をのたうち回ってるんじゃないわよ馬鹿」
打てば響くような罵詈雑言、それが今まで苦しんでいた人間に対する第一声かこの糞ガキ…怒りを通り越して何かに変身しそうです。
まあ、某太郎さんと違うので変身なんぞ出来ない俺は、幽霊少女のこめかみがある辺りに両拳を当ててグリグリと捻るように動かす。
相手は幽霊の為感触は無いが、幽霊少女自信には効果があるのか
「あうぐぐぐぐ、痛いたいたい…やめ、あたたたたっ!?」
などと意味不明な言葉を発しながら涙目になっている、ふむ、これってもしかしてエロイ事もできるんじゃね?
とか、アホな事を考えていると、どうやってか俺の煩悩を察知したのか、妙にドス黒い触手を俺の首に巻き付けながら
いつもの三割増しのニコニコ笑顔を向けてくる。
ご先祖様の姿が俺の眼前に存在した、ていうかご先祖様、実体化してるし、これ本気で怒ってる?
「マジすいません、超冗談です」
そう言いながら平謝りする俺に向けて、ご先祖様はあきれたような表情でこちらに、先ほど見ていた妙な紙を渡してくる、ふむ?
渡された紙をのぞき込むと、そこには「夢の国」のパレードがこの学校町全体で行われるという事がまことしやかに書かれていた。
「「夢の国」か、こいつら自身には興味はないが…しかし「組織」はこいつらの所為で打撃を受けている、これはむしろチャンスになり得るかもしれんな」
考える。この町全体を巻き込む大パレード、この未曾有の大事件に「組織」は全勢力を結集するだろう、もしかしたら「組織」の「首領」すら表に現れる可能性がある。
ならば、その時、俺がそいつを押さえれば「組織」の暗部、「鮫島事件」に手が届くかもしれん……。
夕日が沈みゆく空を見上げる、赤の消えゆく世界を眺める。
「時が来た、という事なのか? 今この時が……まだ、準備不足だというのに……だが……」
ポケットの中から、十円玉を取り出す、いつも肌身離さず持つギザ十。
蛍の光の音楽と共に閉園を知らせる放送が園内を鳴り響く中、俺は鈍く光る硬貨を指で空に向かって弾く。
数秒後、開いた手のひらの上に佇む十円玉を見た俺は、一つ無言で頷くと携帯を取り出しある番号をコールした。
隣で表情を無くしたご先祖様と、戸惑うような顔で俺を見上げる幽霊少女を、意図的に視界から外しながら
俺は、3コール目で出た、電話越しの相手に向かって声をかける。
「ああ、もしもし……俺だ、そうだ始まるぞ、少し早いが待ち望んだ舞台の幕がもうすぐ上がる、心の準備はオーケーか?」
そうか、なら始めよう。
全ての役者が揃う舞台の中、招かれざる俺たちは舞台の袖で踊り狂おう。
舞台は学校町、役者は全ての都市伝説、狂った道化師は俺自信。
そして、舞台の裏で道化師と共に踊るのは、道化師が作り出した歪な歪な繰り人形。
「あぁ…今からとても楽しみで、待ちきれずに気が狂ってしまいそうだ、お前もそうだろう、なあ……」
「マジすいません、超冗談です」
そう言いながら平謝りする俺に向けて、ご先祖様はあきれたような表情でこちらに、先ほど見ていた妙な紙を渡してくる、ふむ?
渡された紙をのぞき込むと、そこには「夢の国」のパレードがこの学校町全体で行われるという事がまことしやかに書かれていた。
「「夢の国」か、こいつら自身には興味はないが…しかし「組織」はこいつらの所為で打撃を受けている、これはむしろチャンスになり得るかもしれんな」
考える。この町全体を巻き込む大パレード、この未曾有の大事件に「組織」は全勢力を結集するだろう、もしかしたら「組織」の「首領」すら表に現れる可能性がある。
ならば、その時、俺がそいつを押さえれば「組織」の暗部、「鮫島事件」に手が届くかもしれん……。
夕日が沈みゆく空を見上げる、赤の消えゆく世界を眺める。
「時が来た、という事なのか? 今この時が……まだ、準備不足だというのに……だが……」
ポケットの中から、十円玉を取り出す、いつも肌身離さず持つギザ十。
蛍の光の音楽と共に閉園を知らせる放送が園内を鳴り響く中、俺は鈍く光る硬貨を指で空に向かって弾く。
数秒後、開いた手のひらの上に佇む十円玉を見た俺は、一つ無言で頷くと携帯を取り出しある番号をコールした。
隣で表情を無くしたご先祖様と、戸惑うような顔で俺を見上げる幽霊少女を、意図的に視界から外しながら
俺は、3コール目で出た、電話越しの相手に向かって声をかける。
「ああ、もしもし……俺だ、そうだ始まるぞ、少し早いが待ち望んだ舞台の幕がもうすぐ上がる、心の準備はオーケーか?」
そうか、なら始めよう。
全ての役者が揃う舞台の中、招かれざる俺たちは舞台の袖で踊り狂おう。
舞台は学校町、役者は全ての都市伝説、狂った道化師は俺自信。
そして、舞台の裏で道化師と共に踊るのは、道化師が作り出した歪な歪な繰り人形。
「あぁ…今からとても楽しみで、待ちきれずに気が狂ってしまいそうだ、お前もそうだろう、なあ……」
「太郎さん?」